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有精と無精
こちらの画像はヒラフスベ。
hirafusube2015 (1).JPG
hirafusube2015 (2).JPG
hirafusube2015 (3).JPG
かなりの老菌の個体。
周囲の幹に胞子が飛散・付着しているのが確認出来る。
2011年9月5日に撮影。

ヒラフスベに関しては何回か記事にした事がある。
  ・手抜きの逞しさ
  ・マスタケはややこしい
  ・マスタケは美味しい
ヒラフスベはサルノコシカケ(多孔菌)の仲間だが
有性生殖をするとマスタケ(もしくはアイカワタケ)になり、
無性生殖をするとヒラフスベになる。
有性世代のマスタケ(もしくはアイカワタケ)の時は
他の多孔菌の仲間と同様、個体下面から胞子を飛散させるのだが
無性世代のヒラフスベの時は
成熟すると個体全体が胞子(分生子)の塊になるのが特徴だ。
その特徴ゆえに、以前ヒラフスベは
ホコリタケの仲間に分類されていた時代もあったのだとか。


こちらは17日後、9月22日の様子。
hirafusube2015 (4).JPG
hirafusube2015 (5).JPG
hirafusube2015 (6).JPG
hirafusube2015 (7).JPG
一部の残骸を残して殆ど分生子は飛散してしまった模様。

根元を見ると塊が落ちていた。
hirafusube2015 (9).JPG
hirafusube2015 (10).JPG
一体、どれだけの数の分生子が飛散されたのかは判らないが
こうやって勢力拡大を目指しているのだよなぁ。


名古屋市東部の某神社のこの樹木(樹種不明)には
毎年ヒラフスベが発生している。
以前の記事にも書いたがヒラフスベは食べられる。
発生したての個体を天ぷらにすると絶品の由(→こちら)。
だが、収穫のタイミングが難しい。
以前、収穫→試食した際には採り頃を過ぎてしまっていた様で
全然美味しくなかった。
一度、ちゃんとした物を食べてみたいなぁ。


2013年10月17日。
様子を見に行くとかなり新しい個体が。
hirafusube2015 (11).JPG

試しに一つ、もぎ取ってみる。
hirafusube2015 (12).JPG
hirafusube2015 (16).JPG
内部を見たら、かなり粉っぽい感じ。
これは完全に採り頃を過ぎているのだろうなぁ。

こちらの個体はどうかな。
hirafusube2015 (13).JPG
hirafusube2015 (14).JPG
こちらはまだ新しい感じ。
食べれるかな?
取り敢えず収穫してみた。

帰宅後、早速調理。
hirafusube2015 (17).JPG

一口大にスライス。
hirafusube2015 (18).JPG

今回は手抜きして素揚げにしてみた。
hirafusube2015 (19).JPG
hirafusube2015 (20).JPG

で試食。
hirafusube2015 (21).JPG
うーん、矢張り採り頃を過ぎていたので不味い。
残念。
残り共々、廃棄処分。
勿体無い&申し訳無い。
それにしても採り頃が難しい。


2014年10月3日。
更に様子を見に行った所、
またヒラフスベが発生していた。
本当にこの場所は毎年発生するのだなぁ。
hirafusube2015 (22).JPG

しかも、それこそ発生したての様で
今迄の個体とは質感が違う。
hirafusube2015 (23).JPG

試しにもぎ取ってみる。
hirafusube2015 (25).JPG
hirafusube2015 (24).JPG
内部は真っ白。
正に発生初期の模様。
これこそ採り頃か???
取り敢えず収穫する事に。

帰宅後、早速調理を。
hirafusube2015 (26).JPG

一口大にスライス。
hirafusube2015 (30).JPG
はんぺんみたいに真っ白。
でもジャガイモの様な質感。

今回はちゃんと衣を付けて天ぷらに。
hirafusube2015 (27).JPG
hirafusube2015 (29).JPG

早速試食。
hirafusube2015 (28).JPG
トロッとした歯触り。
マスタケと良く似ているなぁ。
矢張り丁度採り頃だった様だ。
良かった良かった♪

だが、当方としてはマスタケの方が美味しく感じた。
食感は良く似ていたが
旨みがヒラフスベにはあまり感じられなかった。
マスタケを先に食べていなかったら
それなりに美味しく食べれたのかも知れないが
比べてしまうとマスタケの圧勝だなぁ。

有性生殖と無性生殖で、こんなにも差が出てしまうのだなぁ。
鶏の卵でも有精卵の方が美味しい、と言う話があって
本当かどうかは不明だし、実際には違いは無い、とも言うが
マスタケとヒラフスベの場合は
明らかに有精物の方が美味しいと言えると思う。
勿論、環境条件の違いによる個体差の可能性もあるけれど。


残りのヒラフスベ。
捨てるのも勿体無いので加工する事に。
取り敢えず煮てみた。
hirafusube2015 (31).JPG

すると、生クリームの様なねっとりとした細かな泡が湧いて来た。
hirafusube2015 (32).JPG

そのまま煮続けると、細かな泡が消えて、普通の泡になった。
hirafusube2015 (33).JPG
何かの物質が熱で変化したのだろうなぁ。
何が何にどう変わったのかは勿論判らないが。

火が通った所で引き揚げ、布巾で水気を取る。
hirafusube2015 (34).JPG

味噌をまぶす。
hirafusube2015 (35).JPG
名古屋なので八丁味噌w

4〜5日後、取り出して味噌をぬぐう。
hirafusube2015 (36).JPG
ヒラフスベの味噌漬け。
酒の肴になりそう♪



と、思ったのだが、矢張り旨みに乏しかった。
味噌を浸透させても今一つ。
思った程、美味しくならなかった。
うーん、残念。
当方的にはヒラフスベは食キノコ候補からは外さざるを得ない。
まぁ、ヒラフスベにしたら
立候補もしていないのに勝手に落選させられて、
何勝手な事言うてんねん!かも知れないけど。


こちらは3日後、10月6日の様子。
hirafusube2015 (37).JPG
hirafusube2015 (38).JPG
前回収穫しなかった個体がかなり成長している。

折角なので画像を並べてみた。
左が10月3日、右が10月6日の様子。
hirafusube2015 (39).jpg
3日でかなり成長するのだなぁ。
因みに、一番上の個体が
逆に小さくなっている様に見えるのは
その一部をもぎ取って収穫したから。

当方はヒラフスベを収獲する事はもう無いだろう。
今後は成長・成熟して分生子を飛散させる様子の
観察だけをして行こう。
勿論、その方がヒラフスベの望みだろうしね。

また今年もこの場所でヒラフスベに遭遇したい物だ。



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| 多孔菌科 | 17:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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