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黄金じゃない

 

こちらはキヌカラカサタケ(多分)。

肥沃な土壌に発生するキノコで
愛知東部のとある林内地上に発生していた。
 
「キヌカラカサタケ」と言えば
レモンイエローのコガネキヌカラカサタケが良く知られている。

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室内の鉢植えやプランターに突然発生する事が多く
キノコマニアでは無い人が驚いて
「変なキノコが生えて来た!!」とSNSで発信している為に
Twitter上では毎年何件も目にしている(→Google画像検索結果)。

で、今回のキヌカラカサタケは
コガネじゃない、白いバージョン。
その為、「シロキツネガサ」との別名もある由。

 

コガネキヌカラカサタケは発生が多い為か
全国版のメジャーな図鑑に掲載されているが
コガネじゃないキヌカラカサタケは
当方が調べた限りでは
 『原色日本新菌類図鑑(I)』 保育社刊

のみだった。

 

キヌカラカサタケの学名はLeucocoprinus cepistipes

(レウココプリヌス ケピスティピス)。
因みに上記の新菌類図鑑にはLeucocoprinus cepaestipes

(レウココプリヌス ケパエスティペス)と記載されている。
そのままGoogle検索をすると
「もしかしてLeucocoprinus cepistipes」となって
Leucocoprinus cepistipesでの検索結果が出て来る。

これは「cepaestipes」が綴り間違いと言う事なのだろうか???

良く判らない。

 

cepaestipesは「タマネギの茎」との事で
このキノコの基部がタマネギ状に膨らんでいる事を表している由。
このキノコの最初の登録者Grayは
「タマネギの茎の糞便」との通称を提案したのだとか。
理由は不明だが、このキノコのニオイを糞臭と感じのだろうかなぁ。

 

ただ、Grayは

キヌカラカサタケとコガネキヌカラカサタケを混同していたらしい。

上記の「タマネギの茎の糞便」も

コガネキヌカラカサタケの事を指していた様だ。

『日本産菌類集覧』によると

キヌカラカサタケの登録は1871年、

コガネキヌカラカサタケは1961年との事。

かなり長い間、混同されていたのだなぁ。


で、コガネキヌカラカサタケの方は月刊きのこ人氏によると
「黒板消しと苛性ソーダを足して2で割ったようなニオイ」の由。
それを糞臭と感じたのかどうかは不明。
当方はコガネキヌカラカサタケもキヌカラカサタケも
ニオイを嗅いでいないので判定不能。

 

実際、コガネキヌカラカサタケとキヌカラカサタケは
今でも混同されている事が少なくない様で
web上でもキヌカラカサタケと思れるキノコが
コガネキヌカラカサタケとして紹介されている模様。


 山菜図鑑さんのサイト

 写真ACさんのサイト
 タイルアート工房 ラ ガジェータさんのblog

 

   勿論、コガネキヌカラカサタケが個体差で色が薄い場合や

   コガネキヌカラカサタケのアルビノの場合もあるかも知れず

   あくまでも当方の見た目での判断でしかないのだが。


外見上は色の違いしか無く
コガネキヌカラカサタケの方がインパクトが強いので
キヌカラカサタケの存在が目立たないのは
まぁ仕方無いかも知れないよなぁ。

世の中、見た目がとにかく重要だからなぁ。
キヌカラカサタケは、コガネキヌカラカサタケを含む
キヌカラカサタケ属の基準種なのに
存在感が薄いのは哀しくなってしまうよ・・・・・・

 

コガネキヌカラカサタケは本来熱帯亜熱帯に発生するキノコで
日本では沖縄、小笠原以外の場所では
観賞用植物や用土から持ち込まれた物と考えられていると言う。
一方、キヌカラカサタケの方は元々日本に自生していた物らしい。
だが、上述している様に発生はあまり多くないので

愛媛県レッドデータブック2014によると
愛媛県では「絶滅危惧1類(CR+EN)」に指定されている由。


「絶滅危惧1類(CR+EN)」とは「絶滅の危機に瀕している種」で

指定理由として
 広く分布する種と考えられているが、

 発生環境が不安定であり県内での記録は非常に少ない
だからとの事。

 

