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キヌガサタケの事

ある日の事。
悪魔の囁きを聞いた。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


キヌガサタケは「キノコの女王」と言われるとても華やかなキノコだ。
当方、実はキヌガサタケを実見した事が無い。
キヌガサタケは孟宗竹の竹林に発生する、と言う独自の生態を持つ。
だが、当方の行動範囲には孟宗竹の大きな竹林が見当たらない為に
今まで見る機会が無かったのだ。
なので一度は見てみたい、憧れのキノコの一つだったのだ。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


そのキヌガサタケが生えているのを
見に行かないか、とキノコメイトから誘惑されてしまったのだ。
その場所は京都府南部、との事で
当方在住の名古屋からはかなり遠い。
行こうと思ったら新幹線を使うにしてもかなり早起きしなければならない。
だが、今のこの時期に行かないと見れない。
当方の周辺で生えている環境を今シーズン中に見付けられる保証も無い。

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


キヌガサタケは見たいなぁ。
でもその場所は何分遠いしなぁ。
相当早起きしないと行けないしなぁ。
交通費もかなり掛かるしなぁ。
どうしようかなあ・・・・・・

 


「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 

「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 

「キヌガサタケが生えて来てるよ・・・・・・」

 


( ・o・)ハッ! と気が付くと
当方は某所の竹林内に立っていた。
つい、悪魔の誘惑に負けてしまったのだ。
事ほど左様にキヌガサタケの魔力は恐ろしい。

そして目に飛び込んで来たのはこんな光景。

kngstk (0).JPG

kngstk (1).JPG

これが憧れのキノコの女王、キヌガサタケだ。

キヌガサタケはご覧の様に大きなレースのマントが特徴的なキノコ。

なので、キノコを擬人化した際には

キヌガサタケはほぼ100%女性として描かれる。

 

その竹林にはキヌガサタケがそこここに生えていた。

kngstk (2).JPG

 

上から見るとこんな感じ。

kngstk (9).JPG

全く不思議な、そして綺麗な形だよなぁ。

 

それにしても本当にいきなりこんなのが竹林の中にあるんだもんなぁ。
これがキノコだと判っていてもびっくりしてしまうよ。
まして、キヌガサタケの事を知らない人がいきなりこれに遭遇したら

怖いとか気持ち悪いとか思っても仕方無いだろうなぁ。

 

こちらは新鮮な個体と、朽ち果てた個体。

kngstk (3).JPG

朽ち果てた方は柄以外が綺麗に無くなっている。

 

こちらの古い個体はレース部分のみが無くなっている。

kngstk (4).JPG

上部にほんの少し残骸が残っている点から見ると

多分、虫やナメクジなどに食べ尽くされたのだろうなぁ。

レース部分は柔らかくて食べやすいのだろうなぁ。

 

こちらは卵(幼菌)の状態。

kngstk (5).JPG

知らなければ爬虫類の卵にしか見えないよなぁ。

 

こちらの卵は孵化?直前なのだろう。

kngstk (6).JPG

外皮が薄くなってキノコ本体の頭頂部が透けて見えている。

 

こちらは頭部を取り去った状態。

kngstk (7).jpg

これを乾燥させた物が中華料理の高級食材、

「竹孫(ツーソン・本字は竹冠に孫)」だ。

頭部が外してある理由は後述。

一度だけ食べた事があるが

ふわふわシャクシャクとした歯触りが何とも言えず

如何にも高級食材!と言う感じだった。

 

所でそのマント部分、軸の長さに対応して

裾がちょうど地面に着く様な長さになっているので

卵の上に枯葉が思いもよらず厚く積もっていたりすると

この様にスカートを引き摺る様な状態になってしまう事もある。

kngstk (11).JPG

 

何か障害物があるとこんなスカートをめくられたみたいな状態に。

kngstk (8).JPG

 

斜めに生えるとマントも偏った状態になってしまう。

kngstk (13).JPG

何か、とても残念な感じだ。

 

折角ならこんな風に綺麗に開いてほしい所だよなぁ。

kngstk (1).JPG

 

さて、このキヌガサタケ。

暗緑色の頭頂部の笠とそれを支える軸(柄)、

そしてレースマント部分(菌網)からなる。

笠の暗緑色部分は胞子を形成する組織(グレバ)で

成熟すると胞子を含んだゲル状になり

これが強烈な悪臭(モロにウ●コ臭)を放つ。

それに誘われたハエにゲルを舐め取らせる事により

胞子を拡散させるのだ。

 

こちらの画像で、笠の暗緑色部分が無くなり

白い地が見えているのはグレバが全てハエに舐め取られたからなのだろう。

kngstk (4).JPG

そのハエ達によって胞子が撒かれた事により

また来年キヌガサタケが生えて来てくれるのだろうなぁ。

 

キヌガサタケを食材にする為には

悪臭のグレバが本体に付かない様に

慎重に取り外さなければならない。

この画像で傘部分が丁寧に取り外されていたのはそれが理由。

kngstk (7).jpg

竹孫は高級食材とは言え、中国や香港では

大袋にガサッと入れられた普及品も売られているのだが

そう言う物はややウ●コ臭がしてたりしている。

多分、グレバの取り外しの際の扱いが雑なのだろうなぁ。

だからこそ一袋ナンボの安価で売られているのだろうけど。

 


竹林の少し奥に行くと
近縁種のアカダマキヌガサタケも生えていた。

akdm (1).JPG

 

アカダマキヌガサタケは卵の部分が暗赤色なのが特徴。

akdm (10).JPG

akdm (5).JPG

 

中にはこんなにアカダマの卵が密集している場所も。

akdm (6).JPG

これが全部開いたらさぞ壮観だったのだろうなぁ。

 

こちらは萎れて倒れた個体。

akdm (7).JPG

この個体にはまだ結構グレバが残っているなぁ。

志半ばで倒れた、感じがしてちょっと寂しい。

 

 

因みにキヌガサタケのグレバはウ●コ臭がするが
アカダマキヌガサタケは臭くない、と言う。

そうなのかぁ、と思って実際にニオイを嗅いでみたら
やはり異様なニオイがする。
当方はそのニオイを
「野菜や大きなキノコが古くなって腐って溶けた時のニオイ」と感じた。
ウ●コ臭とは違うが、それもハエ等をおびき寄せる種類のニオイだ。

 

実際、撮影していた時も

グレバ部分にショウジョウバエがたかっていた。

akdm (8).JPG

矢印を付けてみたが判り難い・・・・・・

 

また、別の個体には撮影中ゴキがやって来た。

akdm (9).JPG

これが、臭気に引き寄せられたからのか、
たまたまなのかは不明。

 

 

所でこのキヌガサタケのレースマントの部分。

何故この様な構造の物があるのかは実は良く判っていないと言う。

グレバはハエ等を呼び寄せ、舐め取らせる為に臭気を放っているが

歩いて来る虫を登らせる為にマントがあるのだ、と言う説もある由。

だが、アカダマキヌガサタケのマントはキヌガサタケと比べると短く

地面には接して居ない様だ。

また、雑木林に発生する近縁種のマクキヌガサタケは

アカダマ以上にマントが短く、完全に宙に浮いている(→こちら)。

また、別の近縁種のスッポンタケにはマントが完全に無い(→こちら)。

そうなると益々マントに意味が判らないなぁ。

 

因みに、色々画像検索をして見ているとマントの短い種類は

マントの長い種類に比べると圧倒的に少ない。

それはビジュアル的な問題で

ネット上にアップされているマントの短い種類の画像が少ない、

と言う事もあるのかも知れないが、

ひょっとしたら進化の最終形として長いマントがあり、

短いマントはその途上にある、と言う事なのかも知れない。

ま、これは当方の勝手な想像なのだけど。

 

 

所で日本には他に全体に黄色いウスキキヌガサタケがある(→こちら)。

世界に目を向けるとマントが赤みを帯びた物(→こちら)や

緑色を帯びた物もあるのだとか(ネットでチラッと見た話なので

実在するかどうかは不明、画像は見付けられず)。

中にはこんな変わった形になる物もある由(→こちら)。

本当にキノコは思いもよらない物があるよなぁ。

 

 

