2012.10.27 Saturday
マスタケは美味しい
画像はマスタケ。
岐阜県荘川村内にて撮影。
マスタケは、色合いが鱒の肉に似ている事から名付けられた、と言う。
そして、マスタケと良く似ている物に、シロカイメンタケの幼菌がある。
どちらも発生環境が同じで、しかも色合いも形もそっくりなのだ。
以前、これはマスタケだろう、と思い、
それらしきキノコを切って水煮にした事がある。
マスタケは天ぷらが絶品で
その他の料理法はあまり向かない、との事だが
その時は天ぷらをする準備が無い場所で
帰宅までに数日の間があった為に
保存の為に取り合えず水煮にする事にしたのだ。
小さく切って鍋で煮る。
程良く火が通ったであろう頃合いに
試しに一口かじってみた。
と、味も素っ気もなく、
ただ木を齧っている様な感覚だった。
表面がちょっとぬめっとした食感だったので
一瞬「お!?」と期待しただけにショックだった。
どうやらそれはシロカイメンタケだった様だ。
マスタケとシロカイメンタケの食感は全く違うと言う。
「トロリとした」と表現されるマスタケに対して
シロカイメンタケは「木を齧る様な」と表現される。
で、文字通り、本当に、それこそ
木を齧っているとしか思えない食感だった。
それはシロカイメンタケ以外には有り得ない。
シロカイメンタケとマスタケの違いの目安として、
マスタケは畳生、シロカイメンタケは単生と言うのがある。
先のキノコは畳生していたので
マスタケだと思ったのだが、それは違っていた。
この荘川村はこういう風に
畳生しているマスタケ色のキノコを良く見かける。
傘の表面がゴツゴツしているので
これはシロカイメンタケの方だろうな、と思えるのだが、
こちらになるとどちらとも言えない感じだ。
こちらは白くなって来ているのでシロカイメンタケかなぁ。
こうなると完全にシロカイメンタケだよなぁ。
更に、シロカイメンタケだ。
そして最終的にはこうなる。
これだけ古くなっては何だか判らないけど
多分シロカイメンタケの残骸だと思う。
それはともかく、判断が難しいのが多いよなぁ。
と、こちらのキノコ。
これはちょっと質感が違う感じだ。
今までのシロカイメンタケと思われるキノコに比べて
何となくぬぼ〜っとした印象がある。
これこそマスタケか???
早速切り取ってみる。
切断の際の感覚も全然違う。
こちらの方が刃が通りやすい。
実はこちらがうっかり煮込んでしまったシロカイメンタケの表面。
こうして比べると明らかに違うよなぁ。
ますます期待が高まる。
これは帰宅直前に見付けたので
生でそのまま持ち帰る事にした。
帰宅後、早速一部をてんぷらに。
出来上がりの様子がとてもキノコに見えない。
恐る恐るかじってみる。
と・・・・・・
美味い!
トロリとした食感。
キノコとは思えない風味。
何となく魚のような風味を感じた。
それもあってマスタケなのだろうか。
シロカイメンタケがあまりにも味も素っ気も無さ過ぎたので
とにかく対比が大きかったよ。
マスタケは天ぷらが絶品!と言うのも頷ける。
残りのマスタケは、他の土産物と共に友人に送った。
友人も早速天ぷらにした由。
キノコの天ぷらに見えないその外見と
「元は多孔菌だよなぁ・・・・・・」と言う先入観から
恐々食べた所、その美味しさに驚愕。
(;´Д`)ハァハァ……しながらあっと言う間に完食したらしい。
友人達は「肉の様な風味」と感じたらしい。
何れにせよ、キノコとはまたひと味違う
実に美味しい風味、と言う事だろう。
マスタケ、また是非収穫したい物だ。
所で、マスタケの別形態にヒラフスベがある。
その件に関しては以前書いた事がある(→こちら)。
ヒラフスベとマスタケはDNA的には同一だが
有性生殖をするとマスタケに、
無性生殖をするとヒラフスベになるのだ。
とすると、ヒラフスベも食べられるのだろうか。
実はヒラフスベも美味のキノコ、との事だ。
こちらに試食体験記がある(→こちら)。
やはり天ぷらにするとトロリとした食感で美味との事。
とある日、名古屋市内でヒラフスベに遭遇した。
見た所、まだ新しそうだ。
取り敢えず収穫してみた。
こちらは断面。
早速天ぷらに。
で、お味は・・・・・・
あまり美味しくなかった。
それ程トロリとしていなかった。
味や風味もあまり感じなかった。
採り頃を過ぎてしまっていたのだろうかなぁ。
それこそ発生初期の幼菌でないとダメなのかもなぁ。
