2015.06.27 Saturday
その名はヒイロタケ
こうしてblogを書いていると
色々な方が見に来て下さる。
中には語句検索でこのblogに辿り着かれた方も居り
どんな語句でこのblogにhitしたのかを見るのも楽しい物だ。
で、件数は多く無い物の毎年必ずあるのが
「桜の木 赤いキノコ」の語句。
恐らくそれはヒイロタケを検索していたのだろう。
ヒイロタケは広葉樹の枯木に発生するキノコで
名前の通り全体が綺麗な赤橙色〜緋色の為
遠目でもとても良く目立つ。
当方が見る限り、桜の木に発生している例がとても多い。
こちらは名古屋市東部の某貯水池の桜の木。
こんな感じで良く目立つ。
他にも、とある神社の御神木?の大枝に
びっしりと発生していて枝全体が赤く見えたのがあったのだが
車で走行中に見掛けた物だった為に、
画像を撮る事が出来無かったのは残念だった。
東大阪時代には在住17年で2度しか遭遇出来なかったのだが
名古屋では毎年必ず何度も遭遇している。
名古屋はヒイロタケに取ってとても居心地の良い場所の様だ。
だが、今までヒイロタケの事を当方は
簡単な内容しか書いて来なかった。
その所為か「桜の木 赤いキノコ」の語句で検索すると
何故かこぶ病の記事(→こちら)がhitしてしまう。
期待を持って開いたら、さぞがっかりされた事だろう。
そこで、改めてヒイロタケの事をちゃんと書いてみようかと。
先に書いたが、ヒイロタケは良く目立つ赤いキノコだが
その色合いは個体差が大きい。
こちらは赤橙色の個体。
その3週間後の様子。
幼菌の時よりは若干赤みが強くなっている。
こちらは別の個体。
名古屋ではこんな感じの色合いの個体が多い様だ。
こちらは赤味の強い個体。
裏側は更に鮮やかな赤。
こちらはやや沈んだ色合い。
ちょっと古くなった個体だろうか。
こちらは更に沈んだ色合い。
赤錆色とでも言うべきか。
古い個体なので沈んだ色になったのだろうなぁ。
こちらは成長の様子を。
アベマキ?の丸太に点々と生えだした所。
その18日後の様子。
かなり傘が広がっている。
この先を観察出来無かったのは残念。
ヒイロタケはカワラタケと同様に
多数重なって発生するのが普通なのだが
時には妙な生え方をする。
こちらは樹皮の表面に背着的に広がっていた個体。
管孔が普段とは真逆の向きになるのだが
胞子の飛散には影響無いのだろうかなぁ。
こちらは普通に生えていた個体の足元に
背着的に広がっていた個体。
こちらは胞子の飛散には影響無さそうだなぁ。
ヒイロタケとよく似たキノコにシュタケがある。
そちらは朱色のキノコ、と言う事になっているが
表から見ただけではヒイロタケと区別が付かない。
肉眼的に差異があるのは孔口の大きさ。
ヒイロタケは一見しても判らないくらい孔口が小さいが
シュタケは孔口がかなり大きい(→こちら※かなり古い個体の様子)。
ただ、webで検索しても
ヒイロタケとシュタケは混同されている様で
シュタケとされていてもヒイロタケに見える個体の画像もある。
もう一つの肉眼的判別法としてヒイロタケに比べて
シュタケの方が子実体の厚みがある、と言うのだが
当方が揚げた画像を見ても厚みの個体差もかなり大きい様だ。
それが環境による変化なのか、系統差による物なのか、
またはDNA的には別種になるべき物なのかは判らない。
因みに、ヒイロタケは南方系、シュタケは北方系との事。
残念ながら当方はまだシュタケに遭遇した事は無い。
ヒイロタケは子実体だけでなく菌糸も赤い様子。
こちらはヒイロタケの生えていた枯れ枝の断面。
材がヒイロタケの菌糸で赤くなっている。
取り残された部分をよく見ると
黒い線で囲まれている様になっている。
これは恐らく、この部分は別の菌が入っていて
ヒイロタケとの境界線争いが
この黒い線となって見えているのだと思う。
さてこのヒイロタケ。
古くなると色は褪せてしまう。
こちらはやや褪せ始めた状態。
更に褪せた状態。
白く色が抜けた部分が環状になっている。
色の白い部分が増えて来た。
