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ロウタケの事

こちらはロウタケ。

一見キノコにはとても見えない。

下手すると吐瀉物の様でもあり

使用済み吸水ポリマーが不法投棄された状態の様でもある。

また、粘菌のシロススホコリとかにも見えてしまうが

これでもれっきとしたキノコだ。

 

ロウタケとは「蝋茸」の意味で

見た通り「蝋の様な質感のキノコ」の事。

不定形のキノコで、地面から発生し

上掲画像の様にその場にある物を覆う様に広がる。

また、生きている植物や枯れ枝を這い上がる事も少なくない。

そして時としてカレエダタケの様に伸長する事もある。

 

こちらは地表を離れ、枯れ枝の上に広がった状態の物。

何故か宙に浮いた状態の枯れ枝の上に広がっている。

少しでも高くなる場所を選んだ、と言う事なのかなぁ。

 

こちらは地面から突き出た小枝?に纏わり付いた状態。

 

こちらは切断された植物(笹?)の茎に纏わり付いた状態。

 

 

こちらは地表の枯葉と、更に突き出た枯れ枝に纏わり付いた状態。

 

 

こちらは地表に出始めた段階か。

一部は枯れ枝に纏わり付いている。

 

こちらは苔の先端に広がっている状態。

苔の先端から伸びてカレエダタケ状になっている。

 

こちらはロウタケが乾燥した状態。

蝋の様な透明感が無くなっている。

 

こちらはロウタケにフタマタケカビ?が生えている状態。

ロウタケもキノコだから別の菌にやられる事もあるのだなぁ。

 

 

ロウタケは東大阪時代にちょくちょく遭遇していた。

一度、20〜30cm四方に広がる

とても大きな個体に遭遇した事があったのだが

そんな時に限ってカメラを持っていなかった。

当時はスマホも無かったので画像での記録が出来ず。

今でもとても残念に思っている。

 

名古屋に移ってからは岐阜山中では何回か遭遇しているが

何故か名古屋市内では一度も無し。

東大阪、飛騨にはあって、名古屋には無い

地質的な特徴が何かあるのかなぁ。

謎だ。

 

と、当方は見る機会が少なくないのだが

掲載されている図鑑は極めて少ない。

当方が調べた限りでは

 

 『山渓フィールドブックス きのこ』 山と渓谷社刊

 『新版北海道きのこ図鑑』 亜璃西社刊

 

のみだった。

掲載図鑑が少ない所為か、google検索しても

2022年8月30日現在、91件のみ。

キノコマニアからしても人気が無い様だ。

 

 

学名は Sebacina incrustans(セバキナ インクルスタンス)。

sebacina は sebum(脂肪)+ina(学名命名の際に使う接尾辞)。
incrustans は「外皮で覆って」の意味。

つまり「脂身の様な質感で覆われたキノコ」と言う意味の様子。

確かに脂身の様な半透明な感じはあるけど

蝋の方がより質感が近いと思うのだけどなぁ。

何故「蝋の様な」にしなかったのだろうかなぁ。

命名者の感覚はちょっと独特な気がする。

 

以前は見た目からシロキクラゲの仲間と考えられていて

 

 異型担子菌綱

   └シロキクラゲ目

      └シロキクラゲ科

         └ロウタケ属

            └ロウタケ

 

に分類されていたが、近年のDNA解析の結果

 

 ハラタケ綱

   └ロウタケ目

      └ロウタケ科

          ロウタケ属

            └ロウタケ


全く別の所属先に分類され、

更に「ロウタケ目」と独立する事になった様だ。

それだけ独特な種類だ、と言う訳なのだろうなぁ。

 

因みにロウタケは中国では「蜡壳耳」と言う由。

簡体字を繁体字にすると「蠟殼耳」となる。

「蝋で覆われた耳」と言う意味になるのだが

此処での「耳」は「銀耳」=「シロキクラゲ」の事。

つまりロウタケがシロキクラゲ科に分類されていた名残だろう。

となると、今後表記が変わって行くのかなぁ・・・・・・

 

 

因みに『日本産菌類集攬』によると日本産のロウタケ属は

 

 ・イトタケ(Sebacina dendroidea)

 ・ロウタケ(Sebacina incrustans)

 ・オオロウタケ(Sebacina laciniata)

 

の3種類となっている。

 

「イトタケ」は色々探したが掲載されている図鑑は無く

画像検索しても何もhitしなかった。

なので詳細は不明だが

イトツキマクコウヤクタケと言うキノコがあるので

ロウタケの周囲に糸を張り出している様な外見では無いかと

勝手に想像。

尚、「イトタケ」の命名者は安田篤の由。

やっぱり、と言った感じの命名だなぁ・・・・・・

 

「オオロウタケ」は

 『信州のキノコ』信濃毎日新聞社刊

に唯一画像が掲載されているのだが

『日本産菌類集攬』ではロウタケの別名扱い、

つまりロウタケの個体差と言う事の由。

実際、図鑑の画像もロウタケとは

大きさ(広がっている範囲)以外、区別が付かない。

 

 

世界中のキノコの学名が検索できると言う
Mycobankと言うサイトで「Sebacina」の検索をすると
180種以上のロウタケの仲間がhitした。
ただ、世界全体で180種と言うのはかなり少ないとは言える。
しかも画像検索をしても画像が出て来ないのが殆ど。
それだけ研究が進んでいない、人気の無い種類と言えるだろう。

