CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
ハナビラ色々

こちらはハナビラタケ。

hnbrtk2019 (3).JPG

hnbrtk2019 (2).JPG

 

岐阜県旧荘川村の某所、モミの木の根元に
大きな塊がまるで其処に置かれた様に生えていた。

hnbrtk2019 (4).JPG
ハナビラタケは食キノコ。
近年では栽培品も売られている。
 
ハナビラタケの名はその見た目から。
この個体は淡褐色だが、もっと色の薄いタイプだと
白い花びらが一塊になった様だ。

hnbrtk2019 (8).JPG

hnbrtk2019 (5).JPG

 

因みに栽培品はかなり白いので

「ハナビラタケ」の商品名により似合う様に

色の白い系統を選抜しているのだと思われる。

                   Mマートさんのサイトより引用

 

真っ二つに切るとこんな感じ。

hnbrtk2019 (7).JPG

hnbrtk2019 (10).JPG

幹状の部分を中心にハナビラが広がっているのが判る。

断面に年輪の様な縞模様が見えているが、これが本当に年輪の様に

成長速度の違いを表しているのかどうかは不明。

 

因みにこの時はホイル焼きで食べた。

hnbrtk2019 (6).JPG

(゚д゚)ウマー

 

こちらは老菌。

hnbrtk2019 (11).JPG

hnbrtk2019 (12).JPG
採り頃を過ぎるとこんな感じなのだなぁ。

また来年、遭遇出来たら良いなぁ。

  
 
こちらはハナビラニカワタケ。

hnbrnkwtk2019 (4).JPG

hnbrnkwtk2019 (1).JPG

hnbrnkwtk2019 (3).JPG

色の個体差はかなりあるが、赤みがかった淡い色が多い。

 

こちらはやや古い個体。

hnbrnkwtk2019 (2).JPG

若干萎れかけている。

 

こちらは更に古い個体。

hnbrnkwtk2019 (5).JPG

一部、溶け始めている。

 

こちらは更に古い個体。

hnbrnkwtk2019 (8).JPG

hnbrnkwtk2019 (9).JPG

殆ど溶けている。

 

その10日後。

hnbrnkwtk2019 (12).JPG

どんどん溶けている。

 

更に17日後。

hnbrnkwtk2019 (11).JPG

最末期。

経過観察していたからこれがハナビラニカワタケな事は判るが

これだけにいきなり遭遇したら何が何だか判らないよなぁ。

 

こちらは古くなった上に

乾燥して萎びている状態だと思われる。

hnbrnkwtk2019 (6).JPG

hnbrnkwtk2019 (7).JPG

 

こちらは古くなって萎びかけなのか、

生え始めだけど乾燥してしまったのかは不明。

hnbrnkwtk2019 (10).JPG

 

こちらは発生初期。

hnbrnkwtk2019 (13).JPG

別の種類のキノコ(例えばモモイロダクリオキン→こちらにも見えてしまうが

近くに別のハナビラニカワタケがあったので

これが発生初期の状態と考えて良いだろう。


ハナビラタケと名前もパッと見も似ているが、実は全く別の種類。

ハナビラタケは分類学的に言うと

 菌界
  └担子菌門
    └ハラタケ鋼(真正担子菌鋼)
      └タマチョレイタケ目
        └ハナビラタケ科
          └ハナビラタケ属
            └ハナビラタケ

 

ハナビラニカワタケは
 菌界
  └担子菌門
    └シロキクラゲ鋼(異型担子菌綱)
      └シロキクラゲ目
        └シロキクラゲ科
          └シロキクラゲ属
            └ハナビラニカワタケ

 

と、「鋼」から違っている。
「鋼」が違うと言う事は「ヒト」を基準に考えた場合、
脊椎がある事が共通しているだけで
「ヒト」と「魚」「カエル」「キリン」位の遠さと言える。

他人の空似、と言った所だろう。

 

因みに、「鋼」の名前にもなっているシロキクラゲはこちら。

hnbrtk2019 (1).JPG

ぱっと見はハナビラニカワタケに確かに似ている。

白いハナビラタケの方が似ているとも言えるが

実物で比較するとシロキクラゲの方は透明感がある点が違う。

 

ハナビラタケに比べるとハナビラ部分に厚みがあるのが

外見的な大きな違いだ。

ただ、ハナビラタケは淡褐色〜灰白色だが
ハナビラニカワタケは赤みがかった色合いで、

個体によってはそれこそ花の様に綺麗なので
どちらかと言えばハナビラニカワタケの方が

花びらぽいと言えてしまいかねないのがややこしい所だが。

 

因みにハナビラニカワタケは食べられる。
一度だけ食べた事があるが、柔らかいキクラゲの様だった記憶がある。
図鑑には「良い出汁が出る」とあったが
当方はその時は特にそう感じなかった。
ひょっとしたら雨に当たって

風味が抜けてしまっていた個体だったのかもなぁ。

 


こちらはクロハナビラニカワタケ。

krhnbrnkwtk2019 (3).JPG

krhnbrnkwtk2019 (4).JPG

krhnbrnkwtk2019 (5).JPG

分類学的に言うと

 菌界

  └担子菌門
    └シロキクラゲ鋼
      └シロキクラゲ目
        └シロキクラゲ科
          └シロキクラゲ属
            └クロハナビラニカワタケ

 

ハナビラニカワタケと「属」まで一緒なので
「ヒト」を基準に考えた場合、
ネアンデルタール人や北京原人くらいの違い、
獣で言えばライオンとジャガー、虎ぐらいの違いだ。
かなり近いと言える。

 

だが、実際に見てみると
クロハナビラニカワタケはハナビラニカワタケに比べると
シロキクラゲの仲間と言う程には厚みを感じない。
薄さの点ではハナビラタケに近いと言える。
だが、分類学で言うと「ヒト」と「魚」くらいに遠いのだ。
ホント、キノコは難しいなぁ。

 

尚、ハナビラニカワタケとクロハナビラニカワタケは

実は同一の種類なのだと主張する研究もある、との事。

ますますもって、良く判らないw

 