本当に絶滅危惧種なのかどうかは判然としないが
発生の記録が少ない、と言うのは
コガネキヌカラカサタケと比べるとインパクトが弱く
目立たないから、と言うのも大きいのでは無いだろうか。


また ヒメカラカサタケ(→Google画像検索)や

シロヒメカラカサタケ↓

と言うキノコはとても良く似ており、

それらと混同されている事例もあるのかも知れない。

 

尚、英語版wikiによると
通常褐色になる乾燥した時のヒダの色合いが
緑や桃色になる変種がある、との事。
それが日本に発生しているかどうかは調べ切れなかった。

 

 

さて、コガネキヌカラカサタケは

上記の月刊きのこ人氏の記事によると

「ものすごい強い旨み」で「激ウマ」の大変美味なキノコ、との事。

更に、ざざむし。氏の記事でも

「こっくりとした旨味」「うっまい」と激賞していた。

近縁種であるこのキヌカラカサタケも美味の可能性は高いが

キヌカラカサタケを食べた、と言う記事を

見付ける事は出来無かった。

当方も試食者第一号になる気にはなれなかったので収穫はせず。

 

どなたか、機会あらば是非チャレンジを!

美味である確率が高いと思われるので

チャレンジする価値はかなりあるのでは無いかと。

 

どう言う結果になっても当方は責任は取れないのだけどね( ̄∀ ̄)

 

 

 

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| ハラタケ科 | 00:03 | comments(0) | - | pookmark |
新たな食材? その4

こちらはコガネキヌカラカサタケ。

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当方の住んでいる公団住宅の植栽部分に発生して居た。

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コガネキヌカラカサタケは暖かい〜暑い時期に

肥沃な場所に発生する種類のキノコだ。

 

コガネキヌカラカサタケについては

以前にも記事にした事がある(→こちら)。

その時にも書いたがコガネキヌカラカサタケは

鉢植えやプランター等に発生して居る事が多い。

室内に置かれた鉢植え等から突然発生する事が多く

およそキノコらしくないレモンイエローである為に

キノコ好きでない人を驚かせたり怖がらせたりで

毎年少なからずSNSを賑わせている(Googleの画像検索→こちら)。

 

当方も昨年、幹線道路脇のプランターで遭遇した。

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性能の悪い携帯でしか撮影出来無かったのが残念・・・・・・

 

コガネキヌカラカサタケは元々南方系のキノコ、との事。

それが輸入された植物や樹木と共にやって来た、と言われている。

恐らくそれ以外にも園芸用の土に胞子が混入していた例もあるのだろう。

園芸用の土には色々な材料が使われているが

その中に輸入された堆肥等が多数含まれていると言う。

それにコガネキヌカラカサタケの胞子が付着していたのだろう。

園芸用の土や堆肥を使った鉢植えやプランターからの発生が多いのは

その傍証になるのではないだろうか。

 

こちらは前回の記事の画像。

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多分この鉢植えにも園芸用の土が使われていたのだろう。

 

当方も当初、鉢植えかプランターでしか

コガネキヌカラカサタケに遭遇して居なかったのだが

段々にそれ以外の場所でも見かける様になって来た。

鉢植えやプランターから屋外に勢力範囲を広げた模様。

それだけ日本の屋外も、この南方系キノコが

発生しやすい環境になった、と言う事なのだろう。

 

以前、当方はこんな場所でもコガネキヌカラカサタケに遭遇した。

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割と車の走行の多い道路沿いの大きな切り株だ。

 

切り株に生えてはいるが

コガネキヌカラカサタケがこの切り株を腐朽させているのでは無く

腐朽して来た樹皮の部分にコガネキヌカラカサタケが発生したのだろう。

 

園芸用の土にはバーク堆肥と言う物が良く使われている。

バーク堆肥とは砕いた樹皮を発酵させて作った堆肥の事で

伐採木を加工した際に産業廃棄物として大量に排出される樹皮の

再利用として生産が始まった物、との事。

同じ植物由来の堆肥である腐葉土に比べると

分解が遅い為に遅効性の肥料として使用される由。

園芸用の土は養分の分解をバランス良くする為に

腐葉土とバーク堆肥を上手く配合しているのだとか。

 

