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ヘタ
2009年8月の事。
栗東市の某神社の境内の大きなクスノキで
こんな物に遭遇。
hetatake2009 (1).JPG
hetatake2009 (2).JPG
hetatake2009 (3).JPG
丸でコールタールの様な塊。
何だこれは???

こんな感じのキノコと言えばクロコバンタケがある。
クロコバンタケはクヌギ、コナラ等の枯木の樹皮下に発生し
成熟すると樹皮を丸く突き破り黒い子実体を露出させる、
と言う不思議な生態のキノコだ(→こちら)。

樹皮下に黒い子実体を形成させるキノコ、と言うと
以前「ニマイガワ」について記事を書いた事がある(→こちら)。
「樹皮下に形成される」「表面は黒いブツブツ」
と言う点で似ており
実際、検索をするとニマイガワをクロコバンタケと
混同していると思われる画像もあるが全くの別種。

で、そのクロコバンタケ。
検索しても56件しかhitしない(2015年2月現在)。
発生の少ない珍しいキノコ、との事だが
とても地味で目立たない為に
発生していても気付かれていないだけなのかも知れない。
実際、名古屋でも発生は確認されているので
当方も気付かずにスルーしてしまっているのかもなぁ。
実は何処にでもあるキノコだったりしてw

と、それはともかく、
クロコバンタケは樹皮下に発生するのだが
画像のキノコは材上に露出している。
これは別のキノコなのだろうか。
それとも、発生場所の関係で
たまたま露出してしまった個体なのだろうか。


翌2010年8月。
同所に行くと、こんな状態。
hetatake2010 (4).JPG
hetatake2010 (1).JPG
hetatake2010 (2).JPG
hetatake2010 (3).JPG
矢張り材上に露出している。
しかも幼菌なのか、丸い塊。

試しに一つ、手に取ってみる。
hetatake2010 (7).JPG
実は2009年の遭遇時、コールタールの様な部分を
落ちていた小枝で突いてみた所、
そのベタベタがくっ付いて来てしまった為
迂闊に採取も出来なかったのだが
今回は幼菌で、ベタベタが露出していなかったので
この様に収穫する事が出来た次第。

裏返してみると柄に当たる部分が確認出来る。
hetatake2010 (5).JPG
hetatake2010 (6).JPG
こうして見ると、大きなカイガラムシか何かみたいだ。

ナイフで真っ二つにしてみる。
hetatake2010 (8).JPG
結構硬く、切るのに一苦労。

一つ一つのツブツブは子嚢殻。
此処で胞子が形成される訳だ。
hetatake2010 (9).JPG
断面だけを見ると、チョコクッキーみたいだw
とてもキノコには見えないよなあぁ。


更に翌2011年8月。
こんな状態。
hetatake2011 (1).JPG
hetatake2011 (2).JPG
hetatake2011 (3).JPG
hetatake2011 (4).JPG
矢張りこれはクロコバンタケが
外に出てしまった物では無い模様。
一体何だろう……???

で、調べた所、どうやらこれは「ヘタタケ」らしい。
このヘタタケの「ヘタ」は
「下手」では無く「蔕」、つまりコレ↓の事。
hetatake2014 (3).JPG
ミカンや柿の蔕みたいな形のキノコ、との意味だ。

2011年の分の最後の画像の個体を持ち帰り
乾燥標本にしたのがこちら。
hetatake2014 (1).JPG
hetatake2014 (2).JPG
hetatake2014 (4).jpg
コールタールの様な質感は消え、マットな状態になった。
こうなるとますます「蔕感」が増している。
ひょっとしたらこの様な状態の物を見て
「ヘタタケ」と命名されたのかも知れないなあ。

学名で言うと Camarops petersii。
因みに、クロコバンタケの学名は  Camarops polysperma。
実はヘタタケとクロコバンタケは
同じ「ヘタタケ属」のキノコなのだ。
似ているのも当然と言えよう。

試しに「ヘタタケ」で検索をすると
28件しかhitしない(2015年2月現在)。
クロコバンタケより発生が少ない様だ。
「ヘタタケ属」と、クロコバンタケを自分の配下に置きながら
ヘタタケより目立ちにくい筈のクロコバンタケより観察例が少ない、
と言うのも何とも不思議な話だ。

『日本産菌類集覧』によるとヘタタケの和名登録は1980年、
クロコバンタケは1986年との事。
たまたま日本ではヘタタケの方が先に発見されてしまったので
そんな事態になったのだろうかなぁ。

因みに学名で世界中の検索をしても
Camarops petersii(ヘタタケ)では1360件。
Camarops polysperma(クロコバンタケ)では2450件。
世界的に見てもクロコバンタケの方が多い。
クロコバンタケからしたら忸怩たる思いがあるのかも知れない。

と、それはともかく、ヘタタケ属は全世界でも
10種程度しかない小さな属。
日本産種は今の所、ヘタタケとクロコバンタケだけらしい。
せっかくだからクロコバンタケにも遭遇して
日本産ヘタタケ属を制覇したい物だ。
上述した様に名古屋での発生は確認されている。
あとは当方の探索次第。

そして、栗東市のヘタタケにもまた遭遇したい物だ。
実は2012.2013年には遭遇出来無かった。
2014年は行く機会は無かった。
何時かまた、採取したい物だ。
クロコバンタケも採取・標本にして
日本産ヘタタケ属のコンプリートモデルを作りたいなぁ。

で?と言われたらそれまでだけどw


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| 子嚢菌類 | 00:11 | comments(6) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
で? なんて言いませんよ。
頑張ってください。

ニマイガワのツブツブ写真、気持悪かったです。。。
| ポコマム | 2015/03/02 4:50 PM |
うーん、深いですね勉強になります。
| シオ | 2015/03/02 7:00 PM |

>>ポコマムさん
有難う御座居ますー
頑張ります(^-^)

ツブツブの。
あれが赤とかだったら更に気持ち悪いかも・・・・・・
幸い?黒しか無い様です。
| まねき屋 | 2015/03/07 12:19 AM |

>>シオさん
有難う御座居ますー
ほんとにキノコは奥深くて面白いですよね♪
| まねき屋 | 2015/03/07 12:20 AM |
気持悪いとばかり連呼せずに
「奥が深い」と言わないといけませんね!
反省
次回を楽しみにしております。
| ポコマム | 2015/03/09 11:08 AM |

>>ポコマムさん
あ、いえいえ。
「気持ち悪い」は素直で当然な感想です。
当方もそう感じておりますしw

「奥が深い」はマニアならでは言い草ですので
どうぞお気になさらずに(^-^)
| まねき屋 | 2015/03/10 1:52 PM |
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