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赤団子を求めて 番外篇その2

4月は当方が定点観測をしている場所の赤団子の甘露の分泌の時期だ。

毎年、当方はそれを楽しみにしていた。

が、2016年の4月は引っ越しの準備で追われてしまっていた為に

その観察が出来無かった。

残念無念・・・・・・

 

一段落をした5月下旬、その場所に行った所、赤団子が幾つも確認できた。

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きと4月は甘露を分泌して居たのだろうなぁ。

今年はその様子を観察したいものだ。

 

だが、昨年は別の収穫もあった。

5月末に岐阜県御嵩町に出向いた際に

赤団子の発生している竹林に遭遇出来たのだ。

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中々立派な個体。

甘露もさぞ分泌して居たのだろうなぁ。

 

6月中旬、同じ御嵩町だが別の場所でも赤団子に遭遇。

akadango2-1703 (1).JPG

溝を挟んだ向こう側の竹林だったので接写が難しい。

固まって発生していた1本を撮影したが、これでは判らないなぁ・・・・・・

 

思い切りズームして何とか判別できる状態で撮影成功。

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akadango2-1703 (3).JPG

 

枝を無理矢理手繰り寄せて何とか接写にも成功。

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これも中々に立派な個体。

 

同日、更に別の場所。

此処にも赤団子が。

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これも中々の個体。

御嵩町の赤団子は、名古屋市東部の物に比べると

大きな個体になる傾向にある様だ。

うーん、ちょっと羨ましいw

 

 

所で、赤団子を探すべく竹林を探索して居ると

他の竹類寄生菌に目が行く事も多い。

なので、2016年に目に付いた、赤団子以外の竹類寄生菌を以下に。

尚、天狗巣病に関しては別記事で触れているので省略。

 

こちらはスス病。

sasasusu1703 (1).JPG

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この様に葉の表面を黒いスス状の物が覆っている。

スス病は毎年、少なからず遭遇して居たのだが

2016年のこの場所は特に目立っていた様だ。

スス病の当たり年だったのだろうかなぁ。

まぁ、アブラムシ等の分泌物などを餌に、カビが葉の表面に広がる物なので

厳密な意味での「寄生菌」とは違うけれど。

 

 

こちらは「竹の黒穂病」。

Ustilago shiraiana と言う菌が寄生する事で

枝の先端が徒長し、黒い粉状の胞子を形成する物。

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ちょっと不気味かも。

色と言い質感と言い、ススっぽい。

こちらこそ「スス病」と言いたくなるなぁ。

まぁ、この黒い粉単独でなく

黒い粉が穂先で形成される点に着目して

「黒穂病」と名付けられた訳なのだろうけど。

 

で、何時も赤団子を観察している場所で

黒穂病もちょくちょく見掛けてはいたのだが

2016年はその発生量が例年に無くとても多かった。

中には1本の竹の殆どが黒穂病に罹患して居るのもあった。

こちらがその枝の一本。

takekurobo1-1703 (5).JPG

垂直方向に伸びている穂先は全て黒穂病の物。

 

健全な枝と比較。

takekurobo1-1703 (4).JPG

その違いが一目瞭然かと。

あんな密生して居るのは初めて見たなぁ。

 

こちらは御嵩町の、とある竹。

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この様に天狗巣病がかなり進行して居たのだが

その中の一枝に黒穂病が。

tengu-kurobo-1703 (2).JPG

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名古屋東部の黒穂病に比べると穂が小さい。

これは天狗巣病に先に寄生されていたからなのかなぁ。

天狗巣病は小さな葉を密生させる病気だ。

いくら黒穂病が穂を徒長させると言っても

元が天狗巣病のため小さかったので、これが精一杯、と言う事かと。

 

この場所には赤団子もあったので

竹類寄生菌の坩堝、寄生菌天国だったのかも知れないw

 

以下は余談と言うか、脱線。

先に書いたが、黒穂病の胞子は見るからにススっぽい。

この黒さと、粉の細かさは絵具とかに使えそうに思える。

実は、この「竹の黒穂病」では無いが

実際に塗料として使用されている黒穂病がある。

それはマコモ(真菰)に

Ustilago esculenta が寄生して発生する「マコモの黒穂病」で、

その黒い胞子を昔は眉墨やお歯黒の材料として使われていた、との事。

また、「古び粉」「マコモ墨」の名で

漆などの工芸品に古色を出したり、陰影を強調する為の顔料として

現在でも使用されているらしい(中でも鎌倉彫の「マコモ蒔き」が有名)。

墨汁の様な真っ黒では無く、セピアを帯びた独特の色合いが出る由。

 

「マコモの黒穂病」がその様に工芸材料として定着し

「竹の黒穂病」がそうならなかったのは

生成される胞子の量と、全体の発生量との関係なのだろうなぁ。

その昔、マコモは水辺や湿地帯に広く普通に繁茂して居たので

「マコモの黒穂病」の収穫は比較的容易に出来たのでは無いだろうか。

マコモその物がかなりの量があった訳だから

「マコモの黒穂病」も発生数も結構あった筈だしね。

 

因みに各々の学名は

「竹の黒穂病」= Ustilago shiraiana、

「マコモの黒穂病」= Ustilago esculenta 。

属名の「Ustilago」は「ustilo(焼く)」+「ago(導く)」の複合語の由。

「焼く事によって導かれた物」と言う事で

「炭」や「スス」を表しているのだろう。

つまり Ustilago は

「スス状の胞子を作る病菌属=黒穂病菌属」と言う意味になる。

種名の shiraiana は恐らく日本の植物病理学、菌学のパイオニア、

白井光太郎氏への献名で、それ以外の意味は無いだろう。

一方、マコモの黒穂病 esculenta は「食べられる」の意。

実は中国台湾など東アジアでは黒穂病に罹患して肥大した若いマコモを

「マコモタケ」「真菰筍」「茭白」の名で食用にしている由。

ただ、「黒穂病」と言いながら、肥大するのは穂先では無く根元の部分。

甘みとシャキシャキとした食感が特徴の高級食材、との事。

日本では大部分が輸入品だが

一部では栽培して特産品としている(→楽天の販売ページ)。

 

所で、wikipediaによるとマコモタケは

「古くは万葉集に登場する」とあるが、

全国農業改良普及支援協会のサイトには

「古くから日本に自生しているものは、食用には適しません」

「食用の栽培種として、中国などから導入し

改良された系統が栽培されています」とある(→こちら)。

これは一体どう言う事なのだろう。

マコモタケは万葉の時代から輸入(乾燥品?)されていたのだろうか。

それとも、万葉の時代は日本在来種のマコモタケを食べていたのだが

中国産に比べると美味しく無かった為に

次第に取って替えられた、と言う事なのだろうか。

うーむ、謎だ。

実はマコモタケの事を正面から取り上げた

菌食の民俗誌 ─マコモと黒穂菌の利用─

と言う書籍があるのだが当方は現在未読。

その答えが書いてあるのかどうか、近いうちに読んでみたいと思っている。

 

尚、どちらのマコモタケも成熟すると黒い胞子を充満させ

マコモ墨になる、との事。

───────と、脱線は此処迄。

 

 

さて、今年もそろそろ赤団子の甘露の季節だ。

今年はちゃんと観察もしたいし、味わいたい。

そして、新たな場所で赤団子やその他の寄生菌にも遭遇したい物だ。

 

 

 


※4/30追記
『菌食の民俗誌 ─マコモと黒穂菌の利用─』を読んだ。
当方が知りたかった
「日本でも万葉の時代にマコモタケを食べていたのか」
の明確な答えは書かれていなかった。
だが、wikipediaの記述が間違いなのだろう事が判った。
矢張り全国農業改良普及支援協会のサイトの
「古くから日本に自生しているものは、食用には適しません」
「食用の栽培種として、中国などから導入し
改良された系統が栽培されています」
が正しかった様だ。
『菌食の民俗誌 』にも同様の記述があった。
つまり、近年中国から輸入されるまで
「マコモタケ」は日本には無かったのだ。
そもそも「マコモタケ」の名称自体、
中国から輸入するにあたって名付けられた物なのだ。
だから万葉の時代に「マコモタケ」を食べている訳が無いのだ。

ただ、マコモの若芽を食べる文化は日本には元々あったらしい。
稲作文化が導入されるまではマコモは重要な食料だった、との事。
更にマコモは古代より生活や宗教儀式で使われていた。
その多くは稲藁に取って替わられたが、
今でも古式に則った儀式ではマコモで作られた祭祀具が使われる。
お盆の時に供えられる牛や馬も、元々はマコモで作られていた。
祭祀具は祭祀を執り行うに当たり、その都度作られる。
その時にマコモが繁茂地から刈り取られて来るのだが
時期によっては葉の束の中心に新芽が潜んでいる。
それを食べる文化は日本には古くからあったのだ。
そして、それは栽培種では「マコモタケ」になる、正にその部分なのだ。
恐らく、その為に両者が混同されたのだろう。
実際、wikipediaのその部分は「古くは万葉集に登場する」とあるだけで
「マコモタケ」がどの様に登場しているのか、の具体的な記述は無い。
当方は未見なのだが、恐らくマコモの新芽を食べる旨の記述なのだろう。
そもそもその時代に「マコモタケ」は無かったのだ。
なので、「マコモタケ」の段落に万葉集の事を記述するのは
間違いと言えるだろう。

 

 

 


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| 植物寄生菌 | 00:02 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
新たな食材? モチ病の続き

4月5月になると名古屋では今年もツツジのモチ病が発生した。

 

こちらは枝先の数枚の葉が丸ごとモチ病になっている。

tsutsujimochi2016 (1).jpg

tsutsujimochi2016 (3).JPG

 

