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スミレかカミか
こちらの画像はスミレウロコタケ。
sumireuroko (1).JPG
文字通り、スミレ色をしたコウヤクタケの仲間。
コウヤクタケはその名の通り
膏薬のように樹木に張り付いた形で発生するキノコの総称。
コウヤクタケの仲間の多くは白かったり褐色系だったりで
目立たない事が多いのだが
中には色鮮やかで遠目にも目立つ種類があり
このスミレウロコタケもその一つ。
sumireuroko (2).JPG
sumireuroko (3).JPG
この様にとても良く目立つ。

ただ、色合いには個体差がとても大きく
褐色が混じっていたり、ほとんど褐色の個体もある。
こちらはやや古くなったのか、褐色の混じった個体。
sumireuroko (4).JPG
sumireuroko (5).JPG
全体に何となく紫色がかって居るので
スミレウロコタケと推定出来る。

最初の画像の個体もかなり白っぽかったが
こちらは更に白い個体。
sumireuroko (6).JPG
sumireuroko (7).JPG
結構古くなって褪色した個体なのだろう。

こちらは殆ど褐色の個体。
sumireuroko (8).JPG
sumireuroko (9).JPG
こうなるとスミレウロコタケなのかどうかも良く判らない。
多分、スミレウロコタケだと思うのだけどなぁ・・・・・・

こちらは周縁部がめくれ上がっている。
sumireuroko (10).JPG
これはかなり濃い褐色だが恐らくスミレウロコタケだと思う。

こちらの個体。
背着的に発生しているヒイロタケとのコントラストが
とても綺麗だ。
kamiuroko (15).JPG
知らなければキノコには見えないだろうなぁ。


そしてこちら。
kamiuroko (1).JPG
スミレウロコタケに良く似ているが
全くの別種、カミウロコタケと言うキノコ。
外見的な違いはカミウロコタケの方が厚みがある、と言う点。
周縁部が特に厚みがあるとの事。

カミウロコタケの外見に関して
フェルトのような質感、との記述もあるが
当方としてはパルプの塊が乾いた状態の質感、
と言った方がしっくり来る。
因みにカミウロコタケとは「紙鱗茸」の意。
まさか乾いたパルプの質感から
命名された訳では無いと思うが詳細は不明。
先の画像を見ていただければ判るが
スミレウロコタケの方が紙の様に薄いのだが
厚みのある方が「紙鱗茸」なのも妙な話だ。
どちらも色の個体差が大きく
また個体が古くなると色褪せて褐色になってしまう。

こちらはかなり青紫の個体。
kamiuroko (16).JPG
kamiuroko (17).JPG

こちらは白青紫、と言った感じか。
kamiuroko (6).JPG
kamiuroko (9).JPG
kamiuroko (10).JPG
この個体は全体にパルプの塊っぽい質感だと思う。

こちらは黒味がかった紫。
kamiuroko (4).JPG
kamiuroko (5).JPG
kamiuroko (14).JPG
何となく強そうな感じがするw

こちらはかなり褐色がかった個体。
kamiuroko (11).JPG
kamiuroko (12).JPG
同じ個体の筈なのに、まるでせめぎ合う様に
重層的になって発生しているのが不思議だ。

こちらは褐色がかった上にひび割れている。
kamiuroko (13).JPG
それだけ古い個体、と言う事かな。

こちらの個体は殆ど褐色。
kamiuroko (2).JPG
kamiuroko (3).JPG
周りの個体に紫色が残っていたのでカミウロコタケだと判ったが
この個体だけだと何だか判らないよなぁ。


こちらの個体は周縁部がめくれ上がっている。
kamiuroko (7).JPG
kamiuroko (8).JPG
そっち側から見るとカワラタケの仲間に見えてしまうなぁ。
キノコは色々な方向から観察しないとならないから難しいし、
だから面白いよなぁ。


さて、当方の行動範囲では
スミレウロコタケよりカミウロコタケの発生の方が多い様だ。
また、カミウロコタケの方が
スミレウロコタケより鮮やかなスミレ色の個体が多い。
webで検索してもスミレウロコタケより
カミウロコタケの方が色鮮やかな個体が多い様子。

つまり、フィールドで鮮やかなスミレ色のコウヤクタケを
見付けてもそれはカミウロコタケで
紫がかった褐色なのにそれがスミレウロコタケ、
と言う事態が多いことになる。
何ともややこしい話だ。

