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スミレ!スミレ!スミレ!

前々回の日記で

「来年も是非スミレホコリタケに逢いたい物だ」

と言う事を書いた(→こちら)。

以前、当方の記事を読んで頂いたgorosukeさんから

名古屋ではスミレホコリタケの発生は7月と9月、と

コメントで教えて頂いていたので

年内にはもう発生は無いだろうな、と思っていたのだ。

 

だが実はそのすぐ後に、幾つもの場所で

幾つものスミレホコリタケに遭遇していた。

 

まずは9/12、前回も発生した場所に更に発生した物。

sumire0912OMH-A (2).JPG

前回もそうだったが

当方が見付けた時点で既に何者かに齧られていた。

チャコウラナメクジ?が食事中だが、

ナメクジがこんなにダイナミックに食べる訳では無い。

暴食のヨトウムシでも此処まではしないだろう。

歯型が顕著に見える点からすると、齧歯類なのだろうなぁ。

近くに公園はあるが、リスが住んでいるとも思えない。

となるとネズミなのだろうかなぁ。

この地域のネズミはそんなに飢えているのだろうか。

それとも、スミレホコリタケは

そんなにも美味しいのだろうかなぁ・・・・・・

 

取り敢えず、手元で経過観察をする為に掘り取る事に。

sumire0912OMH-A (3).JPG

が、小さな個体だったのでこじんまりと掘り取ろうとしたら

根元の土が完全にバラけてしまった。

菌糸を殆どちぎり取った形になってしまったなぁ。

これは今後生育出来るのか、ちょっと不安・・・・・・

 

取り敢えず、ペットボトルを切って植木鉢にして

其処に植える。

sumire0912OMH-A (4).JPG

育ってくれれば良いなぁ・・・・・・

 

ライトの下で裏側を撮影。

sumire0912OMH-A (5).JPG

齧った歯型が良く判る。

 

3日後。

sumire0912OMH-A-3aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-3aft (2).JPG

全体に色が変わって来た。

 

4日後。

sumire0912OMH-A-4aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-4aft (2).JPG

一部が黒ずんで来た。

 

6日後。

sumire0912OMH-A-6aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-6aft (2).JPG

黒い部分が広がって来た。

だが、変化は此処で止まってしまった。

掘り取りに失敗して、殺してしまったのだろうかなぁ。

 

 

こちらは9/14、矢張り同じ場所で見付けた物。

sumire0914OMH (1).JPG

sumire0914OMH (2).JPG

先の物よりかなり大きかった様だが

こちらはより激しく齧られている。

矢張りそんなにも美味しいのだろうなぁ。

 

翌日の様子。

sumire0914OMH-1aft.JPG

全体的に変色して来た。

この個体は変化の度合いが大きい様だ。

 

2日後。

sumire0914OMH-2aft.JPG

更に全体が変色して来た。

 

3日後。

sumire0914OMH-3aft.JPG

既に成熟してる感じ。

 

4日後。

sumire0914OMH-4aft.JPG

胞子の飛散が始まった。

 

5日後。

sumire0914OMH-5aft.JPG

引き続き飛散中。

 

6日後。

sumire0914OMH-6aft.JPG

周囲がちょっと紫色に。

 

7日後。

sumire0914OMH-7aft.JPG

その前夜の豪雨を受けて胞子はすっかり流され

基部を残すだけになっていた。

 

 

こちらは矢張り同じ場所に9/16に発生して居た小さな物。

sumire0916OMH (1).JPG

sumire0916OMH (2).JPG

これも例によってネズミ?に齧られている。

 

1日後。

sumire0916OMH-1aft.JPG

一回り、大きくなっている。

 

2日後。

sumire0916OMH-2aft.JPG

齧られた穴が更に深くなっている以外は

特に変化は感じられない。

 

3日後。

sumire0916OMH-3aft.JPG

突然全体が変色した。

 

4日後。

sumire0916OMH-4aft (1).JPG

sumire0916OMH-4aft (2).JPG

胞子が飛散し始め、周りを紫色にしていた。

 

5日後。

sumire0916OMH-5aft.JPG

その前夜の豪雨を受け、胞子は全て流され

基部だけになってしまっていた。

 

 

こちらは矢張り同じ場所に9/18に発生して居た物。

この場所は本当にスミレホコリタケのシロなんだなぁ。

この時期は毎日雨だったので

特に発生が多かったのかも知れない。

sumire0918OMH (1).JPG

sumire0918OMH (2).JPG

やや大きめの個体だ。

 

1日後。

sumire0918OMH-1aft (1).JPG

sumire0918OMH-1aft (2).JPG

成長と共に穴は広がり、イナバウアー状態に。

 

2日後。

sumire0918OMH-2aft (1).JPG

sumire0918OMH-2aft (2).JPG

sumire0918OMH-2aft (3).JPG

更に成長と共に穴が広がっている。

色の変化が出て来始めた。

 

3日後。

sumire0918OMH-3aft (1).JPG

sumire0918OMH-3aft (2).JPG

更に色の変化が進む。

 

と、此処で4日間、旅行で不在に。

で、7日後。

sumire0918OMH-7aft (1).JPG

sumire0918OMH-7aft (2).JPG

すっかり老熟し、胞子を飛散して居た。

 

飛んで15日後。

sumire0918OMH15aft (1).JPG

sumire0918OMH15aft (2).JPG

すっかり基部だけになってしまっていた。

 

 

こちらは菌友T氏がSNSに上げていた画像。

これもどうもスミレホコリタケぽいなぁ。 

sumire0919OBT (0).jpg

発生場所は当方の家からもそう遠く無い場所だった。

これはもう観に行かねば!

 

大体の場所を教えて貰い、翌日の9/19、早速現場に。

これも中々の大きさ。

sumire0919OBT (3).JPG

が、既に変色し切っていた。

T氏が先の画像を撮影してからは中一日。

結構な大きさなのにあっと言う間の変化。

変色の具合(成熟具合)の個体差は結構大きいのだなぁ。

 

周囲を探すと幾つも残骸があった。

sumire0919OBT (4).JPG

sumire0919OBT (5).JPG

sumire0919OBT (6).JPG

sumire0919OBT (7).JPG

此処も一大発生坪だったのだなぁ。

 

 

同日、某河川敷にて。

symire0919YADA (1).JPG

実はその前日。電車に乗って居て

車窓から陸橋下の河川敷を見ていた所、

草地に白い塊が幾つも見えたのだ。

河川敷だから何かキノコが生えてるかもなぁ、

と思いながら見ていたら、

本当にキノコが生えていたのでビックリしてしまった。

 

車窓から見れたのはホンの一瞬だったのだが

あれはスミレホコリタケに違いない、と確信出来た。

なので翌日、バイクでその河川敷まで出向いて確認した所

本当にスミレホコリタケだった次第。

symire0919YADA (2).JPG

symire0919YADA (3).JPG

symire0919YADA (4).JPG

前日は白く見えていたのだが一日で成熟してしまったのだなぁ。

 

発生ポイントを俯瞰すると菌輪になっている様だった。

symire0919YADA (5).jpg

画面に入り切らなかったのだが

他の場所にもスミレホコリタケ発生していたので

直径10mくらいの輪にはなって居たと思う。

 

それにしても、この現場に到る迄に道のりで

5匐瓩の河川敷を走りながら見ていたのだが

この場所以外にはキノコを見付ける事は出来無かった。

勿論、バイクで走りながら見る事の出来る範囲なので

隈なく見る事は不可能だが

それでもこの場所にしかキノコが生えているのを

見付けられなかったのは不思議だ。

この場所は余程キノコ向きな環境だったのだろうかなぁ。

 

折角なので記念に一つ持ち帰る事に。

symire0919YADA (6).JPG

白い表皮が所々残っているのがオシャレ(・∀・)♪

 

試しにナイフで剥いてみた。

symire0919YADA (7).JPG

symire0919YADA (8).JPG

矢張りたった一日で完全に成熟している。

成熟のスピードは個体によって本当にまちまちなのだなぁ。

 