こちらも同様。

tsutsujimochi2016 (4).JPG

こちらは粉を吹いていて正に餅状態。

 

ツツジのモチ病を見ると

当方は桜以上に春の訪れを感じるw

 

 

所で以前取り上げた『宮崎のきのこ』。

同書には椿のモチ病菌と共に

ツツジのモチ病菌が掲載されている。

miyazaki.jpg

 

そして、何とこれが食べられる物として記載されている。

宮崎の一部地域では「ガンニョ」「ガンニョム」と呼んで

子供達がおやつとして食べていた、と言うのだ。

菌類の図鑑は数多いが

ツツジのモチ病が掲載されている図鑑は多く無い。

しかも、「可食の物」として紹介されているのは

本書が唯一では無いだろうか。

 

で、記載によると「少し酸味があるが、ほのかに甘い」との事。

実は前回、ツツジのモチ病菌の事を書いた時に(→こちら

同様の内容のコメントを読者の方に寄せて頂いた。

当方は「ただ青臭くて不味い」としか感じなかったのだが

実際にはそうでは無いらしい。

これは是非確認してみなくてはなぁ。

なので今年、モチ病の発生を待って居た次第。

 

『宮崎のきのこ』によると、発生したての物が美味しい由。

早速、発生したばかりの新鮮そうな物に遭遇したので

食べてみる事にした。

tsutsujimochi2016 (5).JPG

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一口齧ってみる。

tsutsujimochi2016 (7).JPG

成程、確かに少し酸味がある。

そしてほのかな、本当にほのかな甘みも薄っすらと感じられた。
その後に口に広がる青臭さも以前の物ほど不快では無かった。
どうやら本当に発生したての新鮮な物で無いとダメだったのだなぁ。
今迄は食べ頃を過ぎた物を食べてしまっていたのだなぁ。

 

と、こちらのモチ病。
パッと見は新鮮そう。

tsutsujimochi2016 (10).JPG

tsutsujimochi2016 (11).JPG

 

一口齧ってみる。

tsutsujimochi2016 (12).JPG

少しの酸味も、ほのかな甘みも感じられなかった。

ただの青臭さしか感じられなかった。

これは食べ頃を過ぎてしまっていた様だ。
どうやらモチ病の旬は思いの外短い様だ。

本当に発生したばかりの物で無いとダメなのだなぁ。

 

考えてみれば、昔々の子供達は

ほぼ毎日、周辺の野山を駆け回って遊んでいたのだ。

当然、環境の変化にはとても敏感だった筈だ。

モチ病の出来るツツジ等も当然把握して居た筈で

だから発生したてのモチ病にもしっかり遭遇出来たのだろう。

 

当時の子供達に取って野山はそれこそ「庭」だったのだ。
当方みたいに、たまに思い出した様に
フィールドに観察に出ているのとは全く状況が違うのだ。
そんな時代だったからこそ
モチ病菌は「子供のおやつ」たり得たのだろう。

 

前回、滝沢馬琴の『兎園小説』に触れた。
その中で、馬琴はモチ病の事を
「甚だ苦い物だ」と述べている、と言う。
と言う事は馬琴は食べ頃を過ぎたモチ病を
食べてしまったのだろうなぁ。
ひょっとしたら、モチ病の事を知らなかった馬琴は
それを食べていた子供達に悪戯されて
不味くなったモチ病を食べさせれらたのかも知れない。

 

ただまぁ、前回も書いたが
モチ病は目を見張る様な美味しい物では無い。
何時でも何処でも安価に
甘味や刺激の強いお菓子が手に入る現代に
敢えて食べる様な物でも無い。

 

そして、前回の記事を読んだ知人に教えて頂いたのだが
ツツジには元々微量ながら有毒性分が含まれているのだとか。
前回の記事の最後で「モチ病を食べ過ぎて死んだ女児」に触れたが
その女児も、「モチ病菌で死んだ」のでは無く
ツツジの有毒成分によって死亡したのかも知れない。
ただのツツジの葉だったら食べなかっただろうに
あたらモチ病になったばかりに
ほのかな甘みを求めて大量に食べてしまったのだろうなぁ。

その為に毒成分が致死量を超えてしまったか

もしくは体調を激変させるだけの量を摂取してしまったのだとしたら

あまりにも哀しい話だ。

 

取り敢えず、当方はもうモチ病菌を食べる事は無いだろう。
今後は「菌類的な春の風物詩」として愛でるだけにするよ。

その方がモチ病菌に取っても有難いだろうしね。

 

 

 


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| 植物寄生菌 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
赤団子を求めて 番外篇
今年の春。
名古屋市東部の某公園の赤団子病は
矢張り甘露を分泌していた。
akadango2015 (3).JPG

こちらは子実体の赤い色素が混入して
赤い甘露になっている。
akadango2015 (5).JPG
akadango2015 (6).JPG
akadango2015 (2).JPG
光が透過して綺麗♪

此処の赤団子病は矢張り
殆どまだ子実体が形成されていない状態の時に
甘露を盛んに分泌している。
あまりに分泌しているので下に垂れている所が何か所もあった。
akadango2015 (1).JPG
akadango2015 (4).JPG
この中には分生子が含まれているのだろうなぁ。
子実体が殆ど形成されていないのに分生子を放出している、
と言うのも考えれば不思議な話だ。
わざわざそんな事をするからには
何らかのメリットがあるからなのだろうけどなぁ。
赤団子菌の考える事は良く判らないや。
それはともかく、今後も赤団子病の事は
追求して行きたいな、と。



所で、以前の記事で取り上げた「竹燕窝(もしくは「竹燕窩」)」。
その後も色々調べようとしたのだが
何の手掛かりも無いままに月日が過ぎてしまった。
とにかく情報が少な過ぎて八方塞がりの状態。
ならばまず、その実物を見てみたい。
発生現場を見るのはとても難しいが
中国国内では流通・市販されているのだ。
取り寄せが出来無いか中国物産店で聞いてみようかな。
幸い当方の住んでいる地域にはそう言う店が幾つもあった。

事前に問い合わせようとしたが、メール受け付けは無い様だ。
電話で尋ねるにしても「竹燕窝」を上手く説明できる自信は無い。
そもそも「竹燕窝」をどう発音するかすら判らない。
日本語読みの「チクエンカ」で通じるとも思えない。
なのでこんなチラシを作り
直接見て貰った上で聞く事にした。



取り敢えず店舗を訪ねる事に。
と、幾つもあった中国物産店が軒並み閉店しているでは無いか。
家の近くとは言え、あまり通らない道沿いだったので
閉店して居た事に気付かなかった。
いやぁ、参ったなぁ・・・・・・

仕方無いので繁華街の中国物産店をwebで検索。
割と大きな規模の店があったのでバイクで出向く。
するとそこも閉店したのか、何の痕跡も無かった。
店のサイトも作ってあって、今でも稼働しているのに店舗自体が無い。
閉店したのにサイトの契約はそのままだったのだ。
良く見ると更新は4年前で止まっていた。
4年前の9月の「上海蟹入荷!」の更新が最後で
丁度時期的に合致していた為に気付かなかったよ・・・・・・

2013年にOPENして大々的に情報発信して居た店も
今年の7月には閉店してしまったらしい。
その大々的な発信はそのままで
閉店した情報が一切無かったので判らなかった。
その場所に行ったら建物はがらんとしていて
その場所に何かの店を開こうと下見に来たと思しき若い男性と
不動産屋の担当者が中で何か話をしていた。

この数年で中国物産事情に何か大きな変化があったのだろうか。
そう言えば某ビル内の中国雑貨チェーンの「大中」も
いつの間にか無くなっていたしなぁ。
とにかくバイクで簡単に行ける範囲の中国物産店は
悉く無くなってしまった様だ。

仕方無いので再びwebで「竹燕窝」を色々と検索。
すると日本国内で中国物産の通販をしているサイトで
「竹燕窝」を扱っている所が一件だけhitした!
しかも「四川蜀南竹海特産」の
「特級14年純野生新鮮竹燕窝」との事。
これは買わねばっっ!!

早速注文。
一袋792円との事。
思ったより安い。
でも送料が幾ら掛かるのだろうか。
そこがちょっと怖いなぁ。
でも折角だから思い切って買おう。

翌日サイトから返信が。
恐る恐る請求金額を見ると「0円」となっている。
???と思って本文を良く見ると
「水が付いてるので 通関ができません どうぞご了承ください」
との事。
何じゃそりゃ。
なら何故そんなのをサイトに載せた!?
訳判らん。

恐らくこのサイトが取り扱おうとしていたのは
袋詰めの物だったのだろう。
ナマ物は通関手続きがややこしいからなぁ。
瓶詰缶詰なら通関可能だろうけど
それは守備範囲外の様子。

もう一度書く。
何故そんなのをサイトに載せた!?
期待が大きかっただけにがっかりだ。
結局、入手不可能と言う事か。
「竹燕窝」の正体も不明のままだなぁ・・・・・・



所で当方はキノコマニアであるが
同時に「キノコの書籍コレクター」でもある。
新刊は元より、古書でもキノコ関係の文献を見付けると
買わずに居れない。
勿論、ウン万ウン十万もする様な高額な物は無理だが
ついつい買ってしまうのだ。

その日もamazonでキノコの新刊書のチェックをしていた。
いや、便利な時代だ。
すると新たなキノコ図鑑の発刊情報がhit。
それがこちら。
miyazaki.jpg
地方のキノコ図鑑は特に当方の好物だ。
しかも宮崎の図鑑とは珍しい。
宮崎県には世界的な珍菌「キリノミタケ」がある。
表紙の左上の画像がそれだ。
どうやら「キリノミタケ」に関する
詳しい情報が載っているらしい。
なので当然購入する事に。
いや、本当に便利な時代だ。

数日後届けられたので早速拝見。
本の間に出版社のパンフレットが挟まれていて
手にした瞬間そのページが開かれた。
と、目に飛び込んで来た画像に息を飲んだ。



こ、これはどう見ても「竹燕窝」では無いかっっ!!!
何故こんな所に「竹燕窝」がっっっ!!??