因みにキヌガサタケとは「衣笠(絹笠)の様なキノコ」の意。

衣笠とは貴人が外出する際に

付き人が後ろから差し掛け長柄の傘の事(→こちら)。

とても優美な名前だよなぁ。

余談だが「衣笠」で検索すると「衣笠祥雄」ばかり出て来るのが閉口物だった・・・・・・

そして別名は虚無僧タケ、シケダケとの事。


虚無僧タケは、マント部分の形態から来た名称。

虚無僧は臨済宗の一派・普化宗の修行僧が托鉢行脚をする際の扮装で

その際に頭に被る籠状の深編み笠に

キヌガサタケのマントを見立てた物だ。

  いらすとやフリー素材より引用

 

シケダケは「湿気タケ」の意味で、
湿気の多い梅雨時に発生するからと言うのだが
当方はそれを「師家タケ」では無いか、と考えていた。

「師家(シケ、シイケ)」とは「師匠」の意味で
宗教の分野では修行の指導をしてくれる先生。先達を指す。
そして、尊崇の念を込めて「お師家さん(オシケサン)」と呼ぶ。
虚無僧姿の宗教者を「師家」と呼ぶ地域、または時代があり
そこから「師家タケ」と呼ぶ様になったのでは、と考えたのだ。

 

だが、この日は雨上がりと言う事もあり物凄い湿気だった。
不快指数は個人的には完全に100%。

時としてメガネが曇ってしまう程だった。
やはり「シケダケ」は「湿気タケ」なのかなぁ、と実感した次第。

 

 

 

 

さて、折角なので卵を幾つか持ち帰ってみた。

akdm (2).JPG

 

試しに一つを分解してみる。

akdm-bunkai (1).JPG

 

まずは真っ二つに。

akdm-bunkai (2).JPG

 

グレバの部分の内側に軸とレースに当たる部分が
圧縮されて収まっているのが見て取れる。

akdm-bunkai (3).JPG

 

陰影を強調してみた。

akdm-bunkai (3) のコピー.jpg

笠(グレバ)部分の内側に

柄とマントの組織が見えるのが判るだろうか。

このキノコの場合、卵が割れて伸びるのは
所謂「成長する」と言うより
圧縮されていた状態の物が伸長し展開する、と言うのが正しいのだろう。

 

 

更に分解。
卵の外皮部分と中身を剥がす。

akdm-bunkai (4).JPG

akdm-bunkai (5).JPG

 

柄の根元部分の保護膜?を剥がす。

akdm-bunkai (6).JPG

akdm-bunkai (7).JPG

 

グレバ部分を外す。

akdm-bunkai (8).JPG

グレバ部分の内側にマントが綺麗に収まっていた。

 

笠の内側がなんだか綺麗。

akdm-bunkai (9).JPG

キノコとしてはこのグレバの所だけが
胞子を形成する点で必要な部分な訳で
軸もマントも必要不可欠とは言えないオマケみたいな物になるのだが
それでもわざわざ軸とマントを形成しなければならない理由が
このキヌガサタケ達にはあるのだろうなぁ。

謎だ・・・・・・

 

 

さて、別の卵は育ててみる事にした。

akdm-seichou (1).JPG

たっぷり水を含ませたミズゴケに埋めて観察する事に。

毎日観察していたのだが中々変化は現れず。

 

と、育て始めて5日目の朝。

いきなり卵が割れて本体が伸び出していた。

akdm-seichou (2).JPG

 

2時間後、マントが伸び始めて来た。

akdm-seichou (3).JPG

これからの展開がワクワク♪

 

だが当方、基本的に在宅で仕事をしているのだが

この日は出掛けなければならない日だった。
なのでギリギリの時間まで待ったのだが此処でタイムリミット。

 

用事を済ませて帰宅後、こんな状態に。

akdm-seichou (5).JPG

akdm-seichou (6).JPG

完全に伸長は終わってしまっていた。

普段ずっと家に居るのに何でこんな日に限って。

嗚呼・・・・・・

 

折角ならこれを食べる事に。

akdm-coock (1).JPG

 

ウ●コ臭では無いとは言え、慎重にグレバ部分を取り外す。

akdm-coock (2).JPG

 

因みに卵部分はこんな感じ。

akdm-coock (3).JPG

上掲の分解作業画像の「柄の根元部分の保護膜?」は

実際に成長した際にはこの様に卵の側に取り残される組織だ。

 

柄とマントを鍋で煮る。

akdm-coock (4).JPG

 

鳥ガラスープで味付け。

akdm-coock (5).JPG

彩りに細かく切った人参も入れた。

 

で、実食。

乾燥品とはまた違った柔らかい食感で(゚д゚)ウマー♪

 

いやぁ、早朝から交通費を掛けて京都まで行った甲斐があったよ。

色々な観察も出来たし、中々得難い経験だった。

 

今後の目標は名古屋東部でキヌガサタケの発生坪を探す事だな。

そして今度こそは成長段階を最後までちゃんと観察したい物だ。

そしてまたあの食感を味わいたいなぁ・・・・・・

 

 

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| 腹菌類 | 00:08 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
僥倖

2月のある日、某所で枯葉を掻き分けていた。
と言って庭掃除等をしていた訳では無く
実はトリュフを探していたのだ。

 

トリュフは世界三大珍味の一つ。
特にヨーロッパでは人気のキノコで
日本でのマツタケ以上に換金性が高く
大きな塊が数百万、数千万円で取引された、
とのニュースが話題になる事も少なくない。

 

日本ではヨーロッパからの輸入品が流通しており
日本には産しない、と長らく考えられていたが
近年あちこちから採取報告がされている。
人によってはかなりの量を採取しており
SNSにはその画像が溢れている。


ヨーロッパ産種との関係は研究途上、との事だが
香りの点で遜色無い物も産している由。

どうやら日本のあちこちで発生している様なのだが
何せ地下で発生している種類なので見付けるのが難しい。


だが目に付いていないだけで
実は、そこら中にざらざら発生している可能性だって無いとは言えない。
名古屋にだって発生しているかもしれないのだ。
発生環境についてはSNS上で色々ヒントが出されている。
なのでそれを参考にして某所の落ち葉を掻き分けていた次第。

 

で、何か出ないかなぁ、と探していた所、
こんな物が顔を出した。

kgtk2016 (1).JPG

こ、これは!?

だが、どうもトリュフでは無い様だ。


でも、地下生菌の何かだったらちょっと嬉しいなぁ。

手に取って良く見てみる。

と、これはカゴタケでは無いか!

kgtk2016 (2).JPG

kgtk2016 (3).JPG

kgtk2016 (4).JPG
トリュフや地下生菌では無かったが
これはこれで珍しい種類なので遭遇出来て嬉しいw


だが、どうやらこれは伸長し切らず未成熟の様だ。

しかも、その状態で朽ちかけている様子。
分厚い枯葉の絨毯の下では、そうなるのも仕方無いかな。


カゴタケについてはかなり以前に記事にした事がある(→こちら)。

その時は7月23日に遭遇していた。
前回記事のカゴタケは直径4cm程の小さな個体だった。

kgtk2007 (1).JPG

kgtk2007 (2).JPG

kgtk2007 (3).JPG
手の平で転がせる、可愛いサイズだった♪


実はその後にもカゴタケに遭遇した事がある。
それがこちら。

kgtk2009 (1).JPG

kgtk2009 (3).JPG

kgtk2009 (4).JPG

kgtk2009 (5).JPG

これは直径12cm程の大きな個体だった。

林の中に転がっていた様子はギャグか何かにしか見えなかった。

カゴタケの存在を知っている当方ですら奇妙な光景なのだから

カゴタケの事を知らない人が見たら

これがキノコだと思う訳は無いと思うなぁ。

何かのゴミが捨てられてる様にしか見えないよ。

 

この個体も遭遇したのは8月3日と真夏だった。
図鑑を見ても発生は「夏〜秋」や「梅雨〜晩秋」とある。
それが、こんな2月にも発生するのだなぁ。

 

