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もとぶと考
以前にも書いたが(→こちら
岐阜県高山市周辺では
当方が見る限りハナホウキタケの発生がとても多い。
その後も毎年荘川村(現・高山市)を訪れる度に
他にキノコが見当たらない時でも
ハナホウキタケには必ず出逢っている。

鮮やかな赤は森の中で実に良く目立つ。

ハナホウキタケは毎年同じ場所に発生している。
それだけ周辺の樹木と
強固な菌根関係を築いているのだろう。

こちらはやや色褪せた成菌。


こちらは老菌。
赤はすっかり消えてしまって、灰褐色になっている。

ホウキタケの仲間は、
どんな種類でも老菌になると
こう言う色になってしまう為に
見分けが付かなくなってしまう、と言う。
この場所はハナホウキタケが毎年出ている場所なので
恐らくハナホウキタケの老菌で合っている、と思う。

こちらはカビに犯された個体。

周辺には他のハナホウキタケもあったのだが
カビに犯されたのはこの個体だけだった。
ホウキタケ類がこんな風になっているのは初めて見た。
このカビが、ホウキタケ類専門に発生する種類なのか
たまたまこれに生えただけなのかどうかは不明。


こちらはとある木の根本に点々と並んでいた一群。


周辺を見回すと、他にもハナホウキタケが見えた。

どうやら菌輪の様だ。

直径は6〜7mくらいだったろうか。
この菌輪ハナホウキタケも
この樹木(樹種不明)と菌根関係を築き
年々広がってこの大きさになったのだろうなぁ。


所で、先の記事でも書いたが
高山の朝市では食用のホウキタケが
「もとぶと」の名で売られていた。
毒のハナホウキタケと
食用のホウキタケとの判別基準として
根本からの分岐の有無を端的に、
そして生活実感から来る
極めて簡明な言葉として
それを表現している事に痛く感心した。
なので、さっそく「もとぶと」を買った。
それは鍋にして食べた、と記憶している。

ただ、その時に「もとぶと」が
いわゆるホウキタケ(→こちら)とは
色合いが違っていたのが
ちょっと気になっていた。
食用のホウキタケは
柄が白く、先端が赤いのだが
「もとぶと」は全体に灰色がかった均一の色をしていた。
だが、当時はデジカメを持っていなかったので
画像としてそれを記録出来ていない。
「違う感じだったよなぁ……」と
何となく気になりつつ、そのままになっていた。


そして2008年8月19日の事。
荘川村内を探索中、とある林の中に、
ハナホウキタケとは違う
ホウキタケ型のキノコが見えた。


近寄ってみると、今まで見た事の無い、
根本が太いタイプのホウキタケだった。
夕日を受けて妙に赤っぽく映ってしまっているが
実際にはこんな風に、薄紫色だった。

色合いからして
「ウスムラサキホウキタケ」とでも言うべきかなぁ。
で、調べたら、実際にその物ズバリの
名前のホウキタケがあった。
なので、これは恐らく
ウスムラサキホウキタケで良いのだろう。

解説によると、ウスムラサキホウキタケは
美味な食キノコとの事。
なるほど、此処でも「もとぶと」の概念は
当てはまっているのだ。


なので、早速収穫。



一部を味噌汁にして食す。

( ゚Д゚)ウマー

残りは瓶詰めに。

キノコ好きの友人に送った。


所で、以前買った「もとぶと」は
確かこんな色合いをしていた、と記憶している。
と言う事は、高山市周辺では
ホウキタケもウスムラサキホウキタケも
「ハナホウキタケとは違う、
 根本の太い食ホウキタケ」として
特に区別せず「もとぶと」の名で
売られているのでは無いだろうか。
どちらも美味な食キノコとの事なので
「ホウキタケ」だろうが
「ウスムラサキホウキタケ」だろうが
実用上で区別する意味は
確かにあまり無いと言えるかも知れない。

実際、キノコの細かい種類なんて
専門家やキノコマニアでもなければ
気にする必要は無いのだ。
食べる側からしてみれば
安全で美味しければ何でも良いのだ。
その為の指標として
「もとぶと」であれば良いのだ。
朝市のおばさんに
「これはウスムラサキホウキタケと言ってね……」と
説明しても意味は無いのだ。
そんな事は、こうやって場末のblogで
勝手に書いておけば良いのだ。


その後、その時期に高山に行く機会も無い。
今頃朝市では毎日「もとぶと」が
並んでいるのだろうなぁ……(→こちら


※実際、高山周辺では
 「ホウキタケ」も「ウスムラサキホウキタケ」も
 その他の根元の太いホウキタケ類も
 区別していない様です(→こちら)。

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| ホウキタケ科 | 00:19 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
断言
こちらの画像はヒメホウキタケ。

