2010.11.18 Thursday
こぶ・こぶ・こぶ
こちらは桜のこぶ病。
名の通り、桜の枝の一部が
異様に膨らんでしまっている。
名古屋市内の某公園にて撮影。
脇の道路をバイクで通過中、
ふと見た桜の枝の一部が
この様に膨らんでいるのが目に入った。
こちらは別の場所で拾った物。
新鮮な物なのか、妙に赤い。
桜のこぶ病は
Pseudomonas syringae(シュードモナス シリンガエ)
と言うウィルスが
枝の中で組織を極度に肥大化させる病気だ。
それ以上特に悪さをする訳では無い様なのだが
見た目が良くないので園芸家から嫌われている。
対処法は、罹患部分を切り取るしか無いのだから
嫌われても仕方無いだろう。
丹誠込めて育てた木がその様になったら
確かに腹も立つだろう。
だが、ウィルスからしたら
自分が漂っていた時に
取り憑いて罹患させる事の出来た木が
そこにあったのだから仕方無い。
完全に健康な木ならば
ウィルスの侵入を許さなかった筈だ。
それをさせてしまうだけの原因を
この桜の木は持っていたのだ。
この桜は自生していた訳では無い。
だから、その原因を作ったのは人間の筈だ。
健康に育てない場所に桜の木を植えてしまったのだ。
それを病原菌のせいにして目の敵にするのは
お門違いと言えるだろう。
こちらは松のこぶ病。
岐阜県荘川村にて撮影。
松のこぶ病は
Cronartium orientale(クロナルチウム オリエンタレ)
と言う菌によって引き起こされる。
この場所の松は大概こぶ病にやられている。
それだけ、この一帯の松は
何処か弱った所がある、
逆に言うと、そうならざるを得ない様な場所に
この松は植えられてしまった、と言う事だろう。
このこぶ病もやはり園芸家から嫌われている。
見た目は桜のこぶ病とそっくりだが
桜はウィルス、
松はかびやキノコの仲間(糸状菌)と
原因になる微生物は
生物分類の「5界説」「6界説」で言う所の
「原生生物界」と「菌界」と、
「界」からして全く違う。
「界」が違う、と言う事は
Pseudomonas と Cronartium には
「動物」と「植物」くらいの、
もしくはそれ以上の違いがある事になる。
それこそ縁もゆかりも無い訳だ。
それでいて同じ様に
枝の一部を肥大させる、
と言う結果を招いているのだから
不思議な話だよなぁ。
また、松のこぶ病は
春になるとこぶから胞子を放出し
ナラ類の葉の上で夏を過ごし
秋になると再び胞子となって
松へ寄生すると言う、
異種寄生性の生活環を持っている由。
その様な生態の植物寄生菌は実は少なくない。
松、桜ともに鑑賞用の
縁起の良い樹木なので
それにこぶがあってはよろしくない、と
園芸関係者からは嫌われているが
当方はこの方が面白くて
ワクワクしてしまうけどなぁw
こちらの画像はコナラのこぶ病。
こちらは Phomopsis amygdali(フォモプシス アミグダリ)
と言う糸状菌による病気だ。
名古屋市内の某公園で
ふと見上げたらこれが目に入った。
その一帯のコナラの枝はこぶだらけだった。
また、幾つもの枝が落ちていた。
多分、枝を落とすことによって
コナラも自己防衛しているのだろう。
コナラのこぶ病も発生は少なくないが
コナラが鑑賞用樹木では無い為か
桜、松程には問題視されていない様だ。
だが個人的には
やはりこぶがあるとワクワクしてしまうw
また、松と違って異種寄生性は無いらしい。
こちらも見た目は良く似ているが
全く違っているのだなぁ。
こちらは種名不明の樹木のこぶ病。
樹種不明なので原因の菌の特定は不可能。
穏やかに膨らんでいるので
一見すると病気には見えないかも知れない。
実際、本当にこぶ病なのかどうかも判らないけど……
こちらはこぶ病に罹ったソヨゴ。
あまりに雄大で広大だ。
アップで見ると、
