2008.07.12 Saturday
成長と挫折
2008/05/30、雨の翌日に
「タマゴがいっぱいあるよ♪」との連絡を受けて
某公園に行ってみた所、
ウッドチップを敷き詰めた場所に
キツネノタイマツの残骸と卵が沢山あった。
実は当方、キツネノタイマツの成菌に出逢った事が無い。
前回の2004/06/13は干乾びた老菌だった。
で、今回もまたしても残骸とタマゴだった……
一面、タマゴだらけだったので
その中から生えかけの物を一つ取り上げて
カッターで真っ二つにしてみた。
これから伸びようとしていた子実体の断面が露わに。
とてもキノコには見えないw
そのまま放置して、20分ほど後に見たら
切られた状態でも成長していた為に
えびぞってしまっていた。
こんなに新鮮で大量のタマゴに出逢うのも初めてだ。
折角なのでタマゴを幾つか持ち帰って育てる事にした。
その為、菌糸をなるべく切らない様に注意して掘り出した。
こうして見ると、このキノコがウッドチップを分解して
成長している、と言うのが良く判る。
こちらはかなり長い菌糸が出て来た。
まるで深海性のクラゲみたいだw
帰宅後、タッパに水苔を敷き詰めてタマゴを配置。
3時間半後、一つのタマゴが成長を始めた。
5/03、20時30分の様子 ↓ 。
6/01、0時28分の様子 ↓ 。
同、1時21分の様子 ↓ 。
そのアップ ↓ 。まるで羊膜に包まれている様だ。
同、1時45分の様子 ↓ 。根元にちょっと異変が……
同、2時35分の様子 ↓ 。根元に亀裂が入っている。
そのアップの様子 ↓ 。
同、3時19分の様子 ↓ 。
完全に折れてしまった。
挫折した姿が痛々しい……〇| ̄|_
他にも、そうなってしまった個体があった。
実は、公園で発生していた物にも
この様になっていた物が幾つもあった。
思うに、発生を始めてから
湿度や温度の変化で表皮が硬くなってしまった為に
それを上手く破る事が出来なくなり、
それでも一旦成長を始めると、それを止める事が出来無いので
この様な事態になってしまったのだろう。
当方が持ち帰ったタマゴは
公園のウッドチップの中 → 掘り出して持ち帰る
→ タッパの水苔の中、と環境の変化が大きい為に
その様になってしまったのは理解出来る。
水苔に埋めたとは言え、ちょっと浅目だったし、
室内はタマゴが元あった場所に比べたら
どうしても乾燥気味だろうしなぁ。
だが、自然下でも同じ状態になっている、と言うのは
ちょっと不思議だ。
してみると、正常な成長をする為には、
ちょっとした湿度の変化があっても不都合なのかも知れないなぁ。
その為にも大急ぎで成長する必要があるのかも知れないなぁ。
なので、これから成長する個体には
小まめに霧吹きで水分補給をして、
湿度を十二分に確保する事にした。
こちらは6/01、19:16の様子 ↓ 。
同、20:51の様子 ↓ 。
同、22:12の様子 ↓ 。
6/02、0:00の様子 ↓ 。
同、0:15の様子 ↓ 。
同、0:38の様子 ↓ 。
同、2:11の様子 ↓ 。
表面を内膜が覆っている状態で成長が止まってしまった ↓ 。
この仲間のキノコは、胞子が含まれた粘液を
ハエ等の昆虫に舐め取らせる事によって胞子を伝播させる。
その為に、この粘液は糞臭や腐敗臭をさせている。
因みに、キツネノタイマツは生臭い様な、青臭い様な不思議な臭いだった。
だが、このまま内膜が粘液を覆っている状態では
それが出来無いではないか。
これも環境の変化の影響で、正常に成長出来無かったのだろうか。
と思ったら、そうでは無かった。
こちらは別の個体。
0:09の様子 ↓ 。
1:09の様子 ↓ 。
1:57の様子 ↓ 。
どうやら、胞子が成熟すると共に
表面を覆っていた内膜が溶ける様だ。
それまでハエには待って貰う、と言う事なのだろう。
確実に胞子を伝播させる為には、確かにその方が合理的と言える。
その後、別の個体で、
どれくらいの時間で萎れるのか、の観察もしてみた。
こちらは22:10の様子 ↓ 。既に胞子部分は成熟している。
こちらは0:35の様子 ↓ 。もう地面に倒れた状態だ。
こちらは1:05の様子 ↓ 。更にうな垂れている。
こちらは2:54の様子 ↓ 。全体的に萎んで来た。
こちらは9:05の様子 ↓ 。完全にグロッキーだ。
地面に屹立している時間はかなり短いのだなぁ。
こうしてみると、キツネノタイマツは5〜6時間で成長して、
2〜3時間で萎れてしまう、と言う事の様だ。
それでは当方が成菌に中々出逢えないのも
仕方の無い事かも知れない。
それにしても、あまりにも生き急ぎ、死に急いでいる、と言った感じだ。
とてもせわしないと思うのだが、
そうする事によって他の菌との差別化を図り