クロハナビラニカワタケの裏側はこんな感じ。

krhnbrnkwtk2019 (6).JPG

krhnbrnkwtk2019 (7).JPG

断面は撮っていないので厳密には比べられないのだが
ハナビラタケの様に「幹」に当たる部分は無く
一点の根元からワサワサ分岐している様だ。
その点では確かにシロキクラゲと共通している。

 

こちらはやや古いクロハナビラニカワタケ。

krhnbrnkwtk2019 (1).JPG

全体に萎び始めている。

 

こちらはかなり古い個体。

krhnbrnkwtk2019 (2).JPG

殆ど溶けてしまっている。

近くに別のクロハナビラニカワタケがあったので

それの末期的な個体だと判断したのだが

勿論そうだと断言出来る訳では無い。

 

因みにクロハナビラニカワタケは食毒不明との事。
近縁には食べられる種類が多いので
クロハナビラニカワタケも可食の可能性が高い。
実際、クロハナビラニカワタケの可食と書いているサイトもあったが
少なくともweb上では試食例を見付けられなかった。

 


こちらはクロハナビラタケ。

krhnbrtk2019.JPG
名前は上記の種類と似ているが外見はかなり違っている。
上記の3種はカリフラワー状にワサワサしているのだが
こちらは皿状の物が群生している、と言った感じ。
暗い場所に発生していて、黒い小さなキノコだった為に
当方の技術では上手く撮影出来無かったのが残念だった。

 

因みに分類学的には

 菌界

  └子嚢菌門
    └ズキンタケ鋼
      └ビョウタケ目
        └ビョウタケ科
          └クロムラサキハナビラタケ属

           (クロハナビラタケ属)

            └クロハナビラタケ

 

何と「門」から違っている。

「門」が違うと言えば「動物(生物)」と言う点で共通しているだけの
「ヒト」と「ウニ」「ミミズ」「カブトムシ」くらい程遠い。
それなのに、こんな似た名前と言うのもどうなのかなぁ。


因みに、クロハナビラタケの上位の括りはビョウタケ目。

その名の基準となっているビョウタケはこちら。

bytk2019.JPG

正に、画鋲を刺したような外見だ。

 

大枠の形で言えば確かにクロハナビラタケは

ハナビラタケやクロハナビラニカワタケに比べると

ビョウタケの仲間の方だ、と言うのはお判り頂けるだろうか。


さて、このクロハナビラタケは毒キノコとの事。
中国名では「毒木耳」、つまり「ドクキクラゲ」と言う由。
その名の通り、キクラゲと間違えて食べてしまった為に

中毒してしまった人が居たのだろう。

因みにキクラゲはこちら。

kkrg2019.JPG
だがクロハナビラタケはキクラゲと比べると一つ一つはとても小さい為
採取も調理する手間も結構な物だと思うのだがなぁ。
その点で違和感を感じなかったのだろうかなぁ。

 

因みにキクラゲは分類学的に言うと

 菌界
  └担子菌門
   └シロキクラゲ綱
     └キクラゲ目
       └キクラゲ科
         └キクラゲ属
           └キクラゲ

 

と、「門」から違うので全く遠い関係と言える。

他人の空似どころでは無いし、そもそもそんなに似ているとも思えない。

 

でもまぁ、クロハナビラタケの事を予め知らなかったら
「これは小さなキクラゲだ!」と思い込んでしまうかもなぁ。
そう思い込まないとこれを食べようとは中々思わないよなぁ。
と言うのは当方の想像でしか無いのだけれど。

 

それはともかく、そうやって食べた人が居たからこそ
クロハナビラタケが毒キノコである事が判った訳で。
だから当方はクロハナビラタケを

うっかり食べずに済んでいる訳で(かな?)。


クロハナビラタケが毒キノコだと言う事を
身をもって証明してくれた人、どうも有難う!

 

 

 

所で「毒キノコ」と言えば
この度菌友・畏友で日本唯一のキノコライター・堀博美氏が
『毒キノコに生まれてきたあたしのこと。』と言う本を上梓した。

タイトルの通り、全編が毒キノコについての本。

44種の毒キノコについてデータと事例を踏まえたエッセイ集。
ヒグチユウコ氏のカバーがまた素晴らしい。
恐縮する事に、資料を提供した縁で当方の名前も出して頂いているし
データの一つとして当方のこのキノコblogも一部引用して頂いている。

 

とにかく全編毒キノコの事が詳細に、
そしてとても読みやすく纏められているので
これを読めばあなたも毒キノコのエキスパートに???

 

一家に一冊、是非(・∀・)つドゾー(amazonのサイト→こちら

 

また、発売記念イベントも開催される由。

そちらも是非(・∀・)つドゾー(Loft PlusOne Westのサイト→こちら

 

 

※本文中の分類学的位置付け部分は2019年10月現在の物です。

 今後、表記や内容が変わる可能性もあります。

 


にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

 

| 複数 | 00:26 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
釈迦

こちらの画像はシャカシメジ。

sksmj2008 (1).JPG

飛騨市、旧荘川村の某所の斜面に発生していた。

 

遠景はこんな感じ。

sksmj2008 (2).JPG

斜面の窪みの中に、まるで其処に置かれたかの様に発生していた。

 

シャカシメジはキノコ好きの間では有名な食菌だ。

余程優秀な食菌と言う事なのか、

大概のキノコ図鑑に掲載されている。

まぁ、似た外見の毒キノコが無い(多分)と言うのも

図鑑に掲載しやすい理由の一つなのかな。


山渓カラー名鑑『日本のきのこ』によると

シャカシメジは一度発生すると同じ場所に生え続ける、との事。

だが、その年によって気候は違っている。

気温や雨量、風の変化で、

去年と今年が全く同じ気候の推移と言う事はあり得ない。

年に一度、夏休みと言う決まった時期の数日しか訪れないこの場所で

毎年遭遇するとしたら奇跡以外有り得ないだろう。

 

実際、この場所には20年以上通い続けているが

シャカシメジに遭遇出来たのは5回のみ。

それも、全く同じ場所では無く、微妙にポイントが違っている。

この界隈にはシャカシメジの発生ポイントが幾つかある様だ。

 

となると、この付近全体がシャカシメジの発生坪だ、

と言う事になるのだろうかなぁ。

この近辺に住んで通い続ければ毎年幾つものシャカシメジを

収穫出来る事になるのかも知れないよなぁ。

その為だけに此処に移り住む事は出来無いけどw

 