所で当方はこんな新聞の切り抜きを持っている。

kgtk-kiji.JPG

中日新聞2001年2月6日
【季節外れの”珍客”カゴタケ】

西尾市家武町の「いきものふれあいの里」雑木林に、
普通は梅雨時から晩秋にかけて出るキノコで
県内では極めて珍しい「カゴタケ」が顔を出し、
地元の研究グループ「西尾きのこ会」主宰の
中将長昭さんが写真に収めた。
   (中略)
この時期の発見は珍しく、
「昨夏は猛暑で菌類には厳しい気候だった。
夏に出るべきものが、寒波のゆるんだ先月末に
勘違いして顔を出したのでは…」と推測している。

 

記事中でも冬の発生は珍しいとある。

だからこの様に新聞記事にもなった訳だしなぁ。


だが、ひょっとしたら温暖な地域では
周年発生しているのかも知れない。

元々が発生の多く無い種類の事。
世間の認知度も低い。
なので発生して居ても見過ごされているのかもなぁ。

そもそもがとてもキノコに見えない形だしなぁ。

 

今回の場合、枯葉の下で発生していたので
余計に気付かなかったしなぁ。
こんな風に、誰にも気付かれず
それこそ陽の目を見ずに
朽ち果ててしまうキノコも多々あるのだろうなぁ。

 

ただ、カゴタケは普通のキノコと違って胞子の散布には
風の力を使わない。
果実の腐敗臭でハエ等を呼び寄せ
胞子の詰まった粘液を舐め取らせる事で
胞子を遠くに運んでもらっているのだ。
だから、こんな風に枯葉の下で押しつぶされる様に発生しても
ニオイに惹かれて昆虫がやって来ていて
それなりに胞子は散布されているのかも知れないよなぁ。

 

まぁ、たった2例だけで

「カゴタケは周年発生する」と言うのは

乱暴な話ではあるけれどね。

 


と、それはともかく。
カゴタケに遭遇出来たのは僥倖だったが
本命はあくまでもトリュフなのだ。
今の所、当方はまだ見付けられていない。

トリュフ探しはまだまだ今後も続ける予定。
何時か採取報告をこのblogでしたいものだ。

 

とは言え、こんな風な意外な遭遇も楽しい物。
今後、どんなキノコと出逢えるのか、

それも林の中で枯葉を掻き分ける楽しみの一つだ♪

 

 


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スミレ!スミレ!スミレ!

前々回の日記で

「来年も是非スミレホコリタケに逢いたい物だ」

と言う事を書いた(→こちら)。

以前、当方の記事を読んで頂いたgorosukeさんから

名古屋ではスミレホコリタケの発生は7月と9月、と

コメントで教えて頂いていたので

年内にはもう発生は無いだろうな、と思っていたのだ。

 

だが実はそのすぐ後に、幾つもの場所で

幾つものスミレホコリタケに遭遇していた。

 

まずは9/12、前回も発生した場所に更に発生した物。

sumire0912OMH-A (2).JPG

前回もそうだったが

当方が見付けた時点で既に何者かに齧られていた。

チャコウラナメクジ?が食事中だが、

ナメクジがこんなにダイナミックに食べる訳では無い。

暴食のヨトウムシでも此処まではしないだろう。

歯型が顕著に見える点からすると、齧歯類なのだろうなぁ。

近くに公園はあるが、リスが住んでいるとも思えない。

となるとネズミなのだろうかなぁ。

この地域のネズミはそんなに飢えているのだろうか。

それとも、スミレホコリタケは

そんなにも美味しいのだろうかなぁ・・・・・・

 

取り敢えず、手元で経過観察をする為に掘り取る事に。

sumire0912OMH-A (3).JPG

が、小さな個体だったのでこじんまりと掘り取ろうとしたら

根元の土が完全にバラけてしまった。

菌糸を殆どちぎり取った形になってしまったなぁ。

これは今後生育出来るのか、ちょっと不安・・・・・・

 

取り敢えず、ペットボトルを切って植木鉢にして

其処に植える。

sumire0912OMH-A (4).JPG

育ってくれれば良いなぁ・・・・・・

 

ライトの下で裏側を撮影。

sumire0912OMH-A (5).JPG

齧った歯型が良く判る。

 

3日後。

sumire0912OMH-A-3aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-3aft (2).JPG

全体に色が変わって来た。

 

4日後。

sumire0912OMH-A-4aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-4aft (2).JPG

一部が黒ずんで来た。

 

6日後。

sumire0912OMH-A-6aft (1).JPG

sumire0912OMH-A-6aft (2).JPG

黒い部分が広がって来た。

だが、変化は此処で止まってしまった。

掘り取りに失敗して、殺してしまったのだろうかなぁ。

 

 

こちらは9/14、矢張り同じ場所で見付けた物。

sumire0914OMH (1).JPG

sumire0914OMH (2).JPG

先の物よりかなり大きかった様だが

こちらはより激しく齧られている。

矢張りそんなにも美味しいのだろうなぁ。

 

翌日の様子。

sumire0914OMH-1aft.JPG

全体的に変色して来た。

この個体は変化の度合いが大きい様だ。

 

2日後。

sumire0914OMH-2aft.JPG

更に全体が変色して来た。

 

3日後。

sumire0914OMH-3aft.JPG

既に成熟してる感じ。

 

4日後。

sumire0914OMH-4aft.JPG

胞子の飛散が始まった。

 

5日後。

sumire0914OMH-5aft.JPG

引き続き飛散中。

 

6日後。

sumire0914OMH-6aft.JPG

周囲がちょっと紫色に。

 

7日後。

sumire0914OMH-7aft.JPG

その前夜の豪雨を受けて胞子はすっかり流され

基部を残すだけになっていた。

 

 

こちらは矢張り同じ場所に9/16に発生して居た小さな物。

sumire0916OMH (1).JPG

sumire0916OMH (2).JPG

これも例によってネズミ?に齧られている。

 

1日後。

sumire0916OMH-1aft.JPG

一回り、大きくなっている。

 

2日後。

sumire0916OMH-2aft.JPG

齧られた穴が更に深くなっている以外は

特に変化は感じられない。

 

3日後。

sumire0916OMH-3aft.JPG

突然全体が変色した。

 

4日後。

sumire0916OMH-4aft (1).JPG

sumire0916OMH-4aft (2).JPG

胞子が飛散し始め、周りを紫色にしていた。

 

5日後。

sumire0916OMH-5aft.JPG

その前夜の豪雨を受け、胞子は全て流され

基部だけになってしまっていた。

 

 

こちらは矢張り同じ場所に9/18に発生して居た物。

この場所は本当にスミレホコリタケのシロなんだなぁ。

この時期は毎日雨だったので

特に発生が多かったのかも知れない。

sumire0918OMH (1).JPG

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やや大きめの個体だ。

 

1日後。

sumire0918OMH-1aft (1).JPG

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成長と共に穴は広がり、イナバウアー状態に。

 

2日後。

sumire0918OMH-2aft (1).JPG

sumire0918OMH-2aft (2).JPG

sumire0918OMH-2aft (3).JPG

更に成長と共に穴が広がっている。

色の変化が出て来始めた。

 

3日後。

sumire0918OMH-3aft (1).JPG

sumire0918OMH-3aft (2).JPG

更に色の変化が進む。

 

と、此処で4日間、旅行で不在に。

で、7日後。

sumire0918OMH-7aft (1).JPG

sumire0918OMH-7aft (2).JPG

すっかり老熟し、胞子を飛散して居た。

 

飛んで15日後。

sumire0918OMH15aft (1).JPG

sumire0918OMH15aft (2).JPG

すっかり基部だけになってしまっていた。

 

 

こちらは菌友T氏がSNSに上げていた画像。

これもどうもスミレホコリタケぽいなぁ。 

sumire0919OBT (0).jpg

発生場所は当方の家からもそう遠く無い場所だった。

これはもう観に行かねば!

