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ハナとハリガネ
画像はハナオチバタケ。
hana-harigane (40).JPG
その名の通り、落ち葉から発生する可憐なキノコだ。
傘径は1cm程度と小さいのだが
深い釣鐘型なので、傘径に比べて大きく感じ
色も鮮やかなので、フィールドでも良く目立つ。
正に「花落ち葉茸」の名に相応しい。

上掲画像の個体は鮮やかな赤紫だが
時として赤茶色の個体にも出会う。
hana-harigane (16).JPG
こちらは以前はサビイロオチバタケと命名され
ハナオチバタケと別の学名も付けられていたが
その後の研究でハナオチバタケの色違いと判明した為
「ハナオチバタケ褐色型」とされた由。

そして、そのハナオチバタケ褐色型とそっくりのキノコに
ハリガネオチバタケがある。
hana-harigane (9).JPG
ハナオチバタケ褐色型とハリガネオチバタケは
顕微鏡下では差異は一目瞭然との事だが
肉眼では中々見分けが付かない。
ハナオチバタケ褐色型に比べて
ハリガネオチバタケの方が傘が大きい、との事だが
それも個体差があるので絶対的な基準とは言えない。
生憎、当方は顕微鏡を持って居ないので判別が出来無い。
なので、当方は褐色の個体と遭遇したら
「ハナオチバタケ褐色型?」として処理していた。

所が、その2種を肉眼で簡単に判別する方法があると言う。
『北陸のきのこ図鑑』によると

 ハナオチバタケ
   傘径0.8〜1.5cm
   ひだ16〜19枚

 ハリガネオチバタケ
   傘径1〜3cm
   ひだ13〜15枚

との事。
傘径も判断の基準にはなるが
それよりもひだの数を数えれば確実に判定出来るらしい。
いやぁ成程、これは判りやすい。
ならば、これまで当方が「ハナオチバタケ」として撮影した画像を
この基準でどちらの種類かを判定してみよう。
尚、先の3種の上掲画像は、その判定結果から選んだ物。

以下、ズラズラと画像を列挙。


2003年9月1日、京都御所内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (2).JPG
hana-harigane (1).jpg
ひだが14枚なのでハリガネオチバタケの様だ。


2005年7月10日、栗東市内に遭遇したこちらの個体。
色からしてハナオチバタケだが念のため確認。
hana-harigane (3).JPG
hana-harigane (4).jpg
ひだが21枚。
図鑑の解説より多いが、それは個体差の範疇だろう。
ひょっとして別種で新種の「〇〇〇オチバタケ」???


2006年6月18日、京都市内に遭遇したこちらの個体。
こちらも色からしてハナオチバタケだが念のため確認。
hana-harigane (6).JPG
hana-harigane (5).jpg
傘全体を見渡せる画像が無かったのでこの画像だけで判断。
半面だけでひだが11枚まで数えられたので
全体で16枚以上はありそうだ。


2007年7月27日、栗東市内で遭遇したこちらの個体。
枯れてしまっているので数え辛い。
hana-harigane (7).JPG
hana-harigane (8).jpg
15枚と思われるのでハリガネオチバタケの様だ。

2008年6月23日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (9).JPG
枯葉から生えているのが良く判る。
hana-harigane (11).JPG
hana-harigane (10).jpg
15枚なので、ハリガネオチバタケの模様。


同日、別の場所で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (13).JPG
hana-harigane (12).JPG
矢張りハナオチバタケで良い様子。


同じく、こちらの個体。
hana-harigane (15).JPG
hana-harigane (14).JPG
すっかり枯れてしまっているので
ひだの数を数えるのも困難。
色合いからしてハナオチバタケだろうなぁ。


2008年9月20日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (16).JPG
hana-harigane (17).JPG
18枚なので「ハナオチバタケ褐色型」の様だ。


2009年7月22日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (21).JPG
hana-harigane (20).JPG
こちらも「ハナオチバタケ褐色型」の様だ。