2006年6月27日、東大阪市内にて撮影。
この場所にはこのキノコが、年に何回も発生していた。

こちらは2005年10月20日、同所にて撮影。


こちらは同個体の11月7日の様子。


何時もなら「多分ヒメホウキタケ」とか
「ヒメホウキタケだと思う」と書く所だが
今回は「これはヒメホウキタケだ」と断言出来る。
何故なら、専門家に同定して貰っているからだ。

このキノコの事は以前から気になっていた。
発生する度に観察し、色々調べたのだが
どうしても同定出来無かったので、
思い切って専門家の下に送り、胞子を見て同定して頂いたのだ。
結果、ヒメホウキタケとの事だった。

ヒメホウキタケなら手持ちの図鑑に載っている。
だが、これは図鑑やwebの画像と
かなり見た目が違っていた。
幼菌の段階からやたら乾燥気味で
色も違っていた為に
まさかヒメホウキタケとは思わなかったのだ。

どうやらそれは発生当時の気温や湿度の関係で
そう言う外見になってしまっていただけらしい。
個体によっては図鑑の画像と良く似た状態になっていた。

こちらは2004年10月10日に撮影した物。


こう言う個体が何時も発生していたのなら
ヒメホウキタケと推定出来たかも知れないが
この場所では少数派だった。
何時も、最初の方に掲げた様な個体が発生していたのだ。
これが外見だけで判断している素人の限界だ。


所で、こちらの画像は2008年7月14日、名古屋市内で撮影した物。

3枚目に掲げた画像の個体と良く似て居るが
専門家に同定して頂いていないので
「ヒメホウキタケだと思う」としか表現出来無い。
これが外見だけで判断している素人の限界だw



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| ホウキタケ科 | 02:43 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
ハナのある無し
こちらの画像はハナホウキタケ。

見た通りホウキの様な形で、花の様にキレイな色のキノコ。
色、形、大きさ共に個体差がある。




また、老熟すると淡色や褐色になってしまう。



当方の見た範囲では岐阜のこのフィールド及び高山市周辺は
ハナホウキタケの発生がとても多い様に思う。
近縁種のホウキタケ(後述)は美味しいキノコだが
残念ながらハナホウキタケは毒キノコなのである。

見分ける簡単なポイントは
「根元から分岐しているのはハナホウキタケ。
 根元は太く、先端で分岐しているのがホウキタケ」との事。
高山の朝市でホウキタケが「もとぶと」の名で売られているのは
この特徴を表しているのだと思う。

ただ、ハナホウキタケはそれ程毒性は強くないとかなので
茹でこぼして食べている人も居るのだとか。
中毒は体質にも因るらしい。
また、「もとぶと」の判断が
全て安全なのかどうか、当方は責任は持てないので
その点はご注意願いたい。

更に、ホウキタケには類似種、変異種が多く
分類上のポイントもまだ良く判っていないのらしい。
と言う事は上の画像の物全てが
本当にハナホウキタケなのかどうか、実は断言出来無い……


こちらの画像は多分ホウキタケ。

2007/08/13、同じく岐阜県荘川村にて撮影。
高さ5〜6cm程の小さな個体で
別の森の山道脇に生えていた。
根元が太く先端だけが赤い点で
ハナホウキタケと明らかに異なっていて
「もとぶと」と判断して良いと思われる。

10月になると飛騨高山の朝市で「もとぶと」が並ぶ。
だが、今迄時期が合わなかったのか
ハナホウキタケは毎年見ていたのだが
ホウキタケには出逢った事は無かった。
このホウキタケは一ヶ月以上早い時期外れに
うっかり生えて来てしまったのだろう。
やっと出逢えたホウキタケだったが
今回は収穫しなかった。
来年は是非ホウキタケの旬の時期に
この山に来たい物だ。

こちらの画像は、上のホウキタケのすぐ横に生えていた
7〜8cmくらいの大きさの物。

全体の色合いと、先端が赤い点は先程の画像のとそっくりだったが
根元が太くないので、ホウキタケとは違う様に思える。


また、こちらの画像は別の場所で写したホウキタケの仲間。


恐らくハナホウキタケとは別種とは思うのだが詳細は不明。
ホウキタケ類は老熟すると皆色褪せてしまって
似た外見になってしまうのだが
これは多分、元からこんな色合いなのだと思う。
ホウキタケの分類は世界的に遅れているそうで
続々と新種が登録されているのだとか。
これもひょっとしたら新種なのかも知れないw

ホウキタケとハナホウキタケ以外のホウキタケ科は
図鑑やwebでの情報は多くない。
もうこうなってはオテアゲー\(・∀・) /だ……



もう一本日記を書いてます。
よろしければそちらもお読み下さいませ <( _ _ )>


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| ホウキタケ科 | 12:50 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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