半ば震えながら解説を読んだ所
「南九州では、方言で「キンチク」と呼ばれるホウライチクが
 各地に見られる。(中略)南アジアから中国南部にかけての
 熱帯地域が原産の竹である。」
「ホウライチクは夏に筍が出る。(中略)この筍の根元に
 かき氷のようなものが落ちていることがよくある。(中略)
 初めは白色だが黄色に変色し、最後は墨をこぼしたような
 ドロドロの真っ黒な物質になるのである。」
「筑波大学の出川洋介博士によると、この正体は
 子のう菌であるすす病の一種とのことである。
 (中略)ホウライチクの根元のすす病は、
 珊瑚のようにこんもりと大きくなる特徴から
 「サンゴすす病」と仮称で呼んでいる。
 サンゴすす病の発生の原因は、
 ホウライチクの筍に集まるタケノツノアブラムシの
 排泄する糖分である。」

との事。
外見的形態だけで無く、発生環境、発生要因からしても
「竹燕窝」と合致している。
「竹燕窝」は「サンゴすす病」、
もしくはその近縁種と考えて良いだろう。
因みに宮崎県ではこれを食べる文化は無いらしい。

取り敢えず、「竹燕窝」の正体はほぼ判った。
詳細は引き続き不明ではあるが
全くの正体不明!では無くなったのだ。
それだけでも当方に取っては大きな前進だ。
発生現場を探訪する事も
中国の四川省貴州省よりは宮崎県の方が可能性が高いしね。
いやぁ、宮崎県に「竹燕窝」があったなんてなぁ。
まぁ、それはそれとして
今後も「竹燕窝」の事は色々探って行きたい物だ。

それにしても求めている情報と言うのは
どんな所に転がっているか判らないもんだなぁ。
しかも、誰よりもその情報を欲していた当方の元に
送られて来たその本の、正にそのページが開かれる様に
パンフが挟まれていたなんてなぁ。
偶然なのだろうが、運命としか思えない。
世の中面白いなぁ。
だからこそ怖いなぁ・・・・・・


因みにこの『宮崎のきのこ』。
新聞の連載コラムを元した、というだけあって
キリノミタケや、この「サンゴすす病」以外の項も
ただの生態解説だけでなく
人間社会との関わり、宮崎県のきのこ文化などにも触れていて
「菌類民俗学」に傾倒している当方には
とても興味深い、実に有難い内容の「きのこ図鑑」。
他書には無いキノコも幾つも載っており
読み物としても楽しめるので
キノコ好きの皆様には是非お勧めの一冊です。
(amazonの当該ページ→こちら


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赤団子を求めて その6
今年も春を過ぎ、日差しが強い日も出てきた頃、
何時もの場所に行ってみた。
去年は赤団子病の幼菌を見て色々と学ぶ所があったので
今年は更に早くに現場に行ったみたのだ。

その様子がこちら。
akadango2014 (1).JPG
akadango2014 (7).JPG
甘露が湧き出て、今にも垂れそうになっている。
物によっては子実体自体は視認が難しいくらいに小さいのだが
甘露だけは盛んに生成されている様だ。

そんな状態の物が結構あちこちにある。
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予想以上に甘露を湧出している個体が多くてびっくり!

その内の一つを楊枝で突っついてみた。

硬めの蜂蜜、と言った感触。
で、甘露と言うくらいだから勿論甘い。

1989年に発表された津田盛也らの研究によると、
この甘露からは通常より小型の分生子(無性生殖による胞子)が
検出されている由。
それを蟻などに舐め取らせる事によって胞子を運んで貰っているのだろう。
当方は舐め取る事は出来るが
生憎と胞子を蒔き散らす事は出来無いから申し訳無いよなぁ。

4週間後にも様子を見に行った所、
子実体ははっきりそれと判るくらいには成長していた。

だが、甘露はもう確認出来無い。
オレンジのチョロチョロした物体は分生子塊。
甘露の中に含まれている分生子とはまた別の形態の分生子、との事。


赤団子病は発生初期には小型分生子を、
幼菌時代には別の大型分生子を、
そして成菌になると有精の胞子を生成する、と言う事の様だ。
単一の生殖方法しか持たない人間からすると
とても不思議な感じだなぁ。
植物寄生菌の場合、種類によっては
更に多くの別形態の胞子を生成する物もある、と言う。
ひょっとしたら人間等は
「え?一種類しか生殖方法が無いの?何で?」と
不安や憐憫の情を植物寄生菌から持たれているのかも知れないよなぁ。


所で6月上旬の事。
一宮市内へ用事で出掛けた際に道すがらの竹林を観察。
すると赤団子病を発見。
akadango2014 (12).JPG
名古屋市外の発生場所の確認はこれが初めてだ。
思わぬ収穫で嬉しい。

オレンジ色の物は分生子の塊。
だが、見たところ、柔らかそう。
akadango2014 (13).JPG
触ってみたら甘露と同様のゲル状だった。
ひょっとして?と思って舐めてみた所、やはり甘い。

こちらの分生子塊はかなり硬くなっていた。
akadango2014 (15).JPG
試しに舐めてみたが、甘くはなかった。

こちらの分生子塊は見るからに硬そう。
akadango2014 (14).JPG
実際に触ってみたら硬かった。
舐めても勿論甘くなかった。

この場所の赤団子病は名古屋市東部の現場の赤団子病と
甘露と分生子の発生具合・タイミングが少し違うようだ。
これは個体差・系統差なのだろうか。
色々と面白いなぁ。


最初に生成される小分生子は
同時に生成されている甘露に内包されるのだろう。
それは蟻などの昆虫に摂取される事によって
散布されている、と言う。
続けて大分生子が生成される頃には甘露の分泌は徐々に減少し
やがて大分生子だけのオレンジ色の塊となって
昆虫の手助けを借りる事無く散布される。
その後に生成される有精胞子は目に見える形は取らず
通常の胞子散布の形式となる。

と言う事は、甘露に含有されている小分生子は
昆虫等に摂取ー排泄される事によって
発芽が出来るように特化されている、と言う事なのかも知れない。
その後に生成・放出される大分生子・有精胞子は
その手順を踏まずとも発芽が出来る、と言う事なのだろう。

何故そんな戦略の違いが必要なのかは勿論当方には判らない。
ただ単純に胞子散布の機会を増やすだけなら
わざわざそんな手数を掛けなくても良い様な気もするのだけどなぁ。

しかし、それだけの複数の方法で多量の胞子をまき散らしながらも
赤団子病の発生確認が多くない、と言うのは
相当に効率が悪い事になるよなぁ。

以前、大学で植物学を学んでいた友人が言っていたのだが
マダケは古くに日本に渡来した由(日本原産説もあり)。
恐らく赤団子病菌もマダケと共に渡来したのだろう、と。
となると、マダケと赤団子病菌は
同時に生息範囲を広げている事になる。
だが、全国的に赤団子病の発症はあまり多くない様だ。
その為か、赤い塊と甘露、と言う
実に特徴的な生態があるにも関わらず
赤団子病の事は世間的にはあまり知られていない。
マダケの生息地にはあまねく赤団子病菌が居るであろう筈なのに
その姿を見る事が少ない、と言うのはどう言う事なのだろう。

ひょっとしたら赤団子病菌はマダケに取って
常在菌になっているのかも知れない。
人間の腸内に様々な菌が常駐していて
それで普通に暮らしている様に
マダケの中にも赤団子病菌が常駐し
それで普通に生きているかも知れないのだ。
たまたま人間の思い込みで「赤団子病」と病気扱いしているが
ひょっとしたら赤団子病菌は
マダケと共生関係にあるのかも知れないよなぁ。

赤団子病菌にとってマダケは当たり前のパートナーなので
わざわざ子実体を作らなくても良いから
赤団子病の発生が少ないのかもなぁ。
竹の寿命は数十年と長いので
竹内部に潜在さえしていれば、その間は安泰な訳だしなぁ。

一応念の為に、定期点検みたいに
子実体を発生させて胞子を蒔いてはいるが
そんなに必死にならなくても良いのかも知れない。
だから逆に言えば、赤団子病を常に発症しているマダケは
赤団子病菌が逃げ出して新たな生息地を探す事を
考えなければいけないくらいに不健康だ、
と言う事になるのかも知れない。
または、人間の感染症の幾つかがそうである様に
赤団子病菌の暴走を押さえられないくらいにマダケが弱っている、
と言う事なのかも知れない。

まぁ、当方が幾ら考えても所詮素人の机上の空論だ。
学問的に正確な話なのか、
そしてマダケ自身が赤団子病菌の事をどう思っているか、
どう受け止めているかが判る訳が無い。
当方としては、また今年も赤団子病の発生が確認出来て
甘露が舐める事ができたので、それで満足だ。
また来年も甘露を舐めたい物だなぁ。

胞子散布の手伝いが出来無いのは、ちょっと申し訳無いのだけれど。



※前篇・続篇も併せてお読み頂けましたら幸いです
 アーカイブス→こちら


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天狗の巣
既に何回も記事にしているが、当方は竹の寄生病である
「マダケの赤団子病」を追い求めている(→こちら)。
なので、外出時は竹が生えている場所を
つい探してしまう。

で、日本には結構竹藪が多い。
車や電車から風景を眺めていると
郊外の造成されていない場所には
竹林が残されている事が多いし
市街地でも、ちょっとしたスペースに
竹が生えていたり、植わっている事が多い。
規模の大小はある物の
とにかくあちこちに竹が生えている。
そして、良く目立つのが竹の天狗巣病だ。

