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原種

このblogは、当方が採取または
観察したキノコ等の菌類を元に記事を書いているが
今回は番外編と言う事で。


先日、近くのイタリア料理店、
ネグラマーロのシェフのやっているblogに
ちょっと気になる記事がUPされた。
カルドンチェロが入荷!との事だ(→こちら)。

あのカルドンチェロが入荷かぁ。
しかも季節物なので
今を逃すと今後何時食べられる保証も無い。
これは是非食べなければ。
早速予約の電話を入れ、晩に店に行く事に。


所でカルドンチェロって、何?
初めて聞く名前だよw
シェフのblogにもあった様に見た目はエリンギっぽい。
ヒラタケの仲間である事には間違い無いだろう。
webで検索すると「カルドンチェッロ」と表記している所もあった。
だが、日本語のサイトではそれ以上の情報が出て来ない。

そもそもどんな綴りなのか判らない。
適当に想像して入力するが、間違っている様で何もhitしない。
仕方無いのでイタリア語のサイトで
「FUNGO(イタリア語で「キノコ」の意)」を検索し、
片っ端から覗いてみた。
すると、掲載されているサイトが見付かった(→こちら)。

それによると、カルドンチェロとは
Cardoncello」と書き、
学名は Pleurotus eryngii との事。
ん? eryngii ????
これはエリンギでは無いか!

つまりカルドンチェロとはエリンギの原種の事の様だ。
なるほど、エリンギに似ている筈だ。
因みに、エリンギは学名の一部が商品名となっている。
これはかなり珍しい例だと思う。
他には、ササクレヒトヨタケの栽培種を
学名 Coprinus comatus から「コプリーヌ」と言っている例と、
日本には自生していない Agaricus Blazei を商品にした
「アガリクス茸」位な物だろう。
因みに、ヒラタケの学名は Pleurotus ostreatus 。
エリンギと同じヒラタケ科ヒラタケ属だ。

Pleurotus eryngii は日本には自生していない。
市販されているのはP. eryngii から
栽培に適した系統を選び出し培養した物だ。
なので、原種を日本で食べられる機会はまず無い。
これは面白いなぁ。
市販のエリンギとの違いを味わってみよう。


晩になり店へ。
シェフは当方のキノコ好きを知ってくれているので
わざわざカルドンチェロをテーブルへ持って来てくれた。
Cardoncello-1.JPG
Cardoncello-2.JPG
確かにエリンギだなぁ。
でも、先のサイトにあった様に
これが地面に生えていてもエリンギだとは中々判らないだろうなぁ。
 
シェフ曰く、
「もうこれで最後なので全部食べちゃって下さい」との事。
お言葉に甘えて3種類の料理を注文し
上手く配分をしてそれを全部使って貰う事にした。
その直後、来店した常連さんと思しき男性客が
カルドンチェロを注文していたのだが
シェフは「品切れです。申し訳ありません」と断っていた。
あぶねーあぶねー。
間一髪セーフだったw


そして出て来たのがこちら。
カルドンチェロのソテー。
Cardoncello-4.JPG
市販のエリンギと比べるとクリーミーな歯触り。
歯切れも鮮やかな感じ。
添えられたレモンタイムの爽やかさがアクセントになっていた。
(゚д゚)ウマー


続いてカルドンチェロのフリッター。
Cardoncello-5.JPG
こちらの方がよりクリーミーな歯触りだった。
衣のサクサク感との対比が見事。
(゚д゚)ウマー


シェフのblogにあった、
カルドンチェロとアンチョビのパスタ。
Cardoncello-3.JPG
にんにくも効いていて(゚д゚)ウマー


カルドンチェロ関係以外で頼んだ、
白アスパラのブレザオラ(牛肉の塩漬け)添え。
truff-1.JPG
白アスパラ、ブレザオラ、炒り卵とワケギの
渾然一体となった中に白トリュフの香りが加わって(゚д゚)ウマー
ほんとに(゚д゚)ウマー

その他に、もう2品あったけど、今回は省略。
ご馳走様でした(-人-)



後日、比較のため、市販のエリンギも食してみる。
それがこちら。
いわゆる「エリンギ」だ。
Cardoncello-6.JPG

こうして見ると、カルドンチェロだなぁ。
Cardoncello-7.JPG
Cardoncello-8.JPG
って、当たり前かw

この日は市販の安物のバジルソースでパスタに。
Cardoncello-9.JPG
冷凍野菜とベーコンを加えて彩りを。
シェフの料理に比ぶべくも無いが、これはこれで(゚д゚)ウマー
やはりカルドンチェロと歯触り歯切れが違うなぁ。


それは、調理方法も技術も違うし
野生種と栽培種の違いも勿論あるのだろうが
それ以外にも、
カルドンチェロは傘の部分を食べているのに対して
エリンギは柄の部分を主に食べている事による差も大きいと思われる。

市販のエリンギはどちらかと言うと
傘の柔らかい歯触りより
柄の歯切れ感を味わう為に特化された物の様だ。
実際、傘の開きは少なく、柄が大きい状態で販売されている。
今回買った物はホクト製品だったのだが
他社製品ではホクト以上に、より傘の部分の小さな物もある。

実は先のイタリア語のサイトは
カルドンチェロの種菌の販売のサイトだ。
下方に4つの品種が紹介されているが
その栽培状況の画像では
日本のエリンギとは違って傘が大きく開いている。
矢張り傘を味わう為に栽培している様だ。