まるでディズニーシーにある地球儀みたいだ(→こちら)。
ソヨゴ自体が
コナラや桜、松ほどにメジャーで無い為か
「ソヨゴのこぶ病」と言う名前は付いていない。
実際当方も、植物に詳しい人に
「この木はソヨゴだ」と教えて貰うまで
そう言う名の木がある事そのものを知らなかった。
原因になる菌も詳細は不明らしい。
「日本産樹木寄生菌目録」によると
ソヨゴを含むモチノキ科の樹木からは
Phomopsis属の菌の一種が検出されている、と言う。
Phomopsis属はコナラのこぶ病でもそうである様に
多くの植物の寄生病を引き起こす一群であるので
このソヨゴのこぶ病もそれが原因なのかも知れない。
このソヨゴは、とある神社の境内に生えている。
恐らく、まだ若木の内に
こぶ病に罹患したのだろう。
若木が成木になるに連れ
こぶも成長してこの大きさになったのだろう。
御神木では無いが、境内の一角にあるので
大事に育てられて来て
この様な大樹になり
こぶもこの様に雄大になった、と思われる。
これだけ雄大だとワクワクを通り越して
畏敬の念さえ抱いてしまう。
こちらは別の場所にあったソヨゴ。
やはり幹の一部が妙に膨らんでしまっている。
このソヨゴも100年も経てば
先程のソヨゴの様に
雄大なこぶになるのかも知れない。
それにしても雄大なこぶだ。
これ程までに大きくなったこぶ病は
日本広しと言えど中々無いだろう。
寄生菌マニアとしては
こちらの方を御神木にして欲しいくらいだ。
キノコが縁起の「菌神社(くさびらじんじゃ)」
ご本尊が観音様の形をしたマンネンタケ、と言う
京都の源光庵はあるが
植物寄生菌を祀った神社と言うのは無い様だ。
これからもしそう言う神社が
創建される事があるならば
このソヨゴは是非御神木にして欲しいし
御神体にもして欲しい。
きっと全国の植物寄生病マニアが参拝に来る筈……
かどうかは判らないけどw
宗教法人を立ち上げるならば
是非一枚噛みたい物だ(^^;)☆\バキ
名の通り、桜の枝の一部が
異様に膨らんでしまっている。
名古屋市内の某公園にて撮影。
脇の道路をバイクで通過中、
ふと見た桜の枝の一部が
この様に膨らんでいるのが目に入った。
こちらは別の場所で拾った物。
新鮮な物なのか、妙に赤い。
桜のこぶ病は
Pseudomonas syringae(シュードモナス シリンガエ)
と言うウィルスが
枝の中で組織を極度に肥大化させる病気だ。
それ以上特に悪さをする訳では無い様なのだが
見た目が良くないので園芸家から嫌われている。
対処法は、罹患部分を切り取るしか無いのだから
嫌われても仕方無いだろう。
丹誠込めて育てた木がその様になったら
確かに腹も立つだろう。
だが、ウィルスからしたら
自分が漂っていた時に
取り憑いて罹患させる事の出来た木が
そこにあったのだから仕方無い。
完全に健康な木ならば
ウィルスの侵入を許さなかった筈だ。
それをさせてしまうだけの原因を
この桜の木は持っていたのだ。
この桜は自生していた訳では無い。
だから、その原因を作ったのは人間の筈だ。
健康に育てない場所に桜の木を植えてしまったのだ。
それを病原菌のせいにして目の敵にするのは
お門違いと言えるだろう。
こちらは松のこぶ病。
岐阜県荘川村にて撮影。
松のこぶ病は
Cronartium orientale(クロナルチウム オリエンタレ)
と言う菌によって引き起こされる。
この場所の松は大概こぶ病にやられている。
それだけ、この一帯の松は
何処か弱った所がある、
逆に言うと、そうならざるを得ない様な場所に
この松は植えられてしまった、と言う事だろう。
このこぶ病もやはり園芸家から嫌われている。
見た目は桜のこぶ病とそっくりだが
桜はウィルス、
松はかびやキノコの仲間(糸状菌)と
原因になる微生物は
生物分類の「5界説」「6界説」で言う所の
