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呉越同舟 その後
JUGEMテーマ:趣味

以前(2011年)、
Xylaria liquidambar(キシラリア・リクイダンバル)の事を書いた。
X.liquidambarはモミジバフウの実の
古くなった物から発生するキノコだ。
名古屋の某所ではこれが多く発生している。
そして、同じく古くなったモミジバフウの実から発生する物に
フウノミタケ(Phaeomarasmius laccarioides)がある。
X.liquidambarは以前、「フウノミタケ」と名付けられていたが
全く別のキノコに何故かその名を盗られてしまい
現在は和名無しのX.liquidambarと呼ばれるようになった。
で、名古屋のこの場所では因縁ある両者が混在しており
熾烈な勢力争いを繰り広げているのだ(→こちら)。

その時は今後の推移を要観察、と書いたのだが
昨年はうっかりその時期に現場に行きそびれてしまった。
で、今年(2013年)はどうだろうか、と
5月に様子を見に行ってみた。
fuu-X-liq-2.JPG
fuu-X-liq-1.JPG
fuu-X-liq-3.JPG
fuu-X-liq-5.JPG
fuu-X-liq-6.JPG
fuu-X-liq-7.JPG
fuu-X-liq-8.JPG
前回(2011年)に比べるとフウノミタケの発生数は減っていた。
それはX.liquidambar が勢力を挽回してきたのか
今年の気候の関係でたまたまそうなのか良く判らない。
はたしてどちらなのだろうか。
また来年以降も観察して行かないとなぁ。

そして今年の10月に同所を再訪した。
この時期にはフウノミタケを見る事は出来無い。
フウノミタケが子実体を形成し
胞子を飛散させるのは名古屋では5月頃だけなのだ。
だが、X.liquidambarはこの状態だった。
fuu-X-liq-11.JPG

因みに、子実体が繁茂していたのだが
何分、物が黒くて小さいので
俯瞰で撮影しても何が何だか判らない状態だった為
発生地全体の画像は無し。
で、5月頃の物 ↓ と比べると形が違っている。
fuu-X-liq-9.JPG
実は5月頃に見たX.liquidambar は
無性生殖の胞子を形成・飛散する分生子世代で
今回のX.liquidambar は
有性生殖の胞子を形成・飛散する完全世代なのだ。
春先に成長した分生子世代が
秋になると完全世代となって再び胞子を飛散するのだ。

となると、胞子を年に1回だけ飛散するフウノミタケと比べると
年に2回飛散するX.liquidambar の方が
勢力範囲を拡大するのには有利な様に思われる。

検索するとX.liquidambar に比べると
フウノミタケの情報は圧倒的に少ない。
それがそのまま発生数の差、と言う訳では無いだろうが
関係があるのは間違い無いだろう。
情報量の差がそれだけあるのは、
そして名古屋のこの場所で
フウノミタケがX.liquidambar に気圧されている様に見えるのは
それが原因なのかも知れないなぁ。
勿論、各々の胞子その物の生命力、耐久性等の差異があるので
一概には比べられないが
胞子を振り撒く機会が多い=一帯に振り撒かれる胞子の量が多い
=繁殖するチャンスが多い方が有利なのは当然だと思うしなぁ。
少なくとも名古屋のこの場所の状態を観察した範囲ではそう思えてならない。

とすると、フウノミタケは
このまま生息範囲を規模縮小させられ続けざるを得ないのだろうか。
それとも、起死回生の繁殖力を発揮して
勢力を拡大出来るのだろうか。
やはりこれからも要経過観察だなぁ。

因みに、こちらは5月に撮影したとある個体。
fuu-X-liq-12.JPG
fuu-X-liq-13.JPG
枯れて干乾びた完全世代の子実体とは別に、
または干乾びた子実体の一部から
分生子世代の子実体が生えて来ている。
こうやって、モミジバフウの実が朽ち果てるまで
両世代の子実体の発生を繰り返して行くのだろうなぁ。

とにかく、これからもこの場所から目が話せない(^−^)



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| クロサイワイタケ科 | 00:02 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
邂逅
と言う訳で(?)こちらの画像は
ホウ(朴)の実から生えるXylaria属のキノコ、ホソツクシタケ。

2009年8月17日、岐阜県荘川村内で撮影。
地面に落ちて古くなり、黒く変色したホウの実から発生する。
子実体は画像の様に黒くて細いので
暗い森の中では目立ち難いキノコと言えよう。

実の大きさは12〜3cm程。

ホウの実は、これくらいの大きさの物が多い様だ。

こちらは約9cmと、やや小さめの実。



帰宅後、子実体部分をクローズアップして撮影。


子嚢果のツブツブが見える。
この部分から黒い胞子を放出しているのだ。
胞子で周辺を黒くしている為に、
フィールドでは更に目立ち難くなっている事が多い。
それもXylariaの仲間の特徴と言える。

で、今回収穫したのはホウの実から発生するXylaria。
フウの実から発生するXylariaの事は以前書いた(→こちら)。
折角なので、その2種を並べて撮影してみたw