竹の天狗巣病は
Aciculosporium take と言う菌によって
竹の葉の正常な発育が阻害され
異常に細かな枝分かれを密集させられる病気だ。
以下、病状の進行具合を画像と共に解説。

初期段階では一部が細長く伸長。
細かく分岐をしそこに小さな葉が生える。
tengusu1-tsuru (1).JPG
tengusu2-houki (1).JPG
tengusu1-tsuru (2).JPG
この状態を「つる状化」と言う由。
周りの大きく見える葉が通常の大きさ。
つる状化部分の葉が如何に小さいか判るだろう。


やがて、つる状の部分が増えて混み合って来る。
tengusu1-tsuru (3).JPG
分岐が増え、密集度合いがかなり増している。


更に分岐を繰り返し、密集度合いが増すと次の段階に。
tengusu2-houki (2).JPG
tengusu2-houki (3).JPG
tengusu2-houki (4).JPG
これを「ほうき状化」と言う由。
この状態を鳥の巣ならぬ「天狗の巣」と見立てて
命名されているらしい。
因みに英名は「witch's broom (魔女のほうき)」との事。
欧米には天狗は居ないからなぁ。

こちらの画像では、ほうき状化した部分が
かなり増えている。
tengusu2-houki (5).JPG


そして、次の段階へ。
ほうき状化部分がどんどん増え、大きな塊になる。
これを「房状化」と言う由。
tengusu3-fusa (1).JPG
tengusu3-fusa (2).JPG
tengusu3-fusa (3).JPG
こうなると遠目にもそれと判る様になる。
房状化した部分は重量も増すので
その重みで竹全体がたわんでしまっている。

ひとつの竹林でも罹患状況にはかなり個体差がある。
その竹の発生時期による影響の差もあるのだろう。
こちらの画像では罹患状況の酷い竹と
そうでない竹との差が激しい。
tengusu3-fusa (5).JPG
tengusu3-fusa (4).JPG
こうなると、次の段階では落葉・落枝が始まり
最終的には全ての枝葉を落として
樹木の幹にあたる「稈(かん)」だけを残して立ち枯れてしまう。

病状の進行速度の程は判らないが
つる状化が始まってから枯死に至るまでは
10年以上、おそらく数十年は掛かるのでは無いかと想像している。
竹の一生は50年とも100年とも言う。
それが天狗巣病によって
どの程度の影響を受けるのかは判らないが
病状も竹の寿命に合わせて
ゆっくりと、しかし確実に進行して行くのだろう。

種類や時期にもよるが、
健康な竹であれば葉の大きさが揃っているので
竹の1本全体が一定のリズムで構成され
葉の緑で輝いても見えるのだが
天狗巣病に冒されるとリズムがかき乱され
その部分だけ色が沈んで見える。
勿論、軽度の発症で収まっている場合は
ぱっと見では判らないが
重症になれば嫌でも目立って来る。

この様な「天狗巣病の見え方」を頭に入れておくと
車や電車で移動しながらでも
「あの竹藪は天狗巣病に結構やられているな」
「あそこはやられ始めてるみたいだな」
と、観察する事が出来る。
で、そうやって観察した所、
天狗巣病にやられてる竹藪が
如何に多いか、と言う事に気付いた次第。

ただ、この竹の天狗巣病。
各種の竹に発生するが
病状が重く進行するのはマダケだけらしい。
モウソウチクにも罹患例はあるが
見付かると学会報告されるレベルで少ない由。
実際、当方が撮影した罹患竹もマダケばかりだ。
何でも、天狗巣病に全く罹患していない
完全に健康なマダケの竹林は全体の1割も無いのだとか。

因みに、竹の天狗巣病には治療法は無い。
見付けたら伐って焼くしか無いのだ。
だが近年、竹林は放置され、手入れもされていないので
天狗巣病が発生し放題だと言う。
これは全国的な大きな環境問題の一つの由。


で、この天狗巣病。
梅雨時に雨を受けて先端から胞子を放出する、との事。
その様子を見てみたい、と思っていたのだが
雨の中、天狗巣病の竹を見る機会が中々無かった。
そんな竹林がすぐ近くにあれば良いのだが
生憎と徒歩圏内には無い。
雨が降っている中、わざわざ車やバイクで
罹患している遠くの竹林まで行く、と言うのもねぇ。

と、そんな中。
つい最近、雨の日に用事で出掛けた先で
天狗巣病のある竹林に遭遇。
早速観察する事に。

それがこちら。
tengusu2-houki (6).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


tengusu2-houki (7).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


tengusu2-houki (8).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


元々天狗巣病の罹患部の先端には
白っぽく見える部分があるのだが
それが膨らんでいて
はっきりくっきりと白く見える。
なるほど、こんな風になるのかぁ。

更に先端から胞子で白濁した水滴が垂れていたのだが
それを上手く撮影する事が出来無かったのは残念だった。

この様にして昆虫などの小動物に付着させ
胞子を伝播させているらしい。
その結果、上掲の画像の状況になるのだなぁ。

いやぁ、中々貴重な物を見れた。
たまたまその方向に用事があって良かったよ。
今後は竹林のある場所優先で用事が出来無いかなぁw

それはともかく、これからも竹林の観察は続ける予定。



所で、7月2日から大阪梅田・阪神百貨店で開催される
『ドキドキ!きのこフェスティバル』に
今年も参加致します。

阪神百貨店の公式サイト→こちら

張子の起き上がり小法師のキノコを中心に、
今回は張子以外の物も色々持って行こうと思っています。
よろしければどうぞお立ち寄り下さいませ。

m( _ _ )m

 
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| 植物寄生菌 | 00:29 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
近隣との距離

「竹 寄生 キノコ」「赤衣病」等の
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赤衣病関連記事


私事だが昨年夏に転居をした。
それまでマンション住まいだったのだが
築40年の賃貸とは言え、一軒家に移ったのだ。
そしてそこに庭とも言えない様な、ちょっとしたスペースがあり
洗濯物干し場に使っている。

4月の雨上がりの晴れの日。
洗濯物を干していて
ふと植え込みのカイヅカイブキを見たら、妙な物が目に入った。
あれ?これは?
akaboshi-1.JPG
akaboshi-3.JPG
葉に橙色のぷよぷよした物が絡まっている。
一見アカキクラゲの仲間か何かに見えるが
これは実は「ナシ(リンゴ)の赤星病の冬胞子」と言う物だ。

辺りを良く見ると、冬胞子の小さな塊が幾つもあった。
akaboshi-4.JPG
akaboshi-7.JPG
 
赤星病は梅雨〜夏頃にナシ・リンゴ類の葉に
赤く良く目立つボツボツを発生させる寄生病で
ナシ・リンゴ果樹の重要な病害とされている。
その為、栽培農家の多い地域では
その防御に大きな力が注がれている。
nasi-akahosiha2.jpg
nasi-akahositawasi.jpg
(上掲の2画像は「あいち病害虫情報」サイトより引用→こちら


以前、こぶ病の記事(→こちら)で触れたが
多くの植物寄生病は春〜夏と秋〜冬とで、
全く別の種類の植物の間で胞子を行き来させる
「異種寄生性」と言う独特の生活環を持っている。
各々を「夏胞子」「冬胞子」と呼び
それぞれ全く違う形態をしている事が多い。
赤星病は夏胞子が色と形態的に目立ち
寄主のナシ・リンゴが重要作物でもある為に
「ナシ(リンゴ)の赤星病」が種名となっている。

そして、赤星病の生活史で冬の時期の過ごし方が
先の画像の、カイヅカイブキの橙色のブヨブヨなのだ。
余程大きな個体でないと
赤星病に比べて目立ちにくい為に
見落とされている事も多い、と思われる。

実際、乾燥時はこれ ↓ が
akaboshi-5.JPG

これ ↓ の様に
akaboshi-5-d1.JPG
akaboshi-5-d2.JPG

これ ↓ が
akaboshi-6.JPG

これ ↓ の様に
akaboshi-6-d1.JPG
akaboshi-6-d2.JPG
とても小さくなってしまうので
雨上がりに水分を含んで十分に膨らんだ時でないと
まったく目立たない。

小さな個体だと、乾燥時は
葉の枯死部分と殆ど見分けが付かない。
こちらが乾燥した冬胞子のある枝先。
akaboshi-9.JPG

こちらは何も無い枝先。
akaboshi-11.JPG
予め冬胞子があった事を知らなければ見分けが付かない。
だから当方もこの雨上がりの日まで全く気付かなかったのだ。

で、うちにこの冬胞子がある、と言う事は
何処か近くに夏胞子を発生させている樹木がある筈だ。
ナシ・リンゴ類とカイヅカイブキが隣接していて
両者の間を胞子が行ったり来たり
出来るからこそ赤星病が発生しているのだ。

ただ、この「隣接」と言うのが癖者で
別にすぐ近くに隣合っていなくても良いのだ。
一説には、そのカイヅカイブキを中心に
半径1kmの中にナシ・リンゴがあれば十分、との事。
それだけの距離があっても両者の間を
胞子が行ったり来たりが出来る、と言うのだ。
そのため、ナシ・リンゴを栽培している地方では
地域を挙げてカイヅカイブキを植えない様にしており、
あった場合は切除をし、徹底的に排除して
赤星病の発生を押さえているのだと言う。
 
うちのこのカイヅカイブキを中心に
半径1kmと言うと結構な広さだ。
その中にどれだけの家があって
どれだけの樹木が生えている、と言うのか。
その中のどれがナシ属の樹木なのだろうか。
そして、それをどうやって探せば良いのだろう。

一軒一軒回って「お宅に赤星病ありませんか?」
て聞いて回る、てのもなぁ。
赤星病の無い家で聞いてたら、それこそ不審者だよ。
万一その家にあっても
その人が赤星病の事を知らなかったらそれまでだし
知っていたとしてもやはり不審者だよなぁ。
そもそも、所謂「近所付き合い」と言う物を
全くと言って良い程にしていないのだ。
ご近所との距離感があり過ぎるよ。
何時何処で発生するかどうかも判らない植物寄生病の為に
半径1kmの住民と仲良くする、てのも変な話だしなぁ・・・・・・

今後、外を歩く際には
半径1kmの各家の庭木を注視しないとならない。
あまりジロジロ睨んで警察に通報されない様にしないとなぁ。
因みに、今年はそれを捜し当てる事は出来無かったよ。
また来年に期待しよう。

逆に、「お宅に冬胞子ありますか?]と
尋ねてくる人が居たら喜んで招き入れるんだけどなぁ。
その人とは美味い酒が飲めそうだよ(^−^)


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| 植物寄生菌 | 00:10 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
新たな食材?