うーむ、残念・・・・・・
実は、このヒラフスベを先に体験して、この様な結果だったので
マスタケを食べるのはかなり勇気が要った。
所が、案に相違してマスタケがあまりにも美味だったので
このヒラフスベはタイミングを逸した、
残念な状態の物だったのでは、と実感した次第。
機会があれば新鮮なヒラフスベでリベンジしたい物だ。
リベンジした記事はこちら→「有精と無精」
所で、今回の件で
マスタケとシロカイメンタケ幼菌の
外見的な違いが良く判った。
シロカイメンタケはどんな幼菌でも
俺はホントは堅いんだぜぇ、と訴えている、と言うか
何となくゴツゴツザラザラとした感じなのだが
マスタケは全体にぬぼ〜っとした質感だ。
先に上げた画像で判る様に
比べて見ると明らかに違っている。
マスタケの老菌には出逢った事が無いのだが
多分老菌だと余計に差がでるのでは無いだろうか。
先に上げたこの画像。
これだけ成長してもあまりゴツゴツした感じもしないので
何となくマスタケの老菌では無いかと思うのだけどなぁ。
勿論、何の確証も無いけど。
マスタケだったとして、多分採り頃は過ぎてるだろうしなぁ。
とにかく、これでもう今後はマスタケとシロカイメンタケを
間違て収穫してしまう事は無いだろう。
あの味気ない木の塊をうっかり齧ってしまう事も無い筈だ。
今回、判った事がもう一つ。
岐阜県荘川村界隈はシロカイメンタケが圧倒的に多く
マスタケはとても少ない、と言う事。
しかも、シロカイメンタケも畳生するタイプがとても多い、と言う事。
今まで荘川村界隈で「マスタケ色」のキノコを沢山見てきたが
それの殆どはシロカイメンタケの幼菌だった様だ。
確実にマスタケだったのは今回も含めて2回だけだ。
今後もこの荘川村界隈でマスタケ色のキノコに出逢う事はあるだろう。
それが実際にマスタケだったら嬉しいなぁ。
またあのトロリとした食感と
キノコとは思えない不思議な風味を味わってみたい物だ。
と言う訳で、以前「マスタケ」としてUPしたこちらの ↓ キノコ。
この質感は、どうやらシロカイメンタケだったのでは、と思われます。
此処に謹んで訂正させていた頂きますm( _ _ )m
当該の記事はこちら。
岐阜県荘川村内にて撮影。
マスタケは、色合いが鱒の肉に似ている事から名付けられた、と言う。
そして、マスタケと良く似ている物に、シロカイメンタケの幼菌がある。
どちらも発生環境が同じで、しかも色合いも形もそっくりなのだ。
以前、これはマスタケだろう、と思い、
それらしきキノコを切って水煮にした事がある。
マスタケは天ぷらが絶品で
その他の料理法はあまり向かない、との事だが
その時は天ぷらをする準備が無い場所で
帰宅までに数日の間があった為に
保存の為に取り合えず水煮にする事にしたのだ。
小さく切って鍋で煮る。
程良く火が通ったであろう頃合いに
試しに一口かじってみた。
と、味も素っ気もなく、
ただ木を齧っている様な感覚だった。
表面がちょっとぬめっとした食感だったので
一瞬「お!?」と期待しただけにショックだった。
どうやらそれはシロカイメンタケだった様だ。
マスタケとシロカイメンタケの食感は全く違うと言う。
「トロリとした」と表現されるマスタケに対して
シロカイメンタケは「木を齧る様な」と表現される。
で、文字通り、本当に、それこそ
木を齧っているとしか思えない食感だった。
それはシロカイメンタケ以外には有り得ない。
シロカイメンタケとマスタケの違いの目安として、
マスタケは畳生、シロカイメンタケは単生と言うのがある。
先のキノコは畳生していたので
マスタケだと思ったのだが、それは違っていた。
この荘川村はこういう風に
畳生しているマスタケ色のキノコを良く見かける。
傘の表面がゴツゴツしているので
これはシロカイメンタケの方だろうな、と思えるのだが、
こちらになるとどちらとも言えない感じだ。
こちらは白くなって来ているのでシロカイメンタケかなぁ。
こうなると完全にシロカイメンタケだよなぁ。
更に、シロカイメンタケだ。
そして最終的にはこうなる。
これだけ古くなっては何だか判らないけど
多分シロカイメンタケの残骸だと思う。
それはともかく、判断が難しいのが多いよなぁ。
と、こちらのキノコ。
これはちょっと質感が違う感じだ。
今までのシロカイメンタケと思われるキノコに比べて
何となくぬぼ〜っとした印象がある。
これこそマスタケか???