2009年8月3日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (22).JPG
hana-harigane (23).JPG
hana-harigane (24).JPG
14枚なので「ハリガネオチバタケ」の様だ。


2010年7月10日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体も念の為。
hana-harigane (26).JPG
hana-harigane (25).JPG
16枚以上のひだは確実だ。


2010年7月12日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (28).JPG
hana-harigane (27).JPG
ひだは16枚以下と思われるので「ハリガネオチバタケ」か。


2011年6月21日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
当然ハナオチバタケだろうけど一応確認。
hana-harigane (29).JPG
hana-harigane (31).JPG
hana-harigane (30).JPG
矢張りひだは16枚以上あるなぁ。


2011年8月16日、高山市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (32).JPG
hana-harigane (33).JPG
13枚なので「ハリガネオチバタケ」の様だ。

2012年6月20日、名古屋市内で遭遇した個体。
こちらも当然ハナオチバタケだろうなぁ。
hana-harigane (35).JPG
hana-harigane (36).JPG
hana-harigane (34).JPG
矢張り18枚もあった。


2015年7月9日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (39).JPG
hana-harigane (40).JPG
hana-harigane (38).JPG
当然16枚以上あった。


2015年7月24日、名古屋市内で遭遇したこちらの個体。
hana-harigane (44).JPG
hana-harigane (43).JPG
16枚以上ある様には見えないので「ハリガネオチバタケ」だろう。


以上の結果から、当方が今迄に遭遇した褐色のハナオチバタケ型キノコは
「ハナオチバタケ褐色型」より「ハリガネオチバタケ」の方が
多かった事が判った。
これは当方の行動範囲内での状況なので
全国的に見てどうなのかは勿論判らない。

実はフィールドで褐色のハナオチバタケ型キノコは良く見掛けるので
新鮮な個体、もしくは群生に遭遇しないと
「あ、またこれね・・・・・・」とついついスルーしてしまい勝ちだった。
ハナオチバタケ褐色型とハリガネオチバタケの発生状況を比較する為に
これからはひだの枚数を気にしながら観察&撮影しなくてはなぁ。




こちらはオマケ。
hana-harigane (18).JPG
hana-harigane (19).JPG
ハナオチバタケにケカビの仲間が生えていた。
キノコにケカビ、と言うと「チシオタケにタケハリカビ」が
キノコマニアの間では有名?だが(→こちら
画像検索すると、他のキノコにも発生してる例があった。
なので、これもタケハリカビなのかも知れない。


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| キシメジ科 | 00:07 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
ピエ・ブルー

先日、たびたび当blogに登場して頂いている
イタリア料理店、ネグラマーロのblogに
気になる記事がUPされた(→こちら)。
ジロールが入荷、との事だ。

ジロールとはアンズタケの事。
anzutake-1.JPG
anzutake-2.JPG
アンズタケはその名の通り
アンズの良い香りがするキノコだ。
それをオムレツにして食べると絶品だ。


anzutake-3.JPG
anzutake-4.JPG
anzutake-5.jpg
実はアンズタケには10年以上前から
毎年岐阜の山中で出逢っている。
だが、何故か何時も収穫期を過ぎた状態で
収穫できたのは2回しか無い。
図鑑では色々な料理に合う旨が書かれているが
当方はオムレツでしか食べたことが無い。
と言う訳でこの絶品オムレツを食べたのは
ン10年間生きて来て2回しか無い……

残念ながら名古屋では今の所アンズタケには出逢っていない。
近縁種のアンズタケモドキはあり
これも可食のキノコなのだが
アンズタケモドキにはアンズの香りが無い為に
全く食指が動かされない。
anzutakemodoki.JPG
アンズタケに比べてやや褐色がかっている程度で
下手にアンズタケにそっくりなので
どうしてもがっかり感が先に立ってしまう。
アンズタケモドキには罪は無いのだけどねー
まぁ、アンズタケモドキにしてみたら
自分なりに一所懸命生えているだけな訳で
香りがどうたらこうたらは人間の勝手な都合でしか無いのだが。

