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うずうず

キノコの傘裏の形状は
柄や基部を中心に放射状に広がるヒダと、
傘裏全体を細かい穴が覆う管孔の、
2種類に大きく分類され
傘を持つキノコの殆どがそのどちらかに分かれる。

所がそれに収まらない数少ないキノコがある。
その一つがウズタケだ。
発生の少ないキノコ、との事で
そのためか、掲載されている図鑑も少ない。

名古屋東部の某所では
2007年5月28日に残骸を見付けた事がある。
uzutake20070528-1.JPG
uzutake20070528-2.JPG
その時は上手く画像に収める事が出来ず
とても残念な思いをした(→こちら)。

今年の9月10日の事。
同所を歩いていて、ふとこのキノコが目に留まった。
uzutake20120910-1.JPG
一見、アズマタケの様に見える(→こちらこちらの5枚目)。

だが、これはもしかして???と気になり、裏面を見てみた。
uzutake20120910-4.JPG
と、渦模様になっているでは無いか。
やはりこれはウズタケだったのだ。

と、良く見ると、渦ヒダの一部が管孔状になっている。
uzutake20120910-3.JPG
実はウズタケは、時としてこの様になるのらしい。
それに関する解説を、長くなるが
保育社刊「原色日本菌類図鑑」(1965)から引用する。

「ウズタケのヒダはしばしば一部分が管孔状を呈することがある。
 したがって、このヒダはかなり不安定な形質であり、
 ウズタケの同心的なヒダは管孔を形づくる壁のうち
 放射方向の位置を占める壁が発達しないために
 このような配列のヒダになったものであるが
 もしそれが発達すれば容易に管孔状になる性質をもっているのである。
 ヒダ状のものが本来の形で、それから管孔状に進む過程にあるのであるか
 或は管孔状が本来の形で、それが一部退化してヒダ状になるのか、
 即ちヒダを進化形と見るか退化形と見るかは不明である。」
 
まさにこれがその状態なのだなぁ。
また、

「ウズタケの子実層托が完全に管孔状を呈する形のものを
 アミウズタケ Coltricia montagnei (Fr.) Murr (Syn. Polyporus
 montagnei Fr. ; Polyporus greenii Yasuda) とよぶ。」

ともある。
また、保育社刊「原色日本新菌類図鑑」(1987)には

「本種の近縁種で子実層托が管孔状を呈するものが
 アミウズタケ Coltricia montagnei (Fr.) Murr である。
 Gilbertson (1986) はウズタケをその中に含めているが
 筆者(今関)は変種とした。」


とあり、続く文章では分類上の所属について
今後の変更の可能性を示唆している。
近年のDNA解析の導入によってどの様な結果が出ているかは
残念ながら当方は知らない。


その後、10月9日に同敷地内でこのキノコを見つけた。
uzutake20121009-1.JPG

見たら、これもウズタケだった。
uzutake20121009-2.JPG
uzutake20121009-3.JPG
古い個体だった所為で、かなり食害されている。

周辺を探すと同じ物が幾つもあった。
uzutake20121009-4.JPG

判り難いので矢印を入れてみた。
uzutake20121009-5.jpg
色が地味なので、やっぱり判り難い・・・・・・

更に周囲を探すとゾロゾロ見付かった。
uzutake20121009-6.JPG
uzutake20121009-7.JPG

uzutake20121009-8.JPG
uzutake20121009-9.JPG

uzutake20121009-10.JPG
uzutake20121009-11.JPG

uzutake20121009-12.JPG
uzutake20121009-13.JPG
uzutake20121009-14.JPG
だが、どれも残骸状の古い個体だった。

殆ど枯れ葉に埋もれていたとは言え
この場所は今まで何回も通っていたのだが
全然気付かなかったなぁ……
しかもこんなに幾つもあるなんてなぁ。

残念ながら残骸以前に、どれも異形のウズタケだ。
図鑑で見るウズタケからはかなり懸け離れている。
以前の「残念な個体」は
この場所のウズタケとしては標準的な形だった様だなぁ。


少し移動した場所にはこのキノコ。
uzutake20121009-16.JPG

これもウズタケだった。
uzutake20121009-17.JPG
こちらはまだ新しい個体だった。
だが、これも異形のウズタケだった。

この個体もヒダが一部、管孔状になっていた。
uzutake20121009-18.JPG
この場所のウズタケは管孔状になりやすい系統なのかもなぁ。


先に書いたが、ウズタケは発生の少ない種類だという。
だが、この名古屋東部はウズタケの一大発生坪だった様だ。
しかも、何年にも渡って発生している様だ。
此処は貴重な場所なのかも知れない。


実は、以前の記事に書いた荘川村のウズタケ(→こちら)も
翌年の2011年に全く同じ場所で再採取している。
uzutake20110816-1.JPG
uzutake20110816-3.JPG
uzutake20110816-4.JPG
此処でもウズタケは継年発生している様だ。

と言う事は、当方はウズタケの発生坪を
2カ所知っている事になる。
これは自慢して良い事なの……かな?
ただ、2012年は時期が合わなかったのか
荘川村での発生は確認出来無かったのが残念だった。


所で、当方が岐阜県荘川村で出逢ったウズタケは
上掲の画像で見ても判る様に
名古屋市東部産の物と比べると、かなり華奢だ。
傘の質感も違っており
「大きさが違う」以上の差異がある。
とても同じ種類とは思えない。
また、名古屋東部産のウズタケも
webや図鑑で見る個体(→こちら)とも、かなり差異がある。
ウズタケにも系統の違う物があるのだろうか。

ひょっとしたらウズタケが
アミウズタケ Coltricia montagnei の一変種、
とされている様に
一変種として管孔が同心円状になるキノコが
他にもあるのかも知れないよなぁ。

荘川村のウズタケは、近縁種の
オツネンタケ(→こちらこちら)に外見が似ているが
名古屋東部のウズタケは、
分類的には離れているアズマタケの方に似ていたしなあ。

ヒダの形が同心円状と言う特徴が強烈過ぎる為に
同じ「ウズタケ」とされてしまっているが
実はこれらは別種なのかも知れない。
つまり、ウズタケは将来的には
複数の種類に分類されるのかも知れない、と予想。

当たってたら密かに誉めて下さいw



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| 多孔菌科 | 11:36 | comments(4) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント


     ヘビのウズは出来たの?(笑)

| きのこ堂 | 2012/12/22 4:16 PM |

>>きのこ堂さん


               イケズ……(-_-;)

 
| まねき屋 | 2012/12/23 10:56 AM |
ご無沙汰しております。

少し(かなり?)マニアックな菌類を色々と紹介して下さるのを今年も心待ちにしています(^o^)

本年もよろしくお願いします。
| だんきち | 2013/01/15 8:22 PM |

>>だんきちさん
ご無沙汰してますー

およそ役に立たないマニアックな話しか出て来ないと思いますが
今年もお付き合いの程よろしくお願い申し上げますです。

m( _ _ )m
| まねき屋 | 2013/01/20 2:03 PM |
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