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白こぶ赤こぶ

今年の7月の事。
何時もの場所を何時もの様に徘徊していると、こんな物に遭遇。
tkirhrtk2020 (1).JPG

tkirhrtk2020 (2).JPG

tkirhrtk2020 (3).JPG

tkirhrtk2020 (4).JPG

tkirhrtk2020 (5).JPG
tkirhrtk2020 (6).JPG

これはトキイロヒラタケだ。
 
トキイロヒラタケに遭遇するのは多分3度目。
以前見た物はかなり色褪せた状態だったので(過去記事→こちら
初見ではトキイロヒラタケとは判らなかったのだが
こんな風に綺麗に朱鷺色の状態の個体に
遭遇したのは初めての事だったので感激してしまった。
  
トキイロヒラタケは栽培品が市販されている。

         (BIOCOSMOさんのサイトより引用)

だが当方が遭遇した物はかなり外見が違う。
画像検索をするとこの様な形状での発生も少なくない様だ。

(google画像検索の結果→こちら

 

上掲の過去記事にもあるが

当方は2005年に井の頭公園で良く似た物に遭遇している。

tkirhrtk2020 (13).JPG

tkirhrtk2020 (14).JPG

tkirhrtk2020 (15).JPG

画像では判り難いが、

そのキノコには薄っすらとピンク色が感じられたので
「多分トキイロヒラタケなのだろうな」と漠然と思っていた。
今回遭遇したトキイロヒラタケも形状が良く似通っていたので
やはりそれで良かったのだな、と勝手に納得した。

 

それにしても綺麗な色合いだなぁ。
裏返してヒダを見てみる。
tkirhrtk2020 (11).JPG

ヒダも綺麗。
 
と、ちょっと違和感が。
何かブツブツの様な物が見える。 

tkirhrtk2020 (8).JPG

tkirhrtk2020 (9).JPG

tkirhrtk2020 (10).JPG

これは一体???
 
これは「ヒラタケ白こぶ病」では無いだろうか。
名前に「ヒラタケ」とある様にヒラタケでの発生が多く、
ヒラタケの栽培家にとっては恐るべき病気の一つ、との事。

                岐阜県森林研究所さんのサイトより引用)


このこぶの中には線虫と言う
体長1mm程度の小さなウジ虫の様な
白いイトミミズの様な物が潜んでいると言う。
多くのキノコはキノコバエと言う、
キノコの中に入り込んでキノコを食べて成長し、
蛹化→羽化する小さな羽虫に食害されるのだが
その中でもナミトモナガキノコバエと言う種類の蛹の中に入り込み
羽化したナミトモナガキノコバエによって他のキノコに運ばれ
そこで繁殖し、そしてまたナミトモナガキノコバエの蛹に入り込み、
と言う風な生態を持っている由。

             (森林総合研究所九州支所さんのサイトの内容を適宜要約)


となると、ヒラタケ以外のキノコに
連れて行かれた場合はどうなるのだろうかなぁ。
ヒラタケ以外では繁殖できず死んでしまう、と言う
とてもリスクの大きな賭をしているのだろうか。
まぁ、寄生生物の多くは
そう言うリスキーな生活環を持っている物だけど
どうなんだろうかなぁ。 


それともナミトモナガキノコバエは

ヒラタケ科以外には産卵しないのだろうか。
アゲハチョウの幼虫がミカン科の植物の葉しか食べない様に
ヒラタケ科しか食べないと言うニッチな食性なのだろうかなぁ。
そして、同じヒラタケ科でも成分の関係で
ヒラタケを一番好んで繁殖場所に選んでいる、

と言う事なのだろうかなぁ。
うーむ、良く判らない。
幾ら検索してもその辺の事は判らなかった。
そう言う研究がされているのかどうかも不明。
在野のイチ素人の当方にはお手上げだ。

 

その後も調べた所、

ヒラタケ白こぶ病から検出される線虫について

2001年に「ヒラタケヒダコブセンチュウ」として

新種登録されたアグリナレッジさんのサイトより)点からすると

線虫に関してはヒラタケ科のキノコを

「食草」ならぬ「食菌」としている種類なのだろう。

となるとヒラタケ以外では繁殖出来無いのかも知れない。

ナミトモナガキノコバエに関しては

ヒラタケ科以外のキノコに産卵するのかどうかは

判らなかった。   (20200901追記)

 