画像の出て来る一部の種類も色合いやロウ感の多少の違いはあれど
外見上はロウタケに非常に良く似ていた。

顕微鏡を見ないと、とても判別出来無い。

肉眼だけででも判別はまず不可能と言える。
と言う事は当方の画像の物も実はロウタケではなく

「××ロウタケ」とでも言うべき別の種類である可能性が

あるのかも知れないよなぁ。

 

 

所で国立科学博物館の
植物研究部多様性解析・保全グループの研究によると
シュンラン属の一部のランは
ロウタケと菌根関係(共生し栄養のやり取りをしている)を

築いている、との事。

しかも幼若期のみで、成長後は別の菌と菌根関係を結ぶのだとか。

つまり、ロウタケの何かが無いと発芽が出来ず、

それ以降は逆にロウタケでは成長が出来無い、と言う事になる。

 

何そのワガママ偏食っぷりw

そのランは何故そんな複雑な生活環を形成したのだろう。

ロウタケが常にそこら中にある訳では無いと思うのだけど

そうする方が有利な事って何なのだろう。

それとも、目に見えてないだけで実はロウタケは

そこら中に存在している、と言う事だろうか。

だったとしても、何故途中で

菌根関係を変更させなければならないのかなぁ。

ランなりの必然性があるからなのだろうけど・・・・・・

謎だ。

 

 

こんな何気無い、地味で目立たないキノコにも

今だに解らない事は沢山あるのだなぁ。

いや、地味で目立たないからこそなのかな?w

 

キノコの事を調べれば調べる程謎が深まって行く。

これだからキノコは辞められない♪

何時何処でどんなキノコに遭遇出来るか

ドキドキワクワクが止まらない。

 

そして何時かは名古屋市内でもロウタケに遭遇したい物だ。

 

 

 

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| その他 | 00:06 | comments(4) | - | pookmark |
壷中天

今回はちょっと毛色の変わった?話をば。
カビの画像があるのでグロ注意、かな?

 

当方は仕事で絵具類を使う機会が多い。
勿論ビンに蓋をした状態で保管している。
ただ、作業の段階によっては暫く使わない時期があり
上記の状態で放ったらかしとなる。
すると何時の頃からかカビが発生する様になってしまった。

 

まぁ考えたら、常に水分が保たれた状態で
長い事放置されているのだ。
カビが生えても仕方無いと言えるが
以前住んでいた家ではそんな事起こらなかったのになぁ。
何時の間にか当方がカビを呼び込む様になって
しまったのだろうかなぁ・・・・・・(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!

 

因みに、カビの生える色の種類は大体決まっている。
色によってカビが生えやすいのと、そうでないのがあるのだ。
恐らく、絵具の色=成分によって
カビが生えやすい/生え難いの差があるのだろう。
なので、普段はカビの生えやすい色のビンを気に掛けている。
時々蓋を開け、中を見て
カビが生えかけていたらその部分を削って処分し
エタノールで消毒をしているのだ。
だが今回は普段気に掛けていなかった色のビンで
中々の事態が起こってしまった。

 

と言う訳でそんな画像を以下に。
絵具に関する商品名や

専門用語的な単語が頻出してしまうのはご容赦を。

 


こちらは既に不穏な見た目w

当方が顔彩の朱色と
ターナーのポスターカラーの白を混合して作った色。
オレンジ掛かった桃色が当方の好みの色合いなので

この色の使用頻度はとても高いのだが
このビンの物は、とある限定的な部位の彩色に使用する為に
定着材であるアラビアゴムを通常よりかなり多く配合してある。
限定的な使い方をする、と言う事は
使用機会が少ない、と言う事でもある。


で、久し振りに使おうとして蓋を開けたらこんな状態。

因みに黒いモケモケの上に所々に見える桃色の部分は
開けた際に蓋にこびり付いた乾燥した絵具が散らばって落ちた物。
カビ自体とは関係が無い。

 

今迄も一部に黒カビが発生してしまって居た事はあり
その時はその部分を除去して使い続けていたのだが
此処まで全体に発生してしまうと
絵具の色自体がくすんでしまう可能性が高いので
これはもう使い物にならないなぁ。

 

此処までになったら、もう面白いから
これはこのまま保存する事にしようかな。
キノコは好きだがカビに疎い当方には
何の種類だかはさっぱり判らないし
顕微鏡も持っていないので調べようも無いけれどね。

 

 


こちらはバーントシェンナー。


ビンはターナー社の物だが
中身はニッカー社のデザイナーズカラーの
バーントシェンナーのチューブを絞り出した物。

ラベルも張り替えてある。


個人的に、ターナー社の物よりキメが細かくて塗りやすいのと
同じ色名でもメーカーによって色合いが微妙に違っていて
ニッカー社のこの製品の色の方が好きなので愛用している。

茶色として使用頻度が高いのだが
この時は茶色に塗らなければならない物が少なかったので
たまたま暫く使っていなかった物。


で、開けたらこんな状態。

この色にカビが生えたのは初めての事態。

桃色のと同じカビかなぁ。
これも中々。

 

カビに覆われた部分をこそげ取ったら使えるかなぁ。

でも、やっぱり廃棄かな。

勿体無いけどなぁ・・・・・・

 

 

 

こちらはイエローグリーン。
所謂「黄緑色」だ。


これは当方の場合は使う場所がとても限られているので
使用頻度はかなり低い。
年に一度蓋を開けるかどうか、て感じかも。


で、開けてみたらこんな状態。

こ、これは・・・・・・!?

