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毒あり 毒無し
JUGEMテーマ:趣味

こちらはシロテングタケ。
shirotengu-16.JPG
shirotengu-17.JPG
当方が以前住んでいた東大阪でも
今迄に何度も探索していた滋賀県や
飛騨高山界隈でも一度も遭遇した事が無かったが
名古屋市東部では毎年、
しかも大量に見掛けるキノコだ。
どうやらこのキノコに取って
名古屋市東部はとても居心地が良いらしい。

シロテングタケはツバの具合が特徴的。
shirotengu-14.JPG
柄の近くから裂け、
傘の縁にボロボロのカーテン状に垂れ下がるので
とても「ツバ」とは言えない形だ。

そして傘には幼菌時のツボの残骸が乗っている。
こちらはその幼菌。
shirotengu-1.JPG
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shirotengu-3.JPG
最初、これを見付けた時は
腹菌類の何かかと思ってしまった。
だが、良く見ると、シロテングタケの幼菌だった。

こちらは少し成長し、外皮がひび割れている。
shirotengu-5.JPG
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更に成長。
こちらはヒビ割れ方が違っている為に
外皮をカリメロみたいに被った状態だ。
shirotengu-8.JPG
shirotengu-4.JPG

更に成長し傘が広がっているが
外皮はそのまま取り残されている。
shirotengu-9.JPG
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完全に成長し、老菌に差し掛かった個体。
shirotengu-19.JPG
最後まで外皮は派手に取り残されたままだ。


こちらはツバの形成状況を成長と共に観察。
最初はヒダは完全に覆われている。
shirotengu-15.JPG

柄の付近から裂け始めた。
shirotengu-10.JPG

裂け目がかなり広がって来た。
shirotengu-11.JPG

裂け目は更に広がり、
柄の付近のツバと、傘の縁に垂れ下がる部分に完全に分かれた。
shirotengu-12.JPG

そして傘の縁から垂れ下がる様になった。
shirotengu-13.JPG
何か痛々しいと言うか、おどろおどろしいと言うか、
独特の外見だ。

そして最終的には粉々になって散ってしまう。
shirotengu-20.JPG


こちらはオマケ。
老菌になって萎び、カビが生えてしまっている。
shirotengu-21.JPG
shirotengu-22.JPG
shirotengu-23.JPG
これはフタマタケカビと言う種類かも。
こうやって分解され、他の菌類や植物の栄養源となり
また次の世代に受け渡されて行くのだなぁ。


所で、このシロテングタケは図鑑によると
致死例のある毒キノコとなっている。
所が東北の一部ではこのシロテングタケが
「シラフタケ」の名で食用として重宝されている、との事。
松茸の様な香りがする為に
正月用の吸い物の食材として貴重品扱いの由。

「シラフタケ」は報告者の畠山陽一氏が
地元で呼ばれていた「シラフマツタケ」から命名した物。
こちらのサイトに、その詳細が紹介されている(→こちら)。
ただ、日本で報告された菌類情報が網羅されている筈の
『日本産菌類集覧』には「シラフタケ」の名が無かった。
と言う事は、畠山氏の報告は正式な物とはされなかったのだろうか。
因みに、畠山氏による「シラフタケ」の報告・命名は昭和48年、
野村正治氏によるシロテングタケの登録は昭和51年、との事である。


シロテングタケが掲載されている図鑑は少なくない。
以下、当方が調べた限りで列挙。

食キノコとして掲載されている図鑑
 ・『秋田のきのこ図鑑』無明舎出版刊
 ・『岩手・青森のきのこ500種』トリョーコム刊

食毒不明として掲載されている図鑑
 ・『日本のきのこ』山と渓谷社刊
 ・『カラー版きのこ図鑑』家の光協会刊
 ・『原色新日本菌類図鑑』保育社刊
 ・『東北のキノコ』無明舎出版刊
 ・『京都のキノコ図鑑』京都新聞社刊
 ・『広島県のキノコ』中国新聞社刊