さて、『栽培きのこ害菌・害虫ハンドブック』によると
この病気が最初に確認されたのは1978年島根県にて。
だが、その子実体の詳しい調査はされたのかどうかは不明。
1979年、屋久島で発見された罹患子実体によって
詳細な調査がされた、との事だが 
その時には既に脱出して居たのか、

線虫の確認はされなかった、との事。
その後、こぶの中に線虫が居る事が判明はしたが
病因についての詳細は

この図鑑の初版の1986年時点では不明だった様子。
キノコバエに媒介された線虫による病害、

と言う実態が判明したのは2000年に発表された

研究での事の様だアグリナレッジさんのサイトより)。  

 

当初、「いぼ病」「ひだこぶ病」の名が提唱されていたのだが
「白いこぶ」がヒダ以外の場所にも出来る事から
同書によって「ヒラタケ子実体の白こぶ病」の名称が提案されている。

そこから「ヒラタケ白こぶ病」の名で広く定着した様だが

正式名称は2000年に開かれた日本植物病理学会にて採用された

「ひだこぶ線虫病」との事。
 

それにしても「ヒラタケ白こぶ病」という名前なもんだから
ヒラタケ以外にも発生するかどうかを考えた事無かったなぁ。
トキイロヒラタケは分類的にヒラタケととても近いので
発生してもおかしくは無いかも知れないけれど。
 
で、調べてみたら実際にヒラタケの他には
ウスヒラタケ、トキイロヒラタケ、エリンギにも発生する事が

確認されているらしい岐阜県森林研究所さんのサイトより)。

エリンギは元々日本には自生していなかった種類だし
自然下での発生量もウスヒラタケ、トキイロヒラタケに比べて
ヒラタケの発生量、発生頻度の方が格段に高い。
栽培量もヒラタケは段違いに上なので
「ヒラタケ白こぶ病」の命名で問題なかったのだろうが
ヒラタケの栽培量は近年かなり減っているし
今ではエリンギの栽培量の方が遙かに上回っているので
今後のことを考えると
病名の変更は考えた方が良いのかも知れないなぁ。


もっとも、それを鑑みてか「ヒラタケ類白こぶ病」と
”類”を付けて表記している所もあったので、

既にそう言う考慮が

なされているのかも知れないアグリナレッジさんのサイトより)。

 

また、「白こぶ病」の点も
ヒラタケのヒダ・菌糸が白かったのでコブも白かったのだが
トキイロヒラタケの場合はご覧の様に「赤こぶ」なので
正式名称の「ひだこぶ線虫病」の方が
この病状の実態に即していると考えるのだがどうだろうか。
まぁ、当方みたいな門外漢が
こんな場末のblogで言っても仕方無いのだけれど。

 

尚、こぶ病には毒性は無い、との事。
だから白こぶ病のキノコを食べても問題は無いらしいが
見た目がよろしくないのでそのまま食べる人はまぁ、いないだろう。
検索すると、こぶの部分を取り除いて食べている人の記事はあった。


さて、せっかくなのでトキイロヒラタケの一部を持ち帰り
標本にする事にした。

tkirhrtk2020 (12).JPG

 

ふと見ると傘の下だった部分が白くなっている。

tkirhrtk2020 (7).JPG

これは降り積もったトキイロヒラタケの胞子だ。

この胞子達には頑張って成長して貰って

また何時か、綺麗なトキイロヒラタケに遭遇したい物だ。


で、一ヶ月程凍結乾燥させたものがこちら。

tkirhrtk2020 (16).JPG

かなり色が変わってしまった。
実はトキイロヒラタケは調理すると色が薄くなってしまうのだが
乾燥させると色合い自体が変わってしまう様子。
うーん、元の色合いを保存出来無いのは残念だなぁ。

 

ひだのこぶはどうか。

tkirhrtk2020 (17).JPG

tkirhrtk2020 (18).JPG

かなり目立たなくなってしまったが何とかこぶは確認出来る。

矢張りヒラタケのくらいに派手な病状でないと

こうなってしまうのは仕方無いか。

でも、今回はこぶを残す事が主題だったので取り敢えず良かった♪

 

 

そう言えば、この場所では以前何回かヒラタケには遭遇して居るが

その時は白こぶ病は見られなかった。

ヒラタケの方をより好んでいる筈なのに

何故このトキイロヒラタケの方に発生したのだろうかなぁ。

何かのちょっとした環境や条件の問題なのか、

その時はナミトモナガキノコバエが

まだこの場所に進出して居なかったからなのか。

良く判らない。

謎だ。

 