なんとキノコが生えているではないか!!!

 

今迄絵具には散々カビが生えた事はあったのだが
こんな風に子実体になっているのは初めて見た!
そもそも今迄イエローグリーンにカビが生えた事自体が無かった。
それがいきなり子実体だよ。
これは一体何だ???

 

パッと見、キクラゲに思えてしまうが
良く見るとどうも少し違う様だ。
チャワンタケの仲間みたいにも見えるが
矢張りちょっと違う様にも見える。
これ!と言った物が思い浮かばない。
謎だ・・・・・・

 

そもそもコイツは何処からどうやって
此処に来たのだろう。
当方がキノコ探索した時に
何処からか胞子を持って来てしまったのかなぁ。
それともベランダから舞い込んで来た、とか?

 

そして、このイエローグリーンと言う
とても使用頻度の低い絵具のビンの蓋が開いた
そのホンの数分?の間に入り込んで
何が入ってるのか判らないけど
とても栄養分が豊富とは思えない
むしろ阻害要素が豊富としか思えない絵具の中に菌糸を広げ
こうして子実体を出現させた。
しかもキノコマニアの当方の目の前で。

 

これはもう、このまま保存するしか無いだろう。
もっと育ててコイツの正体を知りたくなってしまったよw
このまま蓋をして放置して置こう。

 

で、5か月後。
ビンの蓋を開けてみる。


殆ど変わっていない (∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!

正体は謎のまま・・・・・・
育っていなかったのは意外だったが
枯れていなかったのは幸いだった。

 

折角なのでトリミングでドアップに。

コイツは一体何者なんだろうかなぁ・・・・・・

取り敢えず今後もコイツを育て続ける事にしよう。

 

だが、絵具の養分だけで育つのだろうか。
栄養が足りないから変化が無いのだろうかなぁ。
栄養を与えるにしても何をどう与えたら良い物か。
下手な事をしてコイツを枯らしてしまったら元も子も無いしなぁ。
取り敢えずこのまま様子見をするしか無いか。
もし枯れる兆候が見えたら
すぐに冷凍庫に放り込んで凍結乾燥標本にするよ。
キチンと標本になってくれるかどうかは判らないけれど。


それにしても絵具にこんな物が生えるなんて想像だにしなかった。
世間の水彩系の絵具を使っている皆様はどうなのだろうか。
画家とかデザイナー、絵を趣味にされている皆々様方、
どうなんでしょう???

 

何か生えて来た人が居られたら是非お教え下さいませ。

 

 

※この記事を見たとある方から、このキクラゲ?は

 「析出では無いか?」とのご指摘を頂きました。

 絵具内の成分の一部が何らかの理由で分離して

 個体となったのでは、との事です。

 確かにそう考えると何か月もの間

 様子が変わっていないのも納得できます。

 色合い的にも絵具中のアラビアゴム成分が

 析出したのだと考えられます。

 たまたまキノコみたいな形になったので

 当方が勘違いした様です。

 だとしても、何故コイツだけが

 何故この様になったのかは不思議ではあります。

 尚、今更記事の全面改正はしませんが

 その点をお含み頂けましたら幸いです。

 

 

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| その他 | 00:06 | comments(2) | - | pookmark |
赤団子を求めて 番外篇その4

シツコク書いているが、当方は竹の赤団子病の事を追い求めている。

それに付随し、色々な竹の病気の事も調べている。

そうして竹の事を常に気にしていると、別の物が目に入る事もある。

今回は菌類とは関係ないのだが、そんな話をば。

 

 

2019年5月の事。
日常の買い物をしてバイクで何時もの道を走行中、
ふと目にした光景にちょっとした違和感があった。
それはとある住宅の竹の生け垣(A地点とする)。

A-shikenya 190518 (1).JPG
一見、何の変哲の無い生垣なのだが妙な質感があった。


それはこの部分。

A-shikenya 190518 (2).JPG

A-shikenya 190518 (3).JPG

これはひょっとして・・・・・・
 
これは竹の花だ。
A-shikenya 190518 (4).JPG

 

一見、花には見えないのだが雄しべが垂れているのが見える。

 

これは竹の花なのだ。


竹の花は60年に一度とも100年に一度とも
言われているくらいに滅多に咲かない。
その為、「竹の花が咲くと不吉だ」との言い伝えもある。
そして、花が咲くとその竹は枯れてしまうと言う。


この生垣の竹を良く見ると稈が黒い。

A-shikenya 190518 (6).JPG
これは「黒竹(クロチク)」と言う品種の様だ。
 


こちらは別の場所の生け垣(B地点とする)。

B-ohmori 200122 (1).JPG

其処に数本の竹が。


この竹にも花が咲いていた。

B-ohmari 190425 (3).JPG

B-ohmari 190425 (2).JPG

B-ohmari 190425 (1).JPG

 

ちょっと判り難いが雄しべも見える。

B-ohmari 190425 (5).JPG

B-ohmari 190425 (6).JPG
この竹も稈が黒いので黒竹の様だ。


ひょっとして同じ庭師さんの手による生垣で
元は同じ竹から株分けされたものだったりして。
それとも、まさか黒竹に取って2019年は開花期で、
世界中で一斉に開花しているのだとか??? 

