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血管

こちらの画像はキクラゲ。
kikurage-11.JPG
kikurage-12.JPG
中華料理の材料に使われるアレである。
このキクラゲと、近縁種のアラゲキクラゲは
各種の広葉樹の枯死部分から発生するので
フィールドではとても良く見掛ける種類だ。

こちらはアラゲキクラゲ。
aragekikurage-2.jpg

キクラゲとの違いは表面が短毛の絨毯の様な質感になってる点だ。
aragekikurage-1.jpg
キクラゲに比べると大きく厚くなりやすいらしく
市販の栽培キクラゲはアラゲの方が多い様だ。
キクラゲに比べて歯応えがあるのも
多く栽培されている要因かも知れない。

東大阪時代はアラゲキクラゲの方を良く見掛けたのだが
名古屋ではアラゲでは無い方のキクラゲを良く見掛ける。
こんな所にも地域による環境の違いが表れている様だ。

所でキクラゲは色、形の個体差がとても大きい。
こちらは一般的な色と形のキクラゲ。
kikurage-9.JPG
耳の様な形をしている。
漢字で書くと「木耳」と言うだけの事はある。
最初に揚げた画像の個体とはかなり色合いが違っている。

こちらは洋コマ型。
kikurage-1.JPG

それが成長するとラッパ型になる様だ。
kikurage-4.JPG
kikurage-5.JPG
kikurage-6.JPG
底面は矢張りキクラゲ独特の凸凹が。


こちらは耳型が密生している。
kikurage-7.JPG
kikurage-8.JPG
野生状態で此処までひしめき合っているのも
ちょっと珍しいかも知れない。

こちらは耳型個体のやや老菌。
kikurage-13.JPG
裏側の凸凹が激しいタイプの個体の様だ。

こちらは耳型の個体の老菌。
kikurage-10.JPG
かなりふやけた様な外見だ。
裏側の凸凹が表に透けて見えている。


この様にキクラゲは色々な系統に分かれている。
DNA的に、本当に全てキクラゲなのかどうかは
勿論当方には知る由も無い。
先にも書いた様に、フィールドでキクラゲに遭遇する機会は多いが
系統の違うキクラゲが同じ枯れ木に混生しているのには
今の所出逢った事が無い。
色・形の違うキクラゲが混生している状態の物を
是非一度は見てみたい物だ。


キクラゲはゼラチンの塊の様な質感だ。
断面を見ても肉眼では判らない為に忘れ勝ちだが、
当然生物なので、内部は各種の組織に分かれている。
それを思わせてくれるのがこちらの画像。
kikurage-14.JPG
kikurage-15.JPG
kikurage-16.jpg
表面のシワが血管の様に見える。
多分、青筋立てて怒っている訳では無いと思うw
これが本当に血管に当たる部分なのかどうかは知らないのだが。

更にこちら。
殆ど溶けた状態の老菌。
kikurage-19.JPG
kikurage-20.JPG
kikurage-21.JPG
kikurage-22.JPG
組織が透明になった為に内部に管が見える。
これこそが血管に当たる部分なのでは無いのかなぁ。
それが縦横無尽に走っていて、基部から栄養を行き渡らせ
キクラゲ全体を成長させているのだろう。

キクラゲも生物なのである、と言う当たり前の事を
改めて感じる事が出来た出逢いだった。

それにしても、キクラゲの残骸と言うと
通常はこの様にドロドロに溶けたり
kiurage-23.JPG

干乾びてカピカピになるのだが
kiurage-24.JPG
kiurage-25.jpg
組織が透けて内部構造が見えてしまっているのだからなぁ。
こんな崩壊の仕方もあるのだなぁ。
実に不思議な光景に出逢った物だ。


所で、最初に書いたがキクラゲは各種の広葉樹に発生する。
だが、当方は以下の様な個体に遭遇した。
kiurage-28.JPG
ご覧の様に腐朽しつつある孟宗竹から発生している。
枯れて古くなった竹からは
広葉樹の枯れ木のキノコが発生する事が少なく無いが
「竹からキクラゲ」に遭遇したのでびっくりしてしjまった。