フウの実のXylariaとホウの実のXylaria。
同じ仲間だが、発生環境の違いで
自然下ではまず出逢わない2種。
この思わぬ出逢いにさぞよろこんでいる……かどうかは判らないけれどw

所で、フウの実から生える Xylaria liquidambar は現在和名無しだ。
ホウの実から生える近縁種は「ホソツクシタケ」。
更に近縁種で、ブナの実から発生する種類は
「ブナノホソツクシタケ」(→こちら)。
その例で言うと、Xylaria liquidambar は
「フウノホソツクシタケ」と命名される、と予想。
当たったら密かに誉めて下さいw


※「朴」の読みに関して、当方は「ホウ」と書きましたが
 前回、「ホウでは無くてホオだ」とご指摘頂きました。
 当方も長らく「ホオ」だと思っていたのですが
 「ホウ」との振り仮名を最近続けて何箇所かで見たので
 「ホオ」は当方の記憶違いで、実は「ホウ」なのだ、と思って
 「ホウ」と書きました。
 前回のご指摘を頂いて色々調べた所、
 「ホオ」の方が多かったのですが
 「ホオ」「ホウ」どちらも使用されていました。
 当方がこのホソツクシタケに出逢った飛騨地方では
 名産の「朴葉味噌」は「ホウバミソ」と表記されていましたので
 当blogではそれに合わせて「ホウ」と表記しました。
 「ホウ」と「ホオ」は発音の表記のゆれの一つの様です。
 ただ、「ホウ」は少数派ですので
 やがては「ホオ」に統一されるのかも知れません。

 因みに、「朴葉味噌」は「ホーバミソ」とも表記されていましたw


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| クロサイワイタケ科 | 00:00 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
フウとホウ
6月25日の事。
とある公園を歩いていたら、
歩道脇の一角の地面に、妙な物が生えているのに気付いた。

これはXylaria(キシラリア、クロサイワイタケ)科の何かだ。

Xylaria科は様々な植物遺体上に発生する種類のキノコだ。
Xylaria科のキノコに付いては以前も書いた事がある(→こちら)。
Xylaria科が地面から直接発生する事は考えられない。
と言う事は、この下に何かが埋まっているのだろう。
試しに掘り出してみると、それはフウの実だった。


と言う事は、これは Xylaria liquidambar だ。
Xylaria liquidambar は、古いフウの実から発生するキノコ。
以前は「フウノミタケ」と名付けられていたが
現在その名は全く別種のキノコに当てられている(→こちら)。
なので、このフウの実から生えている物は
「和名無し」と言う事になる。
因みに Xylaria liquidambar は「liquidambar(フウ)の Xylaria」、
つまり「フウ(の実)に生えるXylaria属のキノコ」の意。
と言う事は、学名上は「フウノミタケ」と言う事になる。
その所為か、Web上では「旧和名のフウノミタケ」と
「現和名のフウノミタケ」が混在している。

周辺を見ると、更に沢山の Xylaria liquidambar が発生していた。


こちらは地上に転がっているフウの実から発生していた。


その幾つかを拾い上げてみる。
形は様々で、その変化を見るのも楽しい。


因みに、先端が白いのは分生子を放出しているから。
有性胞子を放出する個体は全体が真っ黒だ(→こちら)。

フウの木は街路樹として街中や公園に良く植栽されている。
フウの木その物は江戸時代以降の外来樹との事。
なので、この Xylaria liquidambar も外来の物では無いか、と
推定されているらしい。


こちらはホウの実から発生しているXylaria属のキノコ。
和名は「ホウノミタケ」では無く何故か「ホソツクシタケ」。


2005年9月10日、岐阜県にて撮影。

ホソツクシタケは、古くなったホウの実から発生するキノコだ。
外見上は Xylaria liquidambar と全く変わらない。
なので、子実体だけを取り出したら全く区別が付かないだろう。
その辺りが、Xylariaの仲間が
Webや図鑑上で取り上げられる事が少ない理由の一つなのかも知れない。


所で「フウノミタケ」「ホウノミタケ」で並べられなかったのは残念だ。
因みに「ハウ」「ヒウ」「ヘウ」と言う植物は無い様子。
それぞれに独自のキノコがあったらもっと面白かったのだけどなぁ。
「ハウノミタケ」「ヒウノミタケ」「フウノミタケ」「ヘウノミタケ」
「ホウノミタケ」でコレクションしたかったよ……w



※「朴」の事は上記文中で「ホウ」と書きましたが
 標準的な表記は「ホオ」、との指摘を頂きました。
 当方がホソツクシタケを見つけた飛騨地方では
 「朴」は「ホウ」と発音する様なので
 「ホウノミ」と書きましたが、それは標準的な表記では無い様です。
 本文の修正はしませんが、この点ご留意頂けましたら、と思います。
 なので、コレクション云々の部分は
 「ハア」「ヒイ」「ヘエ」と言う事で……(^ω^;)



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| クロサイワイタケ科 | 00:10 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
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