 こちらはツツジのモチ病。
tsutsujimoti-20.JPG
Exobasidium japonicum と言う菌によって
ツツジやサツキの葉が肥大化する寄生病だ。

最初は緑色の塊だが
成熟すると白く粉が吹いた様になる。
tsutsujimoti-9.JPG
tsutsujimoti-11.JPG
この状態を餅に見立てたのが名の由来なのだろう。


多くはこの様に葉の一部が肥大化するが
tsutsujimoti-14.JPG
tsutsujimoti-15.JPG

時として葉全体が肥大化したり
tsutsujimoti-5.JPG
tsutsujimoti-2.JPG

枝先全体が肥大化する事もある。
tsutsujimoti-12.JPG
tsutsujimoti-16.JPG
tsutsujimoti-19.JPG
tsutsujimoti-7.JPG


個体によってはこの様に赤くなる事もあるが
tsutsujimoti-18.JPG
tsutsujimoti-13.JPG
tsutsujimoti-1.JPG
tsutsujimoti-10.JPG
tsutsujimoti-4.JPG
これは花芽が罹患してこうなった訳では無い。
こうした色の変化にどの様な意味があるのか
当方には判らない。
尚、花芽が罹患する事もある、との事だが
当方は今の所、そう言う状態に遭遇した事は無い。

こちらは表面がヒョウ柄の様になっている。
tsutsujimoti-8.JPG
何か別の菌に重複寄生されているのかも知れないなぁ。


そしてやがて枯れ、葉ごと落ちてしまう。
tsutsujimoti-17.JPG
tsutsujimoti-3.JPG
また来年、同じサイクルを繰り返すのだろう。

このツツジのモチ病も
東大阪時代には全く見かけなかったのだが
名古屋東部では毎年必ず発生している。
3年前は当たり年だったのか
それこそ、そこら中でモチ病だらけだった。
今年はそこまででは無い物の
見付けるのにさほど苦労をしない程度に
安定的に発生している。

葉を肥大化させる以外は特に害は無い様なのだが
とにかく見た目がよろしくないので
園芸家には嫌われている。


所で、このツツジのモチ病の罹患部は食べられる、と言う。
知り合いの父君が幼少期、
山野でおやつ代わりにしていた、と言う事だ。
また、日野巌著『植物怪異伝説新考』によると
滝沢馬琴の『兎園小説』に
「京都の洛西で近在の童子が"もちつつじの実”を食べていた」、
との記述があると言う。
モチツツジと呼ばれるツツジの一種はあるが
食べられる様な実はならない。
これはモチ病の事を指しているらしい。

なので、まずは野外でそのまま食べてみた。
梨の様な、シャクシャクとした食感が楽しい。
フルーツを食べる機会の少なかった時代、
こう言う食感は中々体験出来無かっただろうなぁ。
子供がおやつ代わりにしていた、と言うのも頷ける。
で、味は、と言うと・・・・・・
青臭いだけで美味しくも何ともない。
元々はただのツツジの葉なのだ。
美味しくないのは仕方無いだろう。

実は先の『兎園小説』では、先の記述に続いて
「甚だ苦い物だが、慣れで美味しく感じているのだろうか」とある由。
現代より食糧事情の良くなかった筈の江戸時代の感覚でも
やはり美味しい物では無かった様だ。
知り合いの父君によると
ヤマツツジのモチ病が美味しい、との事だが
それでも今食べて美味しい物な訳では無いのだろう。

でも折角ならもうちょっと工夫をして食べてみよう。
取り敢えず、一口大に切る。
tsutsujimoti-21.JPG

念のため、表面の殺菌の為に軽く煮てみる。
tsutsujimoti-22.JPG

それを氷水で良く冷やす。
tsutsujimoti-23.JPG

白蜜を掛けて食べてみる。
tsutsujimoti-24.JPG
と・・・・・・
 
湯通しした事でシャクシャクの食感が消えてしまっていた。
ただの弾力のある塊になっていた。
これは大失敗。
そして、口に入れた瞬間、蜜の甘みが広がる物の
噛むと広がる青臭さ。
蜜の甘みで青臭さが余計に際立っている。
これは不味い。あまりにも不味い。
飲み込む事を断念し、吐き捨てた・・・・・・

菓子や果物の乏しかった時代。
普段の食材と違う食感を味わえれば
味は別として、それはそれで十分楽しかったのだろう。
ただ、様々な美味しい物が何時でも食べられる現代に
わざわざ食べる物では無いなぁ。
食べる事が伝承されていない物には
矢張りそれだけの理由があるのだなぁ。

実は先の『植物怪異伝説新考』によると
明治25年6月に長野県伊那郡下藤村にて
8歳の女子がモチ病を食べ過ぎて
その為に死んだと言う報告がある、との事だ。
どれほど大量に食べたのかは書かれておらず
本当にモチ病菌が死因なのかも不明だが
あまり勧んで食べるべき物では無いのだろうなぁ。

先に書いた様に、ツツジのモチ病は時期になれば
名古屋東部ではかなり発生しているので
美味しい食材で無かったのはとても残念だ・・・・・・

 

 

※続きがあります。よろしかったらお読み下さい→こちら


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| 植物寄生菌 | 00:00 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
赤団子を求めて その5

「竹 寄生 黄色 キノコ」「赤衣病」等の
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例年、当方は赤団子病の観察を6月頃にしていた。
それはその時期には赤団子も十分大きく成長しているからなのだが
今年はふと思い立ち、そろそろどうかな?と
5月14日に様子を見に行った。
すると、丁度出発生し始めたばかりの個体に幾つも遭遇した。
akadango2013-3.JPG
akadango2013-7.JPG
大きい個体を見るのは勿論楽しいのだが
発生初期の物を見ておく、と言うのも悪くない物だ。

と、良く見ると、何となく表面が湿っている気がする。
akadango2013-1.JPG
akadango2013-8.JPG
これはひょっとして???と、舐めてみた。
甘い!
矢張りこの湿った感じは甘露の物だったのだ。

更に他を見てみると
甘露が水滴になっている個体が幾つもあった。
akadango2013-6.JPG
akadango2013-5.JPG
akadango2013-4.JPG
これも舐めてみると矢張り甘い。
100%では無い様だが
赤団子の発生初期は甘露が湧出しやすい様だ。

以前のblogでは「甘露を出している個体は驚く程少ない」と書いたのだが
実際には多くの個体が甘露を湧出していた様だ。
ただ、赤団子が十分に成長する迄の間に
雨に溶けて流れてしまうので
当方は今まで甘い赤団子に出逢っていなかったのだろう。

となると、『本草綱目』に「蜜より甘く、保存に耐える」とある様に
甘い食べ物として乾燥保存させる為には
発生し始めてから雨が降るまでの短い間で収穫しなければならない。
それだと画像の様な、とても小さな個体になってしまう。
これでは食べる所など殆ど無い。
しかも、甘いとは言っても、それもほんの微量だ。
舌先の一舐めで終わってしまう。

その点、成長後は「鶏卵大」の肉球菌なら
発生初期でもそこそこの大きさになる、と推察されるので
矢張り、『本草綱目』に「蜜より甘く、保存に耐える」とあるのは
赤団子では無く、肉球菌 ↓ の方では無いか、と思われてならない。

The MycoKey Mycelium blogより引用(→こちら

いやぁ、発生初期の物を見ておく、と言うのも
矢張りとても大事な事なのだなぁ。
勉強になった。


所で 今年になって当blogにアクセスが増えている検索語句に
「赤衣病」と言うのがある。
これは「メダケの赤衣病」の事だろう。
「メダケの赤衣病」とはメダケを始め、
多くの種類の竹笹に発生する寄生病の一種だ。
発生過程は以下の通り。

名古屋の場合、まず2〜3月頃
稈(茎の部分の事)にオレンジ色のマットな質感の点々が現れる。
akakoromo-1.JPG
これは赤衣病の冬胞子堆と言う、胞子の塊だ。

点が大きくなり、癒着して行く。
akakoromo-2.JPG

どんどん大きくなる。
akakoromo-3.JPG
更に伸張し、周囲が波打ち始める。

更に全体が波打つ様になる。
akakoromo-4.JPG
この頃には稈との隙間が空く様になる。

雨に遭うと全体がふやけ、更に波打つ様になる。
akakoromo-5.JPG
akakoromo-6.JPG
akakoromo-10.JPG
この頃には稈との隙間がは更に大きくなる。

5月頃になると隙間の空いた冬胞子堆の下の稈が
茶色い粉を噴く様になる。
akakoromo-7.JPG
akakoromo-8.JPG
これは夏胞子、と言う物だ。
植物寄生菌には季節に応じ
状態の違う胞子を形成する種類が多い。
赤衣病では冬胞子と夏胞子を形成する事が知られている。