これも恐らく先名権の問題なのだろうなぁ。
因み『日本産菌類集覧』によると
スミレウロコタケの命名は1977年、
カミウロコタケの命名は1990年との事。
例えばカミウロコタケが「スミレウロコタケモドキ」としたくても
実は両種は分類学的には離れた種類なので
幾ら似ているからと言っても、そう命名する事が
出来無かったのかも知れない。
と言うのはあくまでも当方の想像。
真相は命名者に聞かないと判らない。

まぁ、当方の様な素人がそんな事を心配しても仕方無い。
当方としてはフィールドで
鮮やかな紫色のコウヤクタケを見付けて喜べればそれで良い。
今年は遭遇する事が出来無かったので
来年はまたどこかで出逢いたい物だ。


※当記事中でスミレウロコタケ、カミウロコタケとしているのは
 あくまでも当方が見た目だけで判断した物ですので本当に正確かどうかは判りません。
 フィールドでは中間的な外見の物も少なく無く
 画像の物も判別に迷う物がありました。
 当方は一応こう判断した、と言う程度でお読み頂けましたら幸いです。

 

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| コウヤクタケ科 | 00:01 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
スペクタクル

画像はサガリハリタケ。
sagarihari-S060909.JPG
sagarihari-5.JPG
文字通り、針の様な形の物が
枯れ木の一面からぶら下がっている。

広葉樹の枯れ木に発生し、特に珍しい種類では無いが
東大阪では2004年に、その後岐阜山中で2006年に、と
計2回出逢っただけだった。
それが名古屋では毎年、そして年に何回も遭遇している。
このキノコに取って名古屋一円は
余程居心地が良い環境、と言えるのかも知れない。

サガリハリタケは広葉樹の木材腐朽菌なのだが
腐朽の最終段階に発生するベニヒダタケと違って
当方が見たところサガリハリタケは
腐朽がちょっと進んで来たなー、と言う具合の枯れ木、
もしくは立ち木の枯れた部分に発生する様だ。

枯れ木一面をサガリハリタケが覆っている姿は中々に壮観だ。
sagarihari-12.JPG
sagarihari-4.JPG

この角度で見ると
ビクトリアの滝にも似た大瀑布にも見える……かなぁ?w
sagarihari-9.JPG


アップで見ると、壮大な氷柱か鍾乳石の様でもある。
sagarihari-11.JPG


サガリハリタケのその形はかなり独特だ。
知らなければとてもキノコには思えない。
場合によっては粘菌のエダナシツノホコリと良く似ている。
edanashitsuno-1.JPG
edanashitsuno-2.JPG
だが、質感がまるで違うので区別は付くだろう。


シダレハナビタケとも良く似ているが(→こちら
シダレハナビタケはシロソウメンタケ科 ハナビタケ属、
サガリハリタケはコヤクタケ科サガリハリタケ属なので
それ程近い種類とは言えない。
他人の空似、と言えよう。

こちらは発生初期の物。
sagarihari-3.JPG
この段階では、これから針が成長するとは思えないよなぁ。

こちらは小枝の一部から針が出ている個体。
sagarihari-6.JPG
一瞬、冬虫夏草の何かに見えてしまった。
こんな発生の仕方も珍しいと思う。

こちらは丸太の断面にびっしり発生していた物。
sagarihari-7.JPG
sagarihari-8.JPG
こうして見ると、何か別の生物の様にも見える。

これだとちょっとクラゲか何かの深海生物っぽいかな。
sagarihari-14.JPG
sagarihari-1.JPG


こちらは当方の人生で最初に出逢ったサガリハリタケ。
2004年9月30日、東大阪にて撮影。
sagarihari-H040930.jpg
直径は1円玉程の大きさ。

10月10日。
sagarihari-H041010.JPG
かなり針が伸びていた。

10月21日。
sagarihari-H041021.JPG
更に針が長くなっていた。
真ん中の針は古びて褐色が強くなっている。
こんな風に成長するのだなぁ。


こちらは老菌の様子。
sagarihari-old-1.JPG
sagarihari-old-2.JPG
sagarihari-old-3.JPG
全体が褐色になっている。

こちらは乾燥しかけている。
sagarihari-old-4.JPG

こちらは更に乾燥した状態。
sagarihari-old-5.JPG
sagarihari-old-6.JPG
針が萎れて細くなって目立たなくなっている。

これが
sagarihari-13.JPG

10日後にはこうなってしまう。
sagarihari-old-7.JPG
元の盛大な様子を見ているだけに何とも哀しくなってしまう……
まぁ、十分に使命を終えてる訳だから本人は本望なのだろうけど。


