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新たな食材?

 こちらはツツジのモチ病。
tsutsujimoti-20.JPG
Exobasidium japonicum と言う菌によって
ツツジやサツキの葉が肥大化する寄生病だ。

最初は緑色の塊だが
成熟すると白く粉が吹いた様になる。
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この状態を餅に見立てたのが名の由来なのだろう。


多くはこの様に葉の一部が肥大化するが
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時として葉全体が肥大化したり
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枝先全体が肥大化する事もある。
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個体によってはこの様に赤くなる事もあるが
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これは花芽が罹患してこうなった訳では無い。
こうした色の変化にどの様な意味があるのか
当方には判らない。
尚、花芽が罹患する事もある、との事だが
当方は今の所、そう言う状態に遭遇した事は無い。

こちらは表面がヒョウ柄の様になっている。
tsutsujimoti-8.JPG
何か別の菌に重複寄生されているのかも知れないなぁ。


そしてやがて枯れ、葉ごと落ちてしまう。
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また来年、同じサイクルを繰り返すのだろう。

このツツジのモチ病も
東大阪時代には全く見かけなかったのだが
名古屋東部では毎年必ず発生している。
3年前は当たり年だったのか
それこそ、そこら中でモチ病だらけだった。
今年はそこまででは無い物の
見付けるのにさほど苦労をしない程度に
安定的に発生している。

葉を肥大化させる以外は特に害は無い様なのだが
とにかく見た目がよろしくないので
園芸家には嫌われている。


所で、このツツジのモチ病の罹患部は食べられる、と言う。
知り合いの父君が幼少期、
山野でおやつ代わりにしていた、と言う事だ。
また、日野巌著『植物怪異伝説新考』によると
滝沢馬琴の『兎園小説』に
「京都の洛西で近在の童子が"もちつつじの実”を食べていた」、
との記述があると言う。
モチツツジと呼ばれるツツジの一種はあるが
食べられる様な実はならない。
これはモチ病の事を指しているらしい。

なので、まずは野外でそのまま食べてみた。
梨の様な、シャクシャクとした食感が楽しい。
フルーツを食べる機会の少なかった時代、
こう言う食感は中々体験出来無かっただろうなぁ。
子供がおやつ代わりにしていた、と言うのも頷ける。
で、味は、と言うと・・・・・・
青臭いだけで美味しくも何ともない。
元々はただのツツジの葉なのだ。
美味しくないのは仕方無いだろう。

実は先の『兎園小説』では、先の記述に続いて
「甚だ苦い物だが、慣れで美味しく感じているのだろうか」とある由。
現代より食糧事情の良くなかった筈の江戸時代の感覚でも
やはり美味しい物では無かった様だ。
知り合いの父君によると
ヤマツツジのモチ病が美味しい、との事だが
それでも今食べて美味しい物な訳では無いのだろう。

でも折角ならもうちょっと工夫をして食べてみよう。
取り敢えず、一口大に切る。
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念のため、表面の殺菌の為に軽く煮てみる。
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それを氷水で良く冷やす。
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白蜜を掛けて食べてみる。
tsutsujimoti-24.JPG
と・・・・・・
 
湯通しした事でシャクシャクの食感が消えてしまっていた。
ただの弾力のある塊になっていた。
これは大失敗。
そして、口に入れた瞬間、蜜の甘みが広がる物の
噛むと広がる青臭さ。
蜜の甘みで青臭さが余計に際立っている。
これは不味い。あまりにも不味い。
飲み込む事を断念し、吐き捨てた・・・・・・

菓子や果物の乏しかった時代。
普段の食材と違う食感を味わえれば
味は別として、それはそれで十分楽しかったのだろう。
ただ、様々な美味しい物が何時でも食べられる現代に
わざわざ食べる物では無いなぁ。
食べる事が伝承されていない物には
矢張りそれだけの理由があるのだなぁ。

実は先の『植物怪異伝説新考』によると
明治25年6月に長野県伊那郡下藤村にて
8歳の女子がモチ病を食べ過ぎて
その為に死んだと言う報告がある、との事だ。
どれほど大量に食べたのかは書かれておらず
本当にモチ病菌が死因なのかも不明だが
あまり勧んで食べるべき物では無いのだろうなぁ。

先に書いた様に、ツツジのモチ病は時期になれば
名古屋東部ではかなり発生しているので
美味しい食材で無かったのはとても残念だ・・・・・・

 

 

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| 植物寄生菌 | 00:00 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
気持ワル〜。

つつじだけですか?
見たことないですね。
まさか味見されるとは。
肝がすわっていらっしゃいますね。
やはり
マタンゴになりますよ。
| ポコマム | 2013/07/02 5:17 PM |

>>ポコマムさん
東京の知り合いも見た事が無い、と言っていました。
南寄りの地域に多いのかも知れませんねー

最初に食べるのは勇気が要りましたが
試食記録を聞いたのでチャレンジした次第です。
人類最初の試食者になるのはさすがにハードルが高いですw
| まねき屋 | 2013/07/04 1:23 AM |
こんにちは。
いつもながらチャレンジャーですね!

食べ過ぎて死んだ女の子って、いったいどれだけ食べちゃったのか…

食感だけだと駄菓子になり得る感じでしょうか。

いつも知らない世界を垣間見させていただき感謝していますw
| だんきち | 2013/07/07 5:34 PM |

>>だんきちさん
有難う御座居ますー(^−^)

確かに食感だけなら駄菓子的ではありますねー
あくまでも食感だけですがw

この記事を書いてから人に教えられたのですが
一部の種類のツツジには元々毒が含まれているのだそうです。
件の女児はその種類のツツジを食べてしまったのかも知れませんね。
普段だったら食べなかったろう物を、なまじモチ病だった為に
大量に食べてしまったのでは無いでしょうか・・・・・・

| まねき屋 | 2013/07/10 1:43 AM |
私はS23年生まれですが小学生の頃、学校のサツキの変異葉を捜してよく食べていました。その時の食感はシャキシャキと少し酸味があって美味しかったように思います。
現在私の庭のサツキにも、もち病と言われる葉が見かけられつい食べたくなるのですが、大人になってこれは一種の病気かも知れないので害は無いのかと思い調べていたらこのサイトを見つけましたので投稿しました。
もう少し調べてみようと思います。
| ちっちぱぱ | 2016/05/28 12:06 AM |

>>ちっちぱぱさん
ご来訪及びコメント有難う御座居ました。

もち病の葉。
寄主であるつつじ・さつきの種類によって結構味が違うみたいですね。
当方が食べたのは美味しくない種類だったのかも知れません。
それと、発生して時間だ経つと不味くなる、との話もありました。
当方はタイミングが悪かったのかも知れません。

それと、このblogを読んだ方に教えて頂いたのですが
元々つつじには微量ながら有毒成分が含まれているのだそうです。
文中の死亡した女児はそれが原因なのかも知れませんね。
勿論、種類による成分量の差異、モチ病菌による増減や変異もあるでしょうが
あまり食べるべきものでは無いだろう、との事でした。
ですが、大人が少し食べる程度なら問題無いかな、と思ってますので
新鮮なモチ病に遭遇したら再チャレンジしてみる積りです。
| まねき屋 | 2016/05/29 8:46 PM |
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