今後もヒラタケ科のキノコに遭遇した場合は

白こぶ病の有無を良く確認する事にしよう。

 

 


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| ヒラタケ科 | 00:05 | comments(0) | - | pookmark |
野良
JUGEMテーマ:趣味

こちらの画像はシイタケ。
某所で大量に発生していた。
shiitake2014-1.JPG

大きな丸太には大きなシイタケが。
shiitake2014-2.JPG
右側の2固体だけだったら
これがシイタケとは判らなかったかもなぁ。

この丸太にはうじゃうじゃと。
shiitake2014-3.JPG
実に見事。

こちらの丸太のはまだ発生したてだった。
shiitake2014-4.JPG
shiitake2014-5.JPG
shiitake2014-6.JPG

別の丸太にも大きなシイタケが。
shiitake2014-7.JPG

例によって1000円札と比べてみる。
shiitake2014-8.JPG
その大きさが判ると言う物。


この場所には長らく
広葉樹の枯れ枝、丸太が放置されていたのだが
そこからシイタケがこの様に発生していたのだ。

今でこそ一年中何処ででも買えるので有り難みは無いが
シイタケも元々は野生のキノコだ。
こんな場所で遭遇すると
シイタケも生き物なのだ、と改めて感じてしまう。

シイタケに関しては以前も書いた事がある。
よろしければそちらもご覧下さい(→こちら)。


で、このシイタケが天然物かと言うと
実はそうではない。
このシイタケ発生地点から20m程離れた場所に
こんな物があった。
shiitake2014-9.JPG
そう、それはシイタケのほだ木。
誰かが此処でシイタケの栽培をしていた様子。
だが、手入れをされてはおらず完全に放置されている。

思うに、場所も良さそうだし
シイタケの栽培でもやってみようかな、と
軽い気持ちでほだ木を買って置いてみたのだろう。
で、置いたら勝手に生えて来る物だ、と
タカを括って碌に手入れもせずにいたので
期待ほどの成果が無かった為に
がっかりして放棄されてしまったのだろう。
所が、其処から放出された胞子が
周辺の枯れ木をほだ化し、この発生を見たのだ。

先にも書いたが
シイタケは生の物が一年中何処ででも買える。
「完熟ほだ木」と称した物がホームセンターでも買えるし
室内で栽培可能な成熟した菌床キットも売られているので
誰でも簡単に出来そうな気になってしまうが
実はシイタケの栽培は、そう簡単ではない。

原木栽培の場合、木の中の水分量が
後々の作業に大きな影響を与えるために
木を伐採する時期がとても重要なのだ。
そして、その後の管理も難しく
素人がいきなりやると凡そ失敗してしまう。
様々な害菌にやられてしまい、
シイタケが全く生えて来ないのだ。

市販の完熟ほだ木は
その辺は上手い事やって完熟させている筈だが
それでもどんな環境の何処に置いても
必ずシイタケが生えて来る、と言う訳では無い。
やはり、それなりに栽培に適した環境に置かないと
シイタケは上手く生えては来ないのだ。

本来なら、栽培する場所を決めてから
その場所の環境に合ったシイタケの品種を選び
そして状況に応じて適切に
ほだ木の世話をしていかなければならない。
シイタケには様々な品種があり
環境や使用目的に沿って細分化されているのだ。

だが、それでは「完熟ほだ木」として
市販する事は出来無い。
なので、品質はともかく、とにかく発生しやすく
更に汎用性の高い品種でほだ木を作り市販しているのだ。
それでも、それなりに適した環境に置かれなければ
シイタケは生えて来ない。
あまりに環境が悪ければ、
また、あまりにも手入れが悪ければ
シイタケは生えて来ないのだ。

此処のほだ木も恐らくそれで上手く行かず
結果として放棄されてしまったのだろう。
結果の出なかったほだ木が
そのままそこに放置されている、と言う事は
このほだ木の設置者はシイタケ栽培に関して熱意も何も無く
本当にちょっと試しにやってみただけなんだろうなぁ。

所が、そこから飛散した胞子は
周辺に放置されていた枯れ木を見事なほだ木にしてしまった。
誰も管理をしていない、
何時伐採されたかも判らない原木を
人間の手を借りず自らの能力だけでほだ木にしたのだ。
他の菌の妨害にも負けず、生存競争に勝ち
勢力拡大を果たし、立派なほだ木を自力で仕上げたのだ。
こんなに大きく立派なシイタケが生えて来るのも当然かも知れない。