動画でも撮ってみた。

陸橋を渡る電車の音も入っているので

キノコマニア兼鉄オタの人にはお得な動画かもw

 

と言う訳で、長年追い求め、乞い求めていたスミレホコリタケに

今年は幼菌成菌老菌残骸を含めてイキナリ20個近くに遭遇する事が出来た。

当たり前と言えば当たり前だが、ある所にはあるもんだなぁ・・・・・・

 

 

さて、最初のスミレホコリタケ。

6日経っても胞子は成熟せず、その後も色の変化は止まってしまっていた。

sumire0912OMH-A-6aft (2).JPG

やはりコイツは死んでしまっていた様だ。

上掲の例から言って子実体の膨張が終われば

大体1日、少なくとも3日もあれば成熟し、胞子を飛散し始める様だ。

生きていればあっと言う間に老化して朽ち果ててしまうが

死んでいると変化が止まり、その形を留める。

当たり前と言えば当たり前だが、生命は儚いなぁ・・・・・・

 

それにしても今年は沢山のスミレホコリタケに出逢えた。

図鑑にも殆ど載っておらず発生の多く無い珍菌、との話だが

ある所にはこんなにもザラザラとあるんだもんなぁ。

良い場所に引っ越して来たのかも知れないw

 

 

所で、上掲画像で判る様に

ウチのすぐ近所以外で発生して居たスミレホコリタケには

何かに齧られた痕跡は無かった。

ウチの周辺は餌に恵まれていないから

スミレホコリタケが発生すると

待ってました!とばかりに食べてしまうのかなぁ。

それともウチの近所で発生したスミレホコリタケは

食べずにおれない位にとても美味しいのだろうか。

謎だ・・・・・・

 

 

 

今年の発生はさすがに終わっただろう。

また来年、是非またスミレホコリタケに出逢いたい物だ。

 

キノコヌシ様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(-人-) ナム〜

 


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| 腹菌類 | 00:03 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
こんにちは菌類 

当方が長年追い求めているキノコの一つに

「スミレホコリタケ」がある。

スミレホコリタケ関連の記事まとめ

 

前回の記事で、一大発生坪を発見したので

今後も観察を続ける、と書いた。

その後、何度も現地を訪れていたのだが

スミレホコリタケの発生を見る事は無かった。

あれだけ一度に大量発生した、と言う事は

シロとして断末魔だったからこその大発生だったのかなぁ。

そうだとしたら残念だなぁ。

まぁでも、今後も観察は続けて行く予定。

引っ越しした為に現地が遠くなってしまったのは

少し残念だけど。

 

さて、4月末に引っ越しして

やっと落ち着いて来た7月の事。

買い物に向かうべく、

公団の敷地内をバイクで走って居たら

目に留まった物があった。

sumire2016-1 (1).JPG

sumire2016-1 (2).JPG

こ、これは!?

ひょっとしてスミレホコリタケっっ???

 

今まで、紛らわしいノウタケは散々見て来た。

このキノコはその今までの物とは印象が違う!

ネットで散々見ていたスミレホコリタケにそっくりだ!

これは恐らくスミレホコリタケと考えて良いだろう!

まさかこんな所に生えているなんて!

この地に越して来て最初に遭遇した菌類が

スミレホコリタケだなんて!

これは是非経過観察をしなくてはっっ!!!

 

と意気込んでいた翌日。

その後の観察をしようとしたら

スミレホコリタケと思しきキノコは影も形も無い!

どうやら近隣住民に撤去された様子。

 

この仲間は森の奥深くよりも草地や河川敷、

畑地の周辺の様な、少し人間の手が入った、

やや開けた場所に発生する事が多い様な気がする。

つまり、人間の生活圏内に

発生する事が多い、と言う事でもある。

 

この場所は公団の敷地内だ。

其処は子供達の遊ぶ場所でもある。

当然、住民もこのキノコを目にしている。

得体の知れない、目立つキノコが突然現れたのだ。

子供達に何かあったらどうする!?と警戒されても仕方無い。

その為、さっさと撤去されてしまったのだろう。

 

当方が長年追い求めていたキノコかも知れない、

と言う事情など住民は知る筈も無い。

千載一遇のチャンスが

まさかこんな事になるなんてなぁ・・・・・・

何時の日か、また此処に発生してくれる事を期待しよう。

是非また発生して欲しいなぁ。

発生してくれるかなぁ・・・・・・

 

 

と思った一週間後。

同じ場所にまた気になる物を発見。

sumire2016-2 (1).JPG

sumire2016-2 (2).JPG

sumire2016-2 (3).JPG

これまたスミレホコリタケでは無いのかっっ!???

 

有難い事にすぐに生えて来てくれた!

sumire2016-2 (4).JPG

前回のより一回り小さいけど、それは問題じゃない!

すぐにまた生えて来てくれたのがとにかく嬉しい。

                                            

だが、また住民に撤去されてしまうかも知れない。

なので、持ち帰って追培養する事に。

スコップで地面諸共掘り取る。

sumire2016-2 (5).JPG

sumire2016-2 (6).JPG

sumire2016-2 (7).JPG

器に入れて持ち帰る。

 

と、その途上、手が滑って落としてしまった!!

しかもタイミング良く?、

落ちたスミレホコリタケ?を蹴って転がしてしまった!!

幸いキノコがちぎれる事は無かったが

かなりダメージを受けた事は一目瞭然だった。

 

何とか持ち帰って霧吹きで水分を与えたが

色合いがつい先程とは全く違ってしまっていた。

翌朝にはこんな感じに。

sumire2016-2@1after.JPG

これは折角のスミレホコリタケ?を

蹴り殺してしまったのかも知れない・・・・・・

やっと手に出来たスミレホコリタケ?に浮かれて

舞い上がってしまったつもりは無かったのだけどなぁ。

うーんショックだ・・・・・・

 

ちょうどその頃、仕事でバタバタしていたのと

折角のスミレホコリタケ?を蹴り殺してしまった、

と落ち込んでいた為に、ついそのまま放置してしまっていた。

で、3日後にはこんな状態に。

sumire2016-2@3after.JPG

あぁ、やっぱり死んでしまったのだなぁ・・・・・・

 

その後、そのまま放置する事2週間。

ふと見てみると、こんな様子に。

sumire2016-2@22after (1).JPG

sumire2016-2@22after (2).JPG

sumire2016-2@22after (3).JPG

あれ、これは老熟したスミレホコリタケでは無いか!?

 

そう言えば、今になって思い出した。

スミレホコリタケは成熟する時に

急激に色が変化し、短期間で黒くなるのだが

老熟し乾燥すると紫色になるのだった(→こちら)。

 

このスミレホコリタケは蹴り殺されてはいなかったのだ。

その後もちゃんと生きていて、胞子を成熟させていたのだ。

と言うか、当方に蹴り転がされた事により

命の危機を感じて成熟を急いだのかも知れないよなぁ。

 

当方が折角遭遇出来たスミレホコリタケを

蹴り殺していなかったのは良かったが

死んだと早合点してしまった為に十分な観察が出来無かったよ。

うーん、これは残念だなぁ・・・・・・

 

取り敢えず、すぐ近くにスミレホコリタケが

発生するポイントがある事が判った。

次回発生した際にはちゃんと観察をしたい。

今回の発生が、このシロの断末魔で無い事を祈るのみ。

キノコヌシ様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

勿論、次は蹴り転がさない様に気を付けますので・・・・・・

 

キノコヌシ様が当方の所業に呆れ返ってしまい、

もう生やしてくれなくなって無いと良いなぁ・・・・・・

(-人-) ナム〜

 


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| 腹菌類 | 00:01 | comments(16) | trackbacks(0) | pookmark |
タマネギ?
こちらの画像はタマネギモドキ。
tamanegimodoki (5).JPG
tamanegimodoki (6).JPG
一見ジャガイモに見えてしまう。
実際、地面に転がっている様子は
小さなジャガイモにしか見えない。
大きめの個体でも手に乗せるとこんな感じ。
tamanegimodoki (8).JPG
小イモと言うにもかなり小さい感じ。
だがキノコなので
裏を返すと当然菌糸の束がある。
tamanegimodoki (7).JPG
地面の下に菌糸が張り巡らされており
その結果、こうやってキノコが姿を現した訳だ。


