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何故に臭うのか

※その後の調べによると当記事中のキノコは
 「オオシロタマゴタケ」の可能性が高い様です。
 本文の訂正はしておりませんが
 その事をお含みの上、お読み下さると有難いです。




 こちらはハマクサギタマゴタケ(多分)。
070731hamakusagi-1.JPG
070731hamakusagi-4.JPG
当方は以前、このキノコをミヤマタマゴタケと思い込んでいて
その旨の日記を書いてしまっている。
webで検索すると当方以外でもその様に思っていた人が少なくないらしく
後々に「実はこれはハマクサギタマゴタケだったのね……」と
なっている様子。

ハマクサギタマゴタケは近年になって登録された種との事で
学名もまだ確定していないらしい。
名の由来は、このキノコのにおいが
ハマクサギ(浜臭木)と言う植物に似ているから、との事。
ハマクサギは「浜に生える臭木」の意味で
独特の臭気があるらしい。

最初、このキノコのにおいを嗅いだ時に
ちょっと変わったにおいだな、と思っていたのだが
その時はこれがハマクサギタマゴタケだとは知らなかったし
そもそもハマクサギの臭いを知らないので
判断のしようが無かった訳で。
その後、ハマクサギタマゴタケの存在を知り
あれが実はそうだったのか、となった次第。

そして、におい以外のもう一つの大きな特徴がツバの構造。
070731hamakusagi-2.JPG
070731hamakusagi-3.JPG
この個体は「厚みのあるスカート状」と言った外見。
調べると「二重構造」と表現されているのだが、
どう言う事だか良く判らない。
画像を検索すると、こんな形の事を言っているらしい(→こちら)。
当方の画像では此処まで顕著では無いが
確かにそれらしい構造にはなっている。

名古屋へ転居し、某所でそれらしいキノコを見付けたのだが
幼菌で特徴がはっきりとは判らなかったり
100710hamakusagi-1.JPG

老菌でも無いのに何故か崩れたり、欠けたりした物ばかりだったので
特徴をよく観察する事が出来無かった。
100710hamakusagi-2.JPG
100710hamakusagi-4.JPG
でも、誰かが蹴飛ばした訳でも無いだろうに
何故こんなにも欠けているのかは不明。

中には齧り痕が顕著な物もあった。
110704hamakusagi-1.JPG
110705hamakusagi-1.JPG
このキノコはネズミかリスかに取ってとても美味しい物らしいなぁ。

この場所でのこのキノコは
ご覧の様に正常な形の物が何故か少ない。
だが、大きく欠けた事によって
成長途中の物の断面を見る事が出来た個体があった。
それによって「二重構造のツバ」の意味が良く理解出来た。
100710hamakusagi-5.JPG

テングタケの仲間のツバの多くは、通常一枚のペラペラな板状の物で
一端は傘の縁に、もう一端は柄に繋がっていて
傘の縁側が切り離される事によって
柄にスカート状に垂れ下がる事になる。
柄に繋がっている場所が、柄の中部や上部、傘と柄の結合部等
種類によって違っているのだが
ハマクサギタマゴタケの場合、板が二枚重ねになっていて
両方とも一端は傘の縁と結合しているが
柄側の一端は一枚は柄の上部で、もう一枚は柄の中部で結合していて
その為、断面で見ると柄と傘の縁の間に
三角形の空間が出来る事になる。
100710hamakusagi-5a.jpg
ちょっと判り難いかも知れないが、
この断面ではそれが見て取れる。
そして、傘の縁から切り離されると
「厚みのあるスカート状」に見える様になる訳だ。
100710hamakusagi-6.jpg

こちらの数少ない、綺麗な形の個体ではそれが良く保存されていた。
110708hamakusagi-3.JPG
110708hamakusagi-4.JPG

こんな複雑な構造にしてまで
そんなにもヒダを保護したいのだろうか、と思ったのだが
当方の撮影した個体はツバが薄く、そこ迄丈夫な物では無い。
中には痕跡程度にしかツバが形成されていない物もあった。
それではヒダを十分に保護出来るとは思えない。
何でこんな構造のツバなのだろう。
このツバに、どんな有利な必然性があるのだろう。
まぁ、「たまたまこうなった」としか言い様が無いのだろうなぁ。