 

因みに、上掲画像は2008年撮影の物。

こちら↓は最初に遭遇した2004年撮影の物。

sksmj2004 (1).JPG

 

こちらは収穫後に撮影した物。

sksmj2004 (2).jpg

如何に密集して発生して居るかが判る。

 

こちらは2005年。

sksmj2005.JPG


こちらは飛んで2012年。

sksmj2012 (1).JPG

sksmj2012 (3).JPG

sksmj2012 (4).JPG

sksmj2012 (2).JPG

この時はタイミングが良かったのか、3つの株を収穫出来た。

 

こちらは2016年。

珍しく2012年と同じ場所で遭遇出来た。

sksmj2016 (2).JPG

 

下の株はやや育ち過ぎか。

sksmj2016 (4).JPG

食べれない事も無いかも知れないがスルーで。

また来年以降に向けて胞子を撒いて貰おう。

 

上側には大小3つの株が。

sksmj2016 (3).JPG

 

一番右の株はこの大きさ。

sksmj2016 (6).JPG

 

根元は菌糸の塊になっている。

sksmj2016 (7).JPG

この部分はキノコ本体とはまた違った歯触りで美味しいとの事。

 

大きい株のみを採ったのだが、掘り取りの際に割れてしまった。

折角なので、シダを添えて映えさせてみた♪

sksmj2016 (10).JPG

そしてこれは菌友に。

美味しく食べてくれた由 (^-^)

 

その近くにこんな状態の物が。

sksmj2016 (8).JPG

sksmj2016 (9).JPG

これは育ち過ぎを通り越してかなりの老菌。

既に溶け始めている様子。

かなり急な斜面の上の方だったので

思い切りのズームで撮影したのだが当方のカメラではこれが限界。

近付いて撮影出来無かったのは残念だった。

 

図鑑にしてもwebにしても

キノコ画像を掲載する時にはどうしても綺麗な物を選んでしまう。

図鑑は基本的に、その種類の典型的な、

一番良い状態の物を取り上げざるを得ないので仕方無い。

webの場合も、判りやすい状態の物を採用するし

綺麗な画像を選んで自慢したい旨もあるので(だよね?w)

こう言う溶けかけの老菌を掲載する人もまず居ない。

当方も今迄、まるで図鑑にある様な

若い状態のシャカシメジにしか遭遇して居なかったので

老熟した株がこんな感じになるとは考えてもみなかったなぁ。

その必要も無かったしw

 

これは大きな株だったので、

これだけ崩れていてもシャカシメジである事は推察出来たが

もっと小さな株だったりしたら

それが老熟したシャカシメジだと判断出来無かったかも知れない。

その点はラッキーだった。

これで今後、老熟してたり溶けている状態の物を見ても

シャカシメジの判断は出来る様になったと思うよ。

だから何?と言われたらそれまでだけど。

 

 

さてこのシャカシメジ、別名は「センボンシメジ」。
上掲画像の様に沢山のキノコが密集しているので「千本シメジ」だ。
名は体を表すと言った感じで、実に判りやすい呼び名と言える。
だが、標準和名はそれにはならず「シャカシメジ」。
漢字で書くと「釈迦占地」となる。

 

「占地」は元々は地面に群生するキノコの総称。
ただ、今では群生しない種類でも
「〜シメジ」と名付けられている物も多い。

では「釈迦」は。


これは仏教の開祖、お釈迦様から来ている。
シャカシメジの小さな傘が密集している状態を
お釈迦様の頭の螺髪(ラホツ)に見立てているのだ。
螺髪とは、例えば大仏様の頭のあのブツブツの事。

        いらすとやフリー素材より
決してこれはパンチパーマなのではない。

 

 話は脱線するが。
 今時はパンチパーマの人も中々居ないからナウなヤング(←)には通じないかもなぁ。
 パンチパーマが出来る理髪師も少なくなっているらしいし。
 今の10代に伝えるとしたら超ショートのドレッドヘアー、の方が通じやすいかもなぁ。

 

面白い見立てだが、何故わざわざお釈迦様の頭にしたのかなぁ。
センボンシメジの方が判りやすいと思うのだけどなぁ。
センボン〜て名前のキノコは他にもあるのだし。
他のセンボン〜のキノコは不食菌が多いのでそれと間違えない様に
美味しいキノコであるシャカシメジを区別したかったのかなぁ。
まぁ、命名者に聞かないと判らない所。

 

ただ、密集して生えるから「センボンシメジ」にした場合、
同じ様に密集した発生の仕方をするニオウシメジと
画面上は区別が付き難いから敢えて変えたのかも知れない。
因みにニオウシメジはこちら↓。

sksmj1.jpg

                 ブログきのこ三十郎さんのサイトより引用


サムネイルで見るとシャカシメジと大差ないが大きさが決定的に違う。

sksmsj2.jpg

                              ブログきのこ三十郎さんのサイトより引用

大きいのを仁王様にしたから
小さい方はお釈迦様(の頭)にしたのかなぁ。

 

と思ったので色々調べてみた所、

「センボンシメジ」は江戸時代のキノコ図鑑と言うべき

坂本浩然による『菌譜』の記述に由来しているとの事。
1954年刊行の川村清一著『日本菌類図鑑』でもそれを踏襲している。
だが、1957年刊行の本郷次雄著『原色日本菌類図鑑』では
「シャカシメジ」で掲載されている。
その辺りで和名が変更された様だ。

 

そして『日本産菌類集覧』によると
「ニオウシメジ」の命名・登録は1981年との事。

順番は逆だった。
何故「釈迦」にしたのかは結局判らなかったよ・・・・・・

 


さて、先にも書いたが、「シャカシメジ」の名は
お釈迦様の螺髪を由来としている。
では、お釈迦様は何故あの頭なのだろうか。

それは、お釈迦様、つまり仏様は悟りを開いた特別な人なので
他の一般人とは外見から違う物なのだ、と言う思想が元になっている。
その沢山の差異を纏めて「三十二相八十種好」と言う。