実は「ジャガイモタケ属」と言うキノコはあり
実際にジャガイモぽい外見だ(→こちら)。
見た目はこのキノコにも良く似ているが
質感的にはジャガイモタケよりも
こちらのキノコの方が、よりジャガイモぽい。
だがこちらは「タマネギモドキ」と言う名のキノコなのだ。

外見は似ていても中身は丸で違う。
ご覧の通り、ジャガイモタケは
中身はあまりジャガイモぽくは無い(→こちら)。
タマネギモドキは更にジャガイモぽく無く
薄皮の中にゴマ餡がぎっしり詰まっている様に見える。
なのでこれがジャガイモタケの仲間では無く
ニセショウロの仲間なのだと判明した。
そして色々調べて、
これは「タマネギモドキ」では無いか、と判断した次第。
tamanegimodoki (3).JPG
tamanegimodoki (4).JPG
拡大すると、ただの真っ黒の塊では無く
組織が分かれているのが見える。
これが成熟すると胞子になるのだ
尚、タマネギモドキの所属するニセショウロの仲間は外見的に似た物が多く、
図鑑にもあまり載っていない為、判別がとても難しい。
webで検索しても、ニセショウロ目の別のキノコに見える画像がhitする。
勿論、当方のこの「タマネギモドキ」にしても
確実に「タマネギモドキ」である保障は無いのだが・・・・・・


こちらの個体は表面をネズミか何かに食べられたのか
中の黒い部分が表に出てしまっている。
tamanegimodoki (1).JPG
tamanegimodoki (2).JPG
美味しいのかなぁ???

所で、実は同じ「タマネギモドキ」と
言う名を持つ物がもう一つある。
それはキノコではなく、植物。
こちらは本当にタマネギに良く似ている(→こちら)。
名前の由来は一目瞭然。
ただ、この「タマネギモドキ」は通称の様子。
正確には「オーニソガラム」と言うユリ科の仲間で
園芸種が多数あるらしい。

翻って、このタマネギモドキ。
どう見てもジャガイモにしか見えないのだが
何故「タマネギモドキ」なのだろうか。
タマネギの匂いでもするのだろうかなぁ。
残念ながらその確認をしていなかったので
次回遭遇した際には
是非とも匂いを嗅いでみなければなぁ。

因みに学名は Scleroderma cepa(スクレロデルマ ケパ)。
Scleroderma は「硬い皮」、cepa は「タマネギの」、
つまり「タマネギの硬い皮」。
皮がタマネギぽいとは思えないのだけどなぁ。
益々もって判らない。


さて、上掲画像の様に
断面を見ると美味しそうには見えない。
とても食べようと言う気にはなれないのだが
実は平成24年に、このタマネギモドキによる
中毒事故があったらしい(→こちら)。
 (リンク切れ対策の為に以下に当該記事をコピペ)
  ○平成24年10月15日、奈良市内の山中で採取したキノコによる食中毒事例が発生しました。
     奈良市内の山中で採取した毒キノコ(タマネギモドキ)を、
    10月15日に自宅で調理して喫食した1名が、
     喫食後30分で嘔吐・嘔気等の症状を呈しました。

   ○タマネギモドキ
    ・発生時期 夏から秋
    ・発生場所 林内地上に群生する
    ・特徴 表皮は厚く、球形
    ・中毒症状 食後30分から2、3時間で嘔吐、下痢などの消化器系の中毒症状
    ・毒性成分 毒性物質は明らかではなく、詳細は不明
    ・間違いやすいキノコ ショウロ科、ホコリタケ科、セイヨウショウロタケ科など



また、平成26年に茨城県土浦市でも 
60代男性による中毒事故が(→こちら)、
 (リンク切れ対策の為に以下に当該記事をコピペ)
  ◆毒キノコで食中毒/茨城・・・
    毒キノコの「タマネギモドキ」を食べ、色覚障害などの食中毒症状を発症
    (2014年11月17日 21:11)

    県は15日、土浦市の60歳代の男性が毒キノコの「タマネギモドキ」を食べ、
   色覚障害などの食中毒症状を発症したと発表した。男性は治療を受け、快方に向かっている。
   タマネギモドキによる食中毒の認知は県内初という。
   男性は13日昼頃、稲敷市の林で食用キノコと間違えて採取。
   14日夜、土浦市内の友人宅でゆでて1人で食べた。
   直後に発汗や白い色が紫色に見えるなどの症状が出たという。
   県によるとタマネギモドキは丸い形で茶色がかっており、トリュフに似ているという。
                               (11/16読売新聞)


そして『毒きのこ今昔』と言う本によると
昭和49年に学校の花壇に生えたタマネギモドキを
キツネノチャブクロ(ホコリタケ)と間違えて
4人の男子高校生が中毒をした事故もあったらしい。

良くもまぁ、食べようと思ったもんだなぁ。
大阪府のサイトによると、間違いやすいキノコとして
ショウロ、ホコリタケ、セイヨウショウロ(トリュフ)を
挙げているが、かなり違うと思うがなぁ。
実際、昭和49年の例ではホコリタケと間違えているし。
思い込みてヤツかなぁ。
とにかく無謀としか言い様が無い。

無謀ではあるが、多くのそう言う先人達の挑戦によって
これは美味しいキノコだ、これは毒キノコだ、と言う
それぞれのキノコの素性が判った訳だ。
逆に言えば、そのキノコが美味なのか、美味しくないのか、
そして毒なのか無毒なのかは食べてみないと判らないのだ。

化学分析が発達した現代では特定の性分の検出は出来るので
この成分が含まれているからこのキノコは毒キノコだ、と
判断する事は可能だが
それが未知の毒成分だった場合は検出も判断も難しい。
まして、そのキノコが美味かどうかの判断は
機械による分析だけでは不可能だろう。
それこそ、実際に食べてみないと判らない。

その昔、無謀な試食者が居たからこそ
マツタケやシイタケ、マイタケが
美味なキノコとして定着、流通しているのだ。
タマネギモドキは毒キノコだった為に
無謀扱いされてしまったが
そう言う無茶をしてくれたからこそ
タマネギモドキが毒キノコだと言う事が知れたのだ。
貴重な情報を提供してくれた人として頭が下がる思いだ。

とは言え、当方はどんなキノコであっても
人類初の試食者になりたくは無いなぁ。
誰も知らない美味しいキノコを見つける、
と言うのはとても魅力的な話だけど
やっぱり毒には中りたくないからなぁ。


所で先述した様にジャガイモタケと言うキノコはあり
この様にタマネギモドキと言うキノコもある。
もし「ニンジンタケ」と言うキノコがあれば
シチューやカレーが出来そうだが
残念ながら「ニンジンタケ」は無い様だ。
将来、当方が新種のキノコを発見したら
「ニンジンタケ」と命名しようかな。
そしてジャガイモタケとタマネギモドキと共に
意味無く煮込んでみたい。
食べはしないけど、楽しそうだ。
で?と言われたらそれまでだけど。

先のタマネギモドキでの中毒者。
実は、まさかそれの先駆者なのだろうか。
遊びで煮込んでいた物をうっかり食べてしまったのだろうか。
または、別の人が遊びで煮込んだ物を
知らずに食べてしまったのか。
当方みたいなアホな事を考える人が
他に居るとは思いたくないのだが
世の中広いからなぁ・・・・・・


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| 腹菌類 | 00:32 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
スミレの園
当方が追い求めているキノコの一つにスミレホコリタケがある。
スミレホコリタケとは紫色をしたノウタケの仲間。
ノウタケに比べると発生が少なく図鑑にも殆ど載っていない。
スミレホコリタケについては
以前に何度か記事にした事がある。
 何と言う事……
 『何と言う事……』のその後
 持つべき物は