早速切り取ってみる。
切断の際の感覚も全然違う。
こちらの方が刃が通りやすい。
実はこちらがうっかり煮込んでしまったシロカイメンタケの表面。
こうして比べると明らかに違うよなぁ。
ますます期待が高まる。
これは帰宅直前に見付けたので
生でそのまま持ち帰る事にした。
帰宅後、早速一部をてんぷらに。
出来上がりの様子がとてもキノコに見えない。
恐る恐るかじってみる。
と・・・・・・
美味い!
トロリとした食感。
キノコとは思えない風味。
何となく魚のような風味を感じた。
それもあってマスタケなのだろうか。
シロカイメンタケがあまりにも味も素っ気も無さ過ぎたので
とにかく対比が大きかったよ。
マスタケは天ぷらが絶品!と言うのも頷ける。
残りのマスタケは、他の土産物と共に友人に送った。
友人も早速天ぷらにした由。
キノコの天ぷらに見えないその外見と
「元は多孔菌だよなぁ・・・・・・」と言う先入観から
恐々食べた所、その美味しさに驚愕。
(;´Д`)ハァハァ……しながらあっと言う間に完食したらしい。
友人達は「肉の様な風味」と感じたらしい。
何れにせよ、キノコとはまたひと味違う
実に美味しい風味、と言う事だろう。
マスタケ、また是非収穫したい物だ。
所で、マスタケの別形態にヒラフスベがある。
その件に関しては以前書いた事がある(→こちら)。
ヒラフスベとマスタケはDNA的には同一だが
有性生殖をするとマスタケに、
無性生殖をするとヒラフスベになるのだ。
とすると、ヒラフスベも食べられるのだろうか。
実はヒラフスベも美味のキノコ、との事だ。
こちらに試食体験記がある(→こちら)。
やはり天ぷらにするとトロリとした食感で美味との事。
とある日、名古屋市内でヒラフスベに遭遇した。
見た所、まだ新しそうだ。
取り敢えず収穫してみた。
こちらは断面。
早速天ぷらに。
で、お味は・・・・・・
あまり美味しくなかった。
それ程トロリとしていなかった。
味や風味もあまり感じなかった。
採り頃を過ぎてしまっていたのだろうかなぁ。
それこそ発生初期の幼菌でないとダメなのかもなぁ。
うーむ、残念・・・・・・
実は、このヒラフスベを先に体験して、この様な結果だったので
マスタケを食べるのはかなり勇気が要った。
所が、案に相違してマスタケがあまりにも美味だったので
このヒラフスベはタイミングを逸した、
残念な状態の物だったのでは、と実感した次第。
機会があれば新鮮なヒラフスベでリベンジしたい物だ。
リベンジした記事はこちら→「有精と無精」
所で、今回の件で
マスタケとシロカイメンタケ幼菌の
外見的な違いが良く判った。
シロカイメンタケはどんな幼菌でも
俺はホントは堅いんだぜぇ、と訴えている、と言うか
何となくゴツゴツザラザラとした感じなのだが
マスタケは全体にぬぼ〜っとした質感だ。
先に上げた画像で判る様に
比べて見ると明らかに違っている。
マスタケの老菌には出逢った事が無いのだが
多分老菌だと余計に差がでるのでは無いだろうか。
先に上げたこの画像。
これだけ成長してもあまりゴツゴツした感じもしないので
何となくマスタケの老菌では無いかと思うのだけどなぁ。
勿論、何の確証も無いけど。
マスタケだったとして、多分採り頃は過ぎてるだろうしなぁ。
とにかく、これでもう今後はマスタケとシロカイメンタケを
間違て収穫してしまう事は無いだろう。
あの味気ない木の塊をうっかり齧ってしまう事も無い筈だ。
今回、判った事がもう一つ。
岐阜県荘川村界隈はシロカイメンタケが圧倒的に多く
マスタケはとても少ない、と言う事。
しかも、シロカイメンタケも畳生するタイプがとても多い、と言う事。
今まで荘川村界隈で「マスタケ色」のキノコを沢山見てきたが
それの殆どはシロカイメンタケの幼菌だった様だ。
確実にマスタケだったのは今回も含めて2回だけだ。
今後もこの荘川村界隈でマスタケ色のキノコに出逢う事はあるだろう。
それが実際にマスタケだったら嬉しいなぁ。
またあのトロリとした食感と
キノコとは思えない不思議な風味を味わってみたい物だ。
と言う訳で、以前「マスタケ」としてUPしたこちらの ↓ キノコ。
この質感は、どうやらシロカイメンタケだったのでは、と思われます。
此処に謹んで訂正させていた頂きますm( _ _ )m
当該の記事はこちら。