今年はもうちょっと良く観察したいなぁ、と思い
時機を見て現場へ向かうと、こんな状態だった。
120721hamakusagi-1.JPG
120721hamakusagi-2.JPG
こうなってはハマクサギ臭や二重構造のツバ所では無い。
また来年に期待せねばなぁ・・・・・・


さて、このハマクサギタマゴタケ。
何故ハマクサギの臭いをしているのだろう。
ハマクサギは防虫の為に臭気を発している、との事だ。
植物の中には臭気、または芳香によって
防虫の効果を果たしている種類は少なくない。
だが、ハマクサギタマゴタケのハマクサギ臭に
そんな効果があるのか、ちょっと疑問だ。

キノコの中には、所謂「菌臭」以外のにおいを持つ物が幾つかある。
例えばスッポンタケの仲間は腐臭、糞臭でハエを呼び
胞子飛散の役を負わせている。
taimatsu-hae.JPG
これはその必然性が理解出来る。
因みに画像はキツネノタイマツの老菌。

だが、アンズのさわやかな香りのアンズタケ。
anzutake-1.JPG

杏仁豆腐の甘い香りのクサハツモドキ。
kusahatsumodoki-1.JPG

都市ガス臭のオキナクサハツ。
okinakusahatsu.JPG

カブトムシのニオイのニオイコベニタケ。
nioikobeni.JPG

・・・等に、そのニオイを持つ事によるメリットが何かあるとも思えない。
アンズタケなんかは、アンズの香りを持ったが為に
人間に採取されてしまう訳だしなぁ。

これも「たまたまこうなった」としか言い様が無いのだろうなぁ。
キノコが養分を分解・吸収、成長をする際に生成される副産物が
たまたま人間には「ハマクサギの臭い」だったり
「腐臭、糞臭」だったり「アンズの香り」だったり
「杏仁豆腐の香り」をしているだけなのだろうなぁ。
大体、キノコが「よし!杏仁豆腐の香りになろう!」と
決意と努力をするとも思えないしなぁ。
何万何十万種とあるキノコが、それぞれ生成する副産物の内の幾つかが
たまたま人間にとって覚えのある
何かのにおいになってしまっているだけなのだろうなぁ。
全く持って不思議としか言い様が無い。
しかし、たまたまツバが二重構造になり
たまたまハマクサギのニオイを発している、とは
ハマクサギタマゴタケはかなり個性的なヤツではあるよなぁ。


それにしても、「ハマクサギ」と言う、全く知らなかった、
そして当方の行動範囲に生えているとも思えない植物のニオイを
予め知っていないとキノコの判定が出来無いなんてなぁ。
キノコは本当に奥が深いなぁ・・・・・・



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| テングタケ科 | 00:09 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
もしこのきのこが名古屋市内で見つけられていて、臭いが感じられないなら、私の仲間が調査中のきのこかもしれません。標本や資料を専門家に送って新種の可能性が認められ「オオシロタマゴタケ(仮)」の名がついています。ただ最近追加標本が手に入らなくて研究が進んでおりません。場合によってはまねき屋さんに標本の採取や発生場所を教えて頂くようお願いするかもしれません。その時は宜しくお願い致します。
ハマクサギタマゴタケ(仮)は専門家の間でミヤマタマゴタケの白色種との見解をとる方が多くまだ正式には認められてはいないようです。オオシロタマゴタケ(仮)もまだミヤマタマゴタケとの明確な違いを説明できないので同様の扱いです。
| gorosuke | 2012/07/28 10:36 PM |

>>gorosukeさん
当方が最初にこのキノコを見た時にミヤマタマゴタケと誤認したのですが
それはあながち間違いでは無かったのですねー

このキノコ、上の2枚以外は千種区内で発生していた物です。
2010年から毎年7月に発生を確認しています。
ハマクサギ〜とはまた別種の可能性もあるのですね・・・・・・
来年も発生をしていましたら「岐阜のきのこ掲示板
」へ連絡させて頂きます。
| まねき屋 | 2012/07/28 11:11 PM |
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