毒キノコとして掲載されている図鑑
 ・『山渓フィールドブックスきのこ』山と渓谷社刊
 ・『いわきキノコガイド』いわき市観光協会刊
 ・『北陸のきのこ図鑑』橋本確堂刊
 ・『新潟の食用キノコ』(刊行者不明)
 ・『福井の里山奥山きのこ図鑑』福井新聞社刊
 ・『茨城のきのこ』茨城新聞社刊
 ・『栃木のおいしいキノコ』下野新聞社刊
 ・『群馬のきのこ』上毛新聞社刊
 ・『生田緑地のきのこ』川崎市青少年科学館刊
 ・『信州のキノコ』信濃毎日新聞社刊
 ・『長野県のきのこ』上小食品衛生協会刊
 ・『静岡のきのこ』静岡新聞社刊
 ・『豊田のきのこ』豊田市刊
 ・『兵庫のキノコ』神戸新聞総合出版センター刊
 ・『大分産気になるきのこ』遠藤正喜刊

上記で判るのは、地方のキノコ図鑑では
本州の北半分の地域での図鑑に掲載が多く
四国の図鑑には掲載が無く、九州では大分の図鑑のみ、と言う事。
勿論、当方が全ての全国のキノコの情報、
及び地方のキノコ図鑑の情報を知っている訳では無いし
ページ数の都合でたまたま掲載されなかっただけなのかも知れないが
これがシロテングタケの発生の状況を表しているのかも知れないなぁ。
ひょっとしたら、シロテングタケは本来、北方系のキノコなのかも知れない。
ただ、北海道のキノコ図鑑は4種類を見てみたが
シロテングタケの掲載は無かった。
『原色新日本菌類図鑑』では分布域は「本州以南」となっていた。
シロテングタケが実際に北海道には発生していないのかどうかは不明だ。
そうなると「シロテングタケ北方起源説」も怪しくなって来るなぁ。
困ったもんだ。
菌類でもブラキストン線が関係しているのだろうかなぁ・・・・・・

上記でもう一つ判る事。
掲載されている図鑑の内、「食」になっているのは東北北部の2冊だけで
福島県いわき市の図鑑では毒キノコとなっている。
「食べられるシロテングタケ」は本当に極一部にしか発生していない様だ。
尚、同じ無明舎出版刊の『秋田のきのこ図鑑』と『東北のキノコ』で
「食」と「食毒不明」と扱いが違うのは
「秋田」と「東北」の、取り扱っている地域の違いを考慮した物、
と思われる。


所で『北陸のきのこ図鑑』によると
シロテングタケと外見上酷似した近縁種で
「ドクシロテングタケ」と言うのがある、と言う。
ドクシロテングタケ、と言うからには
シロテングタケには毒が無いか、と言うと
先に書いた通りシロテングタケも毒キノコだ。
そして「シラフタケ」も
シロテングタケ、ドクシロテングタケも
外見上は全く区別が付かない。
とすると、無用の混乱を避けるためにも「シラフタケ」は
「ドクナシシロテングタケ」とでも言うべきでは無いだろうか。

東北の一部地域で食べられている
「シロテングタケにしか見えないキノコ」は
たまたま毒が無い種類なのだ、として置けば
シラフタケの知識がある人が
他地域でシロテングタケに遭遇した際に
誤って毒のシロテングタケを食べてしまわない様に
注意喚起が出来ると思うのだが、どうだろうか。
実際、シロテングタケの中毒事故は
シラフタケと誤認したのが原因らしいし。

因みに、シロテングタケ・ドクシロテングタケと
シラフタケがDNA的に近縁なのかどうかは当方には判らない。
たまたま外見が酷似した赤の他人の可能性も無い訳では無い。
だが、DNA解析の結果「シラフタケ」は
実はドクシロテングタケの近縁種だった、となったら
「ドクナシドクシロテングタケ」となるのかも知れない。
そうなると「トゲアリトゲナシトゲトゲ」みたいだなぁw


