2009.07.11 Saturday
フウとホウ
6月25日の事。
とある公園を歩いていたら、
歩道脇の一角の地面に、妙な物が生えているのに気付いた。
これはXylaria(キシラリア、クロサイワイタケ)科の何かだ。
Xylaria科は様々な植物遺体上に発生する種類のキノコだ。
Xylaria科のキノコに付いては以前も書いた事がある(→こちら)。
Xylaria科が地面から直接発生する事は考えられない。
と言う事は、この下に何かが埋まっているのだろう。
試しに掘り出してみると、それはフウの実だった。
と言う事は、これは Xylaria liquidambar だ。
Xylaria liquidambar は、古いフウの実から発生するキノコ。
以前は「フウノミタケ」と名付けられていたが
現在その名は全く別種のキノコに当てられている(→こちら)。
なので、このフウの実から生えている物は
「和名無し」と言う事になる。
因みに Xylaria liquidambar は「liquidambar(フウ)の Xylaria」、
つまり「フウ(の実)に生えるXylaria属のキノコ」の意。
と言う事は、学名上は「フウノミタケ」と言う事になる。
その所為か、Web上では「旧和名のフウノミタケ」と
「現和名のフウノミタケ」が混在している。
周辺を見ると、更に沢山の Xylaria liquidambar が発生していた。
こちらは地上に転がっているフウの実から発生していた。
その幾つかを拾い上げてみる。
形は様々で、その変化を見るのも楽しい。
因みに、先端が白いのは分生子を放出しているから。
有性胞子を放出する個体は全体が真っ黒だ(→こちら)。
フウの木は街路樹として街中や公園に良く植栽されている。
フウの木その物は江戸時代以降の外来樹との事。
なので、この Xylaria liquidambar も外来の物では無いか、と
推定されているらしい。
こちらはホウの実から発生しているXylaria属のキノコ。
和名は「ホウノミタケ」では無く何故か「ホソツクシタケ」。
2005年9月10日、岐阜県にて撮影。
ホソツクシタケは、古くなったホウの実から発生するキノコだ。
外見上は Xylaria liquidambar と全く変わらない。
なので、子実体だけを取り出したら全く区別が付かないだろう。
その辺りが、Xylariaの仲間が
Webや図鑑上で取り上げられる事が少ない理由の一つなのかも知れない。
所で「フウノミタケ」「ホウノミタケ」で並べられなかったのは残念だ。
因みに「ハウ」「ヒウ」「ヘウ」と言う植物は無い様子。
それぞれに独自のキノコがあったらもっと面白かったのだけどなぁ。
「ハウノミタケ」「ヒウノミタケ」「フウノミタケ」「ヘウノミタケ」
「ホウノミタケ」でコレクションしたかったよ……w
※「朴」の事は上記文中で「ホウ」と書きましたが
標準的な表記は「ホオ」、との指摘を頂きました。
当方がホソツクシタケを見つけた飛騨地方では
「朴」は「ホウ」と発音する様なので
「ホウノミ」と書きましたが、それは標準的な表記では無い様です。
本文の修正はしませんが、この点ご留意頂けましたら、と思います。
なので、コレクション云々の部分は
「ハア」「ヒイ」「ヘエ」と言う事で……(^ω^;)
とある公園を歩いていたら、
歩道脇の一角の地面に、妙な物が生えているのに気付いた。
これはXylaria(キシラリア、クロサイワイタケ)科の何かだ。
Xylaria科は様々な植物遺体上に発生する種類のキノコだ。
Xylaria科のキノコに付いては以前も書いた事がある(→こちら)。
Xylaria科が地面から直接発生する事は考えられない。
と言う事は、この下に何かが埋まっているのだろう。
試しに掘り出してみると、それはフウの実だった。
と言う事は、これは Xylaria liquidambar だ。
Xylaria liquidambar は、古いフウの実から発生するキノコ。
以前は「フウノミタケ」と名付けられていたが
現在その名は全く別種のキノコに当てられている(→こちら)。
なので、このフウの実から生えている物は
「和名無し」と言う事になる。
因みに Xylaria liquidambar は「liquidambar(フウ)の Xylaria」、
つまり「フウ(の実)に生えるXylaria属のキノコ」の意。
と言う事は、学名上は「フウノミタケ」と言う事になる。
その所為か、Web上では「旧和名のフウノミタケ」と
「現和名のフウノミタケ」が混在している。
周辺を見ると、更に沢山の Xylaria liquidambar が発生していた。
こちらは地上に転がっているフウの実から発生していた。
その幾つかを拾い上げてみる。
形は様々で、その変化を見るのも楽しい。
因みに、先端が白いのは分生子を放出しているから。
有性胞子を放出する個体は全体が真っ黒だ(→こちら)。
フウの木は街路樹として街中や公園に良く植栽されている。
フウの木その物は江戸時代以降の外来樹との事。
なので、この Xylaria liquidambar も外来の物では無いか、と
推定されているらしい。
こちらはホウの実から発生しているXylaria属のキノコ。
和名は「ホウノミタケ」では無く何故か「ホソツクシタケ」。
2005年9月10日、岐阜県にて撮影。
ホソツクシタケは、古くなったホウの実から発生するキノコだ。
外見上は Xylaria liquidambar と全く変わらない。
なので、子実体だけを取り出したら全く区別が付かないだろう。
その辺りが、Xylariaの仲間が
Webや図鑑上で取り上げられる事が少ない理由の一つなのかも知れない。
所で「フウノミタケ」「ホウノミタケ」で並べられなかったのは残念だ。
因みに「ハウ」「ヒウ」「ヘウ」と言う植物は無い様子。
それぞれに独自のキノコがあったらもっと面白かったのだけどなぁ。
「ハウノミタケ」「ヒウノミタケ」「フウノミタケ」「ヘウノミタケ」
「ホウノミタケ」でコレクションしたかったよ……w
※「朴」の事は上記文中で「ホウ」と書きましたが
標準的な表記は「ホオ」、との指摘を頂きました。
当方がホソツクシタケを見つけた飛騨地方では
「朴」は「ホウ」と発音する様なので
「ホウノミ」と書きましたが、それは標準的な表記では無い様です。
本文の修正はしませんが、この点ご留意頂けましたら、と思います。
なので、コレクション云々の部分は
「ハア」「ヒイ」「ヘエ」と言う事で……(^ω^;)