詳細は検索して頂きたいが
悟りを開くと色々な身体変化が現れるのだ、と言う。

仏像はそれを元に形作られている。
曰く「足は偏平足になって足の裏に輪相と言う
   めでたい模様が現れる(これが仏足石の由来)」、
曰く「指の間に水かきが出来る」etc・・・・・・
そして「体の全ての毛の先端が全て上になびき、右巻きになる」
と言うのがあり、螺髪はそれを表現している次第。

 

所で、仏像には色々な種類があるが
無理やり大きく分けると「如来」と「菩薩(及びその他)」となる。
「如来」とは「悟りを開いた人」の事。

お釈迦様もこちらに含まれる。
「菩薩」とは「まだ悟りを開いていない人」の事で
「悟りを開けるけれど、敢えて悟りを開かないで
民衆を救う為に我々の側に居る」と言う立場を差す。
悟りを開いてしまうと「あちら側の世界」に行ってしまうので
敢えて「こちら側の世界」に留まってくれているのだ。

 

菩薩やその他の仏像は悟りを開いていない為に
装飾品を身に付けていたり、色々な衣装まとっていたり
更には色々なグッズを手にしているのだが
如来は悟りを開いた、つまりあらゆる欲望から解脱しているので
身なりは極めてシンプル。
装飾品は一切身に着けず、衣装もあっさりとしている。
つまり螺髪頭の人は欲望にまみれてはいけないのだ。

 

と、仏教の話を長々として来たのだが
何が言いたいのかと言うと

 

 「欲望を解脱したお釈迦様」を命名の由来としているのに
 シャカシメジは美味なキノコゆえに
 キノコ探索者の欲望を刺激してしまっているよなぁ

 

と言う事。
シャカシメジの命名者は其処までは考えてなかったのだろうな、と。


当方も今後シャカシメジに遭遇出来たら
欲望に忠実に行動する事にするよ( ̄∀ ̄)

 

 

 


にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

 

 

| キシメジ科 | 00:08 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
今度はちゃんと

昨年、タンポタケモドキについての記事を書いた(→こちらこちら)。

当初はタンポタケモドキでは無くハナヤスリタケと思い込んで記事にし、

後に反省と言い訳を記事にしたのだ。

その時にハナヤスリタケと誤認するのではなく

 

 「これはタンポタケモドキだ!」と認識した上で採取したい

 

と書いた。

 

で、今年の初夏。

その場所を探索し、遭遇したのがこれ。

2019tnptkmdk1 (1).JPG

これはタンポタケモドキだ。

今度こそタンポタケモドキだ。

 

早速掘り出してみる。

2019tnptkmdk1 (2).JPG

2019tnptkmdk1 (3).JPG

立派なタンポタケモドキだ。

 

泥を落とすとこんな感じ。

2019tnptkmdk1 (5).JPG

 

子実体部分のアップ。

2019tnptkmdk1 (4).JPG

柄が絡み合う様な状態。

不思議な造形だ。

 

 

近くに別の個体が。

2019tnptkmdk2 (1).JPG

2019tnptkmdk2 (2).JPG

これもまた立派なタンポタケモドキ。

 

泥を落とすとこんな感じ。

2019tnptkmdk2 (4).JPG

2019tnptkmdk2 (5).JPG

 

 

裏を返すとツチダンゴ部分に大きな穴が。

2019tnptkmdk2 (3).JPG

掘り出した時に壊してしまった様子。

因みに1円玉は大きさの比較用。

 

その部分をアップに。
2019tnptkmdk2 (7).JPG

ツチダンゴの中身はこんな風になっているのだなぁ。

壊してしまったのは残念だが、これはこれで面白いw

 

 

更にこんな個体も。

2019tnptkmmdk3 (1).JPG

2019tnptkmmdk3 (2).JPG

これもまた立派なタンポタケモドキ。

 

泥を落とすとこんな感じ。

2019tnptkmmdk3 (3).JPG

子実体部分がまた更にゴチャゴチャしてる。

 

これもまたツチダンゴ部分に大きな欠損が。

2019tnptkmmdk3 (4).JPG

掘り出した時に割ってしまっていたよ・・・・・・

 

欠けた相方はこちら。

2019tnptkmmdk3 (6).JPG

 

合わせてみるとこんな感じ。

2019tnptkmmdk3 (5).JPG

2019tnptkmmdk3 (7).JPG

まぁ、これはこれで面白いか。

 

 

 

所で、撮影して居て

昨年のタンポタケモドキと微妙に違う点に気付いた。

こちらは昨年の物。

hnysrtk180930 (11).JPG

 

こちらは今年の物。

2019tnptkmdk1 (5).JPG

光の加減等で写り方が違ってしまっているが

それだけでは無い差異がある。

 

一つは柄の部分の色合い。

昨年の物はクリーニング後の撮影時には赤っぽくなっているのだが

hnysrtk180930 (7).JPG

 

今年の物はそうなっていない。

2019tnptkmdk1 (4).JPG

昨年もこれだったら

ハナヤスリタケと間違う事は無かったろうになぁ(かな?)。

 

因みに昨年の物は乾燥標本にしてあるのだが、

それがこちら。

2019tnptkmdk-2018.JPG

全体に色が薄くなっているのだが

特に柄の部分の赤みが抜けてしまっている。

となると、あの赤みがかったのは

一時的な現象だったのかなぁ。

混乱させてくれるよなぁ・・・・・・

 

 

それと、ツチダンゴ部分の状態。

昨年の物はツチダンゴの表皮が綺麗に現れているが

hnysrtk180930 (6).JPG

 

今年の物は植物のひげ根の様なものに覆われている為に

黒く見えている。

 

しかもそれはツチダンゴに強く貼り付いていて

中々剥がれなかった。

なので、無理に剥がすのを辞めた次第。

 

この違いは何なのだろうなぁ。

昨年のと今年のとで、発生場所も発生時期も同じなのだが

系統差か何かでこう言う差異があるのかなぁ。

良く判らない。

謎だ・・・・・・

 

 

それと、昨年掘り出していた時には気付かなかった事。

こちらの画像に写り込んでいるが

タンポタケモドキの周囲の苔の下には白い菌糸が見えている。

2019tnptkmdk1 (2).JPG

2019tnptkmdk-under (2).JPG

 