そしてこちらの画像。
kiurage-26.JPG
kiurage-27.JPG
ご覧の様に松の丸太から発生している。
先に記述した様にキクラゲは広葉樹から発生する種類だ。
「え゛???」と思ったので良く良く観察したのだが
どう見てもキクラゲだった。
何かの加減でたまたまこの松の木に生えてしまったのだろう。
こんな事もあるのだなぁ・・・・・・
「松からキクラゲ」なんて更にびっくりだ。
こうなったら「梅からキクラゲ」の画像も欲しい所だよなぁ。


それにしても実に奇妙な光景に出逢ってしまった。
生物の不思議を改めて感じさせられた。



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| キクラゲ類 | 00:55 | comments(12) | trackbacks(0) | pookmark |
ぷにぷに

 こちらの画像はタマキクラゲ。
文字通り、球状をしたキクラゲの仲間だ。

直径6〜7mmの細い小枝に
まるで取って付けた様に発生していた。

こちらは更に細い、直径5mm程の小枝に発生していた物。


こちらは直径1cm程の小枝。

キクラゲは枝が太かろうが細かろうが
手当たり次第に発生するのだが
タマキクラゲは何故か
比較的細い枝からしか発生しない。

こちらは比較的太い、直径3cm弱の枝。




こちらは鈴なりの個体。


逆光を受けてまるでイルミネーションの様に見える。

こちらもやや太い3cm程の枝に群生していた個体。

こちらも鈴なりだ。

こちらは1cm弱の小枝に密生していた小さな個体群。
乾燥気味なので全体に萎んでいる。


ややもするとカイガラムシに見えてしまう(→こちら)。

当方が見た範囲ではぽつんぽつんだったり
並んで発生している事が多いが
時としてこの様に密生して押し合いへし合いになる事もある。



こちらは密生した上に、かなり干乾びてしまっている個体。

こうなると、近縁のヒメキクラゲとの区別が付き難い。


たが、どんなに密着しても融合しないのが
タマキクラゲの特徴の一つ。
それに対してヒメキクラゲは
全体が融合していて一つの個体になっている。
なので、良く観察をすれば両者の違いが判る。

こちらは更に干乾びた個体。
枝にペタッと張り付く程に薄っぺらくなってしまっている。


これが雨を受けて水分を吸収すると
元の様に丸い形に戻る、との事。

こちらは老熟した個体。
ブヨブヨになって溶けかけている




こちらは溶けかけた固体が干乾びかけている物。

はっきり言って気持ち悪いw

先にも書いたが
キクラゲは細枝だろうが丸太だろうが
手当たり次第に発生するのだが
タマキクラゲはなぜか細い枝からしか発生しない。
同じ素材で出来ているのだから
どちらから発生しても良さそうな物なのだが
太い枝からは発生出来ない理由が
何かそこにはあるのだろう。

視覚的に言えば、細い枝と太い枝は
心材、辺材と樹皮のバランスが違うのだが
それがタマキクラゲの発生に何か影響を与えているのだろうか。
それとも、例えばラムとマトンが違う様に
細い枝が太い枝になる際に
何か失われてしまう、若しくは
逆に何か生成される成分があって
それがタマキクラゲの成長に
関係しているのだろうか。
とにかく良くは判らないが
何か目に見えない理由があるのだろうけどなぁ。


因みに、タマキクラゲは食べられる。
なので、試食してみる事にした。

一見一塊に見えるが、枝から外すとバラバラになった。

先にも書いたが、どんなに密着しても融合しないのが
タマキクラゲの特徴だ。

インスタント味噌汁を使用し調理。

汁の中に丸いタマキクラゲが浮いているのはちょっとシュールw

キクラゲはコリコリとしているが
タマキクラゲはぷにぷにとしている。
味は特に無いので、食感を楽しむ素材だろう。

色さえ気にしなければ、デザートにも使えそうだ。
黒蜜をかけても美味しそうな気がする。
今度新鮮な個体に出逢えたら試してみようかな。



所で、「タマキクラゲ」の事を考える時、
当方は頭の中でどうしても
「タマキ クラゲ」と変な所で分けてしまう。
そして、「玉木くらげ」と言う名前の芸人を想像してしまう。