因みに、スミレホコリタケと言う名前だが
別の和名候補として
「ムラサキチドメ」「スミレノウタケ」もあったと言う。
ノウタケはホコリタケとは違うグループなので
どちらかと言えば「スミレノウタケ」の方が
実態に即していると思うのだが
先名権の関係でスミレホコリタケになった様だ。

確かに届け出順、と言うルールは大事だが
実態に則さない和名を何時までも使い続けるのも
どうかと思うなぁ。
世界共通名称である学名は
学問の発展と共にどんどん変わっていくのに
日本人の、しかも極一部の人間しか使わない和名が
何時までも間違ったまま、て言うのも不思議な話だ。

発生が少ない、と言うのも関係しているのかなぁ。
毒にも薬にもならないキノコだから(可食との事)
あまり相手にされていないのかも知れないし。
と、何の権限も力も持っていない当方が
こんな場末のblogで喚いていても仕方ないのだが。


先に書いた様に、スミレホコリタケの発生は少ない。
以前はweb検索をしても情報は殆ど出てこなかった。
だが、2012年は当たり年だったのか
あちこちで発生の報告があった。
以前の記事にも書いた様に
菌友の周辺でも発生していた様で標本を送って貰ったりもした。
名古屋の当方の行動範囲内でも発生していた様なのだが
残念ながらその現場に遭遇する事は無かった。


で、今年の春先、アミガサタケを探すべく
某所を探索していた所、ふと見るとこんな物が。
sumire2014 (3).JPG
sumire2014 (1).JPG
これはスミレホコリタケの残骸ではないか!
恐らく去年発生した物だろう。
と言う事は2012年に続いて2013年も
当たり年だったのかも知れない。


周りを見ると同じ物が幾つもある。
数えてみると全部で15個。
sumire2014 (6).JPG
此処はスミレホコリタケの一大発生地だったのだ。
この15個の残骸が一斉に胞子を飛散させていたとしたら
この辺一帯が紫色になっていたのでは無いだろうか。

この辺り、ちょっとその痕跡が残っていて
落ち葉や地面が胞子で紫色になっている、
sumire2014 (2).JPG
sumire2014 (4).JPG
こんな感じでこの一帯が紫色に染まっていたのだろうなぁ。
いや、その様子を是非とも見たかった!


幾つかをピックアップ。

この個体。
綿状部分の様子が良く見える。
sumire2014 (7).JPG
この繊維の隙間に胞子がぎっしり詰まっていたのだ。

この個体にはまだかなり胞子が残っている様子。
sumire2014 (10).JPG
表皮の痕跡が視認出来る。

こちらの個体も表皮がやや残っている状態。
sumire2014 (5).JPG
因みにスミレホコリタケの学名は Calvatia cyathiformis 。
”Calvatia”は属名で”頭蓋骨”、
”cyathiformis”は”酒盃型の”と言う意味の由で
上掲画像の様な状態を指しているらしい。
何故こんな消滅寸前の状態を取り上げて学名に当てたのかは不明。
没になった学名に Calvatia lilacina があり
”lilacina”は”ライラック色の”を意味している由。
そちらの方がより実態に即していると思うのだが
これも恐らく先名権の問題なのだろうなぁ。 


こちらの個体が綿状部分は殆ど無くなっている。
sumire2014 (8).JPG

試しに裂いてみる。
sumire2014 (9).JPG
断面も、もけもけの繊維状。
だが、この部分は胞子の含まれていない「無性基部」。
胞子の含まれていた部分は、胞子を放出し尽くすと
やがて消え去ってしまうが
この無性基部だけは長期間残存する。
なので、こうやって残骸だけを見付けて
当方は残念がっている次第。
とは言え、発生場所の確認は出来るのは有難い。


今後、この場所の経過観察は勿論する予定だが
今年もこの場所に生えてくれる保証は無い。
種類にもよるが、キノコには発生周期がある様だ。
周期が1年、つまり毎年発生する物もあれば
数年に一度しか発生が観察されない物もある。
そして、中には発生周期が数十年単位の物もあるらしい。

ひょっとしたら数百年単位の物だってあるかも知れないが
そうなると、人間がその存在を知る事が出来無い物も
あったりするのだろうなあ。
そう言うキノコが伝承されていたとしても
現物が確認されていないから
ただの荒唐無稽な作り話だ、
てな扱いをされている場合もあるのかも知れないよなぁ。

多くの生物は地球の自転や公転を1単位として
スケジュールを考えているが
別の座標軸を単位にしている生物だってあるだろう。
竹の開花が60年に一度とか、17年セミなんてのも
何かの単位でそう言う周期なのかも知れないのだ。
その1単位が数百年、数千年だ、と言う可能性だってある。
時間のスケールを人間の感覚だけで考えるのは狭い了見だ。

で、このスミレホコリタケ。
次の当たり年は何年後、何十年後なのだろうか。
当方が生きている間に、
自分の足で歩ける内に来て欲しいなぁ。
スミレホコリタケが
当方の都合を考慮してくれないのは当然だが
出来ればそう遠くない将来に発生して欲しい物だなぁ。

了見が狭いのは承知で、とにかくひたすら祈るのみ。
キノコヌシ様〜〜(-人-) ナム〜


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| 腹菌類 | 00:18 | comments(17) | trackbacks(0) | pookmark |
情けが仇に
JUGEMテーマ:趣味

今回は小ネタでw

此処は名古屋市内の某公園。
とある雨上がりの午後、
買い物帰りに寄り道をした。
ふと地面を見るとこんな物が。
kotsubu20140228-2.JPG
kotsubu20140228-1.JPG
これは犬の糞!?

と、良く見るとコツブタケだった。
kotsubu20140228-3.JPG
コツブタケは元々犬の糞に似ている事が多いが
この個体は色形と言い、
公園の地面にポツンとある状況と言い
本当にそっくりそのままに見えてしまった。

コツブタケと言えば
松と菌根関係を築く事が知られているが
近くには松、及び針葉樹は見えなかった。
なので何の樹木と菌根を築いているのかは不明。
尚、コツブタケについては以前も記事にした事がある(→こちら)。


しかし見れば見る程犬の糞ぽいなぁ。
これでは誤解されて、糞として始末されかねない。
折角キノコとして出て来たのに
それではあまりに無念と言う物。

熟したコツブタケは粉の塊なので
それを際立たせてみよう。
粉末化させれば犬の糞と間違われる事も無いだろう。
胞子の飛散にもなるし、一石二鳥だ。
手っとり早く、取りあえず踏み潰してみる事に。
kotsubu20140228-5.JPG
あれ、どうも何時ものコツブタケの感触では無い。

雨上がりでたっぷり水分を含んでいた様で
踏んづけても粉々にならず、ベチャッと潰れてしまった。
kotsubu20140228-4.JPG
うーん、これでは益々犬の糞みたいでは無いか。
一部は粉っぽい雰囲気もあるが
どう見ても犬の糞です。
ありがt(ry

当方にはこれ以上もうどうしようも出来無いなぁ。
なので、このまま放置した。

その後このコツブタケがどうなったかは不明。
そしてこの後、
この場所にコツブタケが発生しているかどうかも不明。
取りあえず元気でやってくれていれば良いなぁ、と。


 
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| 腹菌類 | 17:45 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
正に見たまま
画像はカニノツメ。
名古屋市東部にて撮影。
kaninotsume-1.JPG
kaninotsume-2.JPG
その形と言い、色合いと言い、正に「蟹の爪」。
上手い事名付けた物だよなぁ。
蟹を知っている人なら誰でも納得する命名だと思う。

因みに、カニノツメは日本以外では中国と北米に発生する、との事。
なので中国名、英名を探したけど見付ける事は出来無かった。
北米では通名が付けられる程メジャーでは無いのかもなぁ。
中国で、カニノツメの含まれるスッポンタケの仲間は
「鬼筆」と総称されているので「蟹爪鬼筆」とでも言うのかもなぁ。
いや、勝手な想像だけど。

カニノツメは、以前に書いた事のある
ツマミタケやキツネノタイマツの近縁種だ(→当該記事)。
この仲間は卵の状態で幼菌が出来、
それが割れて中身が伸長する、と言う独特の生態を持っている。