 

大体の場所を教えて貰い、翌日の9/19、早速現場に。

これも中々の大きさ。

sumire0919OBT (3).JPG

が、既に変色し切っていた。

T氏が先の画像を撮影してからは中一日。

結構な大きさなのにあっと言う間の変化。

変色の具合(成熟具合)の個体差は結構大きいのだなぁ。

 

周囲を探すと幾つも残骸があった。

sumire0919OBT (4).JPG

sumire0919OBT (5).JPG

sumire0919OBT (6).JPG

sumire0919OBT (7).JPG

此処も一大発生坪だったのだなぁ。

 

 

同日、某河川敷にて。

symire0919YADA (1).JPG

実はその前日。電車に乗って居て

車窓から陸橋下の河川敷を見ていた所、

草地に白い塊が幾つも見えたのだ。

河川敷だから何かキノコが生えてるかもなぁ、

と思いながら見ていたら、

本当にキノコが生えていたのでビックリしてしまった。

 

車窓から見れたのはホンの一瞬だったのだが

あれはスミレホコリタケに違いない、と確信出来た。

なので翌日、バイクでその河川敷まで出向いて確認した所

本当にスミレホコリタケだった次第。

symire0919YADA (2).JPG

symire0919YADA (3).JPG

symire0919YADA (4).JPG

前日は白く見えていたのだが一日で成熟してしまったのだなぁ。

 

発生ポイントを俯瞰すると菌輪になっている様だった。

symire0919YADA (5).jpg

画面に入り切らなかったのだが

他の場所にもスミレホコリタケ発生していたので

直径10mくらいの輪にはなって居たと思う。

 

それにしても、この現場に到る迄に道のりで

5匐瓩の河川敷を走りながら見ていたのだが

この場所以外にはキノコを見付ける事は出来無かった。

勿論、バイクで走りながら見る事の出来る範囲なので

隈なく見る事は不可能だが

それでもこの場所にしかキノコが生えているのを

見付けられなかったのは不思議だ。

この場所は余程キノコ向きな環境だったのだろうかなぁ。

 

折角なので記念に一つ持ち帰る事に。

symire0919YADA (6).JPG

白い表皮が所々残っているのがオシャレ(・∀・)♪

 

試しにナイフで剥いてみた。

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symire0919YADA (8).JPG

矢張りたった一日で完全に成熟している。

成熟のスピードは個体によって本当にまちまちなのだなぁ。

 

動画でも撮ってみた。

陸橋を渡る電車の音も入っているので

キノコマニア兼鉄オタの人にはお得な動画かもw

 

と言う訳で、長年追い求め、乞い求めていたスミレホコリタケに

今年は幼菌成菌老菌残骸を含めてイキナリ20個近くに遭遇する事が出来た。

当たり前と言えば当たり前だが、ある所にはあるもんだなぁ・・・・・・

 

 

さて、最初のスミレホコリタケ。

6日経っても胞子は成熟せず、その後も色の変化は止まってしまっていた。

sumire0912OMH-A-6aft (2).JPG

やはりコイツは死んでしまっていた様だ。

上掲の例から言って子実体の膨張が終われば

大体1日、少なくとも3日もあれば成熟し、胞子を飛散し始める様だ。

生きていればあっと言う間に老化して朽ち果ててしまうが

死んでいると変化が止まり、その形を留める。

当たり前と言えば当たり前だが、生命は儚いなぁ・・・・・・

 

それにしても今年は沢山のスミレホコリタケに出逢えた。

図鑑にも殆ど載っておらず発生の多く無い珍菌、との話だが

ある所にはこんなにもザラザラとあるんだもんなぁ。

良い場所に引っ越して来たのかも知れないw

 

 

所で、上掲画像で判る様に

ウチのすぐ近所以外で発生して居たスミレホコリタケには

何かに齧られた痕跡は無かった。

ウチの周辺は餌に恵まれていないから

スミレホコリタケが発生すると

待ってました!とばかりに食べてしまうのかなぁ。

それともウチの近所で発生したスミレホコリタケは

食べずにおれない位にとても美味しいのだろうか。

謎だ・・・・・・

 

 

 

今年の発生はさすがに終わっただろう。

また来年、是非またスミレホコリタケに出逢いたい物だ。

 

キノコヌシ様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(-人-) ナム〜

 


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| 腹菌類 | 00:03 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
こんにちは菌類 

当方が長年追い求めているキノコの一つに

「スミレホコリタケ」がある。

スミレホコリタケ関連の記事まとめ

 

前回の記事で、一大発生坪を発見したので

今後も観察を続ける、と書いた。

その後、何度も現地を訪れていたのだが

スミレホコリタケの発生を見る事は無かった。

あれだけ一度に大量発生した、と言う事は

シロとして断末魔だったからこその大発生だったのかなぁ。

そうだとしたら残念だなぁ。

まぁでも、今後も観察は続けて行く予定。

引っ越しした為に現地が遠くなってしまったのは

少し残念だけど。

 

さて、4月末に引っ越しして

やっと落ち着いて来た7月の事。

買い物に向かうべく、

公団の敷地内をバイクで走って居たら

目に留まった物があった。

sumire2016-1 (1).JPG

sumire2016-1 (2).JPG

こ、これは!?

ひょっとしてスミレホコリタケっっ???

 

今まで、紛らわしいノウタケは散々見て来た。

このキノコはその今までの物とは印象が違う!

ネットで散々見ていたスミレホコリタケにそっくりだ!

これは恐らくスミレホコリタケと考えて良いだろう!

まさかこんな所に生えているなんて!

この地に越して来て最初に遭遇した菌類が

スミレホコリタケだなんて!

これは是非経過観察をしなくてはっっ!!!

 

と意気込んでいた翌日。

その後の観察をしようとしたら

スミレホコリタケと思しきキノコは影も形も無い!

どうやら近隣住民に撤去された様子。

 

この仲間は森の奥深くよりも草地や河川敷、

畑地の周辺の様な、少し人間の手が入った、

やや開けた場所に発生する事が多い様な気がする。

つまり、人間の生活圏内に

発生する事が多い、と言う事でもある。

 

この場所は公団の敷地内だ。

其処は子供達の遊ぶ場所でもある。

当然、住民もこのキノコを目にしている。

得体の知れない、目立つキノコが突然現れたのだ。

子供達に何かあったらどうする!?と警戒されても仕方無い。

その為、さっさと撤去されてしまったのだろう。

 

当方が長年追い求めていたキノコかも知れない、

と言う事情など住民は知る筈も無い。

千載一遇のチャンスが

まさかこんな事になるなんてなぁ・・・・・・

何時の日か、また此処に発生してくれる事を期待しよう。

是非また発生して欲しいなぁ。

発生してくれるかなぁ・・・・・・

 

 

と思った一週間後。

同じ場所にまた気になる物を発見。

sumire2016-2 (1).JPG

sumire2016-2 (2).JPG

sumire2016-2 (3).JPG

これまたスミレホコリタケでは無いのかっっ!???

 

有難い事にすぐに生えて来てくれた!

sumire2016-2 (4).JPG

前回のより一回り小さいけど、それは問題じゃない!

すぐにまた生えて来てくれたのがとにかく嬉しい。

                                            

だが、また住民に撤去されてしまうかも知れない。

なので、持ち帰って追培養する事に。

スコップで地面諸共掘り取る。

sumire2016-2 (5).JPG

sumire2016-2 (6).JPG

sumire2016-2 (7).JPG

器に入れて持ち帰る。

 

と、その途上、手が滑って落としてしまった!!

しかもタイミング良く?、

落ちたスミレホコリタケ?を蹴って転がしてしまった!!

幸いキノコがちぎれる事は無かったが

かなりダメージを受けた事は一目瞭然だった。

 

何とか持ち帰って霧吹きで水分を与えたが

色合いがつい先程とは全く違ってしまっていた。

翌朝にはこんな感じに。

sumire2016-2@1after.JPG

これは折角のスミレホコリタケ?を

蹴り殺してしまったのかも知れない・・・・・・

やっと手に出来たスミレホコリタケ?に浮かれて

舞い上がってしまったつもりは無かったのだけどなぁ。

うーんショックだ・・・・・・

 

ちょうどその頃、仕事でバタバタしていたのと

折角のスミレホコリタケ?を蹴り殺してしまった、

と落ち込んでいた為に、ついそのまま放置してしまっていた。

で、3日後にはこんな状態に。

sumire2016-2@3after.JPG

あぁ、やっぱり死んでしまったのだなぁ・・・・・・

 

その後、そのまま放置する事2週間。

ふと見てみると、こんな様子に。

sumire2016-2@22after (1).JPG

sumire2016-2@22after (2).JPG

sumire2016-2@22after (3).JPG

あれ、これは老熟したスミレホコリタケでは無いか!?