傘の味わいよりも柄の歯切れを重視した、と言えば
エノキタケがそうだ。
栽培エノキタケと原種のエノキタケは
色も形も香りも何もかもが違う(→以前の記事)。
栽培品はエノキタケの柄の歯切れを楽しむ為に特化した物だ。
その歴史と変遷に関してはこのサイトが詳しい(→こちら)。
または、瓶詰めナメタケの原料として
改造された品種を一般販売した物が定着した、とも言う。

どちらにしても、原種とは懸け離れた物に
なっている事には変わりは無い。
最近はブラウンエノキなる
多少原種に近い品種の栽培品も出回っているが
原種とは似ても似つかない栽培種が
「エノキタケ」として一般化してしまった為に
原種を見て「これがエノキタケ!?」と驚く人も少なくない。

ひょっとしたらエリンギも同じ道を歩むのかも知れないなぁ。
今後は、より柄を強調した系統が
出回る事になって行くのかもなぁ。
でも、それはそれで良いのだろう。
柄の歯切れを楽しみたい時には市販のエリンギを買って
傘の柔らかさを楽しみたい時にはネグラマーロで
カルドンチェロを頼む事にすれば良いのだから
それもキノコの楽しみ方の一つと言えるだろう。

いやぁ、中々面白い体験が出来た。
ネグラマーロさん、有難う御座居ました(-人-)
皆様も名古屋へお越しの際には
ネグラマーロへ是非♪(→こちら)。


しかし、今の状態でも
日本在住のイタリア人がカルドンチェロを味わいたくて
市販のエリンギを買ったらがっかりするかも知れないよなぁ。
今後は益々その傾向が強くなるのだろうなぁ。
まぁ、寿司がSUSHIとなって
アボガドロールが出来たみたいな物だろうから
否定する訳では無いのだけれど。

それにしても、日本人って
そんなにも柄の歯切れを楽しみたい民族なのだろうかなぁ……



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| ヒラタケ科 | 00:26 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
いつも拝見しております。
今回も興味深い記事を有り難うございます。
カルドンチェロがイタリア語ということはエリンギの原種はイタリアに自生しているということですね。傘の部分が美味しそうです。
| Blue Wing Olive | 2011/07/23 8:09 AM |
エリンギの原種ですか〜、考えたこともなかったな〜。
美味そうですね・・・・
エリンギで思い出しましたがキノコのストラップの入っガチャガチャがあるのご存じですか?私はアミガサタケとベニテン持ってます。エリンギは在庫切れ・・・
| act | 2011/07/23 1:39 PM |
そういえば、アワビタケも外国の菌でしたね。
アワビタケはオオヒラタケでしたっけ?
最近、オオヒラタケもプラタナスの幹に生えていたりするとか。
アワビタケといい、エリンギといい、コリコリした食感が大好きなんですかね、日本人は…
私は天然えのきやなめこのようなツルっとした食感がだいすきですけれど。
| 北条氏康 | 2011/07/23 8:49 PM |

>>Blue Wing Oliveさん
ご来訪とコメント有難う御座居ますー

当方も今回、エリンギの原種の産地が
イタリアだと言うのを初めて知りましたw
思わぬ所から思わぬ情報と知識を得る物ですねー

Blue Wing Oliveさんは高山で釣りをされているのですね。
高山は毎年8月にキノコ探索に行っていますので
何処かですれ違っているかも知れませんね♪

またどうぞお気軽にコメントをお願い致します(^−^)
| まねき屋 | 2011/07/23 10:03 PM |

>>actさん
奇譚クラブのきのこストラップですねw

第1弾のタマゴタケの卵と
第2弾のサンコタケが欲しいのですが
そのガチャガチャ、近所に無いのですよ……

エリンギ、人気なのですねー
確かに握りやすい形かもw
| まねき屋 | 2011/07/23 10:17 PM |

>>北条氏康さん
お久し振りですー

オオヒラタケも日本に進出して来ましたか……
エリンギもその内、何処かの植え込みで見付かるかも知れませんね。
でも、きっとエリンギとは思って貰えないのでしょうねw

そう言えば、ナメコは幼菌の状態で食されていますが
実際には傘の開いた成菌の方が美味しい、との話です。
一度試してみたいのですが
ナメコに出逢った事が無いのですよね……(´・ω・`)
| まねき屋 | 2011/07/23 10:22 PM |
すごくウマー(゜Д°)そうですね♪

確かに現代の日本人はキノコの柄を中心とした歯ごたえ好きが多いのでしょうが、口中にジワ〜と広がるあの旨味があってのキノコの良さも楽しんで欲しいですね。

それにしてもウマー(°Д°)そうです!
| だんきち | 2011/07/28 9:35 PM |

>>だんきちさん
家の近所にこう言うお店があるのは
ちょっと得意な気分になりますねー
しょっちゅう通える位に財布に余裕があれば
言う事無いのですが……(-_-;)

そう言えばヤナギマツタケの栽培種も
どちらかと言うと柄の歯ごたえを楽しむ用になっていますね。
その内エリンギも、傘はイタリアに輸出して
残った柄だけを日本で消費する、なんて事になったりして……
| まねき屋 | 2011/07/29 4:42 PM |
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