と、それはともかく。
そのアンズタケがシェフの手に掛かると
どんな料理になるのだろうか。
blogに「再入荷」とある様に
実はその前月にも入荷されていて
その旨がblogに書かれていたのだが(→こちら
その時は残念ながら都合が付かなかったのだ。
これは是非食べてみなくては。
と言う訳で早速予約をし、店を訪れた。

席に着くと、シェフは例によって
アンズタケを籠に盛って持ってきてくれた。
と、そこに別のキノコが。
kagokinoko.JPG
「ピエ・ブルーが入りましたので」との事。
ピエ・ブルーとはまた初耳のキノコだ。
これはどう見てもムラサキシメジだなぁ。

ムラサキシメジはその名の通り紫色をしたキノコだ。
ピエ・ブルーとは「青い足」の意味との事。
傘は成長と共に褐色を帯びる様になるが
柄は紫色が長く残る事からの命名だろう。

ムラサキシメジは19年前に
当時住んでいた東大阪の裏山で収穫し
食べた事が一度だけある。
その時はコンソメスープにして食べた。
やや歯切れの悪いマッシュルーム、と言った印象で
「ふ〜ん、こんなもんか……」と
それ程良い物とは思わなかった。
当時はデジカメを持っていなかったので
記録も残っていない。
それ以来出逢う機会も無く名古屋へ転居したのだが
昨年、名古屋市東部で
久し振りにムラサキシメジに出逢った。
murasakishimeji-1.JPG
murasakishimeji-2.JPG
murasakishimeji-3.JPG
画像のように柄の基部が膨らんでいるのが特徴だ。
老成した個体、と言う事に加え
光線の加減でかなり白っぽく写ってしまっていて
近縁種のウスムラサキシメジに見えてしまうが
多分ムラサキシメジで良いと思う。

この時は18年振りの再会だったが
前回のイメージがあまり良くなかったので
撮影だけして収穫はしなかった。
そしてネグラマーロでの思わぬ再会。
果たしてどんな料理となって出て来るのだろう。


それがこちら。
ピエ・ブルーのフリッター。
ryouri-1.JPG
サクサクの衣と、中身はトロリとした食感。
そして心地良い歯切れ。
以前、当方が調理した時と全く印象が違う。
どうやらムラサキシメジは油で調理した方が
良い食材だった様だ。
(゚д゚)ウマー


続いてジロールとピエ・ブルーのリゾット。
ryouri-2.JPG
たっぷりの粉チーズにマッチしていて(゚д゚)ウマー


更に牛肉のロースト。
肉の下に、ソースの絡んだジロールとピエ・ブルーが贅沢に。
ryouri-3.JPG
ryouri-4.JPG
にんにくも効いていて(゚д゚)ウマー

(゚д゚)ウマー、とにかく(゚д゚)ウマー

ご馳走様でした(-人-)

皆様も名古屋へ起こしの際には
ネグラマーロへ是非♪
イケメンシェフの渾身の料理が楽しめます(→こちら)。


しかし、ムラサキシメジがあんなに良い食材だったとはなぁ。
認識を新たにした次第。
矢張り素材を活かした調理が何より大事なのだなぁ。

その後、某所で今年もムラサキシメジと遭遇。
murasakishimeji-4.JPG
murasakishimeji-5.JPG
murasakishimeji-6.JPG
去年と同じ時期だった。
どうやらこの場所にはムラサキシメジが常駐している模様。
折角美味しい調理法を学んだのだから
今回は収穫しようかな。
でも、料理に使うにはまだ若いかも。
かと言って数日後に再度此処に来るのも面倒だ。
と言う訳で、持ち帰って少し育ててみる事にした。