所で聞いた話では熱帯亜熱帯では、雨季は名の通り雨が多い為に

土壌の有機物が流されやすいのだと言う。

そう言う環境では分解の遅い樹皮の養分の方が

土壌内の割合的には多くなるのでは無いだろうか。

思うにコガネキヌカラカサタケは

そう言う環境が好きなのかも知れないなぁ。

だからこんな場所に生えるのではと。

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まだ分解が不十分な樹皮、つまり一般的な腐葉土に比べると

偏った栄養状態の環境に好んで生える、と考えると

こんな場所に発生する事にも納得出来る。

バーク堆肥の含まれた園芸用土の使われている

植え込みやプランターに発生が多いのも

そう言う事なのではないだろうか。

前回の記事で掲載した画像の物も

土と言うより樹皮の塊部分から生えている様に見えるしね。

と、妄想してみたがどうだろう。

全くの見当違いでは無い、当たらずとも遠からずだと思うのだけどなぁ。

 

 

さて前回の記事でも触れたが、このコガネキヌカラカサタケ。

図鑑には「食毒不明」「食用的価値無し」と書かれているが

実はとても美味なキノコとの事。

詳細は『月刊 きのこ人』さんの記事を参照して下さい。

  ・コガネキヌカラカサタケを食べてみた

  ・コガネキヌカラカサタケ料理

曰く「ものすごい強い旨み」「イグチのような独特の風味などはなく、

純然たる旨み成分だけが抜きんでている」との事。

うーむ、これはかなり惹かれるなぁ・・・・・・

 

だが、後に聞いた話では「新鮮な物でないとダメ!」との事。

少し古くなっただけでも途端に不味くなるのだとか。

うーむ、これは難しい。

 

実はコガネキヌカラカサタケは成長がとても早いのだ。

成長が早いと言う事は、枯れるのも早いと言う事。

つまり、新鮮な状態で収穫するのは

タイミングがとても難しい、と言う事になる。

 

実際、我が公団住宅に発生していたコガネキヌカラカサタケも

翌日にはこの状態になってしまっていた。

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原型を留めない程に萎びてしまっている。

 

こちらは別の日、別の場所で見付けた物。

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こちらは原形のまま干乾びてしまっている。

 

その場所の環境、その日の天候の関係で

枯れ方が違ったのだろうが

良い状態が長持ちする種類のキノコでは無い様だ。

実際webで見ても、突然発生して多くの人を驚かせた物の

翌日には枯れてしまった、との報告が多い。

 

そうなると、食用に収穫するのは中々大変そうだ。

少なくとも当方の行動範囲では

毎年発生する場所と言うのは把握出来ていない。

何時、何処に発生するのか全く判らないのだ。

発生したての状態に遭遇する奇跡を待つ以外に無いよなぁ。

これはもうキノコヌシ様のご加護を祈るのみ。

どうかよろしくお願い申し上げますです。

(-人-) ナム〜

 

 

マツタケやホンシメジに比べたら

栽培は難しくなさそうだから

何処かのメーカーで栽培してくれないかなぁ。

強烈な旨味、との事だし色合いは可愛い?のだから

売れそうな気がしないでもないし。

同様に、その名の通りに一夜で溶けてしまう為に採り頃の難しかった

ササクレヒトヨタケも(北信州の道草図鑑さんのサイト→こちら

一夜で溶けなくなった栽培品が開発され

販売されてる事だし(楽天の通販サイト→こちら)。

メーカーさんお願い致します。

販売してくれたら是非買いますので(少なくとも一度はw)

どうかよろしくお願い申し上げますです。

(-人-) ナム〜

 

 

 

「食材シリーズ まとめ」→こちら

 

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| ハラタケ科 | 00:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
こんにちは菌類 その2

9月になって秋の気配を感じ始めた頃

住居のすぐ近くの公園脇を車で通り過ぎようとした時

これがいきなり目に飛び込んで来た。

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そう、それはオオシロカラカサタケ。

幼菌なので開く前の傘が坊主頭みたいで可愛い揺れるハート

 