冬胞子堆はどんどんふやけ、やがて脱落して行く。
akakoromo-9.JPG

最終的に夏胞子だけになる。
akakoromo-11.JPG
この夏胞子もやがて消えてなくなってしまう。
そして翌年、また冬胞子の点々から始まる。
ただ、冬胞子堆の成長具合には個体差があり
必ずグニャグニャに波打つ様になる、と言う訳では無い様だ。

因みに、検索語句の中には
「赤衣病 人的影響」と言うのもある。
庭先か何か、周辺に赤衣病が発生したので
人体に影響が無いか、心配になったのだろう。
実は当方、赤衣病を食べた事がある。
ただ粉っぽいだけで、味も特に無く
はっきり言って不味かった。
で、特にその後、何の影響も無かった。
食べた量が少なかったから、と言うのもあるだろうが
少なくとも毒では無いのだと思う。
なので、どうぞご安心下さいませ(^−^)


所で、『本草綱目』には
「竹蓐(ちくじょく)」として赤衣病の事が掲載されている。

  竹蓐(『食療本草』より) 『本草拾遺』の「竹肉」を併す。
   釈明:『本草拾遺』の「竹肉」。『本草綱目』の「竹菰」。「竹蕈」。
      時珍曰く、草が更生したものを蓐と言う。
      溽湿の気を得て成る也。
      陳蔵器の『本草』に竹肉とあるのはその味から也。      
   集解:詵曰く「慈竹林が夏の雨に逢い、
      滴汁が地に着きて蓐を生ず。
      鹿の角にて白色で可食」。
      蔵器曰く「竹肉は苦竹の枝上に生じ鶏子の如し。
      肉臠に似たり。大毒有り。
      灰汁を以って三度煮立てて煉し然る後、
      常の菜に依り茹でて之を食す。
      煉の不熟の者は人を戟して喉から出血し手の爪尽く脱す。
      別に功有り。人未だ之を識り尽くせず」。
      時珍曰く「これ即ち竹菰也。朽ちた竹根の節上に生ず。
      木耳の如し。紅色」。
      段成式の『酉陽雑組』に云う。「江准に竹肉有り。
      大きさ弾丸の如し。味、白樹鶏の如し」。
      即ち此物也。惟、苦竹に生ずる物のみ有毒なり

 以下、集解部分のみ翻訳

   集解:孟詵の『食療本草』には「慈竹が夏の雨に逢い、
      雨粒が地面に落ちて生えた物を蓐(ジョク)と言う。
      鹿の角に似た白い物で食べられる」と書いてある。
      『本草拾遺』には「竹肉は苦竹の枝に生えて、鶏卵の様だ。
      肉の切り身に似ている。大変な毒があるので
      灰汁で三度しっかり煮立てた後でないと食べてはならない。
      その処理が不充分だと刺激で喉から出血し、
      指の爪が全て剥がれてしまう。
      他にもあると思うが、まだ判らない事がある。」と書いてある。
      私が思うに、これは即ち「竹菰」の事である。
      枯れた竹根の節に生える、
      紅色のキクラゲの様な物である。
      段成式の『酉陽雑組』で「江准地方に竹肉がある。
      大きさは弾丸程で、味はシロキクラゲの様だ」
      と書いてあるのが即ちこれだ。
      ただ苦竹に生える物だけには毒がある。



だが、その記述内容には問題点・疑問点が幾つかある。
実は「竹蓐」の項には、
赤衣と赤団子の記述が混在している為に
様々な問題が生じてしまっているのだ。
情報の少ない時代、「竹に生える妙な物」として
両者が混同されてしまったのは仕方の無い事だろう。
偶然にも両者ともに赤系のの色合いである事も
関係してるかも知れないよなぁ。

で、問題な部分。
まず、「枯れた竹根の節に生える、紅色のキクラゲの様な物である」の記述。
赤衣病は生きている竹にしか発生しないので
「枯れた竹根」と言うのも疑問なのだが
それ以上に「キクラゲの様な物」と言うのが疑問なのだ
「紅色」は赤衣病の事を指している、と思われるだが
赤衣病は「キクラゲの様な物」と言えるのだろうか。

また、続いて「『酉陽雑組』で「江准地方(現在の浙江省)に竹肉がある。
大きさは弾丸程で、味は白樹鶏(シロキクラゲ)の様だ」
との記述も疑問がある。
「大きさは弾丸程」の「竹肉」とは赤団子の事を言っている、
と思われるのだが、「味はシロキクラゲの様だ」の部分が
現実の赤団子の味と相容れないのだ。
因みに、シロキクラゲ ↓ は文字通り白いキクラゲだ。
shirokikurage.JPG
通常のキクラゲと違う点は
画像の様に密集して塊になりやすい所。

以前書いたが、当方は赤団子を食べた事がある。
赤団子の味はシロキクラゲの味とは全く懸け離れている。
そもそもシロキクラゲは味は殆ど無い。
実際には見た目と食感を楽しむ物なのだ。
そして、先に書いたように赤衣は粉っぽいだけで不味く
シロキクラゲの味わいでは無い。
つまりこの部分の記述が現実とは全く即していないのだ。

「紅色のキクラゲ」に関しては
水分でふやけた冬胞子堆をキクラゲ、
もしくはヒメキクラゲ ↓ に見立てたのかなぁ、と
無理矢理推察したのだが
himekikurage.JPG
それでは無理矢理に過ぎるかもなぁ。

そして「味はシロキクラゲの様だ」の解釈に関しては
全くお手上げ状態だったのだ。
これは一体どう言う事なのかなぁ……


と、そんなある日。
BS日テレの『中国美食紀行』と言う番組を何気無く見ていた。
たまたまチャンネルを変えずに点けっ放しにしていたら
その番組が始まったので、そのまま見ていただけだったのだ。
 
その回は貴州省の赤水河流域の食文化を取り上げていた。
そこには「竹海」と呼ばれる広大な竹林があり
そこで採取される独自の食材に「竹の花」と言うのがある、と言う。
それがこちら。
chikuenka-W-1.jpg
(画像は四川省の情報サイト「麻辣社区」より引用→こちら

chikuenka-W-2.jpg
(画像は北京善康源清真肉食有限公司のサイトより引用→こちら

実は竹の寄生菌の一種で希少な食材だ、との事。
番組では「地域の珍しい食材」の一つとして
取り上げただけだったので、さらっと流してしまっていたのだが
当方はそれに大きな衝撃を受けた。

調べた所、赤水竹海は
32000平方キロに達する広大な竹林との事。
32000平方キロと言うと関東地方全域に相当する広さだ。
それだけの面積が、数種の竹で埋め尽くされている、と言うのだ。
そんな、想像を絶する広大な竹林には
独特な生態系があり、其処に独自の寄生菌が発生する。
それがこの「竹の花」との事だ。

シロキクラゲの様に見えないでも無い外見の竹類寄生菌があって
しかもそれが食用として流通している、と言うのだ。
番組ではどんな味わいかに就いては触れていなかったが
恐らく味云々では無く、食感を楽しむ物なのだろう。
それはシロキクラゲでも同じだ。
つまり、見た目も味わいもシロキクラゲの様な
『本草綱目』の記述を裏付ける様な物が実際にあったのだ。
これには衝撃を受けたなぁ・・・・・・

ただ、「竹の花」は正式な名称とは思えない。
色々調べた所、「竹の花」は通称の一つで
実際には「竹燕窝(もしくは「竹燕窩」)」(ちくえんか?)
と呼ばれているらしい。
これは「竹から採れるツバメの巣」の意味だ。
なるほど、確かに高級食材の、あの「ツバメの巣」みたいに見える。

中国語の解説を読んでみると
ある種の寄生虫が若竹の竹汁(樹液)を養分にしているのだが
吸い切れずに残った竹汁を栄養に菌が繁殖し
発生する、と言う物らしい。
今の所、人工栽培が出来ず、希少な食材、との事だ。
そして瓶詰めや袋詰め、生・乾物共に売られており
「竹燕窝」を利用したサプリ等もある様だ。
(商品紹介動画→こちら

尚、番組では「竹燕窝」は白色だったが
どうやら「竹燕窝」には白色の他に黒い物もあるらしい。
chikuenka-B-2.jpg
(画像は中国のサイト阿里巴巴より引用→こちら

画像検索をすると、白色系は枝上に発生しているが
黒色系は地面に発生している様に見える。
chikuenka-B-1.jpg
(画像は中国野生菌网のサイトより引用→こちら

個体差・系統差で色合いが違うのか、
発生環境が違う別種なのかは判らない。
そもそも、中国には「竹海」と名の付く場所が
何箇所もある様だ。
ひょっとしたら、その場所毎に系統や種類が違うのかも知れない。
ただ、それらは全て「竹燕窝」の名で食されている模様。

尚、「竹燕窝」の主要産地は
貴州省の赤水竹海と四川省の蜀南竹海、との事。
貴州省と四川省は隣同士。
どちらも長江の支流沿いにあるので
蜀南竹海と赤水竹海の竹燕窝は関係が深い、
もしくは同種なのかも知れない。
ただ、隣同士とは言え、とにかく広大な中国の事。
両竹海は直線距離でも800km以上ある。
日本の感覚で簡単に考えてはいけないかもなぁ。


さて、寄生菌であるからには菌類としての学名がある筈だ。
その学名を辿って色々調べたい、と探ったのだが
どう調べても学名が出て来なかった。
菌類としての研究がまだあまりされていないのだろうかなぁ。
少なくともweb上では情報が全く無い様だ。

出て来る情報は食材としての物のみ。
その中に、別名として「竹菌、竹花、竹據竹蓐」とあるが
実は「竹花」も「竹據廚癲竹蓐の別名だ。
そして「竹菌」は肉球菌の別名なのだ。
つまり「竹燕窝」は「竹蓐」や肉球菌と同じ物だ、
とされている訳なのだ。
で、それ以上の情報は本当に無い。