こちらはタンポタケモドキが無かった部分の苔の下。

2019tnptkmdk-no (1).JPG

特に白い物は見当たらない。

と言う事は、あの菌糸は矢張り

タンポタケモドキの物だったのだなぁ。

こんなにも周囲に菌糸を巡らせているとは思わなかった。

昨年は掘り出しに夢中になって其処まで気が回らなかったよw

 

 

それにしても昨年今年と、

この場所で遭遇したタンポタケモドキは子実体が派手だ。

図鑑や画像検索しても子実体は一本だったり

tnptkmdk-05.jpg

            (山渓カラ―名鑑 日本のきのこ』山と渓谷社刊より)

 

多い物でもこんな感じだが

tnptkmdk-06.jpg

                       (『冬虫夏草生態図鑑』誠文堂新光社刊より)

 

こんな状態の物は無かったよ。

2019tnptkmmdk3 (3).JPG

この場所で発生するタンポタケモドキは特に派手な様だ。

ここまで子実体をゴチャゴチャさせる理由は何なのだろう。

名古屋人は派手好きだと言うが徳川宗春時代からの伝統を

菌類も受け継いでしまっているのだろうかなぁ。

謎だw

 

 

所で今回、タンポタケモドキを

ちゃんと認識した上で遭遇出来たのが嬉しくて

その時にあった3体全てを掘り出してしまった。

そのお蔭で子実体がこんな色々な形なのを知る事が出来たのだが

掘り出したのはまぁ、其処までは良いとして

全て持ち帰る必要は無かったよなぁ。

一つくらいは現場に残しておくべきだったなぁ。

冷静さを欠いてしまっていた。

ちょっと反省。

この事によってこの場所のタンポタケモドキが

絶えてしまわない事を祈るのみ。

 

でも、今後も遭遇出来たとして

掘り出さず、持ち帰らずにいられる自信は無いなぁ・・・・・・

 

 


にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

| 子嚢菌類 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2019名古屋ヤマドリタケモドキ事情

今年の名古屋の梅雨は初めこそ雨が降ったのだが

それ以降は日照り続き。

今年も空梅雨かなぁ。

愛知県東部では貯水ダムが底を尽き

取水制限も、なんてニュースが流れたりもしたし。

 

例年、名古屋のヤマドリタケモドキは

6月下旬がシーズンなのだが

その時期には全く発生を見なかった。

今年はダメかもしれないなぁ・・・・・・

 

と諦めていた所、7月中旬になって雨が続いた。

正に恵みの雨。

かなり時期はズレたが果たして出てくれただろうか。

期待と不安を胸にフィールドへ。

 

と、出てくれていた!

ヤマドリタケモドキは今年も出てくれた!

ymdrtkmdk2019 (5).JPG

 

 

以下、ズラズラと画像を列挙し、ダラダラと記述。

 

 

早速柄を切り取ってみる。

と、こんな状態・・・・・・

ymdrtkmdk2019 (6).JPG

ヤマドリタケモドキの発生を

心待ちにしていたのは当方だけでは無い。

当方は自分の趣味の為にヤマドリタケモドキを待っていたのだが

キノコバエなどにしてみたら

それこそ「生死を賭けて」待ち望んでいたのだ。

そりゃぁ、生えて来たら「それっっっ!!」とばかりに

繁殖しようとするよなぁ。

それを、こんな風に邪魔されたら堪ったもんでは無いだろう。

実に申し訳ない。

 

とは言え、矢張り当方は自分が食べる為に収穫をしたい。

なので、食べられる部分が無いかを探る為に柄を更に切ってみる。

ymdrtkmdk2019 (7).JPG

右側は傘にまで虫の喰い痕がはびこっているが

左側の方は傘の部分にはまだ虫は来ていない様子。

なので左側のみ持ち帰る事に。

右側のもこんな風に切られては虫的にはとんだ災難だろうなぁ。

人間とはなんと傲慢なものか(棒

 

こちらでは一直線に5本並んでいた。

ymdrtkmdk2019 (8).JPG

菌輪の一部なのかもなぁ。

 

その内の3本を切ってみるとこんな状態。

ymdrtkmdk2019 (9).JPG

ymdrtkmdk2019 (10).JPG

これはダメだったなぁ。

幼虫達にしてみたらただもう棲み処を荒らされて

それこそ死に目に会わされただけ。

可哀想だよなぁ(棒

 

こちらには小さなヤマドリタケモドキが点々と。

ymdrtkmdk2019 (11).JPG

ymdrtkmdk2019 (12).JPG

こんなに小さいからなぁ。

これはこのままにして置こう。

 

と思ったけど、2日後に様子を見に行ったら

こんな状態になっていた。

ymdrtkmdk2019 (13).JPG

こんなに立派になるとは思わなかったw

なので当然収穫する事に。

 

こちらはどれもダメそうだなぁ。

ymdrtkmdk2019 (14).JPG

ymdrtkmdk2019 (15).JPG

ymdrtkmdk2019 (16).JPG

と思ったら、意外に使えそう。

勿論収穫♪

 

これはまた柄に比べて傘の小さな個体。

これはどうだろうか。

ymdrtkmdk2019 (1).JPG

ymdrtkmdk2019 (2).JPG

ymdrtkmdk2019 (3).JPG

ymdrtkmdk2019 (4).JPG

うーん、手遅れ。

 

こちらの大きな個体は

傘と柄の繋ぎ目部分に既に虫に喰われた穴があったので

切って見る事も無く断念。

ymdrtkmdk2019 (17).JPG

と言うか、放置。

 

これも見るからにダメそうだ。

ymdrtkmdk2019 (18).JPG

当然放置。

 

これはイケるかな?

ymdrtkmdk2019 (19).JPG

と思ったのだが

柄を触ったら中身がスカスカな感触だったので断念。

 

これはまた傘が妙にこじんまりしてる。

ymdrtkmdk2019 (20).JPG

こう言う異形的な物は経験的に収穫に適さない場合が殆どなので

確認もせずに収穫断念。

 

これは良さそうな感じ。

ymdrtkmdk2019 (21).JPG

ymdrtkmdk2019 (22).JPG

傘の部分は何とか使えそう。

 