 

そう言えば、今になって思い出した。

スミレホコリタケは成熟する時に

急激に色が変化し、短期間で黒くなるのだが

老熟し乾燥すると紫色になるのだった(→こちら)。

 

このスミレホコリタケは蹴り殺されてはいなかったのだ。

その後もちゃんと生きていて、胞子を成熟させていたのだ。

と言うか、当方に蹴り転がされた事により

命の危機を感じて成熟を急いだのかも知れないよなぁ。

 

当方が折角遭遇出来たスミレホコリタケを

蹴り殺していなかったのは良かったが

死んだと早合点してしまった為に十分な観察が出来無かったよ。

うーん、これは残念だなぁ・・・・・・

 

取り敢えず、すぐ近くにスミレホコリタケが

発生するポイントがある事が判った。

次回発生した際にはちゃんと観察をしたい。

今回の発生が、このシロの断末魔で無い事を祈るのみ。

キノコヌシ様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

勿論、次は蹴り転がさない様に気を付けますので・・・・・・

 

キノコヌシ様が当方の所業に呆れ返ってしまい、

もう生やしてくれなくなって無いと良いなぁ・・・・・・

(-人-) ナム〜

 


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| 腹菌類 | 00:01 | comments(16) | trackbacks(0) | pookmark |
タマネギ?
こちらの画像はタマネギモドキ。
tamanegimodoki (5).JPG
tamanegimodoki (6).JPG
一見ジャガイモに見えてしまう。
実際、地面に転がっている様子は
小さなジャガイモにしか見えない。
大きめの個体でも手に乗せるとこんな感じ。
tamanegimodoki (8).JPG
小イモと言うにもかなり小さい感じ。
だがキノコなので
裏を返すと当然菌糸の束がある。
tamanegimodoki (7).JPG
地面の下に菌糸が張り巡らされており
その結果、こうやってキノコが姿を現した訳だ。


実は「ジャガイモタケ属」と言うキノコはあり
実際にジャガイモぽい外見だ(→こちら)。
見た目はこのキノコにも良く似ているが
質感的にはジャガイモタケよりも
こちらのキノコの方が、よりジャガイモぽい。
だがこちらは「タマネギモドキ」と言う名のキノコなのだ。

外見は似ていても中身は丸で違う。
ご覧の通り、ジャガイモタケは
中身はあまりジャガイモぽくは無い(→こちら)。
タマネギモドキは更にジャガイモぽく無く
薄皮の中にゴマ餡がぎっしり詰まっている様に見える。
なのでこれがジャガイモタケの仲間では無く
ニセショウロの仲間なのだと判明した。
そして色々調べて、
これは「タマネギモドキ」では無いか、と判断した次第。
tamanegimodoki (3).JPG
tamanegimodoki (4).JPG
拡大すると、ただの真っ黒の塊では無く
組織が分かれているのが見える。
これが成熟すると胞子になるのだ
尚、タマネギモドキの所属するニセショウロの仲間は外見的に似た物が多く、
図鑑にもあまり載っていない為、判別がとても難しい。
webで検索しても、ニセショウロ目の別のキノコに見える画像がhitする。
勿論、当方のこの「タマネギモドキ」にしても
確実に「タマネギモドキ」である保障は無いのだが・・・・・・


こちらの個体は表面をネズミか何かに食べられたのか
中の黒い部分が表に出てしまっている。
tamanegimodoki (1).JPG
tamanegimodoki (2).JPG
美味しいのかなぁ???

所で、実は同じ「タマネギモドキ」と
言う名を持つ物がもう一つある。
それはキノコではなく、植物。
こちらは本当にタマネギに良く似ている(→こちら)。
名前の由来は一目瞭然。
ただ、この「タマネギモドキ」は通称の様子。
正確には「オーニソガラム」と言うユリ科の仲間で
園芸種が多数あるらしい。

翻って、このタマネギモドキ。
どう見てもジャガイモにしか見えないのだが
何故「タマネギモドキ」なのだろうか。
タマネギの匂いでもするのだろうかなぁ。
残念ながらその確認をしていなかったので
次回遭遇した際には
是非とも匂いを嗅いでみなければなぁ。

因みに学名は Scleroderma cepa(スクレロデルマ ケパ)。
Scleroderma は「硬い皮」、cepa は「タマネギの」、
つまり「タマネギの硬い皮」。
皮がタマネギぽいとは思えないのだけどなぁ。
益々もって判らない。


さて、上掲画像の様に
断面を見ると美味しそうには見えない。
とても食べようと言う気にはなれないのだが
実は平成24年に、このタマネギモドキによる
中毒事故があったらしい(→こちら)。
 (リンク切れ対策の為に以下に当該記事をコピペ)
  ○平成24年10月15日、奈良市内の山中で採取したキノコによる食中毒事例が発生しました。
     奈良市内の山中で採取した毒キノコ(タマネギモドキ)を、
    10月15日に自宅で調理して喫食した1名が、
     喫食後30分で嘔吐・嘔気等の症状を呈しました。

   ○タマネギモドキ
    ・発生時期 夏から秋
    ・発生場所 林内地上に群生する
    ・特徴 表皮は厚く、球形
    ・中毒症状 食後30分から2、3時間で嘔吐、下痢などの消化器系の中毒症状
    ・毒性成分 毒性物質は明らかではなく、詳細は不明
    ・間違いやすいキノコ ショウロ科、ホコリタケ科、セイヨウショウロタケ科など



また、平成26年に茨城県土浦市でも 
60代男性による中毒事故が(→こちら)、
 (リンク切れ対策の為に以下に当該記事をコピペ)
  ◆毒キノコで食中毒/茨城・・・
    毒キノコの「タマネギモドキ」を食べ、色覚障害などの食中毒症状を発症
    (2014年11月17日 21:11)

    県は15日、土浦市の60歳代の男性が毒キノコの「タマネギモドキ」を食べ、
   色覚障害などの食中毒症状を発症したと発表した。男性は治療を受け、快方に向かっている。
   タマネギモドキによる食中毒の認知は県内初という。
   男性は13日昼頃、稲敷市の林で食用キノコと間違えて採取。
   14日夜、土浦市内の友人宅でゆでて1人で食べた。
   直後に発汗や白い色が紫色に見えるなどの症状が出たという。
   県によるとタマネギモドキは丸い形で茶色がかっており、トリュフに似ているという。
                               (11/16読売新聞)


そして『毒きのこ今昔』と言う本によると
昭和49年に学校の花壇に生えたタマネギモドキを
キツネノチャブクロ(ホコリタケ)と間違えて
4人の男子高校生が中毒をした事故もあったらしい。

良くもまぁ、食べようと思ったもんだなぁ。
大阪府のサイトによると、間違いやすいキノコとして
ショウロ、ホコリタケ、セイヨウショウロ(トリュフ)を
挙げているが、かなり違うと思うがなぁ。
実際、昭和49年の例ではホコリタケと間違えているし。
思い込みてヤツかなぁ。
とにかく無謀としか言い様が無い。

無謀ではあるが、多くのそう言う先人達の挑戦によって
これは美味しいキノコだ、これは毒キノコだ、と言う
それぞれのキノコの素性が判った訳だ。
逆に言えば、そのキノコが美味なのか、美味しくないのか、
そして毒なのか無毒なのかは食べてみないと判らないのだ。

化学分析が発達した現代では特定の性分の検出は出来るので
この成分が含まれているからこのキノコは毒キノコだ、と
判断する事は可能だが
それが未知の毒成分だった場合は検出も判断も難しい。
まして、そのキノコが美味かどうかの判断は
機械による分析だけでは不可能だろう。
それこそ、実際に食べてみないと判らない。

その昔、無謀な試食者が居たからこそ
マツタケやシイタケ、マイタケが
美味なキノコとして定着、流通しているのだ。
タマネギモドキは毒キノコだった為に
無謀扱いされてしまったが
そう言う無茶をしてくれたからこそ
タマネギモドキが毒キノコだと言う事が知れたのだ。
貴重な情報を提供してくれた人として頭が下がる思いだ。

とは言え、当方はどんなキノコであっても
人類初の試食者になりたくは無いなぁ。
誰も知らない美味しいキノコを見つける、
と言うのはとても魅力的な話だけど
やっぱり毒には中りたくないからなぁ。