さて、名古屋で発生している「シロテングタケ?」は
「シロテングタケ」なのか「ドクシロテングタケ」なのか
それとも食用の「シラフタケ」なのか。
はたまたそれ以外の類似種なのか、果たして一体どれなんだろう。
ひょっとしたら、他地域で毒キノコとされているシロテングタケが
本当は食キノコのシラフタケだった、なんて言う可能性もある。
他地域では食べる人が居ないから
毒のシロテングタケと思い込んでいるだけかも知れないのだ。

とは言え、今迄色々な怪しいキノコ(及び菌類)を食べて来た当方だが
さすがにこれは食べる気にはなれないなぁ・・・・・・

 
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| テングタケ科 | 00:27 | comments(8) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
クリスマスイブのアップロードにふさわしい毒々しげなきのこですねw
マツタケの代わり、というのには興味をひかれますが、私もやはり食べようとは思わないです…
カリメロ懐かしすぎますw
| horihiromi | 2013/12/24 3:57 PM |

>>horihiromiさん
コメント有難う御座居ます。
シロテングタケの容姿とUPのタイミング、実は意識していましたw
そこを判って戴けて嬉しいです♪

来シーズンは料理して、本当にマツタケ臭がするのか
匂いだけでも嗅いでみようかと思います。
| まねき屋 | 2013/12/26 2:11 PM |
ここでトゲトゲの話が出てくるとは思いませんでした(笑)
キノコの分類については私良くわかりませんが、
とにかくツバの形状のおどろおどろしい所に惹かれました。
それにしても・・・参考にした図鑑・文献類の多さに驚きました。すごいですね〜。調べまくったまねき屋さんの熱意、見習わせていただきます!
| act | 2013/12/26 8:55 PM |

>>actさん
取り敢えず量で攻めてみましたw

トゲトゲの件。
都市伝説みたいな物だ、と聞いていたのですが
それが実際にある、と言うのは今回調べて初めて知りました。
虫の世界も奥深いですねぇ・・・・・・
| まねき屋 | 2013/12/29 6:22 PM |
トゲアリトゲナシトゲトゲにこちらでお目に書かれるなんて感激!
以前阿川佐和子の本で読んで強い関心を持ったのに 調べなかったです
写真を見られて良かった・・
実物に会いたいけど無理だろうなぁ

シロテングタケにも会いたい(^^♪
ボロ布が垂れ下がったようなツバが見たいです
北海道にもあるやなしや?!
| yuuko | 2014/01/25 5:59 AM |

>>yuukoさん
当方も今回の記事を書くにあたって
トゲアリトゲナシトゲトゲの画像を初めて見ましたねー
当方も嬉しかったです♪

シロテングタケ。
yuukoさんが北海道初の発見者になれるかも???
| まねき屋 | 2014/01/28 5:18 PM |
>・『豊田のきのこ』豊田市刊
本屋にも売っていない図鑑をよくお持ちですね。私の師匠や先輩方が作ったものです。愛知県のきのこ図鑑はこれ以外には無いようなので事実上「愛知のきのこ」と言っても良いかもしれません。ところで、この本に載っているカベンタケには子嚢があります。ヒメカンムリタケに訂正をお願いします。
| gorosuke | 2014/01/31 10:56 PM |

>>gorosukeさん
当方、キノコ文献コレクターなもので古書で見付けると
思わず買ってしまうのですねー
勿論、予算に制限は大きいですが・・・・・・
で、『豊田のきのこ』もそうして入手した次第です。

ヒメカンムリタケの件、了解致しました。
今後活用する際に気を付けたいと思います。
ご丁寧に有難う御座居ました。
| まねき屋 | 2014/02/02 9:23 PM |
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