こちらの場所の個体は既に萎びてしまっているが、伸長前の卵もあった。
kaninotsume-3.JPG
kaninotsume-4.JPG
折角なので、卵を持ち帰って育てて見る事にした。


水ゴケに埋めて早速観察開始。
kaninotsume-5.JPG
寝る前はこの状態。

翌朝見てみたら、既に伸長していた。
kaninotsume-6.JPG
kaninotsume-7.JPG
経過を見られず残念……

こちらの個体は最初の画像のに比べると、かなり色が濃い。
kaninotsume-8.JPG
見れば見る程「カニノツメ」だよなぁ。

この黒い部分がグレバと呼ばれる、胞子の含まれた粘液。
kaninotsume-9.JPG
これが糞臭を放っていて、ハエを呼び寄せ
舐め取らせる事によって胞子を拡散している。

所で、幼菌の中身はどうなっているのだろうか。
試しに一つ切って見た。
kaninotsume-10.JPG
kaninotsume-11.JPG
真っ二つにする。

更に1/4に。
kaninotsume-12.JPG
kaninotsume-13.JPG
高貴な果物、と言えばそう見える様な……w

半割りにした物の表皮を剥いてみる。
kaninotsume-14.JPG
kaninotsume-15.JPG
グレバが脳みその様に見える。
後にカニの腕になる部分が脳梁みたいだなぁ。


こちらは別の幼菌。
kaninotsume-16.JPG
割れて頭を出し始めている。

約2時間半後。
kaninotsume-17.JPG
かなり顔を出している。

別角度から。
kaninotsume-18.JPG
カニノツメを真上から見るとこんな感じなのか。

裏面は表皮の割れ具合が綺麗。
kaninotsume-19.JPG

8時間後。
kaninotsume-20.JPG
完全に伸長していた。

こちらは別の卵。
kaninotsume-23.JPG
kaninotsume-24.JPG
グレバの脳みそ具合が良く判る。

約4時間後。
kaninotsume-25.JPG
脳みそ具合が判りにくくなっている。

5時間後。
kaninotsume-26.JPG
脳みそは溶けてしまい、粘液状になっている。
当然グレバからは糞臭が漂う・・・・・・


所で、ツメの根本はどうなっているのだろう。
ふと気になったので、調べてみる事にした。
早速、外皮を開いてみる。
kaninotsume-21.JPG

と、根本はイキナリ始まっていた。
kaninotsume-22.JPG
ブツ切りにした様な断面で外皮の袋に包まれていたのだ。
根本はすぼまって卵の外皮、
そして菌糸に繋がっているのかと勝手に想像していたら
唐突に柄が始まっていたのでびっくりだった。
まるで、どうせ外皮に包まれて見えないのだから
此処は適当にして良いや、と
ぞんざいに工作された手芸品の様だった。

実は以前、キツネノタイマツの追培養の際、
変な成長の仕方をした個体があった。
それは、何故か卵の底が抜けた為に
上にも下にも伸長してしまった個体だったのだが
その個体も柄が、
まるでブツ切りにされたかの様になっていたのだ。
kitsunenotaimatsu-1.JPG
kitsunenotaimatsu-2.JPG
その時は、それは正常に成長出来無かった為の
奇形化だと勝手に思っていたのだが
このカニノツメの様子を見ると
あれはあれで正常な状態だった様だ。
この仲間の根本は、菌糸で繋がる事無く
唐突に始まる物みたいだ。

そう言えばカゴタケも
本体に菌糸で繋がっては居なかった。
卵の中で、黄身の如くカゴ部分が
成長・熟成していたのだ(→当該記事)。
してみると、カニノツメやキツネノタイマツの柄が
唐突に始まるのも当然なのかも知れないなぁ。


それにしてもキノコの形態や生態は
当方の想像を遙かに越えているなぁ・・・・・・



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| 腹菌類 | 01:09 | comments(10) | trackbacks(0) | pookmark |
短慮功を成さず
画像はツチグリの残骸。
tsuchiguri-4.JPG
tsuchiguri-3.JPG

こちらはカビが生えている。
tsuchiguri-5.JPG

こちらは残骸の中に残った胞子を
ハサミムシが無心に食べている。
tsuchiguri-2.JPG


ツチグリは特に珍しいキノコでは無いが
当方は何故か綺麗な状態の物に殆ど出逢っていない。
一度発生すると外皮の部分がかなり長期間残存するので
この様に残骸に出逢う事は少なくない。


因みに、綺麗な状態はこちら。

この時の事は、記事にした事がある(→こちら)。


このツチグリは図鑑では「食不適」とされているが
一部の地域で幼菌を「マメダンゴ」「ママダンゴ」等と呼び、
食用にされている事はあまり知られていない(最後段に追記あり)
1935年発行『茸類の研究』第1巻1号、及び第1巻2号によると
岩手県南部、鳥取県西部の日野郡地方、山梨県、福島県で
ツチグリ幼菌を食用に供している旨の報告があるが
現在は検索すると見事に福島県の記事ばかりが出て来る。
収穫期(7月頃)には福島では市場等でも売られ、
時にはマツタケ以上の値が付くらしい。

ツチグリは地下で発生し、成熟に伴って地上に現れて来る。
その幼菌の段階の物を掘り出して食用にしているのだ。
調理法としては、混ぜご飯にする事が多い様だ(→こちらこちら)。

幼菌は中身が白い物のみ食用になる。
少しでも色が付いていると、もう食用には適さないので
店で買った物でも、使えない物が混じっている事があるらしい。
マメダンゴを収穫するには
前年にツチグリが発生した場所を、時機を見て掘るか、
または、既に発生しているツチグリの周囲を掘って収穫するしか無い。
地上に顔を出してしまった物ではもう手遅れなのだとか。
中々素人には収穫出来そうも無いなぁ。


ある日、某所を探索していたらツチグリの幼菌を見付けた。
tsuchiguri-7.jpg
tsuchiguri-8.JPG

周囲を見ると他にも見付かった。
tsuchiguri-9.JPG

試しに一つを半割りにすると、中は白色。
tsuchiguri-10.JPG
地上に顔を出している物だがこんなに白い物もあるのだなぁ。
これは食用になる筈だ。

帰宅後、煮て味噌汁の具にしてみた。
tsuchiguri-11.JPG

が……

美味しくない。
全然美味しくない。

調理法を間違えたのだろうか。
それとも、ツチグリに似た近縁種だったのだろうか。
周囲に成菌が無かったので今となっては判らない……
一度、確実なツチグリの幼菌を収穫して
「マメダンゴ」を食してみたい物だなぁ。


と、先日、某寺院の前を通り掛かった。
念の為、何か出てないか、境内をを探索。
するとツチグリの残骸が多数見付かった。
tsuchiguri-12.JPG
tsuchiguri-13.JPG
tsuchiguri-14.JPG

と、地上に顔を出した幼菌が。
tsuchiguri-15.JPG

一帯を探すと、これだけの幼菌が見付かった。
tsuchiguri-16.JPG
幼菌をこんなに収穫出来たのは初めてだ。
これだけあれば「マメダンゴご飯」が作れるかも知れない♪

期待を胸に帰宅。
幼菌を洗って半割りにする。
すると……


見事に中は褐色だった……
tsuchiguri-17.JPG
tsuchiguri-18.JPG
これでは当然食用にはならない……

こんな事なら、収穫しなければ良かった。
勿体無いし、可哀相な事をしてしまったよ。
そのまま置いて全てを成熟させておけば
ツチグリのお花畑が見れたかも知れないんだよなぁ……
変な色気を出して焦ってしまったばかりに残念な事をしてしまった。

前回がたまたま地上に出た物でも白かっただけで
矢張り幼菌は地下の物を掘り出さないとダメだなぁ。
でも、この場所を勝手に掘る訳にも行かないしねぇ……
マメダンゴご飯は中々ハードルが高いよ。
でも、何時かは食べてみたい物だ。