 

こちらはまた別の場所の黒竹。

C-meitoku (1).JPG

C-meitoku (2).JPG

こちらは花は咲いていない様子。
となると世界中で一斉開花、と言う事では無かった様だ。
 
検索した所、世界中で一斉にと言う訳ではなかったが
2019年はあちこちで黒竹の花が咲いていた様で
各々地域のニュース等で取り上げられていた模様。

 

・100年に1度の珍現象 小松島で竹の開花 

          2019年4月23日徳島新聞

 

・120年に一度しか咲かない…「竹の花」が開花 

 “珍現象”を専門家に聞いた 

          2019年5月18日FNNビデオPost(神戸にて)

 

・竹にも「花」が咲くこと、知っていましたか?

 開花は「数十年に1度だけ」 

          2019年3月30日佐賀県有田町の情報

 

報道されたもの以外にもblogや動画等、SNSに多くの情報があった。

 

それによると黒竹を含む淡竹(ハチク)、マダケの開花は

120年に一度の由。
あまりにもスパンが長すぎるので
竹の一生を最初から最後まで観察をする事が不可能な為、
「120年」と言うのも推測の域を出ない、との事。
何れにせよ、竹の開花を見ずに一生を終える人も多いと言える訳だ。

それを目撃出来たのは幸運かも知れない。

 

とは言え、外見的にはとても地味なので気付かない人が殆どだ。

なので買い物帰りの人も普通に通り過ぎるし

A-shikenya 190518 (10).JPG

 

学校帰りの学生さんも通り過ぎる。

A-shikenya 190518 (8).JPG

 

勿論、車は気付けないで通り過ぎる。

A-shikenya 190518 (12).JPG

今後、もう見られないかも知れない現象が

今ここにあるのですよー

折角だから見て置くべきですよー

だから何?と言われたらそれまでだが。


 
こちらはA地点の2020年1月の様子。

A-shikenya 200122 (1).JPG

A-shikenya 200122 (2).JPG

A-shikenya 200122 (3).JPG
別の種類の竹も混在している為に判り難いのだが
少なくとも黒竹から緑色の葉が出ている様には見えない。
黒竹は枯れてしまった様に見える。

 

こちらはB地点。

B-ohmori 200122 (2).JPG

B-ohmori 200122 (3).JPG
こちらは一部に緑色の葉が見える。
こちらは枯れてはいない様だ。


「竹は一度花が咲くと枯れてしまう」と言うのは間違いなのだろうか。

 

実は、竹には「一斉開花」と「部分開花」があるとの事。

「一斉開花」はその名の通り竹藪の全ての竹が
一斉に開花し一斉に枯れてしまうだが、
「部分開花」は一部の竹が開花するのだが枯れる事は無い、との事。
それで言うとA地点は一斉開花、
B地点は「部分開花」と言う事だったのだろうか。

 

A地点は枯れてしまったのだとしたら生垣の入れ替えが必要だろう。
B地点は枯れはしなかった物の
竹の花の部分は残っているので
異様な質感がそのままになってしまっている。
生垣の価値としてはかなり落ちてしまった、と言えるだろう。


「竹の花が咲くと不吉だ」との言い伝えは
そのあまりのスパンの長さの為に
竹の生活サイクルを人間が捕らえきれないと言う
不安を原因としている、と言うのが大きいと言われているが
実際この様に、その形や色艶が不変であると信じていた竹が
花が咲く事によって価値を失ってしまう、と言う
現実的側面もあるのかも知れないなぁ。

 


こちらは三重県某所のマダケの竹藪。

mie 190516 (1).JPG

mie 190516 (2).JPG

この画像では伝わり難いのだが竹藪全体が異様な雰囲気だった。

 

良く見ると、こちらは竹の花が咲いた後に全体が枯れている様子。

mie 190516 (3).JPG

mie 190516 (4).JPG

mie 190516 (5).JPG

mie 190516 (6).JPG

花の様子からすると、結構前に咲いた物の様子。

移動中に発見し、ゆっくり撮影している時間が無かったのと
竹林自体が道と水路を隔てた向こう側にあったので
近寄って撮影する事が出来無かった為に
画面では殆ど表現出来ていないのが実に残念なのだが、
一角の竹が全面的に枯れている、と言うのは
本当に異様な光景だった。
 

沢山の竹が枯れる、と言うので言うと

天狗巣病が大規模に発生した最末期・痕跡の状態、と言う場合もある。

                  ※天狗巣病に関しての記事→こちら

tengusu 190603- (1).JPG

B-ohmari 190425 (7).JPG

tengusu 190603- (2).JPG

だが、それとはまた違う雰囲気だった。

 

当方がその時に感じた言葉は

天狗巣病の痕跡は「枯れた状態」、

開花後の竹のそれは「死んだ状態」だった。

同じやんけ!と言われたら返す言葉も無いのだが

とにかく当方はそう感じてしまったのだから仕方無い。

昔、某TV番組で開花後の竹藪の事を

「死後の世界の様だ」と表現した人が居たのだが

当方も正にそう思った。

 

 

 

さて、上掲の竹の開花の画像を見て

疑問に思った方もおられるかも知れない。

花は咲いてるけど実は生ってないの? と。

実はマダケ類・ハチク類の多くは

開花しても実は生らないのだと言う。

そして枯死するのだが、生き残った一部の地下茎から発芽して

やがて竹藪は回復する、との事。

それなら何の為に何十年も掛けて開花するのだろうかなぁ。

良く判らないや。

 