恐らく「竹の寄生菌で食べられる」と言う事で
全て一纏めにされてしまったのだと思われる。
それでは『本草綱目』の「竹蓐」の記述と何ら変わらない。
つまり、「竹燕窝」の情報に関しては21世紀の今でも
『本草綱目』の発刊された440年前と
内容に於いて全く変わっていない、と言う事になる・・・・・・

これは困ったなぁ。
竹燕窝の正体、生態を知りたいのに全く判らない。
まずは一度食べてみたいよなぁ。
必死で検索したが、
日本国内で中国食材を輸入販売しているサイトでは
扱っている所は見付からなかった。
発注して輸入して貰う、てのもハードル高いよなぁ。
欲しいのは一袋?一瓶?だけだしなぁ。

もっと言えば、竹燕窝が生えているのを実際に見てみたいなぁ。
それには当方が貴州省に行って探さないとならないなぁ。
関東平野に匹敵する広大な竹林を、
何処にあるのか判らない竹燕窝を求めて
さ迷い歩かなければならないのかぁ。
これはまた難易度が高い。

雲南省で肉球菌を探し
貴州省で竹燕窝を探さなければならない。
一体、中国に何年住み続ければ出来るのだろうか。
嗚呼・・・・・・

誰か、四川省か貴州省の人がこのblogで見ていてくれないかなぁ。
四川省か貴州省に知り合いが居る人が
このblogを読んでいてくれていて
連絡を取ってくれるのでも良いけど・・・・・・
もしくは、このblogを読んで下さっている方で
竹燕窝をお持ち、または何か情報をご存知でしたら
ぜひご一報下さいませ


しかし、『中国美食紀行』の番組制作者が何十、何百人で、
視聴者が何万人居たのかは知らないが
見ていて驚天動地の衝撃を受けたのは
恐らく当方一人だけだろうなぁ。

それにしても中国とは奥深く底知れない、恐ろしい国だ・・・・・・


※前篇・続編も併せてお読み頂けましたら幸いです
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赤団子を求めて その4
※アーカイブスが末尾にありますので併せてお読み頂けましたら幸甚です。

「古本まゆ」さんに伺った所では
昨年のA公園での赤団子の発生確認は8年振りとの事。
当方が名古屋に転居したのは4年前。
そりゃぁ、ずっと見付からなかった筈だ。
去年のタイミングで発生してくれたのは
色々と有り難かったけどね。

さて、今年の発生はどうなのだろう。
A公園へ様子を見に行った所、
昨年の発生場所は綺麗に伐採されていた。
akadango120630-3.JPG
此処は向こう側が見えない程に竹が密生していたが
見事にすっからかん。
公園だと、造成されて家が建つ事はまず無いが
こう言う事があるから困ったもんだ・・・・・・

それでも周囲を探し回った所、2つの個体を発見。
akadango120630-1.JPG
akadango120630-2.JPG
オレンジ色の分生子塊が、こんなに大きな個体は初めて見たなぁ。
集中発生場所が刈り取られてしまった所為もあってか
結局この2個体しか確認出来無かった。


続いてB公園へ。
すると、昨年の発生個体がまだ残っていた。

勿論、組織は死んでしまっている。

B公園も探し回っても中々赤団子は見付からない。
散々探して、幾つか発生している一角を発見。
akadango120630-5.JPG
akadango120630-4.JPG
akadango120630-6.JPG
それでも去年の発生数からするとかなり少ない。
感覚的な単純計算で30〜50分の1くらいかな。

思うに、名古屋に於いては
普段の年の発生数は実はこれくらいなのかも知れないなぁ。
目立たず、地味にこっそりと発生していて数年を過ごし、
何かのタイミングで大発生をするのかもなぁ。
名古屋の場合は、それが「8年」と言う単位なのかも知れない。
取りあえず今から7年後を楽しみにして置こう。
勿論これからも毎年探索は続けるけどね。

実は今年になって当blogへ
「赤団子」の語句検索でのアクセスが増えている。
と言う事は、何処かの地域では
赤団子の発生が目立っているのかも知れない。
それが名古屋から北上しているのか南下しているのか
またはランダムに発生しているのか気に掛かる所。
当blogへ来られた方のお住まいの地域に興味がありますので
コメントにてお知らせ頂けましたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願い致します m( _ _ )m


所で当方、今年の春に再度香港へ旅行をした。
そして生薬の問屋で捜し物をした。
前回は自分で紙を書いて持っていったが
今回はより正確を期する為に、こんな本を持っていった。
akadango120630-10.jpg
前回、フリップを書くに当たって参照した
『中国の薬用菌類』の原著、『中国药用真菌』だ。

そして探したのはこの「肉球菌」と言う物。
学名は Engleromyces goetzei 。
和名は無いが、漢名がそのまま和名になるのかな?
akadango120630-11.JPG
akadango120630-12.JPG
 中国の生薬紹介サイト→こちら
 英語の画像付きサイト→こちら


生態や形態は赤団子病に似ているが
赤団子病は大きくても直径2〜3cmなのに対して
肉球菌は6〜10cmにもなる、と言う。
何よりも違う点は
赤団子はマダケ属(Phyllostachys)
及びホウライチク属(Bambusa)に発生するのだが
肉球菌はSinarundinaria属の竹(→こちら)にしか発生しない、と言う事。
Sinarundinaria属の竹は日本には自生しておらず和名も無い。
そのため、肉球菌は日本では見る事がまず出来無いのだ。
更に、肉球菌は雲南省方面でしか発生していないらしい。

過去の記事で当方は『本草綱目』での
赤団子の記事について少し触れた。
その時には詳しく書かなかったが
『本草綱目』の記述には幾つかの疑問点・矛盾点がある。
中でも赤団子の大きさを「鶏卵大」としている点を
後世の学者達は「ただの誇張表現」と軽く流しているが
当方はこれを「赤団子と肉球菌を混同した結果」と考えたのだ。

また、赤団子について『本草綱目』では
「甘さは蜜に勝る」としているが
当方が実際に赤団子を食した所では
甘露を分泌している個体以外は
そこまで甘い物では無かった。
そして甘露を分泌している個体は驚くほど少なかった。
それは日本と中国の赤団子菌の系統の違い、とも考えられるが
これも「赤団子と肉球菌を混同した結果」なのかも知れない。
肉球菌が赤団子に比べて甘露を分泌する事や
量が多かったらその裏付けともなる。

また、鶏卵大と言えばかなりの食べでもある。
しかも乾燥させれば長期の保存も利く。
そんな物を他人に盗られたく無いから
恐ろしい強毒があるのだ、と嘘の報告をした、とも
考えられるかも知れないよなぁ。

そして肉球菌は赤団子と同様の効用を持つ生薬として
利用される、と言う。
その点も両者が混同される原因かも知れない。
その辺りを肉球菌の実物を入手して確認してみたいのだ。


取り合えず手当たり次第に生薬問屋に入り
例の本を広げ、肉球菌を指して
「Do you have this one ?」と尋ねる。
akadango120630-7.JPG
すると「No」と言われたり、無言で首を振られたり。
ついでに赤団子を尋ねるが同じ返答。
二十件以上は尋ね回ったが何処にも無い。
やはり冬虫夏草やツバメの巣みたいに
換金性が高くないから扱っている店が無いのだなぁ。

最後の期待を託してこの店に。
akadango120630-8.JPG
akadango120630-9.JPG
店の外に溢れる様々な乾物。
見るからにゲテモノ臭漂う怪しい雰囲気。
此処ならあるか!?
期待を込めて中に入り
商品の仕訳をしていたお兄さんに肉球菌を指して尋ねる。
が、やはり「No」の返答。
此処にも無い、となると
肉球菌は生薬としては流通していないのかもなぁ。
うーん、残念だ。

次に赤団子のページを見せて尋ねると
うんうん、と頷いて店の奥へ行き、これを持ってきた。
akadango120630-13.JPG
これは前回と同じ袋だ。
前回買った店が「永生行批發有限公司」だったので
丸に永の字のマークかと思っていたのだが
どうやらそうでは無く
永の字をトレードマークにした中国生薬界に冠たる
一大流通グループがあるみたいだなぁ。
その業界・世界に居ないと
知らない事、判らない事が色々あるもんだ。

因みに、一袋80香港$。
前回は70香港$だったので少し値上がりしている。
生薬の世界では欧米を巻き込んでの
資源の奪い合いが激化しているらしいので
今後、赤団子も高騰してしまうのかなぁ。
赤団子から何かの特効薬が開発されない事を祈って置こうw

それはともかく、肉球菌が入手できなかったのは残念だった。
当方の推論を裏付ける事が出来なかったなぁ。
その後調べた所では中国の生薬の流通情報サイトを見ても
肉球菌に関する情報は殆ど無く
取引実績を見付ける事は出来なかった。
やはり流通している物では無いのかなぁ。
となると、当方が直接雲南省に行って
探さなければならないのかなぁ。
幾ら何でもそれはちょっとなぁ・・・・・・

当方のblogを雲南省の人達が読んでいてくれないかなぁ。
そして「肉球菌ならウチの竹藪に生えてるよ〜」
とか教えてくれて、送って来てくれないかなぁ。
雲南省に知り合いが居る人が
このblogを読んでいてくれていて
連絡を取ってくれるのでも良いけど・・・・・・
もしくは、このblogを読んで下さっている方で
肉球菌をお持ち、または何か情報をご存知でしたら
ぜひご一報下さいませ。