それにしても、キノコとしては珍しくも何とも無い種類なんだけど
食用にしようと目論むと、こんなにも難しいなんてなぁ……



※9月25日追記
その後、各図鑑を調べた処、
『阿武隈のキノコ』にはマメダンゴと炊き込みご飯の記述、
『群馬のきのこ』には「幼菌のみ可食」の記述、
『信州のキノコ』4種の食べ方の記述、
『北陸のきのこ図鑑』には「幼時可食」の記述、
『兵庫のキノコ』には「「幼菌は食べられるらしい」の記述、
『カラー版きのこ 見分け方食べ方』には
「地中の若いキノコを甘辛煮とすれば珍味」との記述がありました。



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| 腹菌類 | 00:05 | comments(13) | trackbacks(0) | pookmark |
持つべき物は
当方、未だ出逢えぬ憧れのキノコが幾つもある。
それは発生の稀な珍菌もあれば、
珍しい物では無いが
当方の周辺ではなぜか発生していない物もある。

その一つがオニフスベ(→こちら)。
珍菌と言う程では無いが
妙な形で、大きくなる事の多いキノコなので
発生したら新聞の記事になる事も少なくない。
当方は今までに3回、ボロボロの老菌、残骸に
出会っているが(以前の日記→こちら
若い状態の物には未だ出逢った事が無い。
何時か、あの真っ白なでかい塊に出逢ってみたい物だなぁ。

と、そんな話をしていたら、菌友Jさんから
ヤマドリタケモドキのお裾分けと一緒に
オニフスベが送られてきた。
それがこれ。
onihusube100703-1.JPG
Jさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/

ぱっと見、ソフトボールか何かに見えてしまう。
当方が最初に見たオニフスベの残骸も
当時住んでいた東大阪の裏山の藪の隅っこに
ゴミと共に転がっていた物だったので
最初はハンドボールが打ち捨てられて
ボロボロになった物かと思った物だ。
当時、デジカメを持っていなかったので
画像で残せていないのがとても残念だ。

送り主のJさんは、当方がこれを食べて
それを記事として書いてくれる事を
期待していた様なのだが
近縁種のノウタケ、ホコリタケを食した経験から
当方の口にはあまり合わない事が
予想されたので(→こちら
試食は辞めて、折角だから標本として保存する事にした。
Jさん、ごめんなさい……m(_ _;)m

で、乾燥させる。
onihusube100703-2.JPG
段々にシワシワになって来た。

最終的にはこの状態に。
onihusube100703-3.JPG
まるで脳みその様だw

生の状態の瑞々しさが無くなってしまうのは
仕方無いと言うか、当然なのだが
矢張りキノコは乾燥させると
原型を留めなくなってしまうなぁ……
残念。
とは言え、乾燥の段階を観察出来たのも
貴重な体験だ。
それにしても持つべき物は菌友だなぁ(^−^)



もう一つの出逢ってみたいキノコはスミレホコリタケ。
こちらは珍菌の部類。
発生が少ない為か、掲載されている図鑑は無い様だ。
webでの情報も少なく
同じく珍菌で近縁種のキクメタケ(→こちら)と
混同されている場合もある様だが
こちらには貴重な成長記録がある(→こちら)。
当方は、こちらも朽ち果てた残骸にしか
出逢っていない(→こちらこちら)。

と、ある日、菌友Hさんを通じて
とある人からのキノコの画像が送られてきた。
白いノウタケの様な幼菌。
スミレホコリタケかキクメタケか、
どっちか判ったら教えてくれ、との事。
それは雰囲気的にスミレホコリタケに見えるが
幼菌の段階で肉眼的に判断するのは難しい。
スミレホコリタケの可能性が高いが要経過観察、と返信した所、
今度は、そのとある人から直接メッセージを頂いた。
そして、そのキノコのその後の様子が知らされた。
それは綺麗に紫色になっていた。
これはスミレホコリタケ以外考えられない。
その旨を伝え、良かったら標本として
送って貰えないだろうか、と依頼したところ
その方は快諾し、送ってくれた。
それがこれ。
sumire100703-7.JPG
褐色を帯びているが、完全に紫色。
正真正銘のスミレホコリタケだ。
sumire100703-2.JPG
Oさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/


所で、最初にOさんの画像が送られて来た同じ日。
別の菌友Tさんからキノコの画像を見せて頂いた。
それもどうやらスミレホコリタケの幼菌に見える。
Tさんにも経過観察をして頂いた所、
そちらもスミレホコリタケと判明。
良かったら標本として
送って貰えないだろうか、と依頼したところ
Tさんも快諾してくれて、
Oさんのと相前後して届けられた。
それがこちら。
sumire100703-1.JPG
Tさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/

こちらはやや小振りの様だ。
一部には表皮の凸凹の具合が残っている。
sumire100703-4.JPG
生々しくて良いなぁw

こちらは老熟前の成菌。
sumire100703-5.JPG
全体に灰褐色。
この時点ではまだ全然紫では無い。
「ノウタケだ」と言われても判らない。

一部を切って中を見てみる。
sumire100703-6.JPG
中身も灰褐色。
これのホンの数日後にド紫に変色していた、との事。
短期間で劇的に変化するのだなぁ。

こちらは梱包されていたビニール袋。
sumire100703-3.JPG
底に紫色の胞子が溜まっていた。
これを蒔いたら、何年か後には
スミレホコリタケが生えて来てくれるのかなぁw

折角なので、Oさんのスミレホコリタケと記念写真♪
sumire100703-8.JPG
微妙に色合いが違っているのも面白い。

更に、以前当方が拾った
スミレホコリタケと思しき残骸と記念写真。
sumire100703-9.JPG

更についでに、ノウタケ残骸と記念写真。
sumire100703-10.JPG
こうして並べてみると、明らかに色が違うのが判る。
右端の当方の拾ったヤツは
矢張りスミレホコリタケで良い様だ。


所で、OさんとTさんに見せて頂いた
画像の撮影日を見ると全く同じ日だった。
撮影場所は兵庫県中部と大阪府北部。
同じ関西エリアとは言え、結構距離が離れている。
これはひょっとして今年は全国的に
スミレホコリタケが「来てる」のか!?

早速、以前スミレホコリタケの残骸を
拾った場所に行ってみた。
すると、藪が払われて、柵が作られていた。

近い内に此処に何かが建つのだろう。
この場所でのスミレホコリタケは
完全にもう望めないなぁ。
折角今年は「来てる」のかも知れなかったのだけどなぁ。
残念だけど仕方が無い。

とにかく、スミレホコリタケの綺麗な標本を
思わず沢山手にする事が出来た。
それにしても持つべき物は菌友だなぁ(^−^)



そんな菌友Hさんこと、
キノコライターの堀博美さんがキノコの本を出版した。
それがこちら。

出版社のサイト→こちら
Amazonのサイト→こちら
キノコ愛が全編に満ち溢れ、本の周囲にダダ漏れさえしているw
ライトな話からディープな話まで、
面白い話から怖い話まで、111の話題が満載。
一家に一冊、一人一冊、朝昼晩に一冊是非ドゾー(・∀・)つ

因みに当方も協力者として名前を出して頂いていますw
しかも当方のプロフィールも載っているので
トシバレしてしまっています……イヤン(*・∀・*)



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| 腹菌類 | 00:26 | comments(17) | trackbacks(0) | pookmark |
コツブ粒々