中には結実せず、生き残った部分も無く完全に枯れてしまった為に

絶滅した種もあるのだとか。

本当かなぁ・・・・・・

ますますもって訳が判らない。

とにかく竹はまだ謎の多い植物なのらしい。

 

因みにマダケ類・ハチク類は滅多に結実しないと言うが、

笹類は結実する場合が多いらしい。

こちらは2013年に京都市内で撮影した物。

kyoto 130505 (3).JPG

細かい種類は判らないが、笹が開花していた。

 

そして結実している部分もあった。

kyoto 130505 (1).JPG

kyoto 130505 (2).jpg

黒いツヤのあるのが結実部だ。

こんなぼけた画像しかないのがとても残念だ。

 

この笹も部分開花の様でごく一部で結実しているだけだったが

これが一斉開花ですべて結実した場合、

その実の量は地域全体で考えるとかなりの物になるだろう。

この実は栄養価が高く、虫害も受けにくい為に

その昔は穀物として貯蔵されていた、との事。

 

そんな栄養価が高い物は当然野生動物も好んで食する。

突然大量に発生した高栄養のエサを野ネズミが食べ

養分を蓄えた親ネズミは子ネズミを大量に生み育てる。

やがて増殖したネズミはエサを求めて田畑を荒らすようになる。

その為、大飢饉となってしまう・・・・・・

風が吹けば桶屋が、的な話ではあるが

「竹の花が咲くと不吉だ」と言うのはそう言う所からも来た、

との説もあるとの事。

 

とにかくまぁ、珍しい現象が起きると

思わぬ所に影響が及ぶのだなぁ、と言うお話。

それはともかく、今後も竹の事には色々と注目して行きたい。

 

 

 

※過去記事も併せてお読み頂けましたら幸いです
 アーカイブス→
こちら

 

 


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| その他 | 23:57 | comments(0) | - | pookmark |
ヒポミケス菌あれこれ

当blogで何度も取り上げているのだが

当方が惹かれている物にHypomyces(ヒポミケス)菌がある。
キノコに寄生する菌で寄主となるキノコによってその種類も違っている。

 

※今回取り上げた菌種には殆ど和名が無い為、全て学名で表記しています。

 読み難い点はご容赦下さい。


フィールドでは Hypomyces chrysospermus

(ヒポミケス クリソスペルムス)、

別名 Sepedonium chrysospermum

(セペドニウム クリソスペルムス)、和名アワタケヤドリが
各種のイグチ類に寄生しているのに良く遭遇する。

 

こちらはクリイロイグチ?に寄生した物。

最初はこの様に白い菌糸で覆われる。

Sepe-180630 (1).JPG

段々に黄色味を帯びる様になり

Sepe-180630 (2).JPG

成熟すると黄橙色になるので良く目立つ様になる。

Sepe-180630 (3).jpg

Sepe-180630 (4).jpg

名古屋東部はこの菌に取って余程棲みやすい環境なのか遭遇しない年は無い。

そこら中がこの菌だらけで寄主のイグチ類が枯渇してしまうのではないか、と

心配になってしまうぐらいの年もある程だ。

 

 

こちらはカワラタケに寄生した物。

何故かこの部分だけが地面に転がっていた。

hyp-kwr180630 (4).JPG

hyp-kwr180630 (5).JPG

 

こちらは別の場所で古くなったカワラタケに寄生していた物。

hyp-kwr180630 (1).JPG

hyp-kwr180630 (2).JPG

hyp-kwr180630 (3).JPG

カワラタケに寄生する橙色系のHypomyces菌としては

Hypomyces aurantius(ヒポミケス アウランティウス)と

Hypomyces subiculosus(ヒポミケス スビクロサス)等がある。

どちらも肉眼での判別はまず不可能。

顕微鏡を持たない当方には判別が出来無い。

 

 

そしてこちら。
クラガタノボリリュウタケに寄生している物。

hyp-krgtnbrrtk180630 (1).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (2).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (3).JPG

恐らくHypomyces cervinigenus(ヒポミケス ケルビニゲヌス)だろう。

 

こちらは成熟しつつある物か。

hyp-krgtnbrrtk180630 (4).JPG

 

黄褐色となって寄主はモロモロの塊になってしまっていた為、

手にしただけで崩れてしまった。

hyp-krgtnbrrtk180630 (5).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (6).JPG

矢張り橙色系になるのだなぁ。

勿論Hypomyces菌全てがそうだ、と言う訳では無いのだけど。

 

こちらでは罹患した個体と、今の所健常な個体が隣り合って生えていた。

hyp-krgtnbrrtk180630 (7).JPG

色の違いが顕著なので判りやすい。

 

こちらも手前の個体は一部が白くなって来ている。

hyp-krgtnbrrtk180630 (8).JPG

これも遠からず全体が真っ白になるのだろうなぁ。

 

健常の個体と罹患した個体を並べてみる。

hyp-krgtnbrrtk180630 (9).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (10).JPG

違いが歴然としているなぁ。

 


実はこの仲間には今までに何回か遭遇していた。

最初はこちら、京都の某所にて。

寄主は恐らくナガエノチャワンタケ。

hyp-fumei090702.JPG

ざっと周囲を見渡したが、この一個体しか確認出来なかった。

暗く不安定な場所だったので撮影が上手く出来ず

綺麗に撮れたのはこの一枚だけだったのは残念だった。

 