いかにも売れない芸人、と言った感じの芸名だなぁ。
テレビには全く出ず、寄席中心なのだろうな。
それも末広亭みたいな格の高い小屋では無く
温泉地の場末の演芸場が似合いそうだ。

以前、「たこ八郎」と言う芸人がいた。
今は「さんま」「くじら」と言う芸人が居る。
なので是非「くらげ」で競演して欲しいなあ。

誰か是非「玉木くらげ」で芸人デビューしてくれないかなぁ
「キノコ漫談」をするのだったら是非ブレーンとして雇って欲しい。
少しはネタを提供出来ると思うのだけどw

芸名の使用料は頂きませんので
誰か是非「玉木くらげ」でデビューして下さいw



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| キクラゲ類 | 01:03 | comments(9) | trackbacks(0) | pookmark |
何故に「ツノ」?
画像はツノマタタケ。
2005/07/10、滋賀県栗東市内にて撮影。


名の由来は、海草のツノマタに形状が似ているから、との事(→こちら)。
海草のツノマタの名の由来は良く判らないが
形状が「叉状の角」と言う事なのだろうか。

湿った枯れ木から発生するキノコで
昔は風呂場のスノコから良く発生していた、との事。
だが、近年では木のスノコ自体が少なくなったので
そう言う状態を目にする人も中々居ないだろう。

海草のツノマタは食用にされているが
ツノマタタケは一般には不食とされている。
だが、実は食用になる、との事。
恐らく「毒」なので不食、なのでは無く
とても小さなキノコの為、収穫するのは大変なので
食用に向いていない、と言う事なのだろう。

ツノマタタケはキクラゲの仲間だ。
恐らく、キクラゲ同様、特に味は無いと思われる。
食べるにしても、色と歯触りを楽しむ為のキノコだろう。
上の画像の個体は
ペンキで塗り固めた様な木のテーブルから発生していたので
とても食べる気にはなれないが。
風呂場のスノコに生えているツノマタタケを食べたら
食物連鎖の様な、何となくリサイクルで
面白いかもなぁ……


こちらの画像はツノフノリタケ。
2007/06/30、京都市内にて撮影。

こちらは2008/06/23、名古屋市内にて撮影。

図鑑には上の2つの画像の様な個体が掲載されているが
フィールドでは下の画像の様に
枝が分岐している個体も少なくない様だ。


こちらは2007/06/01、東大阪市内にて撮影。

ツノフノリタケの名は
海草の「フノリ」から来ている、との事(→こちらは「マフノリ」)。
このキノコが乾燥すると、フノリのような外見になり、
そして、角の様に尖っているから、の由(『きのこの語源方言辞典』より)。
「ツノマタ」と違って
「ツノフノリ」と言う海草は無い様だ。

海草のフノリは食用にされているが、
ツノフノリタケが食用かどうかは不明。
これもキクラゲの仲間なので
食べられる可能性は高いだろう。
だが、これもとても小さいキノコなので
収穫する手間が大変そうだ。
しかも、地味な色合いなので
調理すると他の食材に埋もれてしまいそうだ。
「労多くして益少なし」と言った感じだろう。


所で思うに、ツノフノリタケは
代表的なフノリの「マフノリ」より
「フクロフノリ」の方に外見が似ている(→こちら)。
「フノリ」には幾つもの種類があるが
「マフノリ」も「フクロフノリ」も共に
「フノリ」として利用されている、との事。
なので、「ツノフノリタケ」の「フノリ」は
実は「フクロフノリ」の方をイメージしていたのかも知れない。
色合い、形状からして
そちらの方が近いと思うのだが、どうだろうか。


「ツノマタタケ」は「ツノマタ」に似ているので、そう命名された。
だが、「ツノフノリタケ」は
「フノリタケ」でも「フクロフノリタケ」でも無く
何故か「ツノフノリタケ」になった。

敢えて「ツノ」を付けた、命名者の意図は何なのだろうなぁ……



※「フクロフノリ」を「ツノフノリ」と言う呼び方を
 する場合、又は地域があるのかなぁ、と推察して
 色々探したのですが、見付けられませんでした。
 もし、そう言う実例をご存知の方が居られましたら
 是非ご一報下さい。
 

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| キクラゲ類 | 00:56 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
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