小さなタッパに水苔を敷き、そこに植える。
収穫から数時間の内に傘が随分褐色を帯びてしまった。
murasakishimeji-7.JPG
パッと見、ミニ盆栽みたいだw


こちらは2日後の様子。
murasakishimeji-9.JPG
かなり開いて来た。

更に4日後。
murasakishimeji-10.JPG
完全に開き切った様だ。

よく開いた傘の下を見ると水苔が白っぽくなっている。
murasakishimeji-8.jpg
どうやら傘から降り積もった胞子でこうなった様だ。
ムラサキシメジの胞子紋は白色だったのだなぁ。
思わぬ形でそれが知れたw


早速調理する事に。
murasakishimeji-11.JPG

石突を切り取る。
murasakishimeji-12.JPG

そして小割りに。
murasakishimeji-13.JPG

たっぷりのオリーブオイルで炒める。
murasakishimeji-14.JPG

他の具材と共にパスタに。
今回も安物のバジルソースを絡めた。
murasakishimeji-15.JPG
以前、エリンギの記事でUPした時の画像と
殆ど代わり映えしないけど(→こちら
それは置いといて……
ムラサキシメジがトロリとした食感で(゚д゚)ウマー
勿論、シェフの腕に敵うべくも無いけどw


その後も更にムラサキシメジに遭遇した。
murasakishimeji-16.JPG
murasakishimeji-17.JPG
図鑑では菌輪を描いて大量に発生する、と書かれていたが
この場所ではポツポツと散生する様だ。
何時か大量に収穫する機会があったら
またネグラマーロに預けて色々な料理を作って貰いたいなぁ。

それにしても、イタリアでは想像以上に
色々なキノコが食されているのだなぁ。
イタリアで修行していたシェフだからこそ知っていた事で
こうして図鑑を見ているだけでは判らない
新たな情報を得られるのは嬉しい。

これから先、この店でどんなキノコと出会え、味わえるのか。
とても楽しみだ♪



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| キシメジ科 | 00:05 | comments(14) | trackbacks(0) | pookmark |
ツエタケはややこしい
2009年6月8日の事。
何時もの場所を探索していた時、
とある一角の小さな木の根本の硬質菌が気になった。


どうせ正体不明だろうなぁ。
でも念の為、撮影だけはして置こう、と近寄った所
そばにあるキノコの幼菌に気が付いた。


マットな質感で、ずんぐりとした形。

以前、この周辺では
チャニガイグチ(→こちら)を見た事があるので
その辺りかなぁ、と見当を付けた。

かわいいので早速撮影。
すると、近くの別の幼菌にも気付いた。

これは是非、成長後の様子も撮影しよう。
そう決めて、その日はそれで帰宅した。

4日後、成長した様子を撮影する為に
再び現場を訪れた。
すると、例の幼菌は
こちらの画像の様な状態になっていた。


イグチでは無く、全く姿形の違うキノコだった。
あまりの意外な事態に、
暫しあっけに取られてしまった。
しかも、かなり大きい。

見上げると雄大な感じ。

こんなキノコには今迄出逢った事が無い。。
これは一体何だろう……

この柄の長さと細さ。
ひだの形。
傘中央部の妙にしわっぽい感じ。
これは何処かで見た感じだなぁ……

はた!と閃いた。
この感じはツエタケだ。
そして表面全体のビロードの質感。
すると、これはビロードツエタケか?