先に書いた様に、名古屋東部ではサガリハリタケの発生が多いが
2010年は特に多く見掛けた。
その年の気候が名古屋のサガリハリタケに取って
丁度具合が良かったのだろう。
枯れ木の腐朽具合もたまたま合致していたのかも知れない。

それを絶好のチャンス!と躍り出て来た物が居る。
それは粘菌(変形菌)だ。
sagari-nenkin-2.JPG
sagari-nenkin-3.JPG
この、種不明の粘菌の変形体はキノコを餌にしている種類の様だ。
それがサガリハリタケに覆い被さって思う存分に摂食していた。
キノコは逃げられないから
食べ尽くされるのをただ待つしか無いのだよなぁ。

こちらは一週間後の様子。
サガリハリタケはすっかり消えていた。
sagari-nenkin-4.JPG
変形体も姿を消していた。
また次の餌を求めて他の場所へ移動したのだろう。


こちらは別の場所。
このサガリハリタケも
sagari-nenkin-1.JPG

1週間後にはこんな状態に。
sagari-nenkin-5.JPG
sagari-nenkin-10.JPG
sagari-nenkin-11.JPG
こんな光景があちこちで見られた。

一部の粘菌は子実体になっていた。
sagari-nenkin-6.JPG
aomoji.JPG
詳細な種類は判らないが、モジホコリの仲間だと思われる。

この小さな丸太の上でも微生物同士の
弱肉強食のこんなスペクタクルが繰り広げられているなんてなぁ。
本当に菌類は面白くて、ときめいてしまうよ。



ときめく、と言えば。
日本で、世界で多分唯一のキノコライター、
菌友・堀博美氏が2冊目の本を出版した。
その名も『ときめくきのこ図鑑』。

キノコにちょっと興味がある、と言う人を
立派な「キノコ者」にしてしまおう、と言う啓蒙書。

90種類の綺麗なキノコ画像にときめく文章が添えられ、
専門用語の丁寧な解説もや
キノコグッズやキノコアートの紹介もあり
見やすいレイアウトも相まって誰もが楽しめる内容かと。
因みに、今回もSpecial Thanks に
当方の名を載せて頂いていますm( _ _*)m

よろしければ皆様(・∀・)つドゾー(→こちら)。



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| コウヤクタケ科 | 00:45 | comments(12) | trackbacks(0) | pookmark |
シワ? ウロコ?
画像はチャシワウロコタケ。
2006/06/16、東大阪にて撮影。

山の斜面の、伐採木置き場に転がされていた丸太の
断面と側面に渡って発生していた。

コウヤクタケの仲間なので
枯れ木の上にベタ〜っと広がっている。
所が、チャシワウロコタケ(茶皺鱗茸)と言いながら
「茶」はともかく、「シワ」でも「ウロコ」でも無い。



因みに学名は Phlebia rufa。
意味は「脈があって赤い」と言う事らしい。
矢張り「シワ」でも「ウロコ」でも無かった。

このキノコ、色と言い、変な凸凹具合と言い、
ややもすると吐瀉物に見えてしまう……(^ω^;)

2008/05/30、名古屋市内にて撮影。

こちらの画像は枯れ木全体が覆われてしまっている。
古い個体なのか、個体差なのか、色合いが違うので
もっと吐瀉物に見えてしまう……(^ω^;)


枯れ木の上だからまだしも、
地面に発生していたら、確実にそう見えてしまうだろう……

あまり見た目の良くないキノコの所為か、
Webで検索しても、hit数は少なかった。
2009/03/07現在で日本語のサイトで17件。
内、画像のあったサイトは3件。
すると、当方が4件目かw
学名で全世界を検索しても968件。
画像があるのは50件くらいか。
これはかなり少ない方だ。

図鑑でも、当方が調べた範囲で掲載されているのは、
山と渓谷社『日本のきのこ』だけだった。
『原色日本菌類図鑑』にも『原色日本新菌類図鑑』にも、
掲載数の多い『Fungi of Switzerland』にも
『北陸のきのこ図鑑』にも載っていなかった。
世界的公布種なのに、可愛そうな気もするが
見た目がこれだから仕方の無い事なのかもなぁ……(^ω^;)


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| コウヤクタケ科 | 12:49 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
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