公園を取り巻く植え込みを横断する様に

一直線に点々と発生して居た。

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ひょっとしたら大きな菌輪の一部なのかも知れないなぁ。

 

因みにオオシロカラカサタケは以前にも記事にした事がある(→こちら)。

その時にも書いたが、

オオシロカラカサタケは過去に死亡例もある毒キノコだ。

元々は熱帯〜亜熱帯を中心に分布していた南方のキノコで

台風に乗って胞子が日本に上陸し、徐々に北上しているのだとか。

日本では山や森林に発生する事はまず無い様で

この様に人間の生活圏内に発生する事が多い。

 

で、この公園脇の道路は生活道路なので

普通に車が行き交っている。

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そして公園なので、当然近所の子供達が遊んでいる。

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動画でも撮ってみたw

因みにヤマもオチもありません。

すぐそばに毒キノコがこんなに生えているのは知ってるのかなぁ。

 

 

その翌日。

昨日、幼菌状態だったキノコは完全に開いていた。

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で、やっぱりすぐそばを普通に車が通る。

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自転車も普通に通る。

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皆、此処に毒キノコがこんなに生えてる事なんて

知らないんだろうなぁ。

 

 

さらに翌日。

傘は完全に開き切り、老菌の域に。

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ヒダは緑色に。

これがオオシロカラカサタケの大きな特徴。

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この画像では再現し切れていないが

実際にはもっと緑青色と言う感じだった。

今まで何度もオオシロカラカサタケは見て来たが

こんなに緑色なのは初めて見た。

あまりにも緑色過ぎて、絵の具でも塗ったみたいだった。

 

 

その2日後。

完全に萎れてしまっていた。

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自分の役割を終え、次代に命を繋いだのだなぁ。

来年もまた生えて来るか、楽しみにして置こう。

 

 

所で先にも書いたがオオシロカラカサタケは

元々は熱帯〜亜熱帯を分布域としていたキノコ、との事。

それが徐々にテリトリーを広げており、

日本全土を制覇する日も遠くないと思われる。

だが、日本での発生場所は山林では無く

都市部などの人間の生活圏内が中心だ。

熱帯〜亜熱帯では山野に発生して居た筈だろうに

これは一体どう言う事なのだろう。

 

日本の都市部と、熱帯地域の山林とで

土壌環境で何か共通点があるのか、

それとも日本の山林と都市部とで土壌環境で何か違いがあって

都市部の土壌環境の方がこのキノコに合っている、と言う事か・・・・・・

等と色々考えていたが、単純に温暖化と

ヒートアイランド現象の関係で山林部に比べて気温が高い為に

都市部はオオシロカラカサタケが発生しやすい、と言う事なんだろうなぁ。

 

当方が子供時代を過ごしていた埼玉でも

真夏に30度を超える事はそれ程多くは無かった。

30度を超えるとニュースになって居た、と記憶して居る。

だが近年は35度は当たり前、40度がニュースになるぐらいだもんなぁ。

オオシロカラカサタケに取って

それだけ暮らしやすい環境になった、と言う事なのだろう。

とすると、この先日本は

どんどんオオシロカラカサタケ向きの環境になって行く、

と言う事になるなぁ。

 

以前の記事のコメントで教えて頂いたのだが

2012年時点でオオシロカラカサタケは宮城県まで北上して居る、との事。

この先、何処まで北上して行けるのか、興味があるなぁ。

果たして津軽海峡を超えて北海道でも発生出来るのかなぁ。

ひょっとしたら日本で発生を繰り返している内に

寒さへの耐性が出来て北方系の新種が生まれるかもなぁ。

 

・・・・・・等と色々考えてしまった。

やっぱり近所にキノコが生えてくれると楽しいなぁ♪

 


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| ハラタケ科 | 01:13 | comments(12) | trackbacks(0) | pookmark |
身近な所に

夏になると当blogへのアクセスが増える検索ワードに
「白いキノコ」と言うのがある。
恐らく、その多くはオオシロカラカサタケの事を
検索しようとしていたのでは無いかと思われる。