こちらはどうか。

ymdrtkmdk2019 (23).JPG

ymdrtkmdk2019 (24).JPG

ymdrtkmdk2019 (25).JPG

これも傘の部分は使えそう。

 

こちらは収穫期は完全に過ぎてる感じ。

ymdrtkmdk2019 (26).JPG

ymdrtkmdk2019 (27).JPG

この場所でこの大きさのヤマドリタケモドキを見るのは久し振り。

収穫は出来無かったが、

その分胞子を撒いてくれたのだから来年にまた期待。

 

こちらも手遅れ。

ymdrtkmdk2019 (28).JPG

ymdrtkmdk2019 (30).JPG

その分胞子を(以下同文)。

 

こんなチビな個体もあった。

ymdrtkmdk2019 (32).JPG

多分これ以上は成長しないだろう。

成長出来ても異形になりそうだしなぁ。

 

こちらはダンゴムシが摂食中。

ymdrtkmdk2019 (29).JPG

当方含め、本当に色々な生物達が

ヤマドリタケモドキを待っていた訳なのだよなぁ。

 

 

ここからはアカヤマドリ。

アカヤマドリも同時期に発生するキノコだ。

以前は当方のフィールドではあまり遭遇してなかったのだが

ここ数年、発生が多くなった様に感じている。

 

こちらでは並んで発生して居た。

akymdr2019 (1).JPG

akymdr2019 (2).JPG

akymdr2019 (3).JPG

だが虫喰いが激しい。

左側の傘部分は何とか使えそうか。

 

こちらは傘表面の食害が激しい。

akymdr2019 (4).JPG

リスにでも食べられたのだろうか。

 

内側は更に食害が激しい。

akymdr2019 (5).JPG

akymdr2019 (6).JPG

使える部分は全く無かった。

 

こちらはどうか。

akymdr2019 (7).JPG

akymdr2019 (8).JPG

akymdr2019 (9).JPG

akymdr2019 (10).JPG

これもダメだったなぁ。

 

こちらは既に採り頃は過ぎている。

akymdr2019 (12).JPG

その分胞子を(以下略)。

 

こちらはどうか。

akymdr2019 (13).JPG

akymdr2019 (14).JPG

何か表面が妙な状態だ。

中身も当然ダメだろう。

なのでこれ以上切らずに放置。

中々使えそうな物に遭遇出来ないなぁ。

 

と思って居たらこんなに立派な個体に。

akymdr2019 (20).JPG

akymdr2019 (18).JPG

akymdr2019 (19).JPG

 

切って見たが、食害も殆ど無い。

akymdr2019 (21).JPG

いや、これは有り難い。

勿論、喜んで収穫。

 

更にこんな物も。

ド──────────ン!

akymdr2019 (15).JPG

 

ドド──────────ン!

akymdr2019 (16).JPG

 

ドドド──────────ン!

akymdr2019 (17).JPG

いやぁ、これはまた素晴らしい♪

これだけで今年の夏キノコの収穫は満足出来た♪

 

 

例年より3週間遅れだったが

なんだかんだでそれなりに収穫があったなぁ。

いやぁ、良かった良かった。

とは言え、贈答用に出来る物は殆ど無かったので

全て自家消費する事に。

 

早速調理。

akymdr2019 (23).JPG

小さい物、形の悪い物をスライス。

 

更に細かく切って。

akymdr2019 (24).JPG

 

オリーブオイルで炒める。

akymdr2019 (25).JPG

 

生クリームと牛乳で伸ばす。

akymdr2019 (26).JPG

 

パスタに絡める。

akymdr2019 (27).JPG

 

映えさせる為にブロッコリースプラウトをトッピング。

akymdr2019 (28).JPG

(゚д゚)ウマ〜♪

 

次の日にはドリアを。

akymdr2019 (29).JPG

赤パプリカを差し色に。

 

溶けるチーズをたっぷり乗せ、パン粉を振りかけて

オーブンで焼き色を付ける。

これにもブロッコリースプラウトをトッピング。

akymdr2019 (30).JPG

これも(゚д゚)ウマ〜♪

正に季節の味わい、季節の贅沢だよなぁ♪

 

残った分はヤマドリタケモドキも含め

スライスして天日干しする事に。

ymdrtkmdk2019 (33).JPG

ymdrtkmdk2019 (34).JPG

akymdr2019 (22).JPG

これでまた当分は楽しめると言う物。

 

 

キノコヌシ様、今年も有難う御座居ました。

また来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(-人-) ナム〜

 

 

 

【オマケ】

アカヤマドリの生えていた近くにこんな物が。

一見、アカヤマドリに見えてしまいかねないが

これはオオコゲチャイグチ。

ookgcigc2019 (1).JPG

ookgcigc2019 (2).JPG

オオコゲチャイグチは当方のフィールドでは

9月の発生が多いのだが、初夏に発生する物も少なくない。

それがアカヤマドリの発生時期・発生場所が重なるので

ややこしい事になる。

幼菌の段階ではご覧の様に色合いと形が良く似ているのだ。

アカヤマドリは美味な食キノコだが

オオコゲチャイグチは毒キノコなのだ。

間違えて収穫したらえらい事になる(→こちら)。

なのでどうぞお気を付け下さい。

 

 

まぁ、切ってみたら違いは判るとは思うけど。

それに、このフィールドにアカヤマドリを採取しに来る人が

当方以外に居るとは思えないのだけどね。

 

 


にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

 

| イグチ科 | 15:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
キヌガサタケの事

ある日の事。
悪魔の囁きを聞いた。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


キヌガサタケは「キノコの女王」と言われるとても華やかなキノコだ。
当方、実はキヌガサタケを実見した事が無い。
キヌガサタケは孟宗竹の竹林に発生する、と言う独自の生態を持つ。
だが、当方の行動範囲には孟宗竹の大きな竹林が見当たらない為に
今まで見る機会が無かったのだ。
なので一度は見てみたい、憧れのキノコの一つだったのだ。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


そのキヌガサタケが生えているのを
見に行かないか、とキノコメイトから誘惑されてしまったのだ。
その場所は京都府南部、との事で
当方在住の名古屋からはかなり遠い。
行こうと思ったら新幹線を使うにしてもかなり早起きしなければならない。
だが、今のこの時期に行かないと見れない。
当方の周辺で生えている環境を今シーズン中に見付けられる保証も無い。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