所で先述した様にジャガイモタケと言うキノコはあり
この様にタマネギモドキと言うキノコもある。
もし「ニンジンタケ」と言うキノコがあれば
シチューやカレーが出来そうだが
残念ながら「ニンジンタケ」は無い様だ。
将来、当方が新種のキノコを発見したら
「ニンジンタケ」と命名しようかな。
そしてジャガイモタケとタマネギモドキと共に
意味無く煮込んでみたい。
食べはしないけど、楽しそうだ。
で?と言われたらそれまでだけど。

先のタマネギモドキでの中毒者。
実は、まさかそれの先駆者なのだろうか。
遊びで煮込んでいた物をうっかり食べてしまったのだろうか。
または、別の人が遊びで煮込んだ物を
知らずに食べてしまったのか。
当方みたいなアホな事を考える人が
他に居るとは思いたくないのだが
世の中広いからなぁ・・・・・・


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| 腹菌類 | 00:32 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
スミレの園
当方が追い求めているキノコの一つにスミレホコリタケがある。
スミレホコリタケとは紫色をしたノウタケの仲間。
ノウタケに比べると発生が少なく図鑑にも殆ど載っていない。
スミレホコリタケについては
以前に何度か記事にした事がある。
 何と言う事……
 『何と言う事……』のその後
 持つべき物は

因みに、スミレホコリタケと言う名前だが
別の和名候補として
「ムラサキチドメ」「スミレノウタケ」もあったと言う。
ノウタケはホコリタケとは違うグループなので
どちらかと言えば「スミレノウタケ」の方が
実態に即していると思うのだが
先名権の関係でスミレホコリタケになった様だ。

確かに届け出順、と言うルールは大事だが
実態に則さない和名を何時までも使い続けるのも
どうかと思うなぁ。
世界共通名称である学名は
学問の発展と共にどんどん変わっていくのに
日本人の、しかも極一部の人間しか使わない和名が
何時までも間違ったまま、て言うのも不思議な話だ。

発生が少ない、と言うのも関係しているのかなぁ。
毒にも薬にもならないキノコだから(可食との事)
あまり相手にされていないのかも知れないし。
と、何の権限も力も持っていない当方が
こんな場末のblogで喚いていても仕方ないのだが。


先に書いた様に、スミレホコリタケの発生は少ない。
以前はweb検索をしても情報は殆ど出てこなかった。
だが、2012年は当たり年だったのか
あちこちで発生の報告があった。
以前の記事にも書いた様に
菌友の周辺でも発生していた様で標本を送って貰ったりもした。
名古屋の当方の行動範囲内でも発生していた様なのだが
残念ながらその現場に遭遇する事は無かった。


で、今年の春先、アミガサタケを探すべく
某所を探索していた所、ふと見るとこんな物が。
sumire2014 (3).JPG
sumire2014 (1).JPG
これはスミレホコリタケの残骸ではないか!
恐らく去年発生した物だろう。
と言う事は2012年に続いて2013年も
当たり年だったのかも知れない。


周りを見ると同じ物が幾つもある。
数えてみると全部で15個。
sumire2014 (6).JPG
此処はスミレホコリタケの一大発生地だったのだ。
この15個の残骸が一斉に胞子を飛散させていたとしたら
この辺一帯が紫色になっていたのでは無いだろうか。

この辺り、ちょっとその痕跡が残っていて
落ち葉や地面が胞子で紫色になっている、
sumire2014 (2).JPG
sumire2014 (4).JPG
こんな感じでこの一帯が紫色に染まっていたのだろうなぁ。
いや、その様子を是非とも見たかった!


幾つかをピックアップ。

この個体。
綿状部分の様子が良く見える。
sumire2014 (7).JPG
この繊維の隙間に胞子がぎっしり詰まっていたのだ。

この個体にはまだかなり胞子が残っている様子。
sumire2014 (10).JPG
表皮の痕跡が視認出来る。

こちらの個体も表皮がやや残っている状態。
sumire2014 (5).JPG
因みにスミレホコリタケの学名は Calvatia cyathiformis 。
”Calvatia”は属名で”頭蓋骨”、
”cyathiformis”は”酒盃型の”と言う意味の由で
上掲画像の様な状態を指しているらしい。
何故こんな消滅寸前の状態を取り上げて学名に当てたのかは不明。
没になった学名に Calvatia lilacina があり
”lilacina”は”ライラック色の”を意味している由。
そちらの方がより実態に即していると思うのだが
これも恐らく先名権の問題なのだろうなぁ。 


こちらの個体が綿状部分は殆ど無くなっている。
sumire2014 (8).JPG

試しに裂いてみる。
sumire2014 (9).JPG
断面も、もけもけの繊維状。
だが、この部分は胞子の含まれていない「無性基部」。
胞子の含まれていた部分は、胞子を放出し尽くすと
やがて消え去ってしまうが
この無性基部だけは長期間残存する。
なので、こうやって残骸だけを見付けて
当方は残念がっている次第。
とは言え、発生場所の確認は出来るのは有難い。


今後、この場所の経過観察は勿論する予定だが
今年もこの場所に生えてくれる保証は無い。
種類にもよるが、キノコには発生周期がある様だ。
周期が1年、つまり毎年発生する物もあれば
数年に一度しか発生が観察されない物もある。
そして、中には発生周期が数十年単位の物もあるらしい。

ひょっとしたら数百年単位の物だってあるかも知れないが
そうなると、人間がその存在を知る事が出来無い物も
あったりするのだろうなあ。
そう言うキノコが伝承されていたとしても
現物が確認されていないから
ただの荒唐無稽な作り話だ、
てな扱いをされている場合もあるのかも知れないよなぁ。

多くの生物は地球の自転や公転を1単位として
スケジュールを考えているが
別の座標軸を単位にしている生物だってあるだろう。
竹の開花が60年に一度とか、17年セミなんてのも
何かの単位でそう言う周期なのかも知れないのだ。
その1単位が数百年、数千年だ、と言う可能性だってある。
時間のスケールを人間の感覚だけで考えるのは狭い了見だ。

で、このスミレホコリタケ。
次の当たり年は何年後、何十年後なのだろうか。
当方が生きている間に、
自分の足で歩ける内に来て欲しいなぁ。
スミレホコリタケが
当方の都合を考慮してくれないのは当然だが
出来ればそう遠くない将来に発生して欲しい物だなぁ。

了見が狭いのは承知で、とにかくひたすら祈るのみ。
キノコヌシ様〜〜(-人-) ナム〜


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| 腹菌類 | 00:18 | comments(17) | trackbacks(0) | pookmark |
情けが仇に
JUGEMテーマ:趣味

今回は小ネタでw

此処は名古屋市内の某公園。
とある雨上がりの午後、
買い物帰りに寄り道をした。
ふと地面を見るとこんな物が。
kotsubu20140228-2.JPG
kotsubu20140228-1.JPG
これは犬の糞!?

と、良く見るとコツブタケだった。
kotsubu20140228-3.JPG
コツブタケは元々犬の糞に似ている事が多いが
この個体は色形と言い、
公園の地面にポツンとある状況と言い
本当にそっくりそのままに見えてしまった。

コツブタケと言えば
松と菌根関係を築く事が知られているが
近くには松、及び針葉樹は見えなかった。
なので何の樹木と菌根を築いているのかは不明。
尚、コツブタケについては以前も記事にした事がある(→こちら)。


しかし見れば見る程犬の糞ぽいなぁ。
これでは誤解されて、糞として始末されかねない。
折角キノコとして出て来たのに
それではあまりに無念と言う物。

熟したコツブタケは粉の塊なので
それを際立たせてみよう。
粉末化させれば犬の糞と間違われる事も無いだろう。
胞子の飛散にもなるし、一石二鳥だ。
手っとり早く、取りあえず踏み潰してみる事に。
kotsubu20140228-5.JPG
あれ、どうも何時ものコツブタケの感触では無い。

雨上がりでたっぷり水分を含んでいた様で
踏んづけても粉々にならず、ベチャッと潰れてしまった。
kotsubu20140228-4.JPG
うーん、これでは益々犬の糞みたいでは無いか。
一部は粉っぽい雰囲気もあるが
どう見ても犬の糞です。
ありがt(ry