こちらの画像はコツブタケ。

2008年10月7日、名古屋市内にて撮影。
直径6cmほどの大きさの個体だった。

コツブタケも東大阪時代には滅多に見掛けなかったのだが
名古屋ではちょいちょい出逢うキノコの一つだ。
その度に画像に収めていたら、結構な量になってしまった。

なので、以下列挙しつつ、だらだらと長文を書いてみますです。


コツブタケは、外見的には
地面に汚れたボールの様な丸い物が
転がっている様に見えるだけなので
知らなければ、まずキノコには見えないだろう。

こちらの個体は、まるで団子が一盛り並んでいる様だ。


ますますもってキノコには見えないw
各直径5cm程。


コツブタケの名は、その内部構造による。
外見はただの丸い形なのだが
内部は小さな粒で満たされているのだ。
断面を見たら、それが良く判る。

ご覧の通り、まるパフチョコの様だ。
中国名では「豆包菌」。
直球な表現だw


解説の詳細を保育社刊「続日本菌類図鑑」より引用する。

 内部のグレバ(胞子が形成される部分:まねき屋注)
  は黄色の膜で包まれた1〜3mmの小粒でみたされる,
 小粒は互いに圧しあって不規則形にゆがめられている;
 胞子は小粒の中に形成され,上の方から熟する,
 小粒は胞子が熟するに従って黄→褐→黒と色が変わる,
 (中略)
 きのこは成熟するとき小粒を仕切る黄色の菌糸は溶けて黄褐色の液となり,
 胞子とまざって黒い汁になってキノコをよごす,
 成熟した小粒の内部は湿った時は黒,乾くとチョコレート色になる。
 キノコを割るとザクロに似ている。 


とすると、上掲の断面の物は比較的まだ若い個体なのだろうか。

こちらの個体は、表面に黄色い液が染み出ている。
成熟し始めているのだろう。

断面の様子はこちら。
判り難いが、小粒塊の周囲はかなり水分が多く、黒くなっている。



こちらの個体は成熟が進んでいる様だ。
小粒塊は黒くなっている。


こちらの断面の個体は更に成熟し、
乾燥が進んで褐色になっている。


こちらの柄の長い個体は老熟し、
既に上部は胞子となって飛散を始めている。


もう一つの中国名「彩色豆馬勃」も直球表現だなぁw
(「馬勃」はホコリタケの様に胞子を飛散させるキノコの総称)

こちらは、飛散した胞子で周囲が褐色になってしまっている。


これだけ胞子を飛散させても、
この場所がコツブタケだらけになる訳では無い。
キノコと言うのは、とても効率が悪い物なのだなぁ。

こちらは柄だけが残った状態。


胞子の小粒塊が一部まだ残っている。

こちらは殆どもう柄だけになってしまっている。

柄だけでこの大きさだから
かなり大きな個体だった様だ。


こちらの個体は、成長中に空気が乾燥してしまった為か
ひび割れて中の粒々が裂け目から見えてしまっている。

ちょっとヒョウ柄っぽいw


それにしてもコツブタケは個体差が大きい。
上記の画像だけでも柄のある物、無い物と様々な形だが
こちらの画像の様に、ニセショウロの仲間の何かかな、と思ったら

コツブタケだった、と言う物や(左側の物は小石)

地下生菌の何かかな、と思ったら

やっぱりコツブタケだった、と言う物もあった。

いずれも断面を見て初めてコツブタケと判った次第。
それぞれ直径1.5cm程だった。
大きさも様々なので
外見だけではとてもじゃないが判別が出来無い。


以下、幾つかの個体の経過観察の様子(画像重複あり)。

こちらはとある神社の境内、社務所の前。
2008年9月17日の様子。


直径は2cm程。
既に成熟している様だ。

こちらは9月20日の様子。

乾燥して来ている。

こちらは9月27日の様子。

胞子の飛散が始まっている。

こちらは10月7日の様子。

かなり飛散している模様。

翌年の2009年2月12日の状態。


大部分の胞子は飛散を終え
幾つかの小粒塊だけが辛うじて痕跡となって残っている。
これもいずれ消えてしまうのだろう。


こちらはとある寺の山門前の石像の足元に生えていた物。
2009年7月13日の状態。




直径3.5cm程。
これも殆ど成熟している模様。

9月14日の様子。

柄だけを残してすっかり胞子を飛散してしまった様だ。
真夏だからか、消失するのが早い。


こちらもとある神社の社務所の前。
実は、先程の画像と同じ場所。
2008年9月17日の様子。



各直径5cm程。
こちらも殆ど成熟している模様。

こちらは9月27日の様子。

上端は老熟して来ている。

こちらは10月7日の様子。

全体が老熟し、胞子の飛散が始まった。

10月25日の様子。

秋の神事に向けての境内の掃除で撤去されてしまっていた。
他人の土地での経過観察と言うのは中々に難しい物だ。残念。


こちらはハサミムシに蝕まれている老菌。
2005年10月5日の様子。


直径6cm程の個体。
ハサミムシは肉食性と思っていたのだが
菌食性でもある様だ。

こちらは翌年の6月16日の様子。

その後もハサミムシに蝕まれている。
こう言う消失の仕方もあるのだなぁ。
ハサミムシにしたら、8ヶ月も食べ続けているのに
まだ沢山残っている食べ物を手に入れた訳だから
有難い事だろうなぁ。


所でコツブタケ(Pisolithus tinctorius)は現在、
以下の7種類の品種に分類されている
(GLOBAL BIODIVERSITY
  INFORMATION FACILITYのサイトよりコピペ)。
尚、和名は吉見昭一氏の資料(*1、*2)による。

Pisolithus tinctorius f. clavatus     → コンボウコツブタケ
Pisolithus tinctorius f. conglomeratus → カサネコツブタケ
Pisolithus tinctorius f. olivaceus     → 和名不詳(無し?)
Pisolithus tinctorius f. pisocarpium   → タマコツブタケ
Pisolithus tinctorius f. tinctorius     → コツブタケ
Pisolithus tinctorius f. tuberosus   → ニギリコツブタケ
Pisolithus tinctorius f. turgidus    → ナガエコツブタケ

   *1:地下生菌図版集 ミクロの世界への第一歩
   *2:吉見昭一腹菌類資料集

吉見氏は子実体の外見の特徴から各々を命名している様だ。
ただ、それを個体変異の範疇として
コツブタケは1属1種とする考えもある、とも記述している。
実際、コツブタケの外見は、
上に掲載している画像でも判る様に個体差がとても大きい。
吉見氏の資料でも、観察図の線画では
各品種における形態の明確な差は判別出来無いが
顕微鏡図では各品種の構造に差異が認められる。

実は吉見氏の資料には
Pisolithus tinctorius f. olivaceus は載っていない。
先の7種の分類は最新のデータによる物なので
恐らくDNA的に分類され、新たに追加登録された物なのだろう。
なので、1属1種では無く、実際に7種に分かれている様だ。


コツブタケは、松林の砂地に発生する、と解説されている図鑑が多い。
だが、発生環境は各品種によって若干の差異がある様だ。
「原色新日本菌類図鑑」によるとコツブタケは山地、公園に、
ナガエコツブタケは海岸の黒松林内に多い、との事。
他の品種それぞれの好む環境も少しずつ違うのだろう。
『愛媛のキノコ図鑑』(愛媛新聞社)では
「生える場所によっては、3〜4の変種に分けられる」とある。
他に

 ・松林地上に群生(『きのこ』山と渓谷社刊)
 ・マツ林や雑木林の地上に散生する(『日本のきのこ』山と渓谷社)
 ・火山の礫原に発生する(『北海道のキノコ』北海道新聞社刊)
 ・主にクロマツ林やブナ科樹下に発生
               (『北陸のきのこ図鑑』橋本確文堂)
 ・海岸近くの砂地や、山中のはだかの土地などに生える
              (『新潟県のキノコ』新潟日報事業社)
 ・マツ林の砂礫地(『信州のキノコ』信濃毎日新聞社)
 ・林内の貧栄養土壌の地上に発生
            (『兵庫のキノコ』神戸新聞総合出版センター)

と、図鑑によって発生環境の説明に違いがあるのも
その所為なのかも知れない。

実際、当方が名古屋で遭遇したコツブタケだけでも
様々な場所に発生していた。
こちらは雑木林の片隅。


こちらはヒバの植え込みの周辺。



こちらは樹種不明の植え込みの周辺。


こちらは別の植え込み。



こちらはサツキの植え込みの中。


こちらは松の木の周辺。
最初の画像の個体の約1ヵ月後の様子。

発生環境がバラバラだ……(^ω^;)
それぞれが別品種なのかどうかは勿論判らない。


所で、先の記述で、コツブタケは砂礫地や火山礫地に発生する、とある様に
比較的貧栄養の土地に発生が多い様だ。
そしてコツブタケは、多くの樹種、
中でも松と菌根を形成する事で知られている。
その為、荒地を緑化する技術の一つとして利用されているらしい。
予めコツブタケと菌根を形成させた松の苗を植えると、
そうしなかった苗に比べると定着率が向上する、との事。
実際に、アメリカでは痩せた土壌で
樹木の生育を促進させる材料として
販売されている由(『兵庫のキノコ』より)。
また、中国では「菌根王」とも呼ばれているらしい(『野攷浚奸拌耋儡曄法