オオシロカラカサタケは山や森の中等より
市街地に多く発生する。
なので人の目に触れる機会も多く
その為に検索語句として多く登場しているのだろう。
「白いきのこ」「白いキノコ」の語句検索でこの記事に辿り着かれた方は
こちらの記事もご覧下さい(→
こちら)。
お探しのキノコがあるかも知れませんw



こちらはとある公園の歩道際に発生していた個体。
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ドーナツ状の厚手のツバが特徴的。

こちらは幹線道路の歩道植え込みに発生していた個体。
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やや古い個体だったのでヒダは緑色掛かっていた。
これがオオシロカラカサタケの最大の特徴。

こちらは近所の児童公園の植え込みにあった物。
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恐らく公園に来た子供が掘り返したのだろう。
折角ならと、ちょっと土を掘って植えて
成長を観察しようとしたのだが翌日には姿を消していた。
誰か大人が始末したのだろうなぁ。

こちらは近所の神社の境内に発生していた個体。
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古い個体もあったので念の為に裏を見ると
矢張り緑色掛かっていた。

こちらはとあるマンションのフェンス際に発生していた個体。
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発生したてなので、
マンション住人はこのキノコの存在に気付いていないかもなぁ。

こちらはとあるお寺の境内に発生していた個体。
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すぐそばには盂蘭盆会の順番待ちをしている人達が。
皆、ここにキノコが生えてるなんて知らないんだろうなぁ。


オオシロカラカサタケは毒キノコなので
ニュースになる事も少なくない。
オオシロカラカサタケを食べると
強烈な下痢、嘔吐、腹痛を引き起こし、致死例もある由。
近年では、2005年9月に大阪城公園でバーベキューをしていた若者が、
2008年9月に大阪市内、及び2009年7月に広島市内の河川敷で、
それぞれに発生していたキノコを食べ、救急搬送騒ぎになり
調べた所、どれもオオシロカラカサタケによる事案だった、との事。

実はオオシロカラカサタケに良く似た食キノコにカラカサタケがある。
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これはたまたま成長段階の違う3個体が生えていた様子。
この傘をフライにすると絶品!との事だが
残念ながら当方はまだ食べた事は無い。
で、ご覧の様にオオシロカラカサタケと実に良く似ている。
このキノコと誤認してオオシロカラカサタケを食べ、
オオシロカラカサタケが毒キノコである、と判明した由。

カラカサタケの方が大きく、柄も長いのだが、
それは個体差もあるだろう。
カラカサタケはヒダが緑色にならない、と言う差異も
若い個体では表面化しないので
食べられる程の若い、新鮮な状態では判別のしようも無いだろう。

だが、先の中毒例が全て、このカラカサタケとの誤認かどうかは判らない。
多分、「あ、キノコだ!わ〜い♪」てな感じで
その場のノリで食べてエライ事になってしまったのだろうなぁ。
大阪城公園の事例は特に、
関西人のイチビリ(悪ふざけ)が裏目に出たのだろうなぁ。

因みに、オオシロカラカサタケは南方系のキノコの由。
それが温暖化の影響で、分布域をどんどん北上させているのだとか。
数年前に群馬で発生が確認された、との記事を見た記憶がある。
今は何処まで行っているのだろうかなぁ。
遠からず東北地方でも中毒被害が出るのかも知れないよなぁ。
  『千葉菌類談話会通信29号』の河合繁好氏の報告によりますと
  2012年現在、宮城県での発生が確認されているそうです。
  日本全土制覇も遠くないのでしょうね……
  gorosukeさん、情報有難う御座居ました!