当方にはこれ以上もうどうしようも出来無いなぁ。
なので、このまま放置した。

その後このコツブタケがどうなったかは不明。
そしてこの後、
この場所にコツブタケが発生しているかどうかも不明。
取りあえず元気でやってくれていれば良いなぁ、と。


 
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| 腹菌類 | 17:45 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
正に見たまま
画像はカニノツメ。
名古屋市東部にて撮影。
kaninotsume-1.JPG
kaninotsume-2.JPG
その形と言い、色合いと言い、正に「蟹の爪」。
上手い事名付けた物だよなぁ。
蟹を知っている人なら誰でも納得する命名だと思う。

因みに、カニノツメは日本以外では中国と北米に発生する、との事。
なので中国名、英名を探したけど見付ける事は出来無かった。
北米では通名が付けられる程メジャーでは無いのかもなぁ。
中国で、カニノツメの含まれるスッポンタケの仲間は
「鬼筆」と総称されているので「蟹爪鬼筆」とでも言うのかもなぁ。
いや、勝手な想像だけど。

カニノツメは、以前に書いた事のある
ツマミタケやキツネノタイマツの近縁種だ(→当該記事)。
この仲間は卵の状態で幼菌が出来、
それが割れて中身が伸長する、と言う独特の生態を持っている。

こちらの場所の個体は既に萎びてしまっているが、伸長前の卵もあった。
kaninotsume-3.JPG
kaninotsume-4.JPG
折角なので、卵を持ち帰って育てて見る事にした。


水ゴケに埋めて早速観察開始。
kaninotsume-5.JPG
寝る前はこの状態。

翌朝見てみたら、既に伸長していた。
kaninotsume-6.JPG
kaninotsume-7.JPG
経過を見られず残念……

こちらの個体は最初の画像のに比べると、かなり色が濃い。
kaninotsume-8.JPG
見れば見る程「カニノツメ」だよなぁ。

この黒い部分がグレバと呼ばれる、胞子の含まれた粘液。
kaninotsume-9.JPG
これが糞臭を放っていて、ハエを呼び寄せ
舐め取らせる事によって胞子を拡散している。

所で、幼菌の中身はどうなっているのだろうか。
試しに一つ切って見た。
kaninotsume-10.JPG
kaninotsume-11.JPG
真っ二つにする。

更に1/4に。
kaninotsume-12.JPG
kaninotsume-13.JPG
高貴な果物、と言えばそう見える様な……w

半割りにした物の表皮を剥いてみる。
kaninotsume-14.JPG
kaninotsume-15.JPG
グレバが脳みその様に見える。
後にカニの腕になる部分が脳梁みたいだなぁ。


こちらは別の幼菌。
kaninotsume-16.JPG
割れて頭を出し始めている。

約2時間半後。
kaninotsume-17.JPG
かなり顔を出している。

別角度から。
kaninotsume-18.JPG
カニノツメを真上から見るとこんな感じなのか。

裏面は表皮の割れ具合が綺麗。
kaninotsume-19.JPG

8時間後。
kaninotsume-20.JPG
完全に伸長していた。

こちらは別の卵。
kaninotsume-23.JPG
kaninotsume-24.JPG
グレバの脳みそ具合が良く判る。

約4時間後。
kaninotsume-25.JPG
脳みそ具合が判りにくくなっている。

5時間後。
kaninotsume-26.JPG
脳みそは溶けてしまい、粘液状になっている。
当然グレバからは糞臭が漂う・・・・・・


所で、ツメの根本はどうなっているのだろう。
ふと気になったので、調べてみる事にした。
早速、外皮を開いてみる。
kaninotsume-21.JPG

と、根本はイキナリ始まっていた。
kaninotsume-22.JPG
ブツ切りにした様な断面で外皮の袋に包まれていたのだ。
根本はすぼまって卵の外皮、
そして菌糸に繋がっているのかと勝手に想像していたら
唐突に柄が始まっていたのでびっくりだった。
まるで、どうせ外皮に包まれて見えないのだから
此処は適当にして良いや、と
ぞんざいに工作された手芸品の様だった。

実は以前、キツネノタイマツの追培養の際、
変な成長の仕方をした個体があった。
それは、何故か卵の底が抜けた為に
上にも下にも伸長してしまった個体だったのだが
その個体も柄が、
まるでブツ切りにされたかの様になっていたのだ。
kitsunenotaimatsu-1.JPG
kitsunenotaimatsu-2.JPG
その時は、それは正常に成長出来無かった為の
奇形化だと勝手に思っていたのだが
このカニノツメの様子を見ると
あれはあれで正常な状態だった様だ。
この仲間の根本は、菌糸で繋がる事無く
唐突に始まる物みたいだ。

そう言えばカゴタケも
本体に菌糸で繋がっては居なかった。
卵の中で、黄身の如くカゴ部分が
成長・熟成していたのだ(→当該記事)。
してみると、カニノツメやキツネノタイマツの柄が
唐突に始まるのも当然なのかも知れないなぁ。


それにしてもキノコの形態や生態は
当方の想像を遙かに越えているなぁ・・・・・・



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| 腹菌類 | 01:09 | comments(10) | trackbacks(0) | pookmark |
短慮功を成さず
画像はツチグリの残骸。
tsuchiguri-4.JPG
tsuchiguri-3.JPG

こちらはカビが生えている。
tsuchiguri-5.JPG

こちらは残骸の中に残った胞子を
ハサミムシが無心に食べている。
tsuchiguri-2.JPG


ツチグリは特に珍しいキノコでは無いが
当方は何故か綺麗な状態の物に殆ど出逢っていない。
一度発生すると外皮の部分がかなり長期間残存するので
この様に残骸に出逢う事は少なくない。


因みに、綺麗な状態はこちら。

この時の事は、記事にした事がある(→こちら)。


このツチグリは図鑑では「食不適」とされているが
一部の地域で幼菌を「マメダンゴ」「ママダンゴ」等と呼び、
食用にされている事はあまり知られていない(最後段に追記あり)
1935年発行『茸類の研究』第1巻1号、及び第1巻2号によると
岩手県南部、鳥取県西部の日野郡地方、山梨県、福島県で
ツチグリ幼菌を食用に供している旨の報告があるが
現在は検索すると見事に福島県の記事ばかりが出て来る。
収穫期(7月頃)には福島では市場等でも売られ、
時にはマツタケ以上の値が付くらしい。

ツチグリは地下で発生し、成熟に伴って地上に現れて来る。
その幼菌の段階の物を掘り出して食用にしているのだ。
調理法としては、混ぜご飯にする事が多い様だ(→こちらこちら)。

幼菌は中身が白い物のみ食用になる。
少しでも色が付いていると、もう食用には適さないので
店で買った物でも、使えない物が混じっている事があるらしい。
マメダンゴを収穫するには
前年にツチグリが発生した場所を、時機を見て掘るか、
または、既に発生しているツチグリの周囲を掘って収穫するしか無い。
地上に顔を出してしまった物ではもう手遅れなのだとか。
中々素人には収穫出来そうも無いなぁ。


ある日、某所を探索していたらツチグリの幼菌を見付けた。
tsuchiguri-7.jpg
tsuchiguri-8.JPG

周囲を見ると他にも見付かった。
tsuchiguri-9.JPG

試しに一つを半割りにすると、中は白色。
tsuchiguri-10.JPG
地上に顔を出している物だがこんなに白い物もあるのだなぁ。
これは食用になる筈だ。

帰宅後、煮て味噌汁の具にしてみた。
tsuchiguri-11.JPG

が……

美味しくない。
全然美味しくない。

調理法を間違えたのだろうか。
それとも、ツチグリに似た近縁種だったのだろうか。
周囲に成菌が無かったので今となっては判らない……
一度、確実なツチグリの幼菌を収穫して
「マメダンゴ」を食してみたい物だなぁ。


と、先日、某寺院の前を通り掛かった。
念の為、何か出てないか、境内をを探索。
するとツチグリの残骸が多数見付かった。
tsuchiguri-12.JPG
tsuchiguri-13.JPG
tsuchiguri-14.JPG