実はこの日、別の場所で
大きなツエタケを見たばかりだったのだ。
今まで当方はツエタケを何回も見ていたのだが
それは傘径がせいぜい3〜4cmの
小さな個体ばかりだった。

因みに、ツエタケは細い柄と、ちょっとシワっぽい傘、


そして湿時に傘が強くヌメるのが特徴。

更に、柄は地中に深く伸び、
埋もれ木に繋がっている、と言う。


だが、この日に見たのは傘径7〜8cmの
割と大きな個体だった。
しかも、老菌で既に倒れてしまっていた為に
最初はツエタケだとは気付かなかった。




だが、全体的な特徴でツエタケだと判った。
図鑑ではツエタケの大きさとして
傘径4〜10cmと書かれている物が多いので
特に大きな個体では無い様だが
当方はこんなに大きな物は初めて見た。

で、その数時間後に先程のキノコに出逢った訳なのだ。
ツエタケの特徴を復習した所だったので
この大きなキノコもツエタケだと気付いた次第。
でなければ、この個体がツエタケの仲間とは
中々気付かなかったかも知れない。

だが、帰宅後、図鑑やネットで調べると
ビロードツエタケとして掲載されている画像の物は
当方の見た個体とはかなりイメージが違っている(→こちら)。
図鑑等では柄の色は黄色で、
傘に比べてかなり明るいのが特徴、との事。
だが、当方の出逢った個体は
傘も柄も、全てが暗褐色だ。
そして、何よりも大きさが違い過ぎる。
図鑑ではビロードツエタケは
「傘は径2〜5cm」とあるが
当方が撮影した個体は傘の径が20cm近い。
これは明らかにビロードツエタケでは無い。

疑問に思い、色々と調査をしてみた。
どうやらツエタケの仲間は
近年、幾つかの種類に分割されたらしい。
そう言えば『日本のきのこ』のツエタケの項に
「従来 O.radicate の学名のもとに1種とみなされていたものは、
 最近では数種に分割されている」
とあったっけなぁ。
他にも、「日本には1、2の近縁種があることが知られている」と
記述されている図鑑もあった(『原色日本新菌類図鑑』『東北のキノコ』等)。

調べてみると、大型のツエタケは
別種の「オオツエタケ(仮称)」として分類された、との事(→こちら)。
更に、オオツエタケの中でも
傘にヌメリが無いのが「オオツエタケ」で
ヌメリがあるのは「サトヤマツエタケ」だ、との事(→こちらの6月22日の項)。
以前、「ツエタケはとても大きくなる事がある」と聞いた事があった。
また、
 「中には違う種類かと思うような大きなサイズまで存在する」(『阿武隈のきのこ』)
 「菌蓋5〜23cm寛」(Mushroom of Taiwan)
等と、図鑑に依って大きさにの表示にバラツキがあったのは
ツエタケとオオツエタケ、サトヤマツエタケが
混同されていた所為だったのだろう。

当方の出逢ったこの個体は
全身ビロード状なので雨の後でもヌメリが出るとは考え難い。
なので、この個体達は
オオツエタケと考えて良いのかも知れない。
その中でも濃色タイプなのかも知れないなぁ。


また、他に「マルミノツエタケ」「ミヤマツエタケ」
「コツエタケ」等もあるらしい。
属名の「Xerula(近年、Oudemansiellaから変更されたらしい)」で
検索すると、32種もの学名がhitした。
更に、本来のツエタケの学名 Xerula radicata で見ると
6種類もの変種が登録されていた(→こちら)。
その中には勿論日本には無い種類もあるだろう。
だが、とにかく沢山の種類に分割された、と言う事だけは判る。
そうなると、当方が今迄「ツエタケ」だと思っていた個体が
本当にツエタケなのかどうか判らなくなって来る。
以前見ていた「3〜4cm」の個体と、今回の「7〜8cm」の個体も
果たして同じ種類なのかどうかも判らない。

因みに「ツエタケ」「Oudemansiella radicata」
及び「Xerula radicata」で検索をすると
大小、濃淡様々の画像がhitする。
明らかに別種が混じり込んでいる様だ。
また、オオツエタケにしか見えない画像に
「Xerula furfuracea」の学名が当てられているが
同じページに、どう見ても
オオツエタケでは無い画像も掲載されている(→こちら)。
更に、その名で検索すると、様々なタイプのツエタケの画像が出て来る。
同定の面で、Web上ではまだ混乱している様だ。
当方も、今回調べるまで
ツエタケがこんなにややこしい事に
なっていたなんて知らなかったよ……