続いて、長野県某所にて。

こちらも寄主はナガエノチャワンタケかと。

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周囲を見渡したが2本のみだった。

 

こちらは各務原市内にて。

小型のクロノボリリュウタケに寄生した物。

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hyp-krnbrrtk160614 (4).JPG

この時は1m四方程の大きさの範囲に

小型のクロノボリリュウタケが幾つも発生しており

その多くの個体が Hypomyces菌に寄生されていた。

 

※先の長野のナガエノチャワンタケ寄生の個体にしても

 こちらのクロノボリリュウタケ寄生の個体にしても

 成熟した物は灰褐色になっています。

 画像検索で見ると Hypomyces cervinigenus の成熟体は

 灰褐色になっている物が多い様です。

 でも、最初のクラガタノボリリュウタケ寄生の物は橙褐色になっています。

 Hypomyces cervinigenus を記載している様々なサイトを見ると、

 サイトによって胞子の色は「薄茶色」「ピンクがかった淡褐色」

 「肌色」「淡褐色」等と様々です。

 という事は系統差や個体差で色合いは変化が大きい、と考えて良い様です。

 なので、どれも Hypomyces cervinigenus として扱う事にします。

 

Hypomyces cervinigenus はご覧の様に

ノボリリュウタケ属のキノコに寄生する菌だ。

当方の行動範囲でノボリリュウタケ属のキノコの

発生自体があまり多くないのだが
体験的に言えばノボリリュウタケ属のキノコに遭遇すると

高い確率で Hypomyces cervinigenus に遭遇している。

と言う事は Hypomyces cervinigenus の感染力は強く

多くのノボリリュウタケ属のキノコが罹患してしまっている、

と言う事なのだろうかなぁ。

あくまでも当方の行動範囲での話だけども。

 

 

多くのイグチ類に寄生する Hypomyces chrysospermus だが

イグチ科の中でも種類によって抵抗性の高低がある様で

罹患しているのを見た事のないイグチの種類もある。

だが、イグチの種類その物がとても多いので

寄主の獲得には苦労しない、と考えられる。

 

それに対し、ノボリリュウタケ属のキノコその物が

「イグチ科」と言う大集団に比べると絶対数でかなり少ない。

となると Hypomyces cervinigenus はその点では不利だと思われる。

どうしてそんな寄主を選んでしまったのだろうかなぁ。

 

 

以下、想像と言うか、妄想を書いてみる。

Hypomyces chrysospermus がイグチ科を寄主として選んだ時には

イグチ科はこんな大集団になっていなかったのかも知れない。

ひょっとしたら当時はノボリリュウタケ属の方が個体数が多く

Hypomyces cervinigenus の方が栄華を誇っていたのかも知れない。

Hypomyces chrysospermus は隅に追いやられていたイグチ科を

仕方なく寄主にした所、その後地球環境の変化で

イグチ科はキノコ全体の中でも大所帯に進化・分化した為に

Hypomyces菌の中でも Hypomyces chrysospermus が

一番目に付くようになったのかも知れない。

そして、イグチ科は様々な種類に進化・分化した為に

種によって Hypomyces chrysospermus に対する耐性の差異が

大きいのでは無いだろうか。

 

しかし、そうなるとカワラタケ寄生のHypomyces aurantius と

Hypomyces subiculosus はどうなんだろうかなぁ。

カワラタケは発生数、個体数で言うとかなり多いはずだ。

フィールドではあまりにもしょっちゅう遭遇するので

余程何かのインパクトのある状態でないとスルーしてしまい

逆に撮影する機会が少ないキノコ、と言える程だ。

だが、Hypomyces菌に罹患したカワラタケを見る機会は

カワラタケの絶対数に比べて圧倒的に少ない。

Hypomyces aurantius 及び Hypomyces subiculosus は感染力が低い、

逆に言えばカワラタケはHypomyces菌に対する耐性が高い、

と言う事なのだろうかなぁ。

 

そもそもHypomyces菌のそれぞれが、

どの時期・何時頃に寄主はこれだ!と定めたのだろうか。

そして寄主にされた各々のキノコは

それによってその後の進化の方向や速度に

何か影響を受けたりしたのだろうかなぁ。

当方にはさっぱり判らない。

そう言う研究をしている人がいるのかどうかすら知らないし。

 

進化の系統樹の中でそれぞれがどう位置付けされているのか判らないが

それを見れば何か見えて来る物があるのかも知れないよなぁ。

逆に、それを見れば当方がダラダラと書いた上記の内容が

全くの妄想でしかない事が歴然とするのかも知れないけれど・・・・・・

 

 

所で先に書いた様に Hypomyces cervinigenus は

ノボリリュウタケ属のキノコに寄生する。

実は前回の記事で取り上げたウラスジチャワンタケ

ノボリリュウタケ属のキノコの一種なのだ。

と言う事は Hypomyces cervinigenus に罹患した

ウラスジチャワンタケに遭遇する機会もあるかも知れない。

それは是非見てみたい物だなぁ。

 

フィールドを探索する楽しみがまた一つ増えた(^-^)

 

 

※Hypomyces菌関連の記事のアーカイブ→こちら

 

 


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お知らせです

7月3日19時〜の日本TV系『ザ!鉄腕!DASH!!』にて

当方のキノコ画像が放映されます。

 

恐らくDASH村に幾つかのキノコが発生したのでしょう。
それを番組で取り上げるにあたって画像が必要になり、

検索した所、当方のblogがhitした様で

番組製作スタッフから画像使用の要請がありました。

 

ヒイロタケと

hiirotake (3).JPG

oogomutake.jpg

オオゴムタケが使われる予定です。

 

どの画像がどれくらいの時間、

どの様に使用されるかは判りませんが、ご覧頂けましたら幸甚です。

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

また、大阪梅田・阪神百貨店にて7月13日から開催される

『ドキドキ!きのこフェスティバル2016』に今年も参加します。

そちらへもお越し頂けましたら幸甚です。

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 


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黄色と赤
※グロ画像あり・注意!