上述した様にこのシイタケは天然物とは言えない。
といって、栽培物と言う訳でも無い。
人間用に改作された品種が逃げ出して外で勝手に繁殖したのだ。
それは、「野良」と言う事になる。
つまりこれは「野良シイタケ」の群なのだ。
こんなに見事に育っているのは
自分を見捨てた人間達に対する意地なのかも知れないよなぁ。


所でシイタケは人工的に作られた品種が
何十年にもわたって日本全国あちこちで栽培され
それこそこの様に胞子がバラ撒かれて来たのだ。
山の中でシイタケに遭遇しても
それが本当の天然物のシイタケだとは限らない。
逆に山の中だからこそ
どこかで栽培していたシイタケの胞子が
流れて繁殖した「野良シイタケ」の可能性が
高いと言えるかも知れない。
元々シイタケ栽培は山の産業だった訳だしなぁ。
以前書いた記事のシイタケも
この様な「野良シイタケ」だったのかもなぁ。

ひょっとしたら、本当の「野生のシイタケ」は
日本にはもう無いのかも知れない。
トキみたいに「野生絶滅」なのかもなぁ。
そう考えると現代の日本では
「本来の野生シイタケの味」を知っている人は
殆どいない、と言えるのかも知れない。
だからどうだ、て話では無いのだけど。


さて、この「野良シイタケ」。
今後、勢力を拡大して行けるのだろうか。
それとも「野良」の哀しさで、
やがては滅んでしまうのだろうか。
今後もこの場所、及び名古屋市東部の
シイタケ状況を観察して行きたい。
 

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| ヒラタケ科 | 00:45 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
原種

このblogは、当方が採取または
観察したキノコ等の菌類を元に記事を書いているが
今回は番外編と言う事で。


先日、近くのイタリア料理店、
ネグラマーロのシェフのやっているblogに
ちょっと気になる記事がUPされた。
カルドンチェロが入荷!との事だ(→こちら)。

あのカルドンチェロが入荷かぁ。
しかも季節物なので
今を逃すと今後何時食べられる保証も無い。
これは是非食べなければ。
早速予約の電話を入れ、晩に店に行く事に。


所でカルドンチェロって、何?
初めて聞く名前だよw
シェフのblogにもあった様に見た目はエリンギっぽい。
ヒラタケの仲間である事には間違い無いだろう。
webで検索すると「カルドンチェッロ」と表記している所もあった。
だが、日本語のサイトではそれ以上の情報が出て来ない。

そもそもどんな綴りなのか判らない。
適当に想像して入力するが、間違っている様で何もhitしない。
仕方無いのでイタリア語のサイトで
「FUNGO(イタリア語で「キノコ」の意)」を検索し、
片っ端から覗いてみた。
すると、掲載されているサイトが見付かった(→こちら)。

それによると、カルドンチェロとは
Cardoncello」と書き、
学名は Pleurotus eryngii との事。
ん? eryngii ????
これはエリンギでは無いか!

つまりカルドンチェロとはエリンギの原種の事の様だ。
なるほど、エリンギに似ている筈だ。
因みに、エリンギは学名の一部が商品名となっている。
これはかなり珍しい例だと思う。
他には、ササクレヒトヨタケの栽培種を
学名 Coprinus comatus から「コプリーヌ」と言っている例と、
日本には自生していない Agaricus Blazei を商品にした
「アガリクス茸」位な物だろう。
因みに、ヒラタケの学名は Pleurotus ostreatus 。
エリンギと同じヒラタケ科ヒラタケ属だ。

Pleurotus eryngii は日本には自生していない。
市販されているのはP. eryngii から
栽培に適した系統を選び出し培養した物だ。
なので、原種を日本で食べられる機会はまず無い。
これは面白いなぁ。
市販のエリンギとの違いを味わってみよう。


晩になり店へ。
シェフは当方のキノコ好きを知ってくれているので
わざわざカルドンチェロをテーブルへ持って来てくれた。
Cardoncello-1.JPG
Cardoncello-2.JPG
確かにエリンギだなぁ。
でも、先のサイトにあった様に
これが地面に生えていてもエリンギだとは中々判らないだろうなぁ。
 
シェフ曰く、
「もうこれで最後なので全部食べちゃって下さい」との事。
お言葉に甘えて3種類の料理を注文し
上手く配分をしてそれを全部使って貰う事にした。
その直後、来店した常連さんと思しき男性客が
カルドンチェロを注文していたのだが
シェフは「品切れです。申し訳ありません」と断っていた。
あぶねーあぶねー。
間一髪セーフだったw