所が、ある方から
 「コツブタケが生えると、松の幼木から成木までもが枯れてしまう」
との話を聞いた。
先の話と矛盾している。
これはどう言う事なのだろうか。
そこで
 ・松が幼木の時にコツブタケと菌根関係を築くと成長が良い
 ・コツブタケが発生すると、やがて枯れてしまう
の点から、以下の様な事を考えてみた。

松は、荒地が森林に遷移して行く際の
初期に生える「パイオニア植物」だ、と言う。
荒地と言う貧栄養の場所で、コツブタケと菌根関係を築く事によって
成長する事が可能になるのだろう。 
だが、それは松に取って負荷の掛かる状態でもあるのでは無いだろうか。

松が若い内は潜在的な体力があるので大丈夫なのだが
老成したり、何かの理由で松の樹勢が弱ると
コツブタケとの関係が負担となり、それに耐えられなくなると、
ついには枯れてしまう、と言う事では無いだろうか。
となると、松とコツブタケと言うのは、
ただの良好な菌根関係では無いのかも知れない。

つまり、松に取ってコツブタケはカンフル剤なのでは無いだろうか。
体力に余裕がある時はそれは効果を発揮するのだが
体力が弱った時には逆に負担となり、
致命的な結果にもなってしまうのでは無いだろうか。
だとしたら、コツブタケの発生と言うのは
本当はあまり歓迎するべき事では無いのかも知れないなぁ。

この想像が合っていたとしても
実際には、他のキノコや土壌菌・バクテリア類、
そして土壌成分等と複雑な関係があって、
事はそう単純な話では無いのだろうけど。


所で当方が生まれて初めてコツブタケを見たのは
松の枯れ木の上でだった。
上記にもある様に、図鑑等では
コツブタケは地上生菌根菌と言う事になっている。
なので、最初はそれがコツブタケであるとは気付かなかった。
だが、特徴からして、それはどう見てもコツブタケだった。
その為、当方はコツブタケは
腐生的な性格も持っているのでは無いか、と疑っている。
その当時、デジカメを持って居なかったので
画像として証拠が残っていないのが実に残念だ。

そのコツブタケを見てから5年後、
同じ場所にコツブタケが発生しているのを目撃した。
それがこちらの画像。

だが、この画像では
枯れ木の根際から発生している様にしか見えない。

これでは「枯れ木から生えた」とは言えないなぁ。
最初に見たのは地面から50cmは上だったのだけどなぁ。

実は当方、枯れ木から発生しているアミガサタケや

ノウタケを目撃している。

両者は地中から伸びた菌糸がたまたま枯れ木の中を通って
樹皮の隙間から子実体を発生させた、と考えられるので
当方が最初に見たコツブタケもそうだ、と言われたら
反論は出来無いのだが……



因みに、コツブタケは不食となっているが
四手井淑子氏の『キノコ手帖』によると
ヤニ状の色素をソースの色付けに使う例があるらしい。
色付け、と言う点では兵庫きのこ研究会編『兵庫のキノコ』によると
胞子を染色の材料にも使う、との事。
その為、英名では「Dye-maker's」「Dye-ball」等と名付けられており
(「Dye」は染料の意)毛糸や絹が黄色に染まる由。
だが、『野攷浚奸戮任蓮嵳蔦腸朕」と記述されている。
「幼嫩」は「柔らかい」を意味するそうなので
ごく若い内は食べられる、と言う事なのだろうか。

色々調べたが、試食をした人の記事は見付けられなかった。
誰か、コツブタケの幼菌に出逢ったら
是非試食してみて欲しい。
どんな味なのかを是非レポートして欲しい。
当方はまだその様な発生初期の物には
出逢った事は無いからなぁ。
もし出逢っていたとしても、多分食べないと思うけど……(^ω^;)


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| 腹菌類 | 00:30 | comments(14) | trackbacks(0) | pookmark |
すわ!スミレ!?
今年2009年はそうでも無かったのだが
2008年、名古屋東部ではノウタケの発生がとても多かった。
観察に出る度に大概新たなノウタケに出逢える程だった。



9月2日の事。
何時もの場所を探索していたら
またノウタケの様なキノコが目に入った。
しかも、それが一体に幾つもある。
だが、近寄ってみると
普通のノウタケとは色合いが違っている。





ご覧の様に、妙に紫がかっている。
しかも、表面の質感も通常のノウタケとは
違って見える。
これはまさか……
あの「スミレホコリタケ」なのだろうか!?

スミレホコリタケは当方が一度出逢ってみたいと
願っているキノコの一つだ。
過去にその残骸と思われる物には
遭遇した事があるが(→こちらこちら
ちゃんとした状態の物には出逢った事が無い。
Webで検索すると、たまに発生が報告されている様なのだが
当方の行動範囲には出てくれて居ないのだ。
この場所は、以前残骸を拾った藪に近いので
ひょっとしたらひょっとするかも知れない。

ただ、実際のスミレホコリタケの幼菌は白いと言う(→こちら)。
だが、この幼菌は紫褐色だ。
ノウタケの色違い、と言う可能性が高いが、
万が一と言う事もある。
これは経過観察をしなくては。
と言う事で、可能な限り毎日通う事にした。

翌日、現場へ行ってみてびっくり。
そのキノコが踏みつぶされている!!
それも、ブルドーザーのキャタピラに!



実はこの少し前、近くの斜面で
桜の老木が大雨を受けて根本が緩んだ為に傾き
民家を直撃しそうになってしまっていた。
道路を封鎖して対策が取られていたが
結局老木を伐採する事になり
その作業が行われていたのだ。
そして、伐採木がこの場所に運び込まれる事になった様なのだ。
その為、伐採木の搬入の際に
ブルドーザーが此処を通った訳なのだ。

作業員に取っては、
この場所に何のキノコが生えていようが関係無い。
それが貴重なキノコだろうが何だろうが知ったこっちゃ無いのだ。
そもそも、キノコが生えている事すら知らないだろうしなぁ。

一番大きな個体は無惨にもぺちゃんこになっていた。
だが、周辺にはまだ幾つかの個体が残っていた。
それもこの先踏みつぶされない保証は無いが
取りあえずそれを経過観察する事にした。

9月3日。
成熟が進み、表面の色は紫が薄れ、褐色が強くなって来た。



これはどうもスミレホコリタケとは違う感じだなぁ……

9月11日。
そのキノコはすっかり老熟していた。


スミレホコリタケならば濃紫色になる筈なのだが(→こちら
見た所、生憎と黄褐色だ。
矢張りこれは普通にノウタケで
たまたま個体差で幼菌の時の色合いが紫がかっていただけらしい。
または、そう言う変種なのかも知れないが
とにかくスミレホコリタケでは無い事は確かだ。

うーむ、残念だなぁ……
仕方ないので、取りあえず叩いて胞子を飛散させて帰った。

やはり当方にとってスミレホコリタケは幻のキノコの様だ。
と言って、このノウタケに罪がある訳では無い。
当方が勝手に一人で盛り上がった居ただけだ。
このノウタケにしたら勝手に盛り上がられて
勝手にがっかりされた訳なのだから迷惑この上無いだろう。

その後、この場所はいろいろな伐採木の
貯蔵所になってしまった。
他の経過観察をしていたキノコも
丸太や切り枝の下深くに埋もれてしまった。

ノウタケ、そしてスミレホコリタケは
もうこの場所には生えないかも知れない。
それはちょっと残念だが
その代わり、この伐採木に
今後どんなキノコが生えて来るかを楽しみに観察する事にしよう。


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