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天狗の巣
既に何回も記事にしているが、当方は竹の寄生病である
「マダケの赤団子病」を追い求めている(→こちら)。
なので、外出時は竹が生えている場所を
つい探してしまう。

で、日本には結構竹藪が多い。
車や電車から風景を眺めていると
郊外の造成されていない場所には
竹林が残されている事が多いし
市街地でも、ちょっとしたスペースに
竹が生えていたり、植わっている事が多い。
規模の大小はある物の
とにかくあちこちに竹が生えている。
そして、良く目立つのが竹の天狗巣病だ。

竹の天狗巣病は
Aciculosporium take と言う菌によって
竹の葉の正常な発育が阻害され
異常に細かな枝分かれを密集させられる病気だ。
以下、病状の進行具合を画像と共に解説。

初期段階では一部が細長く伸長。
細かく分岐をしそこに小さな葉が生える。
tengusu1-tsuru (1).JPG
tengusu2-houki (1).JPG
tengusu1-tsuru (2).JPG
この状態を「つる状化」と言う由。
周りの大きく見える葉が通常の大きさ。
つる状化部分の葉が如何に小さいか判るだろう。


やがて、つる状の部分が増えて混み合って来る。
tengusu1-tsuru (3).JPG
分岐が増え、密集度合いがかなり増している。


更に分岐を繰り返し、密集度合いが増すと次の段階に。
tengusu2-houki (2).JPG
tengusu2-houki (3).JPG
tengusu2-houki (4).JPG
これを「ほうき状化」と言う由。
この状態を鳥の巣ならぬ「天狗の巣」と見立てて
命名されているらしい。
因みに英名は「witch's broom (魔女のほうき)」との事。
欧米には天狗は居ないからなぁ。

こちらの画像では、ほうき状化した部分が
かなり増えている。
tengusu2-houki (5).JPG


そして、次の段階へ。
ほうき状化部分がどんどん増え、大きな塊になる。
これを「房状化」と言う由。
tengusu3-fusa (1).JPG
tengusu3-fusa (2).JPG
tengusu3-fusa (3).JPG
こうなると遠目にもそれと判る様になる。
房状化した部分は重量も増すので
その重みで竹全体がたわんでしまっている。

ひとつの竹林でも罹患状況にはかなり個体差がある。
その竹の発生時期による影響の差もあるのだろう。
こちらの画像では罹患状況の酷い竹と
そうでない竹との差が激しい。
tengusu3-fusa (5).JPG
tengusu3-fusa (4).JPG
こうなると、次の段階では落葉・落枝が始まり
最終的には全ての枝葉を落として
樹木の幹にあたる「稈(かん)」だけを残して立ち枯れてしまう。

病状の進行速度の程は判らないが
つる状化が始まってから枯死に至るまでは
10年以上、おそらく数十年は掛かるのでは無いかと想像している。
竹の一生は50年とも100年とも言う。
それが天狗巣病によって
どの程度の影響を受けるのかは判らないが
病状も竹の寿命に合わせて
ゆっくりと、しかし確実に進行して行くのだろう。

種類や時期にもよるが、
健康な竹であれば葉の大きさが揃っているので
竹の1本全体が一定のリズムで構成され
葉の緑で輝いても見えるのだが
天狗巣病に冒されるとリズムがかき乱され
その部分だけ色が沈んで見える。
勿論、軽度の発症で収まっている場合は
ぱっと見では判らないが
重症になれば嫌でも目立って来る。

この様な「天狗巣病の見え方」を頭に入れておくと
車や電車で移動しながらでも
「あの竹藪は天狗巣病に結構やられているな」
「あそこはやられ始めてるみたいだな」
と、観察する事が出来る。
で、そうやって観察した所、
天狗巣病にやられてる竹藪が
如何に多いか、と言う事に気付いた次第。

ただ、この竹の天狗巣病。
各種の竹に発生するが
病状が重く進行するのはマダケだけらしい。
モウソウチクにも罹患例はあるが
見付かると学会報告されるレベルで少ない由。
実際、当方が撮影した罹患竹もマダケばかりだ。
何でも、天狗巣病に全く罹患していない
完全に健康なマダケの竹林は全体の1割も無いのだとか。

因みに、竹の天狗巣病には治療法は無い。
見付けたら伐って焼くしか無いのだ。
だが近年、竹林は放置され、手入れもされていないので
天狗巣病が発生し放題だと言う。
これは全国的な大きな環境問題の一つの由。


で、この天狗巣病。
梅雨時に雨を受けて先端から胞子を放出する、との事。
その様子を見てみたい、と思っていたのだが
雨の中、天狗巣病の竹を見る機会が中々無かった。
そんな竹林がすぐ近くにあれば良いのだが
生憎と徒歩圏内には無い。
雨が降っている中、わざわざ車やバイクで
罹患している遠くの竹林まで行く、と言うのもねぇ。

と、そんな中。
つい最近、雨の日に用事で出掛けた先で
天狗巣病のある竹林に遭遇。
早速観察する事に。

それがこちら。
tengusu2-houki (6).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


tengusu2-houki (7).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


tengusu2-houki (8).JPG
この↑画像の一部拡大↓。


元々天狗巣病の罹患部の先端には
白っぽく見える部分があるのだが
それが膨らんでいて
はっきりくっきりと白く見える。
なるほど、こんな風になるのかぁ。

更に先端から胞子で白濁した水滴が垂れていたのだが
それを上手く撮影する事が出来無かったのは残念だった。

この様にして昆虫などの小動物に付着させ
胞子を伝播させているらしい。
その結果、上掲の画像の状況になるのだなぁ。

いやぁ、中々貴重な物を見れた。
たまたまその方向に用事があって良かったよ。
今後は竹林のある場所優先で用事が出来無いかなぁw

それはともかく、これからも竹林の観察は続ける予定。



所で、7月2日から大阪梅田・阪神百貨店で開催される
『ドキドキ!きのこフェスティバル』に
今年も参加致します。

阪神百貨店の公式サイト→こちら

張子の起き上がり小法師のキノコを中心に、
今回は張子以外の物も色々持って行こうと思っています。
よろしければどうぞお立ち寄り下さいませ。

m( _ _ )m

 
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| 植物寄生菌 | 00:29 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
京都に見仏でよくでかけるのですが、
これからは竹やぶにも目がいきそうです。笑
赤団子に天狗巣ですね。
頭にいれておきます。

そういえばカメラいいのを購入されましたか?
以前より、ピンがきちんとしているような気がします。
| ポコマム | 2014/07/14 12:01 PM |

>>ポコマムさん
京都御所では毎月キノコ観察会もしてますので
そちらへ参加するのも面白いかもw

因みに、カメラは特に変わってません。
ピントの件はたまたまかと……(^^;)
| まねき屋 | 2014/07/15 10:34 PM |
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