そして出て来たのがこちら。
カルドンチェロのソテー。
Cardoncello-4.JPG
市販のエリンギと比べるとクリーミーな歯触り。
歯切れも鮮やかな感じ。
添えられたレモンタイムの爽やかさがアクセントになっていた。
(゚д゚)ウマー


続いてカルドンチェロのフリッター。
Cardoncello-5.JPG
こちらの方がよりクリーミーな歯触りだった。
衣のサクサク感との対比が見事。
(゚д゚)ウマー


シェフのblogにあった、
カルドンチェロとアンチョビのパスタ。
Cardoncello-3.JPG
にんにくも効いていて(゚д゚)ウマー


カルドンチェロ関係以外で頼んだ、
白アスパラのブレザオラ(牛肉の塩漬け)添え。
truff-1.JPG
白アスパラ、ブレザオラ、炒り卵とワケギの
渾然一体となった中に白トリュフの香りが加わって(゚д゚)ウマー
ほんとに(゚д゚)ウマー

その他に、もう2品あったけど、今回は省略。
ご馳走様でした(-人-)



後日、比較のため、市販のエリンギも食してみる。
それがこちら。
いわゆる「エリンギ」だ。
Cardoncello-6.JPG

こうして見ると、カルドンチェロだなぁ。
Cardoncello-7.JPG
Cardoncello-8.JPG
って、当たり前かw

この日は市販の安物のバジルソースでパスタに。
Cardoncello-9.JPG
冷凍野菜とベーコンを加えて彩りを。
シェフの料理に比ぶべくも無いが、これはこれで(゚д゚)ウマー
やはりカルドンチェロと歯触り歯切れが違うなぁ。


それは、調理方法も技術も違うし
野生種と栽培種の違いも勿論あるのだろうが
それ以外にも、
カルドンチェロは傘の部分を食べているのに対して
エリンギは柄の部分を主に食べている事による差も大きいと思われる。

市販のエリンギはどちらかと言うと
傘の柔らかい歯触りより
柄の歯切れ感を味わう為に特化された物の様だ。
実際、傘の開きは少なく、柄が大きい状態で販売されている。
今回買った物はホクト製品だったのだが
他社製品ではホクト以上に、より傘の部分の小さな物もある。

実は先のイタリア語のサイトは
カルドンチェロの種菌の販売のサイトだ。
下方に4つの品種が紹介されているが
その栽培状況の画像では
日本のエリンギとは違って傘が大きく開いている。
矢張り傘を味わう為に栽培している様だ。


傘の味わいよりも柄の歯切れを重視した、と言えば
エノキタケがそうだ。
栽培エノキタケと原種のエノキタケは
色も形も香りも何もかもが違う(→以前の記事)。
栽培品はエノキタケの柄の歯切れを楽しむ為に特化した物だ。
その歴史と変遷に関してはこのサイトが詳しい(→こちら)。
または、瓶詰めナメタケの原料として
改造された品種を一般販売した物が定着した、とも言う。

どちらにしても、原種とは懸け離れた物に
なっている事には変わりは無い。
最近はブラウンエノキなる
多少原種に近い品種の栽培品も出回っているが
原種とは似ても似つかない栽培種が
「エノキタケ」として一般化してしまった為に
原種を見て「これがエノキタケ!?」と驚く人も少なくない。

ひょっとしたらエリンギも同じ道を歩むのかも知れないなぁ。
今後は、より柄を強調した系統が
出回る事になって行くのかもなぁ。
でも、それはそれで良いのだろう。
柄の歯切れを楽しみたい時には市販のエリンギを買って
傘の柔らかさを楽しみたい時にはネグラマーロで
カルドンチェロを頼む事にすれば良いのだから
それもキノコの楽しみ方の一つと言えるだろう。

いやぁ、中々面白い体験が出来た。
ネグラマーロさん、有難う御座居ました(-人-)
皆様も名古屋へお越しの際には
ネグラマーロへ是非♪(→こちら)。


しかし、今の状態でも
日本在住のイタリア人がカルドンチェロを味わいたくて
市販のエリンギを買ったらがっかりするかも知れないよなぁ。
今後は益々その傾向が強くなるのだろうなぁ。
まぁ、寿司がSUSHIとなって
アボガドロールが出来たみたいな物だろうから
否定する訳では無いのだけれど。