とにかく、もうこれは神頼みするしか無い。
キノコヌシ様ぁ・・・・・・(-人-) ナム〜



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赤団子を求めて その3

今年を振り返るに……

6月になり、名古屋も梅雨に入った。
すると、名古屋市東部の古本まゆさん(→こちら)から
某所(以下「A公園」と表記)にて
赤団子病発生の知らせを頂いた。
当方が名古屋に転居して以来初めてだ。
とすると5年振り位の発生なのだろうか。
遂に!やっと!名古屋でも赤団子が発生してくれた。
これは是非見に行かなくては。
早速現地へ向かう算段をする。

と、その前に。
兼ねてから目を付けていた
別の某所(以下「B公園」と表記)へ向かう。
昨年、Discomaniaさんから発生を教えて頂き
京都まで現場を見に行って以来、
名古屋市内にもそれらしい場所は無いか、と
似た感じの環境を探し、
とある場所に見当を付けていたのだ。


そのB公園に到着。
早速藪に分け入り、あちこちを探してみる。
すると、あった。
mk-0607-1.JPG
mk-0607-2.JPG
思った通り、此処は発生しやすい環境だったのだ。
狙い通りに見付かったので
嬉しくなってしまった。
やはり現場を知る、と言うのは
何よりも重要な事なのだなぁ。

この場所の個体は
昨年京都で見た物より全体的に小さい感じ。
mk-0607-4.JPG
mk-0607-5.JPG
mk-0607-7.JPG
これは環境の違いによるのか
寄主の竹、もしくは
赤団子菌の系統の違いによる物なのかは不明。

あまり固まって発生はしていないが
敷地内を探すと全体としては結構な量になる様だ。
mk-0614-1.JPG
mk-0614-2.JPG
100個体以上は優にあるのではと。
って、全くのあてずっぽうだけどw


とある個体を見ると、
脇からなにやら透明な液体が出ている。
そして、それにアリがたかっている。
mk-0607-3.JPG
mk-0607-3@.JPG
そう言えば「赤団子は甘露を分泌する」と
書いてある資料もあったっけなぁ。
すると、これがその甘露なのだろうか。
早速、枝先にすくってその液体を舐めてみた。 

あ、甘い!滅茶苦茶甘い!
白蜜その物の味。
正にこれは甘露だ!
『本草綱目』等にあった「味は蜜に勝り」と言うのは
これの事を言っているのだったのか。
中国の事だから「白髪三千丈」的に
大袈裟に記述されているかと疑っていたのだが
間違いでは無かった様だ。
昨年の記事(→こちら)で
「わざわざ採取する程の物では無い」と書いたが
これだけ甘いのであれば
わざわざ採取する必然性は十分にある。
赤団子を食べた時、最初に一瞬感じるほのかな甘みは
これが元になっていたのだなぁ。


それにしても、
何故赤団子病は甘露を分泌するのだろう。
植物の例で言えば
蜜で虫を引き寄せる事によって
花粉の散布を担わせたり、
又は、アリに餌を提供する事によって
他の害虫から植物本体を守って貰う、等の例がある。

しかし、この個体は比較的発生初期の様で
まだ胞子を散布していないと思われるので
胞子の飛散を手伝っている訳では無さそうだ。
また、赤団子を食害する昆虫を
この蜜を供給する事によって
防いで貰っている訳でもなさそうだ。

そもそも、当方は昨年今年と
数多くの赤団子病の個体を見て来たのだが
その中で甘露を分泌していたのは
この個体だけだ。
甘露の分泌によって蟻に重要な任務を負わせるには
あまりにも例が少な過ぎる。

元々赤団子病の情報自体が多くない中、
webで検索しても甘露の情報は全くhitしない。
赤団子病の中でも甘露の分泌自体が
実際にはあまり多くない現象なのかも知れない。
そうなると、ますます甘露の分泌理由が判らないなぁ。

甘露を分泌する事に
赤団子側のメリットがあまり思い当たらない、
と言う点から想像するに
赤団子が成長するに当たって
竹の樹液を吸収、分解して行く際に
排出される物がたまたま甘露になってしまう、
と言う事なのだろうかなぁ。
積極的に生成する物では無いからこそ
分泌する個体も量も少ないのかも知れない。
当方が遭遇した例では
赤団子本体からでは無く
周縁部から発生していた、と言うのも
その場所が、竹の稈内での赤団子の菌糸の
最前線基地に近いからだ、と考える事も出来る。
竹の樹液の状態や流通量、
そして赤団子菌の伸張度合いや旺盛さの兼ね合いで
甘露が分泌されるかどうかが決まるのかもなぁ。
だから甘露の分泌例が多くないのかも知れないなぁ。
わざわざ記事にしているくらいだから
ひょっとしたら中国の赤団子は
甘露の分泌が多い系統なのかも知れない。
勿論、DNA的に同一種なのかどうかも問題だけど。
ま、たった一例の観察から推論するのは
乱暴な話だけどね。


他には、橙色の物体を纏っている個体も結構見掛けた。
mk-0607-6.JPG
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mk-0705.JPG
これは分生子塊との事。
他のキノコでも、未熟な時代には無性生殖の分生子を放出し
完熟したら有性生殖の胞子を放出する、と言うのは少なくないので
赤団子病もそのタイプなのだろう。
とは言え、分生子塊を噴出していない個体の方が遥かに多い。
その個体差に何か意味があるのだろかなぁ……



その後、古本まゆさんに教えて頂いたA公園へ移動。
少し探して発見。
it-0607-1.JPGit-0607-4.JPG
it-0607-5.JPG
it-0607-6.JPG
A公園、と言う大まかな場所しか聞いておらず
広大な敷地の中から
ピンポイントで探し出せるか不安だったが
ヤマ感が当たったとは言え
ちゃんと見付けられた自分を誉めてあげたいw


A公園では範囲は広くないが、割と密集していた。
it-0614-2.JPG

また、A公園には大きな個体が幾つもあった。
it-0614-1.JPG

個体が大きいと分生子塊の放出具合も派手な様だ。
it-0607-7.JPG
全体的にA公園の個体はB公園のに比べるとかなり大きい。
それが先の様に環境の違いに因るものか
寄主の竹、又は赤団子菌の系統の違いに因る物かは判らない。
これだけ大きかったら、さぞ食べでがあるだろうなぁ
勿論食べないけどw


所で、この大きな個体を良く見たのだが
甘露は分泌していない様だった。
周辺の他の個体も同様だった。
甘露の分泌は子実体本体の旺盛さとは関係が無いのだろうかなぁ。
益々持って不思議だ。
 

その後、A公園敷地内の北部でも別の発生場所を発見。
it-0627-1.JPG
今年の名古屋東部は
赤団子病の当たり年だったのかも知れないなぁ。
となると、他の地域では
どうだったのかが気になる所だ。



A公園の1週間後の様子。
大きな個体は成長も早く、既に色が黒っぽくなって来た。
また、個体の表面全体が分生子塊に覆われる様になった。
it-0621-1.JPG
it-0621-2.JPG
有性生殖と同時に無性生殖もしている訳なのだろうか。
何だか良く判らないなぁ……

更に2週間後。
組織は既に死んでいる模様。
it-0627-2.JPG

更に1週間後。
完全に死んでいる様で、全体に黒くなっていた。
it-0705-1.JPG
it-0705-2.JPG
他の小さな個体はまだまだ元気だったが
大きな個体は成長速度が桁違いだった。

こちらは上の個体が雨を受けてふやけた物。
it-0721.JPG
ふやけると幾分か赤みを取り戻す様だ。
とは言え、もう胞子を放出する事は無いだろう。

その後A公園は夏草が旺盛になり
赤団子の発生地帯が完全に覆われてしまった。
なのでA公園での経過観察は約1ヶ月あまりで断念……


こちらはB公園。
最初に観察してから約一ヵ月半後。
此処でも個体の組織は既に死んでいた。
mk-0721.JPG
mk-0805.JPG
mk-1028-2.JPG
小さな個体でも、その寿命は凡そ一ヶ月程度の様だ。

こちらはとある個体の4ヵ月後の様子。
mk-1014-2.JPG
あまり様子は変わっていない。
組織が死滅すると、そのままかなり長く残存する様だ。


最終的にどうなるのか、
剥落、脱落するとしたらどのタイミングでか、を観察する為に
6月の発生当初からずーっ撮影し続けていた個体があったのだが
草刈に遭って、その枝が切り払われてしまった。
残念……

なので、試しにまだ残っていたとある個体を剥がしてみる事にした。
mk-1014-3.JPG

赤団子病自体が堅いので手応えはあったが
比較的簡単に剥がれた。
mk-1014-4.JPG

貼り付いていた部分を見ると、殆ど痕跡も残っていない。
mk-1014-5.JPG
見た感じでは赤団子病の菌糸は
他の寄生病に比べると稈自体を殆ど損傷していない様だ。
また、結構簡単に剥がれた事からすると
稈と赤団子の結合はあまり強くない様だ。
発生頻度も高くない事からしても
赤団子病は病原性と言う点ではあまり強くない様だ。


最後はこんな感じになるのだなぁ。
どの資料にもこんな事は載っていなかった物なぁ。
経過観察が出来たのも
地元で発生してくれたからこそだ。
有難い事だなぁ……


2009年は香港で赤団子の実物を入手出来た。
2010年は京都で赤団子の発生状況を見る事が出来た。
そして2011年は名古屋市内で
赤団子病の経過観察をする事が出来た。
甘露を味わう事も出来た。
段々に赤団子病の真実(?)に
迫って来れているのが嬉しい。

さて、来年も赤団子は発生してくれるのか、
また甘露を分泌してくれるのか。
そして来年は赤団子病及び
赤団子病を取り巻く諸相に何処まで迫れるのか。
今後が楽しみで仕方無い。


※前編・続編も併せてお読み頂けましたら幸いです
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