今まで生き延びて来た訳なのだよなぁ……
「タマゴがいっぱいあるよ♪」との連絡を受けて
某公園に行ってみた所、
ウッドチップを敷き詰めた場所に
キツネノタイマツの残骸と卵が沢山あった。
実は当方、キツネノタイマツの成菌に出逢った事が無い。
前回の2004/06/13は干乾びた老菌だった。
で、今回もまたしても残骸とタマゴだった……
一面、タマゴだらけだったので
その中から生えかけの物を一つ取り上げて
カッターで真っ二つにしてみた。
これから伸びようとしていた子実体の断面が露わに。
とてもキノコには見えないw
そのまま放置して、20分ほど後に見たら
切られた状態でも成長していた為に
えびぞってしまっていた。
こんなに新鮮で大量のタマゴに出逢うのも初めてだ。
折角なのでタマゴを幾つか持ち帰って育てる事にした。
その為、菌糸をなるべく切らない様に注意して掘り出した。
こうして見ると、このキノコがウッドチップを分解して
成長している、と言うのが良く判る。
こちらはかなり長い菌糸が出て来た。
まるで深海性のクラゲみたいだw
帰宅後、タッパに水苔を敷き詰めてタマゴを配置。
3時間半後、一つのタマゴが成長を始めた。
5/03、20時30分の様子 ↓ 。
6/01、0時28分の様子 ↓ 。
同、1時21分の様子 ↓ 。
そのアップ ↓ 。まるで羊膜に包まれている様だ。
同、1時45分の様子 ↓ 。根元にちょっと異変が……
同、2時35分の様子 ↓ 。根元に亀裂が入っている。
そのアップの様子 ↓ 。
同、3時19分の様子 ↓ 。
完全に折れてしまった。
挫折した姿が痛々しい……〇| ̄|_
他にも、そうなってしまった個体があった。
実は、公園で発生していた物にも
この様になっていた物が幾つもあった。
思うに、発生を始めてから
湿度や温度の変化で表皮が硬くなってしまった為に
それを上手く破る事が出来なくなり、
それでも一旦成長を始めると、それを止める事が出来無いので
この様な事態になってしまったのだろう。
当方が持ち帰ったタマゴは
公園のウッドチップの中 → 掘り出して持ち帰る
→ タッパの水苔の中、と環境の変化が大きい為に
その様になってしまったのは理解出来る。
水苔に埋めたとは言え、ちょっと浅目だったし、
室内はタマゴが元あった場所に比べたら
どうしても乾燥気味だろうしなぁ。
だが、自然下でも同じ状態になっている、と言うのは
ちょっと不思議だ。
してみると、正常な成長をする為には、
ちょっとした湿度の変化があっても不都合なのかも知れないなぁ。
その為にも大急ぎで成長する必要があるのかも知れないなぁ。
なので、これから成長する個体には
小まめに霧吹きで水分補給をして、
湿度を十二分に確保する事にした。
こちらは6/01、19:16の様子 ↓ 。
同、20:51の様子 ↓ 。
同、22:12の様子 ↓ 。
6/02、0:00の様子 ↓ 。
同、0:15の様子 ↓ 。
同、0:38の様子 ↓ 。
同、2:11の様子 ↓ 。
表面を内膜が覆っている状態で成長が止まってしまった ↓ 。
この仲間のキノコは、胞子が含まれた粘液を
ハエ等の昆虫に舐め取らせる事によって胞子を伝播させる。
その為に、この粘液は糞臭や腐敗臭をさせている。
因みに、キツネノタイマツは生臭い様な、青臭い様な不思議な臭いだった。
だが、このまま内膜が粘液を覆っている状態では
それが出来無いではないか。
これも環境の変化の影響で、正常に成長出来無かったのだろうか。
と思ったら、そうでは無かった。
こちらは別の個体。
0:09の様子 ↓ 。
1:09の様子 ↓ 。
1:57の様子 ↓ 。
どうやら、胞子が成熟すると共に
表面を覆っていた内膜が溶ける様だ。
それまでハエには待って貰う、と言う事なのだろう。
確実に胞子を伝播させる為には、確かにその方が合理的と言える。
その後、別の個体で、
どれくらいの時間で萎れるのか、の観察もしてみた。
こちらは22:10の様子 ↓ 。既に胞子部分は成熟している。
こちらは0:35の様子 ↓ 。もう地面に倒れた状態だ。
こちらは1:05の様子 ↓ 。更にうな垂れている。
こちらは2:54の様子 ↓ 。全体的に萎んで来た。
こちらは9:05の様子 ↓ 。完全にグロッキーだ。
地面に屹立している時間はかなり短いのだなぁ。
こうしてみると、キツネノタイマツは5〜6時間で成長して、
2〜3時間で萎れてしまう、と言う事の様だ。
それでは当方が成菌に中々出逢えないのも
仕方の無い事かも知れない。
それにしても、あまりにも生き急ぎ、死に急いでいる、と言った感じだ。
とてもせわしないと思うのだが、
そうする事によって他の菌との差別化を図り
今まで生き延びて来た訳なのだよなぁ……