それにしても、日本人って
そんなにも柄の歯切れを楽しみたい民族なのだろうかなぁ……



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| ヒラタケ科 | 00:26 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
ヒラタケ怖い
画像はヒラタケ。
2011年1月19日、名古屋市東部で撮影。
hiratake A1-1.JPG
hiratake A1-2.JPG
結構大きな個体だ。

近年はブナシメジにその座を奪われてしまったが
以前「シメジ」の商品名でスーパーで売られていたのは
このヒラタケの栽培品だ。

秋〜冬が旬のキノコで
その為「カンタケ(寒茸)」とも呼ばれている。
図鑑等では雪をかぶっている様子が
掲載されている事もある(→こちらこちら)。
撮影の3日前に雪が降っていたので
このヒラタケも雪をかぶっていたのかも知れない。
だとしたら、その状態を撮影したかったなぁ。

試しに一つを切り取ってみる。
hiratake A1-4.JPG
hiratake A1-3.JPG
ヒダが柄に尾を引くように繋がっているのが特徴的だ。
ヒダの色が白くないのは、はてさて???


所で当方、ヒラタケを見付けても基本的に収穫はしない。
と言うのも、こんな事があったからだ。

デジカメをまだ持っていなかった頃、
当時住んでいた東大阪の裏山で
手の平サイズの大きなヒラタケを見付けた。
喜び勇んで早速収穫。
歯応えを味わう為に大きめに刻んで
鍋で煮て、味噌汁にした。
 
早速試食。
大きな傘の部分を思い切り口に入れる。
が……
何だこれは???
噛んでみても何の味もしない。
キノコの香りもしない。

想像してみて欲しい。
口の中に、何も味のしない
むにゅむにゅの物が充満している状態を。
最初からそれと判っていて食べたのならば
問題も無いだろうが
当方は天然ヒラタケの味を期待して頬張ったのだ。
それが味も香りも無い、ただのむにゅむにゅなのだ。

キノコの食感は、その味と香りがあってこその物だ、と言うのが
イヤと言う程判った。
それが無ければ、ただの気持ち悪いシロモノだ。
とにかく本当に気持ち悪い。
あまりの事に飲み込む事が出来ず
台所へ行き、流しに吐き出してしまった。
残りの具も全て捨ててしまった。
ヒラタケでこんな事があるなんて、
こんなヒラタケがあるなんて、
全く思いもしなかった。
そもそもこれは本当にヒラタケだったのだろうか。

その後、ヒラタケの栽培をしている人に話を聞くと
成長後に乾燥して萎びたヒラタケが雨を受けると
一見瑞々しい良い状態に見えるが
実際には味も香りも抜けた、
ただのふやけたヒラタケになる事がある、との事。

そのヒラタケはどうやら水戻しのヒラタケだった様だ。
当方の目には新鮮なヒラタケにしか
見えなかったのだがなぁ。
画像も残っていない今となっては
検証のしようも無いが。

考えたら、ヒラタケに似た
別種のキノコだったとしても
不味ければ不味いなりの
何がしかの味や香りがある物だ。
不味い物は「不味いっっ!!」と吐き出す事も出来よう。
それが全く無かったのだから
ただもう「気持ち悪っっ!!」と吐き出さざるを得なかった。

その一件以来、ヒラタケが怖くなってしまった。
フィールドで見付けても
中々手が出なくなってしまった。
例えばこの個体。
こちらは9月24日に撮影。
hiratake B-1.JPG
まるでほだ木を据え付けてある様だが
何故か中途半端な位置で切られた立ち木から生えていた物。

hiratake B-2.JPG
hiratake B-3.JPG
明らかに新鮮な個体なのだが
スルーしてしまったw

因みに、先に書いたが
最初の画像の個体は
撮影の3日前には雪が降っていた。
と言う事は、その個体は水戻しの可能性が高い。
実際、ヒダからは新鮮さが感じられなかったしなぁ。
なので、やはり手が出なかった。

こちらは1月28日の状態。
hiratake A2-2.JPG
そのまま放置されていた。

前回切り取った個体はカラカラに干乾びていた。
hiratake A2-3.JPG


所が、その1週間後に同所を訪れると
ヒラタケは跡形も無くなっている。
hiratake A3-2.JPG
見ると誰かが収穫した跡が。

当方が切り取ったヤツはそのまま放置されているw
hiratake A3-1.JPG

こんな場所で
きれいに根本から切っているぐらいだから
キノコを知っている人が収穫したのだろう。
でも、これが水戻しだったとは知らないだろう。
誰だかは判らないが
当方の様に期待して食べて、
げろげろな思いをしていない事を願うのみだ。
ひょっとしたら、名古屋でヒラタケが怖い人が
一人(一家族?)増えてしまったのかも知れないなぁ……
(-人-) ナム〜