と、地上に顔を出した幼菌が。
tsuchiguri-15.JPG

一帯を探すと、これだけの幼菌が見付かった。
tsuchiguri-16.JPG
幼菌をこんなに収穫出来たのは初めてだ。
これだけあれば「マメダンゴご飯」が作れるかも知れない♪

期待を胸に帰宅。
幼菌を洗って半割りにする。
すると……


見事に中は褐色だった……
tsuchiguri-17.JPG
tsuchiguri-18.JPG
これでは当然食用にはならない……

こんな事なら、収穫しなければ良かった。
勿体無いし、可哀相な事をしてしまったよ。
そのまま置いて全てを成熟させておけば
ツチグリのお花畑が見れたかも知れないんだよなぁ……
変な色気を出して焦ってしまったばかりに残念な事をしてしまった。

前回がたまたま地上に出た物でも白かっただけで
矢張り幼菌は地下の物を掘り出さないとダメだなぁ。
でも、この場所を勝手に掘る訳にも行かないしねぇ……
マメダンゴご飯は中々ハードルが高いよ。
でも、何時かは食べてみたい物だ。

それにしても、キノコとしては珍しくも何とも無い種類なんだけど
食用にしようと目論むと、こんなにも難しいなんてなぁ……



※9月25日追記
その後、各図鑑を調べた処、
『阿武隈のキノコ』にはマメダンゴと炊き込みご飯の記述、
『群馬のきのこ』には「幼菌のみ可食」の記述、
『信州のキノコ』4種の食べ方の記述、
『北陸のきのこ図鑑』には「幼時可食」の記述、
『兵庫のキノコ』には「「幼菌は食べられるらしい」の記述、
『カラー版きのこ 見分け方食べ方』には
「地中の若いキノコを甘辛煮とすれば珍味」との記述がありました。



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持つべき物は
当方、未だ出逢えぬ憧れのキノコが幾つもある。
それは発生の稀な珍菌もあれば、
珍しい物では無いが
当方の周辺ではなぜか発生していない物もある。

その一つがオニフスベ(→こちら)。
珍菌と言う程では無いが
妙な形で、大きくなる事の多いキノコなので
発生したら新聞の記事になる事も少なくない。
当方は今までに3回、ボロボロの老菌、残骸に
出会っているが(以前の日記→こちら
若い状態の物には未だ出逢った事が無い。
何時か、あの真っ白なでかい塊に出逢ってみたい物だなぁ。

と、そんな話をしていたら、菌友Jさんから
ヤマドリタケモドキのお裾分けと一緒に
オニフスベが送られてきた。
それがこれ。
onihusube100703-1.JPG
Jさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/

ぱっと見、ソフトボールか何かに見えてしまう。
当方が最初に見たオニフスベの残骸も
当時住んでいた東大阪の裏山の藪の隅っこに
ゴミと共に転がっていた物だったので
最初はハンドボールが打ち捨てられて
ボロボロになった物かと思った物だ。
当時、デジカメを持っていなかったので
画像で残せていないのがとても残念だ。

送り主のJさんは、当方がこれを食べて
それを記事として書いてくれる事を
期待していた様なのだが
近縁種のノウタケ、ホコリタケを食した経験から
当方の口にはあまり合わない事が
予想されたので(→こちら
試食は辞めて、折角だから標本として保存する事にした。
Jさん、ごめんなさい……m(_ _;)m

で、乾燥させる。
onihusube100703-2.JPG
段々にシワシワになって来た。

最終的にはこの状態に。
onihusube100703-3.JPG
まるで脳みその様だw

生の状態の瑞々しさが無くなってしまうのは
仕方無いと言うか、当然なのだが
矢張りキノコは乾燥させると
原型を留めなくなってしまうなぁ……
残念。
とは言え、乾燥の段階を観察出来たのも
貴重な体験だ。
それにしても持つべき物は菌友だなぁ(^−^)



もう一つの出逢ってみたいキノコはスミレホコリタケ。
こちらは珍菌の部類。
発生が少ない為か、掲載されている図鑑は無い様だ。
webでの情報も少なく
同じく珍菌で近縁種のキクメタケ(→こちら)と
混同されている場合もある様だが
こちらには貴重な成長記録がある(→こちら)。
当方は、こちらも朽ち果てた残骸にしか
出逢っていない(→こちらこちら)。

と、ある日、菌友Hさんを通じて
とある人からのキノコの画像が送られてきた。
白いノウタケの様な幼菌。
スミレホコリタケかキクメタケか、
どっちか判ったら教えてくれ、との事。
それは雰囲気的にスミレホコリタケに見えるが
幼菌の段階で肉眼的に判断するのは難しい。
スミレホコリタケの可能性が高いが要経過観察、と返信した所、
今度は、そのとある人から直接メッセージを頂いた。
そして、そのキノコのその後の様子が知らされた。
それは綺麗に紫色になっていた。
これはスミレホコリタケ以外考えられない。
その旨を伝え、良かったら標本として
送って貰えないだろうか、と依頼したところ
その方は快諾し、送ってくれた。
それがこれ。
sumire100703-7.JPG
褐色を帯びているが、完全に紫色。
正真正銘のスミレホコリタケだ。
sumire100703-2.JPG
Oさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/


所で、最初にOさんの画像が送られて来た同じ日。
別の菌友Tさんからキノコの画像を見せて頂いた。
それもどうやらスミレホコリタケの幼菌に見える。
Tさんにも経過観察をして頂いた所、
そちらもスミレホコリタケと判明。
良かったら標本として
送って貰えないだろうか、と依頼したところ
Tさんも快諾してくれて、
Oさんのと相前後して届けられた。
それがこちら。
sumire100703-1.JPG
Tさん、どうも有難う御座居ました(^−^)/

こちらはやや小振りの様だ。
一部には表皮の凸凹の具合が残っている。
sumire100703-4.JPG
生々しくて良いなぁw

こちらは老熟前の成菌。
sumire100703-5.JPG
全体に灰褐色。
この時点ではまだ全然紫では無い。
「ノウタケだ」と言われても判らない。

一部を切って中を見てみる。
sumire100703-6.JPG
中身も灰褐色。
これのホンの数日後にド紫に変色していた、との事。
短期間で劇的に変化するのだなぁ。

こちらは梱包されていたビニール袋。
sumire100703-3.JPG
底に紫色の胞子が溜まっていた。
これを蒔いたら、何年か後には
スミレホコリタケが生えて来てくれるのかなぁw

折角なので、Oさんのスミレホコリタケと記念写真♪
sumire100703-8.JPG
微妙に色合いが違っているのも面白い。

更に、以前当方が拾った
スミレホコリタケと思しき残骸と記念写真。
sumire100703-9.JPG

更についでに、ノウタケ残骸と記念写真。
sumire100703-10.JPG
こうして並べてみると、明らかに色が違うのが判る。
右端の当方の拾ったヤツは
矢張りスミレホコリタケで良い様だ。


所で、OさんとTさんに見せて頂いた
画像の撮影日を見ると全く同じ日だった。
撮影場所は兵庫県中部と大阪府北部。
同じ関西エリアとは言え、結構距離が離れている。
これはひょっとして今年は全国的に
スミレホコリタケが「来てる」のか!?

早速、以前スミレホコリタケの残骸を
拾った場所に行ってみた。
すると、藪が払われて、柵が作られていた。

近い内に此処に何かが建つのだろう。
この場所でのスミレホコリタケは
完全にもう望めないなぁ。
折角今年は「来てる」のかも知れなかったのだけどなぁ。
残念だけど仕方が無い。

とにかく、スミレホコリタケの綺麗な標本を
思わず沢山手にする事が出来た。
それにしても持つべき物は菌友だなぁ(^−^)



そんな菌友Hさんこと、
キノコライターの堀博美さんがキノコの本を出版した。
それがこちら。

出版社のサイト→こちら
Amazonのサイト→こちら
キノコ愛が全編に満ち溢れ、本の周囲にダダ漏れさえしているw
ライトな話からディープな話まで、
面白い話から怖い話まで、111の話題が満載。
一家に一冊、一人一冊、朝昼晩に一冊是非ドゾー(・∀・)つ

因みに当方も協力者として名前を出して頂いていますw
しかも当方のプロフィールも載っているので
トシバレしてしまっています……イヤン(*・∀・*)



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