尚、別の良く似たキノコにドクカラカサタケがある。
ooshiro2014 (19).JPG
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オオシロカラカサタケと同様の症状を引き起こす由。

オオシロカラカサタケに比べると華奢な点が差異だが
それも個体差があるだろう。
決定的な差異はヒダが緑色にならない点だ。
ooshiro2014 (21).JPG
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この個体は近所の高級住宅街の
とある家の壁と、その隣の家の石垣の隙間に発生していた個体。
画像の通り、老熟してもヒダが緑色掛かってはいない。

食キノコの「カラカサタケ」に似た外見の毒キノコとして
「ドクカラカサタケ」と命名されているのは判るのだが
ドクカラカサタケより強烈な毒キノコなのに
毒の要素が無い「オオシロカラカサタケ」との命名、と言うのも
ちょっと不思議な話だ。
恐らくその毒性が判らない内に
「オオシロカラカサタケ」と命名されてしまったのだろうなぁ。

『日本産菌類集覧』及び『毒きのこ今昔』によると
カラカサタケの和名登録は1948年、
オオシロカラカサタケの和名登録は1954年、
ドクカラカサタケの和名登録は1970年との事。
そして、記録に残る
オオシロカラカサタケでの最初の中毒例は1974年、
ドクカラカサタケは1969年、との事。
ドクカラカサタケは当初、「コカラカサタケ」と命名されていたが
中毒事故を受けて「ドクカラカサタケ」に改名された由。
矢張り、そう言う事だった様だ。
それだったらオオシロカラカサタケも
「オオドクカラカサタケ」と改名されても良いと思うのだけどなぁ。
名付けのタイミング、と言うのも何かと難しい物だなぁ。



さて、この様にオオシロカラカサタケは猛毒キノコだ。
上掲の画像も、子供達が普通に遊ぶ公園だったり
幸せな家庭生活が多数営まれているであろうマンションの前庭だったり
地域を鎮護する神社だったり
先祖の供養をし、子孫の安寧を祈る寺だったりしている。
当方が最初にオオシロカラカサタケに遭遇したのも
東大阪で美味しいと評判だった近所のパン屋の向かいの駐車場だった。
そう言う、さりげない身近な場所に
猛毒を秘めたキノコが存在しているのだ。
そして殆どの人がそれに気付かず通り過ぎたりしているのだ。
そのひっそりとした禍々しさが、
当方がキノコを好きな一面だったりしているw
 

 

※オオシロカラカサタケについてはもう一つの記事があります。

 そちらも併せてお読み頂けたら幸甚です(→こちら)。

 



所で、毒キノコを語るトークイベントを開催します。
その名も『毒キノコナイトin名古屋』w


菌友・畏友であり世界で唯一?のキノコライター堀博美氏と
啓蒙とか云々は一切考えず
ひたすら毒キノコについてダベりたいと思っています。
キノコのトークイベントは数あれど
その中でも一番ディープな内容になる???
いや、なったら良いなぁ、とw
よろしかったら是非お越し下さいませ m( _ _ )m
会場情報等、詳細はこちら→スペースたのしい




【余談】
上掲のドクカラカサタケの老菌を撮影中、
色々な角度から撮ろうとして石垣に足を掛けた瞬間、
巡回していた若い警官に声を掛けられた。
高級住宅街で怪しい風体の男が路上にうずくまり、怪しい動き。
そしてついに石垣を乗り越えようとした!だったのだろうなぁ。
「何をしてる!」と詰問され、がっつり職務質問。
「キノコの撮影を……」と説明するが、信用していない様子。
無線で免許証や、乗っていたバイクの照合までされてしまった。
デジカメの撮影内容を全て確認されたのだが
当然写っているのはキノコだけ。
バイクの荷台には別の場所で収穫した生のノウタケ。

最初は犯罪者を見る様な目付きだったのが
次第に別の意味で不審者を見る目付きに変わって来た。
そして遂には「気持ち悪く無いんですか?」と聞いて来た。
結局(当然)犯罪的要件は満たしていなかったので
「……気を付けて下さいよ」と説教され、解放された。
若い彼に取って、自分の常識の及ばない種類の人間が居るのだ、と
勉強になってくれたのだとしたら
当方が犯罪者扱いされた甲斐がある、と言う物だw



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| ハラタケ科 | 00:21 | comments(20) | trackbacks(0) | pookmark |
ザラっていない……
画像は裏山でちょいちょい見掛けるキノコ。