当blogで度々取り上げているHypomyces(ヒポミケス)菌 。
良く見掛けるのはイグチ類に寄生している物。
詳細は以前の記事をご参照下さい。
アワタケヤドリの事
Sepedonium 色々

その中でも少し触れたが、
Hypomyces菌の仲間は色々なキノコに寄生する。
その中の一つにカワラタケの仲間がある。

カワラタケは様々な広葉樹に発生するキノコで
発生も多く、フィールドで良く見掛ける。
時に広範囲に群生し、大きな集団にもなる。kawaratake-1.JPG
kawaratake-2.JPG
この様にカワラタケ自体は発生が多いが
Hypomyces菌が寄生した状態の物は
当方は今迄に数える程しか出会った事が無い。

最初がこちら。
H aurantius 060302-1.JPG
2006年3月02日、東大阪市東部にて撮影。
山中の地面で、
ちょっと変わった色合いのカワラタケ型のキノコに遭遇。
地上生のカワラタケ型キノコ、となるとイボタケかと思ったのだが
見てみたら地上に落下したカワラタケの一部分だった。

それにしては色合いが違うな、と裏返してみたら
Hypomyces菌に特徴的な色が。
H aurantius 060302-2.JPG
成る程、それの所為だったのか。

因みにカワラタケ類に寄生するHypomyces菌には

 Hypomyces aurantius
 Hypomyces subiculosus
 Hypomyces penicillatus
 Hypomyces laeticolor
 Hypomyces pseudocorticiicola

等と、幾つもの種類があるらしい。
基本的に黄色系だがそれぞれ微妙に色合いが違う由。
だが、それには個体差もあるだろう。
肉眼での判別は困難な様だ。
色の鮮やかさの点から画像の物は
Hypomyces aurantius だと当方は推定するが
勿論何の確証も無い。

それにしても丁度この部分のみを切り取って此処に置いた様な状態。
しかも、周辺を探してもカワラタケは見付からなかったので
まるで誰かが、当方にこれを見付けさせる為に置いてくれたみたいだ。
誰だか知らないが、有難う御座居ました。
いや、ひょっとしてこれぞキノコヌシ様のご加護か???


2回目は2009年6月6日。
H aurantius 090606-1.JPG
H aurantius 090606-2.JPG
H aurantius 090606-3.JPG
名古屋市内にて撮影。
古いカワラタケ子実体に寄生していた。
Hypomyces菌自体が古くなってくすんだ色なのか
Hypomyces aurantius では無い種類なので
鮮やかな色では無いのかは不明。
この切り株には何箇所もカワラタケが生えていたのに
Hypomyces菌が寄生していたのはこの一角だけだった。
他のカワラタケ発生部位と、この一角と、
見た所、環境にそんなに差異があるとも思えないのだが
Hypomyces菌が感じる何かの差異、
もしくは事情があるのだろうなぁ。

先にも書いた様にカワラタケは発生が多い。
フィールドを歩いていて、出逢わない年は無い。
余りにもありふれているので余程何かの事情が無いと
滅多に撮影もしないくらいだ。
だが、Hypomyces菌が寄生していた物に
当方が出逢ったのはこの2例だけだ。
カワラタケ類寄生のHypomyces菌は
あまり繁殖力が強くない、珍しい種類なのかもなぁ。

キノコに寄生する菌は他にも色々な種類がある。
それらを一度はこの目で見てみたい物だなぁ。


と、そんなある雨上がりの日。
フィールドでカワラタケの発生している切り株に遭遇。
hanekakushi-1.JPG
カワラタケは色の個体差が結構大きい。
最初に揚げた画像の個体は青灰色系だったが、この個体は褐色系の様だ。

と、一部が妙に赤いのに気付く。
これは何かの菌に寄生されているのだろうか。
hanekakushi-2.JPG
だが、カワラタケ類への寄生菌で
こんな綺麗な赤色になる種類があるのを当方は知らない。
これはひょっとして、とても珍しい寄生菌か???

期待して近付いて見る。
すると・・・・・・
hanekakushi-3.JPG
hanekakushi-4.JPG
ハネカクシの仲間の幼生と思われる赤い小虫が(2014.10.21追記)
クチキクダアザミウマの幼虫と思われる赤い子虫が
びっしりとカワラタケを覆っていた。
(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!(∩;゚皿゚)ヒイィィィッッッ!