「原生生物界」と「菌界」と、
「界」からして全く違う。
「界」が違う、と言う事は
Pseudomonas と Cronartium には
「動物」と「植物」くらいの、
もしくはそれ以上の違いがある事になる。
それこそ縁もゆかりも無い訳だ。
それでいて同じ様に
枝の一部を肥大させる、
と言う結果を招いているのだから
不思議な話だよなぁ。
また、松のこぶ病は
春になるとこぶから胞子を放出し
ナラ類の葉の上で夏を過ごし
秋になると再び胞子となって
松へ寄生すると言う、
異種寄生性の生活環を持っている由。
その様な生態の植物寄生菌は実は少なくない。
松、桜ともに鑑賞用の
縁起の良い樹木なので
それにこぶがあってはよろしくない、と
園芸関係者からは嫌われているが
当方はこの方が面白くて
ワクワクしてしまうけどなぁw
こちらの画像はコナラのこぶ病。
こちらは Phomopsis amygdali(フォモプシス アミグダリ)
と言う糸状菌による病気だ。
名古屋市内の某公園で
ふと見上げたらこれが目に入った。
その一帯のコナラの枝はこぶだらけだった。
また、幾つもの枝が落ちていた。
多分、枝を落とすことによって
コナラも自己防衛しているのだろう。
コナラのこぶ病も発生は少なくないが
コナラが鑑賞用樹木では無い為か
桜、松程には問題視されていない様だ。
だが個人的には
やはりこぶがあるとワクワクしてしまうw
また、松と違って異種寄生性は無いらしい。
こちらも見た目は良く似ているが
全く違っているのだなぁ。
こちらは種名不明の樹木のこぶ病。
樹種不明なので原因の菌の特定は不可能。
穏やかに膨らんでいるので
一見すると病気には見えないかも知れない。
実際、本当にこぶ病なのかどうかも判らないけど……
こちらはこぶ病に罹ったソヨゴ。
あまりに雄大で広大だ。
アップで見ると、
まるでディズニーシーにある地球儀みたいだ(→こちら)。
ソヨゴ自体が
コナラや桜、松ほどにメジャーで無い為か
「ソヨゴのこぶ病」と言う名前は付いていない。
実際当方も、植物に詳しい人に
「この木はソヨゴだ」と教えて貰うまで
そう言う名の木がある事そのものを知らなかった。
原因になる菌も詳細は不明らしい。
「日本産樹木寄生菌目録」によると
ソヨゴを含むモチノキ科の樹木からは
Phomopsis属の菌の一種が検出されている、と言う。
Phomopsis属はコナラのこぶ病でもそうである様に
多くの植物の寄生病を引き起こす一群であるので
このソヨゴのこぶ病もそれが原因なのかも知れない。
このソヨゴは、とある神社の境内に生えている。
恐らく、まだ若木の内に
こぶ病に罹患したのだろう。
若木が成木になるに連れ
こぶも成長してこの大きさになったのだろう。
御神木では無いが、境内の一角にあるので
大事に育てられて来て
この様な大樹になり
こぶもこの様に雄大になった、と思われる。
これだけ雄大だとワクワクを通り越して
畏敬の念さえ抱いてしまう。
こちらは別の場所にあったソヨゴ。
やはり幹の一部が妙に膨らんでしまっている。
このソヨゴも100年も経てば
先程のソヨゴの様に
雄大なこぶになるのかも知れない。
それにしても雄大なこぶだ。
これ程までに大きくなったこぶ病は
日本広しと言えど中々無いだろう。
寄生菌マニアとしては
こちらの方を御神木にして欲しいくらいだ。
キノコが縁起の「菌神社(くさびらじんじゃ)」
ご本尊が観音様の形をしたマンネンタケ、と言う
京都の源光庵はあるが
植物寄生菌を祀った神社と言うのは無い様だ。
これからもしそう言う神社が
創建される事があるならば
このソヨゴは是非御神木にして欲しいし
御神体にもして欲しい。
きっと全国の植物寄生病マニアが参拝に来る筈……
かどうかは判らないけどw
宗教法人を立ち上げるならば
是非一枚噛みたい物だ(^^;)☆\バキ