こちらは幼菌。2005/10/20撮影。


こちらも幼菌。2004/10/21撮影。


こちらは成菌。一枚目の画像と同じ日に撮影。



同じく成菌。2004/11/01撮影。


こちらは2005/10/20の全体像。

何となく菌輪になっている。

こちらは同日の別の場所。

こちらはほのかに菌輪になっている。

こちらは5枚目の画像の裏側。

ヒダが成熟して来たので紅色になっている。

こちらは老菌。2004/10/21撮影。

老熟してヒダの色が傘表面にまで及んでいる様子。
この状態だけで見ると、まるで別種に見える。

こちらは色がやや薄い個体。2006/09/14撮影。



これがハラタケの仲間の特徴の一つ。
近縁種である、市販のホワイトマッシュルーム
幼菌の状態だが、
あれも傘が開いて成熟すると同様になる。
そうなると商品価値が落ちるので
傘が開く前に収穫され、売られている次第。

当初、当方はこれをザラエノハラタケだと思っていた。
ザラエノハラタケはその名が表す様に
柄のツバから下の部分が
ザラザラ(と言うよりモケモケ)になっているのだが
裏山のこのキノコは、その部分がのっぺりしている。

ハラタケ科は、外見はそっくりだが別種、と言う
近縁の類似種が多く、未知種もまだまだあるのだとか。
このキノコも、Agaricus moelleri(和名無し) と言う種類に
似ていなくも無い様な気がしないでも無いみたいな、だが
何の確証も無い。

Webで見ると、ザラエノハラタケとされている物でも
柄のザラザラ部分がはっきりしていない物も多い。
それが個体差なのか、実は良く似た別種が
混同されてしまっているのかは判らない。

ザラエノハラタケは食キノコとして図鑑に記載されているが
人によっては強い胃腸障害を起こす注意種、となっている。
それはひょっとしたら近縁の別種のキノコの中に毒キノコがあって、
それと混同されているのだ、と言う可能性も考えられなくは無い。

因みに、このキノコはかなり前に食べた事がある。
味はマッシュルームと大差は無かった。
その時は少量だったからか、
または当方の体質には合っていたのか
特に中る事は無かった。
マッシュルームと変わらない味で、
本当に安全かどうか確信が持てないキノコなので
それ以降、わざわざ食べようと言う気にはなれないなぁ……


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| ハラタケ科 | 15:38 | comments(10) | trackbacks(0) | pookmark |
キツネ3種
こちらの画像はキツネノカラカサ。

2005/10/17、裏山にて撮影。
傘径3〜4cm程の小さなキノコ。
名前がカワイイ(・∀・) ♪
因みに食毒不明。
結構脆いキノコなので、食べでは無いかも知れない。

全体の構成は、傘径20cmにもなる
大型のカラカサタケと、とても似ている。
こちらの画像で見える、ツバの形も良く似ている。

カラカサタケは食用だが、こちらは小さく食用にならないので
「キツネノ」と付けられたのだろうか。

こちらはちょっと変わった形のキツネノカラカサ。

2005/07/10、栗東市内にて撮影。
まるでソンブレロみたいだw


こちらの画像はアカキツネガサ。

2007/10/10、裏山にて撮影。
この個体で傘径4cm程。
キツネノカラカサよりは一回り大きい種類との事。
これも名前がカワイイ(・∀・) ♪
これも結構脆いキノコなので、食べでは無いかも知れない。
キツネノカラカサタケに似て、傘が赤いので
こう名付けられたのだろうか。
だが、名前は似ているが
キツネノカラカサと類縁関係は近い訳では無い。


こちらの画像はキツネノハナガサの幼菌。

更に名前がカワイイ(・∀・) ♪
2005/07/05、裏山にて撮影。
この状態で高さ2〜3cmだったか。

こちらは2007/10/01、裏山にて撮影した老菌。

この状態で高さ6〜7cmだったか。
傘が完全に開き、逆に反り返ってしまっていて
殆どカクテルグラスの様になっている。
これはあまりにも細く華奢なので
とても食用の対象にはならないだろう。

名前はキツネノカラカサに近いが
類縁関係はアカキツネガサの方に近い。
以前、日記に書いたコガネキヌカラカサタケとは極近い種類だ。

前回は幼菌で、翌日に様子を見に行った時には
既に跡形も無くなってしまっていて成菌の状態は見れなかった。
今回は老菌で、もうこんな状態だった。
何時かは丁度良い具合の成菌の状態の物に出逢いたい物だ……w