だから赤く見えていたのかぁ。
それにしても凄い光景だった。
珍しい寄生菌では無くて残念だったが
これはこれで珍しい光景なのだろうなぁ。

それにしても結構大きなカワラタケの個体なのに
何故この一角だけにこの小虫は密集しているのだろうか。
当方には判らないが
これも小虫なりの感じる何かの差異、
もしくは事情があるのだろうなぁ・・・・・・。



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黒い唇
こちらの画像はヒステログラフィウム属の一種。

和名は無い由。
2007/05/28、栗東市内にて撮影。

枯木の上に唇状の子嚢果を形成し
成熟すると裂開して子嚢胞子を放出するとの事。

大きな物でも長軸で5mm程度だと思った。

殆どの図鑑には載って居らず、webでの情報も乏しい。
学名「Hysterographium」で世界中のサイトを検索しても
大した情報は得られなかった。
とにかく生活環や生態はまだ良く判っていないのらしい。

オバハン達が一斉に唇を開いてお喋りをして居る、と言うか
もしくは妖怪「百目」とでも言うべきか。
いずれにしても、得体の知れない何物かが
この枝の中でウゴメいているみたいで面白いw


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樹液酵母 試食篇
と言う訳で……
例の樹液酵母(→こちら)を食してみたw
画像は今日(2007/04/23)の撮影。


左側は先日のと同じ切り株。
樹液酵母のあふれ具合が更に激しくなっている。
右側が6日前の様子。

こちらは先日には気付かなかった、別の切り株。

こちらはやたらに黄色い。
この色の違いは、
樹種が違うので樹液成分が違い、
その為に繁殖した酵母やフザリウムの種類が
違う為だろうか???

大きな切り株の方の樹液を指に付けて舐めてみた。
期待した甘味は特に感じない。
口の中に広がる感覚は、以前飲んだ事のある
白樺樹液」にそっくりだった。
まぁ、同じ樹液だから当然と言えば当然かも知れないが。


この画像は、前回一番派手に発生していた樹液酵母を
ちょっとこそげ取ってみた所。
ゼリーの様な感触を予想していたのだが
グルテンか?と思う程に、意外に弾力があった。
酵母には菌糸は無い筈だから
フザリウムの菌糸でその様な状態になっているのだろう。

一つまみ、口に入れてみようとしたが
結構力を入れないと引き千切れなかった(画像上側)。
で、食す。
濃厚な樹液の味が口に広がる。
食感は矢張り、「ゆるいグルテン」と言った感じ。

口に残る、纏わり付く様な味の感じと食感、
何かに似ているなぁ、と思ったら
酒盗(鰹の塩辛)」のそれとそっくりだった。
色も良く似てるしなぁw
どちらも「発酵している」と言う点でも共通しているし。

家に帰ってから、塩味を付けて更に食してみた。
ますます「酒盗」にそっくりになった(画像下側)。
生臭く無い「酒盗」と言った所か。
魚の苦手な人向きの酒の肴になる、かも知れないなぁw

樹液酵母、裏山には沢山ありますので
試食をご希望される方は、是非ご連絡下さいませ( ̄∀ ̄)


因みに、今の所体調に変化はありませんw

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断末魔

画像は樹液酵母。
2007/04/17、裏山にて撮影。
切り株から染み出た樹液の糖分が酵母菌によって発酵し
其処にフザリウムと言うアカカビの一種が繁殖し
その色素によってこの様な鮮やかな色になった物。
この現象全体を「樹液酵母」と呼んでいる。

画像のは直径30cm程の切り株(樹種不明)を
各々別角度から写した画像。
切断面全体にも薄く樹液酵母が広がって
木目は見えなくなっている。
側面にも派手に樹液酵母が垂れている。



こちらの画像は近くにあった別の切り株(樹種不明)。
更に太い木の、少し上の方が伐採されており
更に派手に樹液酵母が垂れていた。
これも各々別角度から写した画像。



こちらの画像左は、先の画像の物のクローズアップ。
一部が道化師の帽子の角みたいに飛び出て垂れ下がっている。
画像右は、更に別の切り株(樹種不明)。
これは直径10cm弱だったか。

今までに樹液酵母は何回か見た事があるが
此処まで大きく派手な物は初めて見た。
伐採されたこの木は、それだけ生命力が旺盛な状態だったのだろう。
春先だったので、これから葉を茂らせる為に
樹液を盛んに押し上げている最中だったのだろう。

樹液酵母は色の差が
とても大きい(繁殖するフザリウムの種類?、個体差?)。
時として鮮やかな赤色になって
「木から血が出た!」と騒ぎになるらしい。
古文書に怪異譚として記述された事もあった由。
この画像↓では、それこそ血の様だ(画像提供:斎藤快樹氏)。


まるで、伐採された樹木の断末魔に見えてしまうなぁ。
当方の写した画像も、血の様な赤では無いけど
何かの体液を流してのた打ち回っているみたいだ……   (-人-) ナム〜


(続き→こちら


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ウズタケ まとめ

ウズタケ関連記事のアーカイブです。

 

残念な一枚・・・・・・・・・・・・ウズタケと最初の遭遇(20080419)

渦と環・・・・・・・・・・・・・・・・ウズタケとワヒダタケの邂逅(20100828)

うずうず・・・・・・・・・・・・・・ウズタケスポットの発見(20121212)

アミウズ・・・・・・・・・・・・・・ウズタケスポットその後(20141129)

アミウズ その2・・・・・・・・色々な「ウズタケ」の比較(20170831)

アミウズ その3・・・・・・・・ウズタケの不思議な性質?(20200630)

アミウズ その4・・・・・・・・ウズタ大発生!(20231031)

 


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