こちらの画像は7日後の様子。

オオツエタケ?は斜面から転げ落ちてドロドロに腐り果てていた。

元、生えていた場所を見ると
近くに大きなツエタケが生えていた。



こちらには傘にビロード状の質感は無い。
こちらの個体はひょっとしたら
サトヤマツエタケの方なのかも知れないなぁ。

確認の為、試しにちょっと根本を掘ってみる。
すると、掘り始めた途端に倒れてしまった。


この場所は斜面で地盤が弱い為に
足場が不安定だったのだろう。
元々、これだけ傘が大きく重たいのに柄が細い、と言う事は
かなりバランスが悪い、と言う事だ。
そんな場所にそんな構造の物があれば
転げ落ちてしまうのも当然と言えるだろう。
先のオオツエタケ?も
同じ理由で転げ落ちてしまった、と考えられる。
と言う事は、オオツエタケ達は
風等で倒れてしまう事も多いのかも知れない。
それも、ちょっと考え物だよなぁ。


※7月27日追記
井口潔さんからツエタケの分類に関しての論文をご紹介いただきました。
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/society/73-1142.pdf
英文ですが、最後のページに日本語での要旨があります。
それによると、どうやら Xerula radicata は
日本の「ツエタケ」では無いかも知れない、との事。
ビロードツエタケも同様なのだそうです。
ツエタケは当方の想像以上にややこしい事になっている様です……



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| キシメジ科 | 00:10 | comments(10) | trackbacks(0) | pookmark |
黒いアシグロ
枯木に発生する腐朽菌の中に
シロホウライタケという可憐なキノコがある。
透明感のある白さが印象的なキノコで
暗い林内でも良く目立つ、との事。
だが、残念ながら当方はまだ実見した事が無い。

で、こちらの画像はその近縁種のアシグロホウライタケ。

2007/09/07、東大阪市内で撮影。
文字通り、足の黒い、シロホウライタケの仲間。
このキノコもとても良く目立っていた。

たまには絵的なアングルでw


こちらはやや淡色だが
柄全体が灰色なので、
やはりアシグロホウライタケで良いと思う。

2007/06/19、東大阪市内で撮影。



所で、最初のリンク画像ではそうなってはいないが
シロホウライタケも図鑑によると柄の下部は黒くなっている、との事。
こちらの画像では確かにその様になっている。

またアシグロホウライタケの柄には
灰色型〜淡褐色型と、個体差がある由。
【灰色型】
【褐色型】
【淡褐色型】

そうなると、黒いタイプのシロホウライタケと
黒くないタイプのアシグロホウライタケでは
もう肉眼では判断が付かなくなってしまう……

取り敢えず、当方の見たのは典型的なアシグロホウライタケだった様で
混乱しなくて済んだので良かったよw


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| キシメジ科 | 11:20 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
実は珍しい
こちらの画像はシイタケ。

2007/02/18、名古屋市内にて撮影。

「何だ、シイタケか……」と思われるかも知れないが
実は自然下でのシイタケの発生はそれ程多くは無い。
今では栽培技術が確立され
生シイタケも安価で何処ででも手に入るので
珍しくないキノコになってしまっているが
本来はそう簡単に採取出来る物では無かった、と言うのは
他の野生のキノコと同様である。

これは自然公園のフェンスの向こうに転がっている
クヌギの丸太から発生していた。
公園整備に伴い伐採、廃棄されたであろう丸太で
廃ほだ木では無く、近隣に栽培所も無いと思われるので
このシイタケは正真正銘の天然物と考えて良いだろう。
だが、フェンスが邪魔をして
採取どころか、これ以上の接写も出来無かったのは残念だった。