更に2週間後の2月4日、同所を訪れると新たなヒラタケが生えていた。
hiratake A4-3.JPG
hiratake A4-1.JPG
放置されていた個体は前日の雨を受けてふやけた状態になっていた。

こちらはその様子。
hiratake A4-2.JPG
完全に味も香りも抜けてるだろうなぁ。

こちらは1月28日の様子。
hiratake A1-3.JPG
結構そのままの形が残っている物だ。
知らなかったら上のヤツを収穫する人も居るかもなぁ。

毒キノコに中る心配とは別に
クソ不味いキノコを収穫してしまうかも知れない、
と言う心配もしなければならないのだから
キノコは難しいよなぁ……



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| ヒラタケ科 | 00:12 | comments(10) | trackbacks(0) | pookmark |
あせる……
2009年6月23日。
名古屋市内の某所でこんなキノコに出逢った。



透明感のある白さ、柄の無い傘の形とヒダの様子。
一見スギヒラタケに見える(→こちら)。
だが、この木は樹種不明だが杉では無い。
なのでスギヒラタケでは無い。

また、一見ウスヒラタケにも見えるが(→こちら
それともちょっと感じが違う。

実は、その14日前はこんな状態だった。



この状態でも中々判り難いが
右側の幼菌があったのでトキイロヒラタケと判断出来た。

トキイロヒラタケは名前の通り、鴇色をした平茸だ。
図鑑ではとても綺麗な鴇色の画像が掲載されているが(→こちら
webで検索すると割りと色の褪せた個体が
少なく無い様だ(→こちらこちら)。
これで見ると、「桜色の平茸」と言った方が当て嵌まる様に思える。
してみると、このキノコを命名した人が見た個体は
鮮やかな色の個体だったのかも知れないなぁ。

こちらは2005年8月9日、東京の井の頭公園にて出逢った個体。



これも一見そうは見えないが
この角度で見ると、トキイロヒラタケぽく見える。

実はwebで調べると、こう言う形の個体も少なく無い様だ(→こちら)。
どうやらトキイロヒラタケは
色形の個体差の、とても大きな種類の様だ。
とすると、図鑑だけを見て実物を判定しようとしても
判らない事も多いのかも知れないよなぁ。

矢張り一度は綺麗な、
それこそ絵の様な個体に出逢ってみたい物だ。
色褪せてたり、異形の個体も面白いけど
図鑑と同じ物を目の当たりにすると
どうしてもその方がテンションが上がるからなぁ……

いや、このトキイロヒラタケには罪は無いのだけどね……(^ω^;)



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| ヒラタケ科 | 00:24 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
救出と成仏
画像はマツオウジ。
2009年4月24日、名古屋市内にて撮影。
公園内の松の古い切り株に、唐突に生えていた。


まるで何処かのキャラみたいだw

こんな目立つ場所に、目立つ形のキノコだから
誰かに悪さされないか、ちょっと心配だ。

近くに転がっていた松の丸太からも
マツオウジが何本も生えていた。

こちらはもう少し育つのを待ってから収穫しようかな。

5日後、様子を見に行ったら
数本が折り取られていた。
しかも、縦に裂かれたり
細かくちぎられた物が周辺に捨てられいた。

左側の物がそれ。
散らばっていた物を集めて
生き残っていた個体と並べて撮影した。

キノコは何故かその様な扱いを受ける事が多い。
食毒関係無く、意味も無く踏み潰されたり
蹴り折られている事が多いのだ。
恐らく、キノコは気味悪い、と言う
先入観を持っている人が多いからなのだろう。
だが、このマツオウジは
一部は縦に裂いて捨てられていた。
キノコに多少興味がある人が
「縦に裂けるキノコは食べられる」の話を知っていて
それを試してみたのかも知れない。
で、縦に裂けたは良い物の
結局気味悪がって投げ捨てた、
と言う事だったのだろうか。

このままでは残ったマツオウジも
どんな目に遭わされるか判らない。
踏み潰されたり、蹴り折られたりするのも可哀相だ。
それに、此処の所晴天続きで
やや干からびて来ている。
更に晴天が続くそうなので
このままでは今後の成長は望めず
ただ干乾びて枯れてしまうだけだろう。
それも勿体無い。
なので、採取して持ち帰る事にした。

