こちらの画像はキクラゲ。
中華料理の材料に使われるアレである。
このキクラゲと、近縁種のアラゲキクラゲは
各種の広葉樹の枯死部分から発生するので
フィールドではとても良く見掛ける種類だ。
こちらはアラゲキクラゲ。
キクラゲとの違いは表面が短毛の絨毯の様な質感になってる点だ。
キクラゲに比べると大きく厚くなりやすいらしく
市販の栽培キクラゲはアラゲの方が多い様だ。
キクラゲに比べて歯応えがあるのも
多く栽培されている要因かも知れない。
東大阪時代はアラゲキクラゲの方を良く見掛けたのだが
名古屋ではアラゲでは無い方のキクラゲを良く見掛ける。
こんな所にも地域による環境の違いが表れている様だ。
所でキクラゲは色、形の個体差がとても大きい。
こちらは一般的な色と形のキクラゲ。
耳の様な形をしている。
漢字で書くと「木耳」と言うだけの事はある。
最初に揚げた画像の個体とはかなり色合いが違っている。
こちらは洋コマ型。
それが成長するとラッパ型になる様だ。
底面は矢張りキクラゲ独特の凸凹が。
こちらは耳型が密生している。
野生状態で此処までひしめき合っているのも
ちょっと珍しいかも知れない。
こちらは耳型個体のやや老菌。
裏側の凸凹が激しいタイプの個体の様だ。
こちらは耳型の個体の老菌。
かなりふやけた様な外見だ。
裏側の凸凹が表に透けて見えている。
この様にキクラゲは色々な系統に分かれている。
DNA的に、本当に全てキクラゲなのかどうかは
勿論当方には知る由も無い。
先にも書いた様に、フィールドでキクラゲに遭遇する機会は多いが
系統の違うキクラゲが同じ枯れ木に混生しているのには
今の所出逢った事が無い。
色・形の違うキクラゲが混生している状態の物を
是非一度は見てみたい物だ。
キクラゲはゼラチンの塊の様な質感だ。
断面を見ても肉眼では判らない為に忘れ勝ちだが、
当然生物なので、内部は各種の組織に分かれている。
それを思わせてくれるのがこちらの画像。
表面のシワが血管の様に見える。
多分、青筋立てて怒っている訳では無いと思うw
これが本当に血管に当たる部分なのかどうかは知らないのだが。
更にこちら。
殆ど溶けた状態の老菌。
組織が透明になった為に内部に管が見える。
これこそが血管に当たる部分なのでは無いのかなぁ。
それが縦横無尽に走っていて、基部から栄養を行き渡らせ
キクラゲ全体を成長させているのだろう。
キクラゲも生物なのである、と言う当たり前の事を
改めて感じる事が出来た出逢いだった。
それにしても、キクラゲの残骸と言うと
通常はこの様にドロドロに溶けたり
干乾びてカピカピになるのだが
組織が透けて内部構造が見えてしまっているのだからなぁ。
こんな崩壊の仕方もあるのだなぁ。
実に不思議な光景に出逢った物だ。
所で、最初に書いたがキクラゲは各種の広葉樹に発生する。
だが、当方は以下の様な個体に遭遇した。
ご覧の様に腐朽しつつある孟宗竹から発生している。
枯れて古くなった竹からは
広葉樹の枯れ木のキノコが発生する事が少なく無いが
「竹からキクラゲ」に遭遇したのでびっくりしてしjまった。
そしてこちらの画像。
ご覧の様に松の丸太から発生している。
先に記述した様にキクラゲは広葉樹から発生する種類だ。
「え゛???」と思ったので良く良く観察したのだが
どう見てもキクラゲだった。
何かの加減でたまたまこの松の木に生えてしまったのだろう。
こんな事もあるのだなぁ・・・・・・
「松からキクラゲ」なんて更にびっくりだ。
こうなったら「梅からキクラゲ」の画像も欲しい所だよなぁ。
それにしても実に奇妙な光景に出逢ってしまった。
生物の不思議を改めて感じさせられた。