特にこの画像左側の、10cm近い大きさのヤツは
もっと良く見たかったなぁ……



こちらの画像のは何かに齧られた痕跡が。

ナメクジかカタツムリだろう。
贅沢な食べ方だw


キノコは種類によっては
乾燥保存に向かない物があるが、シイタケはそれが出来る。
更に、乾燥させる事によって風味も増す。
流通技術の進んでいない時代にはそれは大きな利点だった。
ダシ用にも重用されていた為に換金性が高く
産地では古くから重要な作物だった。

シイタケを栽培する事自体は
江戸時代から行われていたらしいが
昭和に入るまでのシイタケ栽培は
一か八かの大博打だったらしい。
焼いて炭にすれば手っ取り早く収入になる丸太を
1〜2年後に生えて来るかどうか判らないシイタケの為に
寝かせておかなければならないのだ。

勿論、生えて来易くする為の工夫は行われていたが
基本的には、山中を浮遊しているシイタケの胞子が
ほだ木に取り付いてくれるのを待っているしか無かったのだ。
その為、シイタケが生えて来たらめでたしめでたしで
ほだ木が使える数年の間は収入が確保出来るが
万が一生えて来なかったら
それこそ一家離散しなければならなかったのだとか。

その後、様々な人の研究を経て栽培技術が確立した。
現在では栽培地の環境や、用途に合わせた多くの品種が作られ
安定した生産が出来る様になっている。
完熟ほだ木や菌床の栽培キット等も売られ
その気になれば各家庭でも
新鮮なシイタケが収穫出来る様になっている。

とは言え、より良い品質の物を収穫しようと思えば
ほだ木や菌床の管理と養生が必要なのは言うまでも無い。
完熟ほだ木であっても、管理が悪ければ
シイタケが害菌に負けて生えて来ない事だってある。
首尾良く生えて来たとしても
安定した品質の物を、数多く収穫するのは容易では無いだろう。

自然下では色々な菌がせめぎ合いながら
各々が自分のテリトリーを増やそうとしている。
それを人為的にコントロールしようと言うのだから
相当な技術が必要なのは当然だ。
植物と違って、途中経過が中々目に見えないので
より一層難しいだろう。
現在のシイタケ栽培の技術が確立するまでに
どれだけの人のどんな労力が費やされたのか。
想像するだけで気が遠くなる。
そしてその人達が、今のシイタケの安さを見たら
どう思うのだろうか……

シイタケを見付けて、ふとそんな事を考えた次第w


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| キシメジ科 | 11:02 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
トナカイナラタケ
こちらの画像はナラタケの仲間。

2007/11/07、裏山にて撮影。
ナラタケは近縁種が多く、現在10種類以上に分類されているそうで
画像の物は多分キツブナラタケだと思うのだが
確証は無いので、以下「ナラタケ」として話を進める。

で、この日裏山に行ったらナラタケが大発生していた。
幼菌、成菌、老菌が、あちこちで見掛けられた。



中には、ナラタケとしては相当大型の個体もあった。

この裏山で、ナラタケの発生に遭遇するのは7年振り。
当然収穫。

軽く採っただけでも中型のザルが一杯になる量に。
食菌をこんなに一気に収穫した事は生まれて初めてだったので
狂喜乱舞してしまった。
その晩に、一部は早速味噌汁にして食べた。

ンマー♪ (;´Д`)ハァハァ……

残りは瓶詰めにして保存。後日食べる予定w

所で崖に横たわって落ちかけの枯木にドロドロの塊があった。

老菌が溶けて、全体をカビが覆った物の様だ。


幾らなんでも、これはとても食べられないだろう……
それとも、熟成が進んで美味しくなっていたのかもw

更に、枯木と崖の隙間に生えていた物で
全くキノコとしての形を成していない物があった。

まるでトナカイの角の様な物が何本も垂れ下がる様に生えていた。
とても面白い光景だったのだが、
足場の不安定な場所で、おまけにあまりにも暗かったので
画像の撮影は断念せざるを得なかった。残念……