キヌガサタケは見たいなぁ。
でもその場所は何分遠いしなぁ。
相当早起きしないと行けないしなぁ。
交通費もかなり掛かるしなぁ。
どうしようかなあ・・・・・・

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 

「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 

「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


( ・o・)ハッ! と気が付くと
当方は某所の竹林内に立っていた。
つい、悪魔の誘惑に負けてしまったのだ。
事ほど左様にキヌガサタケの魔力は恐ろしい。

そして目に飛び込んで来たのはこんな光景。

kngstk (0).JPG

kngstk (1).JPG

これが憧れのキノコの女王、キヌガサタケだ。

キヌガサタケはご覧の様に大きなレースのマントが特徴的なキノコ。

なので、キノコを擬人化した際には

キヌガサタケはほぼ100%女性として描かれる。

 

その竹林にはキヌガサタケがそこここに生えていた。

kngstk (2).JPG

 

上から見るとこんな感じ。

kngstk (9).JPG

全く不思議な、そして綺麗な形だよなぁ。

 

それにしても本当にいきなりこんなのが竹林の中にあるんだもんなぁ。
これがキノコだと判っていてもびっくりしてしまうよ。
まして、キヌガサタケの事を知らない人がいきなりこれに遭遇したら

怖いとか気持ち悪いとか思っても仕方無いだろうなぁ。

 

こちらは新鮮な個体と、朽ち果てた個体。

kngstk (3).JPG

朽ち果てた方は柄以外が綺麗に無くなっている。

 

こちらの古い個体はレース部分のみが無くなっている。

kngstk (4).JPG

上部にほんの少し残骸が残っている点から見ると

多分、虫やナメクジなどに食べ尽くされたのだろうなぁ。

レース部分は柔らかくて食べやすいのだろうなぁ。

 

こちらは卵(幼菌)の状態。

kngstk (5).JPG

知らなければ爬虫類の卵にしか見えないよなぁ。

 

こちらの卵は孵化?直前なのだろう。

kngstk (6).JPG

外皮が薄くなってキノコ本体の頭頂部が透けて見えている。

 

こちらは頭部を取り去った状態。

kngstk (7).jpg

これを乾燥させた物が中華料理の高級食材、

「竹孫(ツーソン・本字は竹冠に孫)」だ。

頭部が外してある理由は後述。

一度だけ食べた事があるが

ふわふわシャクシャクとした歯触りが何とも言えず

如何にも高級食材!と言う感じだった。

 

所でそのマント部分、軸の長さに対応して

裾がちょうど地面に着く様な長さになっているので

卵の上に枯葉が思いもよらず厚く積もっていたりすると

この様にスカートを引き摺る様な状態になってしまう事もある。

kngstk (11).JPG

 

何か障害物があるとこんなスカートをめくられたみたいな状態に。

kngstk (8).JPG

 

斜めに生えるとマントも偏った状態になってしまう。

kngstk (13).JPG

何か、とても残念な感じだ。

 

折角ならこんな風に綺麗に開いてほしい所だよなぁ。

kngstk (1).JPG

 

さて、このキヌガサタケ。

暗緑色の頭頂部の笠とそれを支える軸(柄)、

そしてレースマント部分(菌網)からなる。

笠の暗緑色部分は胞子を形成する組織(グレバ)で

成熟すると胞子を含んだゲル状になり

これが強烈な悪臭(モロにウ●コ臭)を放つ。

それに誘われたハエにゲルを舐め取らせる事により

胞子を拡散させるのだ。

 

こちらの画像で、笠の暗緑色部分が無くなり

白い地が見えているのはグレバが全てハエに舐め取られたからなのだろう。

kngstk (4).JPG

そのハエ達によって胞子が撒かれた事により

また来年キヌガサタケが生えて来てくれるのだろうなぁ。

 

キヌガサタケを食材にする為には

悪臭のグレバが本体に付かない様に

慎重に取り外さなければならない。

この画像で傘部分が丁寧に取り外されていたのはそれが理由。

kngstk (7).jpg

竹孫は高級食材とは言え、中国や香港では

大袋にガサッと入れられた普及品も売られているのだが

そう言う物はややウ●コ臭がしてたりしている。

多分、グレバの取り外しの際の扱いが雑なのだろうなぁ。

だからこそ一袋ナンボの安価で売られているのだろうけど。

 


竹林の少し奥に行くと
近縁種のアカダマキヌガサタケも生えていた。

akdm (1).JPG

 

アカダマキヌガサタケは卵の部分が暗赤色なのが特徴。

akdm (10).JPG

akdm (5).JPG

 

中にはこんなにアカダマの卵が密集している場所も。

akdm (6).JPG

これが全部開いたらさぞ壮観だったのだろうなぁ。

 

こちらは萎れて倒れた個体。

akdm (7).JPG

この個体にはまだ結構グレバが残っているなぁ。

志半ばで倒れた、感じがしてちょっと寂しい。

 

 

因みにキヌガサタケのグレバはウ●コ臭がするが
アカダマキヌガサタケは臭くない、と言う。

そうなのかぁ、と思って実際にニオイを嗅いでみたら
やはり異様なニオイがする。
当方はそのニオイを
「野菜や大きなキノコが古くなって腐って溶けた時のニオイ」と感じた。
ウ●コ臭とは違うが、それもハエ等をおびき寄せる種類のニオイだ。

 

実際、撮影していた時も

グレバ部分にショウジョウバエがたかっていた。

akdm (8).JPG

矢印を付けてみたが判り難い・・・・・・

 

また、別の個体には撮影中ゴキがやって来た。

akdm (9).JPG

これが、臭気に引き寄せられたからのか、
たまたまなのかは不明。

 

 

所でこのキヌガサタケのレースマントの部分。

何故この様な構造の物があるのかは実は良く判っていないと言う。

グレバはハエ等を呼び寄せ、舐め取らせる為に臭気を放っているが

歩いて来る虫を登らせる為にマントがあるのだ、と言う説もある由。

だが、アカダマキヌガサタケのマントはキヌガサタケと比べると短く

地面には接して居ない様だ。

また、雑木林に発生する近縁種のマクキヌガサタケは

アカダマ以上にマントが短く、完全に宙に浮いている(→こちら)。

また、別の近縁種のスッポンタケにはマントが完全に無い(→こちら)。

そうなると益々マントに意味が判らないなぁ。

 