こちらは例のヤツ。
どうやら無事だった様だ。


成長して、更に何処かのキャラっぽくなっているw
だから蹴り折られずに無事だったのだろうか。

早速収穫。



「ぎゃ〜〜〜〜っ!!」
と断末魔が聞こえてきそうだw

他の生き残っている物も合わせて収穫。




折角なら、と、料理上手でキノコ好きな友人に郵送。
その際、
 「是非丸焼きにして相棒に喰わせるべし!」
とメッセージしたら
本当にそうして食べさせたらしいw

こう言う食べ方で、実際に美味しかったのかどうかは不明……

とにかく、これでこのマツオウジ達も
無駄死にする事無く
無事成仏出来た事だろう。
(-人-) ナム〜


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| ヒラタケ科 | 00:09 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
でかい……(・∀・;)
2008/05/18、某公園を歩いていた所、
大きなキノコが目に入った。
傘径10cm超の立派なマツオウジだった。



そして、これを見た瞬間、
思わず「うおぉ〜〜〜っ!!」と声を上げてしまった。


そばに人がいなくて良かったよw

傘径20cmは優に超えている。とにかくデカイ!

ずっしりと重い。
マツオウジに限らず、こんな大きなキノコは初めて見たよ。

ひだのエッジが鋸刃状にギザギザ。

これがマツオウジの大きな特徴だ。

マツオウジには何回か出逢っていたが
こんなに大きくて、しかもこんなに大量なのは初めてだ。
なので周辺にあった幾つかの物を含めて収穫。

例によって1000円札で大きさを比較したw

帰宅後、ざるに盛って撮影。

猫が不審そうにニオイを嗅いでいたw

取り敢えず柄を切断。


そして、傘を真っ二つに。


切る瞬間のザクリッとした感触がとてもウヒャヒャ(゚∀゚)♪
何か妙な征服感を感じてしまったw


柄は輪切りに。

大きな鍋がマツオウジで一杯になってしまったw


取り敢えず一部を味噌汁にして試食。

歯触りはエリンギに似て、更に歯切れが良い感じ。
味はエリンギよりも上。
中々に美味しいキノコと言えるだろう。

webや図鑑では「傘の開いた物は大味なので食用としない」旨の
内容が書かれていたが、当方は普通に美味しいと思った。
その点は個体差と個人差があるのかも知れない。
また、「人によっては中毒する」ともあったが
当方は大丈夫な様だった。

とは言え、一人でこんなには食べられない。
大きなキノコに出逢って、
舞い上がってつい採り過ぎてしまったなぁ。
残りは瓶詰めにして友人に進呈。
友人も美味しく食べてくれた様で良かったw

次回出逢ったら、また少しは収穫させて貰いたいな(^−^)

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| ヒラタケ科 | 02:27 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
イキナリでかい

画像は2007/03/30、近くの神社の駐車場脇にて撮影。
乱暴に枝打ちされていたポプラの木の
太枝伐採痕からでかいキノコがイキナリ生えていた。

ぱっと見、ヒラタケかと思った。
柄が短く、ヒダが柄に長く垂生しているのは
ヒラタケの特徴でもあるのだが
時期的にあまり合わないし、質感がどうも違う感じだ。


触ってみるとかなり硬い。
ヒラタケが古くなった、と言うより
元々硬い物、と言う感触。
それに、発生してからかなりの日数が
経っている様に見える。
ヒラタケだったら此処まで長持ちしないだろう。

どうやらこれはカワキタケの様だ。
カワキタケはヒラタケに近い仲間なので
似た外見になる事もあるのだろう。
それにしても、こんなに大きいのは
webでも見た事が無い。
こう言う事もあるのだなぁ……

カワキタケは名前の通り、
普通のキノコの様な外見でありながら
水分が少ない目の子実体を発生させる種類である。
硬いので食べる事は出来無い。

予め乾燥気味のキノコなので
発生してから長く形を保つ様だ。
画像のキノコ、一体何時から生えていたのだろうか。
その時期、暫く雨が降っていなかったので
まさかこんなに大きなキノコが
こんな場所に生えているなんて思いもよらなかった。

1000円札で大きさを対比させてみたw


因みにカワキタケは学名が
Panus torulosus から Panus conchatus に変更された模様。
どちらにしても、web全体(世界的)を見ても情報は多くない。

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| ヒラタケ科 | 13:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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