先日、たびたび当blogに登場して頂いている
イタリア料理店、ネグラマーロのblogに
気になる記事がUPされた(→こちら)。
ジロールが入荷、との事だ。
ジロールとはアンズタケの事。
アンズタケはその名の通り
アンズの良い香りがするキノコだ。
それをオムレツにして食べると絶品だ。
実はアンズタケには10年以上前から
毎年岐阜の山中で出逢っている。
だが、何故か何時も収穫期を過ぎた状態で
収穫できたのは2回しか無い。
図鑑では色々な料理に合う旨が書かれているが
当方はオムレツでしか食べたことが無い。
と言う訳でこの絶品オムレツを食べたのは
ン10年間生きて来て2回しか無い……
残念ながら名古屋では今の所アンズタケには出逢っていない。
近縁種のアンズタケモドキはあり
これも可食のキノコなのだが
アンズタケモドキにはアンズの香りが無い為に
全く食指が動かされない。
アンズタケに比べてやや褐色がかっている程度で
下手にアンズタケにそっくりなので
どうしてもがっかり感が先に立ってしまう。
アンズタケモドキには罪は無いのだけどねー
まぁ、アンズタケモドキにしてみたら
自分なりに一所懸命生えているだけな訳で
香りがどうたらこうたらは人間の勝手な都合でしか無いのだが。
と、それはともかく。
そのアンズタケがシェフの手に掛かると
どんな料理になるのだろうか。
blogに「再入荷」とある様に
実はその前月にも入荷されていて
その旨がblogに書かれていたのだが(→こちら)
その時は残念ながら都合が付かなかったのだ。
これは是非食べてみなくては。
と言う訳で早速予約をし、店を訪れた。
席に着くと、シェフは例によって
アンズタケを籠に盛って持ってきてくれた。
と、そこに別のキノコが。
「ピエ・ブルーが入りましたので」との事。
ピエ・ブルーとはまた初耳のキノコだ。
これはどう見てもムラサキシメジだなぁ。
ムラサキシメジはその名の通り紫色をしたキノコだ。
ピエ・ブルーとは「青い足」の意味との事。
傘は成長と共に褐色を帯びる様になるが
柄は紫色が長く残る事からの命名だろう。
ムラサキシメジは19年前に
当時住んでいた東大阪の裏山で収穫し
食べた事が一度だけある。
その時はコンソメスープにして食べた。
やや歯切れの悪いマッシュルーム、と言った印象で
「ふ〜ん、こんなもんか……」と
それ程良い物とは思わなかった。
当時はデジカメを持っていなかったので
記録も残っていない。
それ以来出逢う機会も無く名古屋へ転居したのだが
昨年、名古屋市東部で
久し振りにムラサキシメジに出逢った。
画像のように柄の基部が膨らんでいるのが特徴だ。
老成した個体、と言う事に加え
光線の加減でかなり白っぽく写ってしまっていて
近縁種のウスムラサキシメジに見えてしまうが
多分ムラサキシメジで良いと思う。
この時は18年振りの再会だったが
前回のイメージがあまり良くなかったので
撮影だけして収穫はしなかった。
そしてネグラマーロでの思わぬ再会。
果たしてどんな料理となって出て来るのだろう。
それがこちら。
ピエ・ブルーのフリッター。
サクサクの衣と、中身はトロリとした食感。
そして心地良い歯切れ。
以前、当方が調理した時と全く印象が違う。
どうやらムラサキシメジは油で調理した方が
良い食材だった様だ。
(゚д゚)ウマー
続いてジロールとピエ・ブルーのリゾット。
たっぷりの粉チーズにマッチしていて(゚д゚)ウマー
更に牛肉のロースト。
肉の下に、ソースの絡んだジロールとピエ・ブルーが贅沢に。
にんにくも効いていて(゚д゚)ウマー
(゚д゚)ウマー、とにかく(゚д゚)ウマー
ご馳走様でした(-人-)
皆様も名古屋へ起こしの際には
ネグラマーロへ是非♪
イケメンシェフの渾身の料理が楽しめます(→こちら)。
しかし、ムラサキシメジがあんなに良い食材だったとはなぁ。
認識を新たにした次第。
矢張り素材を活かした調理が何より大事なのだなぁ。
その後、某所で今年もムラサキシメジと遭遇。
去年と同じ時期だった。
どうやらこの場所にはムラサキシメジが常駐している模様。
折角美味しい調理法を学んだのだから
今回は収穫しようかな。
でも、料理に使うにはまだ若いかも。
かと言って数日後に再度此処に来るのも面倒だ。
と言う訳で、持ち帰って少し育ててみる事にした。
小さなタッパに水苔を敷き、そこに植える。
収穫から数時間の内に傘が随分褐色を帯びてしまった。
パッと見、ミニ盆栽みたいだw
こちらは2日後の様子。
かなり開いて来た。
更に4日後。
完全に開き切った様だ。
よく開いた傘の下を見ると水苔が白っぽくなっている。
どうやら傘から降り積もった胞子でこうなった様だ。
ムラサキシメジの胞子紋は白色だったのだなぁ。
思わぬ形でそれが知れたw
早速調理する事に。
石突を切り取る。
そして小割りに。
たっぷりのオリーブオイルで炒める。
他の具材と共にパスタに。
今回も安物のバジルソースを絡めた。
以前、エリンギの記事でUPした時の画像と
殆ど代わり映えしないけど(→こちら)
それは置いといて……
ムラサキシメジがトロリとした食感で(゚д゚)ウマー
勿論、シェフの腕に敵うべくも無いけどw
その後も更にムラサキシメジに遭遇した。
図鑑では菌輪を描いて大量に発生する、と書かれていたが
この場所ではポツポツと散生する様だ。
何時か大量に収穫する機会があったら
またネグラマーロに預けて色々な料理を作って貰いたいなぁ。
それにしても、イタリアでは想像以上に
色々なキノコが食されているのだなぁ。
イタリアで修行していたシェフだからこそ知っていた事で
こうして図鑑を見ているだけでは判らない
新たな情報を得られるのは嬉しい。
これから先、この店でどんなキノコと出会え、味わえるのか。
とても楽しみだ♪