その部分は全く日が当たらない場所だったので
その為に奇形になってしまったのだろうか。
拡大して見てみると、表面はヒダの様な構造になっていた。

ちゃんとしたキノコとしては成長出来無かったが
それでもなんとか役目を果たそうと努力したのだろうなぁ……

因みにこの部分は食べなかった。
今思えば、試しに食べてみれば良かったなぁ。
違った食感が楽しめたかも知れないし。
こんな形の個体を今まで食べた人も居なかったろうし。
惜しい事をしたのかもw


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| キシメジ科 | 13:58 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
鉛筆立て!?
今回は珍しく、食べられるキノコの話をw

こちらの画像はエノキタケ。

10/27、栗東市内にて撮影。
ぱっと見、市販のエノキタケとは全く違うが
これが本来のエノキタケの姿。

野生の状態と栽培品とで
姿形が変わっているキノコは少なくないが
これだけ似ても似つかぬ
まるで別種の様になってしまっている物は
エノキタケ以外には無いと思う。
市販のエノキタケは、光を当てず柄の部分だけを極端に伸ばした
言わば「エノキタケのもやし」。
近年は少し光を当てて色を付けさせた
「ブラウンエノキ」と言うのも売っているが
それでも「もやし」である事には変わりは無い。

何時頃から何故その様になってしまったのかは判らない。
もやし状にした方が収量が安定し
何かと扱いやすい、とか言う理由があるのかも知れないなぁ。
ただ、そうやって規格品に無理矢理収めてしまったが為だろう、
本来の風味も味も全く消え失せてしまっている。
まぁ、それはそれで独特の食味はあるのだが。

因みに画像の個体は傘が比較的小型。
大きな物でも傘径2.5cm程。
大型の個体では、傘径8cmにもなると言う。

近くの裏山でも今までに何回か収穫した事はあったが
何時もはパラパラと生えているだけだった。


なので、大きな塊で生えているのを見たのは
今回が初めてだったので、ちょっとビックリした。
しかも、本来のエノキタケの発生時期は晩秋〜冬なので
時期的にもビックリ!

で、このエノキ、通路脇の立ち枯れの木に
塊が二つ、イキナリ生えていた。


上側の塊には何故か鉛筆が突き刺してあったw

山を一回りして、またその場所に戻ってみたら
鉛筆は無くなっていた。
誰かがこのエノキタケの塊を、
鉛筆立てに使っていたのだろうか……??? (・∀・;)


帰宅後、早速具沢山の味噌汁にして食べた。

ンマー♪ (;´Д`)ハァハァ……


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| キシメジ科 | 16:21 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
若くない……(-_-;)

画像はワカクサタケ。
2007/06/30、京都市岩倉にて撮影。
傘径1cm程度の小さなキノコだ。

「若草茸」と言いながら若草色でも何でも無いのは
幼菌では無いからである。
キノコ本体は左画像の様な黄褐色なのだが
幼菌の時に緑色の粘液で覆われている為に
その名が付いた、との事。

成長と共に褪色し、地色の黄褐色が現れてくる。
上の画像はもうすっかり粘液が褪色してしまっている様だ。


こちらはまだ何となく緑色が残っている。


こちらの画像のは、更に若いので結構緑色だ。
この若いのが無かったら
ワカクサタケとは判らなかったかも知れないなぁ。

緑色の粘液の色合いと、褪色具合は個体差が大きい様で
webで見ると、成長した後でも
かなり緑色なのがあったりもする。
その1】【その2
此処まで鮮やかだと、何か作り物みたいに見えてしまうw

瑞々しい期間の短いキノコの中で
色の鮮やかな時期は更に短い。
振り返って、我が身にそんな鮮やかな時代はあったのかなぁ。
嗚呼……il||li _| ̄|◯ il||li


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| キシメジ科 | 15:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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