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| ハラタケ科 | 13:47 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
あっという間
こちらの画像はシロヒメカラカサタケ。

2007/10/05、裏山にて撮影。
前夜、激しい雨が降ったので
何か生えていないかなぁ、と期待して見に行った所
出逢ったのがこのキノコだった。
だが、ご覧の様に既にボロボロ……


前夜の雨は何回かに分かれて強く降っていた。
恐らく最初の大雨で発生したのだろう。
そしてあっという間に成長し
老菌になった所に、また激しい雨が降って
雨粒で破壊されてしまったのだと思われる。
このキノコは見た目以上に繊細な様だ。

実は2006/09/07にも同じキノコに出逢っていた。

その時は、この画像の様に幼菌〜成菌が多かったので
シロヒメカラカサタケの大きな特徴である
絹状光沢の繊維質の傘と、リング状のツバが良く判った。

だが、近くに矢張りボロボロになった個体もあった。

この時も、前夜に激しい雨が降っており
翌日の昼に様子を見に行ったら、この画像の物に出逢ったのだ。
多分、ボロボロの個体は雨の降り始めに発生し
あっという間に成長して老菌となり
明け方の大雨で破壊されてしまったのだろう。
だとするとこの幼菌、成菌は
明け方の最後の雨を受けて発生した、と言う訳なのだろうなぁ。

本当にこのキノコは成長が早いのだなぁ。
そしてあっと言う間に朽ちてしまうのだなぁ。
と言う事は、この幼菌成菌に出逢えたのは奇跡的な事なのかも知れないなぁ……


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| ハラタケ科 | 14:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
店先に

画像は2007/07/21、
某所のイタリアンレストランの店先の
観葉植物の鉢に発生していたコガネキヌカラカサタケ。

美味しく昼食を頂いて、店を出た瞬間に
目に飛び込んで来たのがコレだった。


思わずしゃがみこんで注視してしまう。
店の人がそれに気付いて
「えー! 何これ〜!」
みたいに声を上げた。
その声に釣られて「何事か!?」と厨房の人も出て来た。
で、コガネキヌカラカサタケと言うキノコだと説明。
店の人の同意を得て撮影開始。

コガネキヌカラカサタケはこの様に
鉢植えやプランターに生える事が多い。
mixiの日記や、他のblog等で
「植木鉢に変なキノコが生えて来た〜!
 気持ち悪い〜〜〜!!」
みたいな記事が書かれていた場合、
大概はこのコガネキヌカラカサタケだったりする。
色も良く目立つので
余計に不気味がられるのだろう。

元々は南方系のキノコ、との事だが
輸入された植物や、土壌と共に日本に移入し
定着した物らしい。
肥沃な土を好むので花壇や畑等にも発生する。
因みに画像の物は幼菌だが、
傘が開くとこんな感じになる。

コガネキヌカラカサタケは多くの図鑑では
「食毒不明」「毒の可能性あり」となっているが
「有毒」との話もある。
が、それは食べた場合の事。
見ている分には特に問題に無い。
食べでも無さそうだし、美味しくも無さそうだしなぁ。
そう言えば『北陸のきのこ図鑑』には
「食用的価値無し」と書かれていたっけw
  ※「月刊きのこ人」さんによると実際にはとても美味しいそうです→こちら

このキノコに限らず、キノコを含む菌類全般は
土の中の養分を分解して
植物に吸収しやすくしてくれているので
鉢植えにとって良い存在である。

お店の方には
「食毒不明」として上記の説明をした。
幸いお店の方達はキノコその物に忌避感は持っていない様だった。
考えたら、ポルチーニなど、
生の輸入キノコを調理している訳だから
キノコ自体には馴染みはある訳だよなぁ。
店で料理して出そう、と言う訳では無いので
「毒」と言ってイタズラに不安を煽る必要も無いだろう。
どうせ翌日には消えてしまっているだろうしね。


今日もこんな風に何処かの鉢植えに発生して
色々な人を不気味がらせているのだろうなぁ……


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| ハラタケ科 | 12:25 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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