因みに、色々画像検索をして見ているとマントの短い種類は

マントの長い種類に比べると圧倒的に少ない。

それはビジュアル的な問題で

ネット上にアップされているマントの短い種類の画像が少ない、

と言う事もあるのかも知れないが、

ひょっとしたら進化の最終形として長いマントがあり、

短いマントはその途上にある、と言う事なのかも知れない。

ま、これは当方の勝手な想像なのだけど。

 

 

所で日本には他に全体に黄色いウスキキヌガサタケがある(→こちら)。

世界に目を向けるとマントが赤みを帯びた物(→こちら)や

緑色を帯びた物もあるのだとか(ネットでチラッと見た話なので

実在するかどうかは不明、画像は見付けられず)。

中にはこんな変わった形になる物もある由(→こちら)。

本当にキノコは思いもよらない物があるよなぁ。

 

 

因みにキヌガサタケとは「衣笠(絹笠)の様なキノコ」の意。

衣笠とは貴人が外出する際に

付き人が後ろから差し掛け長柄の傘の事(→こちら)。

とても優美な名前だよなぁ。

余談だが「衣笠」で検索すると「衣笠祥雄」ばかり出て来るのが閉口物だった・・・・・・

そして別名は虚無僧タケ、シケダケとの事。


虚無僧タケは、マント部分の形態から来た名称。

虚無僧は臨済宗の一派・普化宗の修行僧が托鉢行脚をする際の扮装で

その際に頭に被る籠状の深編み笠に

キヌガサタケのマントを見立てた物だ。

  いらすとやフリー素材より引用

 

シケダケは「湿気タケ」の意味で、
湿気の多い梅雨時に発生するからと言うのだが
当方はそれを「師家タケ」では無いか、と考えていた。

「師家(シケ、シイケ)」とは「師匠」の意味で
宗教の分野では修行の指導をしてくれる先生。先達を指す。
そして、尊崇の念を込めて「お師家さん(オシケサン)」と呼ぶ。
虚無僧姿の宗教者を「師家」と呼ぶ地域、または時代があり
そこから「師家タケ」と呼ぶ様になったのでは、と考えたのだ。

 

だが、この日は雨上がりと言う事もあり物凄い湿気だった。
不快指数は個人的には完全に100%。

時としてメガネが曇ってしまう程だった。
やはり「シケダケ」は「湿気タケ」なのかなぁ、と実感した次第。

 

 

 

 

さて、折角なので卵を幾つか持ち帰ってみた。

akdm (2).JPG

 

試しに一つを分解してみる。

akdm-bunkai (1).JPG

 

まずは真っ二つに。

akdm-bunkai (2).JPG

 

グレバの部分の内側に軸とレースに当たる部分が
圧縮されて収まっているのが見て取れる。

akdm-bunkai (3).JPG

 

陰影を強調してみた。

akdm-bunkai (3) のコピー.jpg

笠(グレバ)部分の内側に

柄とマントの組織が見えるのが判るだろうか。

このキノコの場合、卵が割れて伸びるのは
所謂「成長する」と言うより
圧縮されていた状態の物が伸長し展開する、と言うのが正しいのだろう。

 

 

更に分解。
卵の外皮部分と中身を剥がす。

akdm-bunkai (4).JPG

akdm-bunkai (5).JPG

 

柄の根元部分の保護膜?を剥がす。

akdm-bunkai (6).JPG

akdm-bunkai (7).JPG

 

グレバ部分を外す。

akdm-bunkai (8).JPG

グレバ部分の内側にマントが綺麗に収まっていた。

 

笠の内側がなんだか綺麗。

akdm-bunkai (9).JPG

キノコとしてはこのグレバの所だけが
胞子を形成する点で必要な部分な訳で
軸もマントも必要不可欠とは言えないオマケみたいな物になるのだが
それでもわざわざ軸とマントを形成しなければならない理由が
このキヌガサタケ達にはあるのだろうなぁ。

謎だ・・・・・・

 

 

さて、別の卵は育ててみる事にした。

akdm-seichou (1).JPG

たっぷり水を含ませたミズゴケに埋めて観察する事に。

毎日観察していたのだが中々変化は現れず。

 

と、育て始めて5日目の朝。

いきなり卵が割れて本体が伸び出していた。

akdm-seichou (2).JPG

 

2時間後、マントが伸び始めて来た。

akdm-seichou (3).JPG

これからの展開がワクワク♪

 

だが当方、基本的に在宅で仕事をしているのだが

この日は出掛けなければならない日だった。
なのでギリギリの時間まで待ったのだが此処でタイムリミット。

 

用事を済ませて帰宅後、こんな状態に。

akdm-seichou (5).JPG

akdm-seichou (6).JPG

完全に伸長は終わってしまっていた。

普段ずっと家に居るのに何でこんな日に限って。

嗚呼・・・・・・

 

折角ならこれを食べる事に。

akdm-coock (1).JPG

 

ウ●コ臭では無いとは言え、慎重にグレバ部分を取り外す。

akdm-coock (2).JPG

 

因みに卵部分はこんな感じ。

akdm-coock (3).JPG

上掲の分解作業画像の「柄の根元部分の保護膜?」は

実際に成長した際にはこの様に卵の側に取り残される組織だ。

 

柄とマントを鍋で煮る。

akdm-coock (4).JPG

 

鳥ガラスープで味付け。

akdm-coock (5).JPG

彩りに細かく切った人参も入れた。

 

で、実食。

乾燥品とはまた違った柔らかい食感で(゚д゚)ウマー♪

 

いやぁ、早朝から交通費を掛けて京都まで行った甲斐があったよ。

色々な観察も出来たし、中々得難い経験だった。

 

今後の目標は名古屋東部でキヌガサタケの発生坪を探す事だな。

そして今度こそは成長段階を最後までちゃんと観察したい物だ。

そしてまたあの食感を味わいたいなぁ・・・・・・

 

 

にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

| 腹菌類 | 00:08 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
| 1/51PAGES | >>