更に白くなり、赤い部分が環状に残っている。
殆ど全体が白くなってしまった。
赤い痕跡があるのでヒイロタケの老生体だと判るが
それが無かったら別種のキノコとして
判断してしまっていたかも知れない。
こちらは褪色の3段階が並んでいる。
ヒイロタケの枯死後の経過を一望出来るなぁ。
標本として持ち帰りたかったけど
丸太が重くて断念・・・・・・
因みに、ヒイロタケを煎じて飲むとガンに効く、と
何処かで見た記憶があるのだが真偽の程は不明。
また、出汁取りに使える!?ともあったが、それも不明。
所で、オオクワガタマニアの間で言われている秘伝に
「オレンジ色のカワラタケを探せ」と言うのがある、との事だが
此処で言われている「オレンジ色のカワラタケ」とは
ヒイロタケの事では無くニクウスバタケの事。
ニクウスバタケを上から見るとヒイロタケとよく似ているが
裏側を見ると全然違う。
この状態から「肉色の薄歯茸→ニクウスバタケ」と
命名されたのだろう。
ニクウスバタケについては以前に
簡単な記事を書いた事がある(→こちら)。
さて、これでヒイロタケを調べようとして
このblogに来られた方にはご満足ご納得頂けたでしょうか。
もしよろしければまた覗きにいらして下さいませ。
(^−^)
色々な方が見に来て下さる。
中には語句検索でこのblogに辿り着かれた方も居り
どんな語句でこのblogにhitしたのかを見るのも楽しい物だ。
で、件数は多く無い物の毎年必ずあるのが
「桜の木 赤いキノコ」の語句。
恐らくそれはヒイロタケを検索していたのだろう。
ヒイロタケは広葉樹の枯木に発生するキノコで
名前の通り全体が綺麗な赤橙色〜緋色の為
遠目でもとても良く目立つ。
当方が見る限り、桜の木に発生している例がとても多い。
こちらは名古屋市東部の某貯水池の桜の木。
こんな感じで良く目立つ。
他にも、とある神社の御神木?の大枝に
びっしりと発生していて枝全体が赤く見えたのがあったのだが
車で走行中に見掛けた物だった為に、
画像を撮る事が出来無かったのは残念だった。
東大阪時代には在住17年で2度しか遭遇出来なかったのだが
名古屋では毎年必ず何度も遭遇している。
名古屋はヒイロタケに取ってとても居心地の良い場所の様だ。
だが、今までヒイロタケの事を当方は
簡単な内容しか書いて来なかった。
その所為か「桜の木 赤いキノコ」の語句で検索すると
何故かこぶ病の記事(→こちら)がhitしてしまう。
期待を持って開いたら、さぞがっかりされた事だろう。
そこで、改めてヒイロタケの事をちゃんと書いてみようかと。
先に書いたが、ヒイロタケは良く目立つ赤いキノコだが
その色合いは個体差が大きい。
こちらは赤橙色の個体。
その3週間後の様子。
幼菌の時よりは若干赤みが強くなっている。
こちらは別の個体。
名古屋ではこんな感じの色合いの個体が多い様だ。
こちらは赤味の強い個体。
裏側は更に鮮やかな赤。
こちらはやや沈んだ色合い。
ちょっと古くなった個体だろうか。
こちらは更に沈んだ色合い。
赤錆色とでも言うべきか。
古い個体なので沈んだ色になったのだろうなぁ。
こちらは成長の様子を。
アベマキ?の丸太に点々と生えだした所。
その18日後の様子。
かなり傘が広がっている。
この先を観察出来無かったのは残念。
ヒイロタケはカワラタケと同様に
多数重なって発生するのが普通なのだが
時には妙な生え方をする。
こちらは樹皮の表面に背着的に広がっていた個体。
管孔が普段とは真逆の向きになるのだが
胞子の飛散には影響無いのだろうかなぁ。
こちらは普通に生えていた個体の足元に
背着的に広がっていた個体。
こちらは胞子の飛散には影響無さそうだなぁ。
ヒイロタケとよく似たキノコにシュタケがある。
そちらは朱色のキノコ、と言う事になっているが
表から見ただけではヒイロタケと区別が付かない。
肉眼的に差異があるのは孔口の大きさ。
ヒイロタケは一見しても判らないくらい孔口が小さいが
シュタケは孔口がかなり大きい(→こちら※かなり古い個体の様子)。
ただ、webで検索しても
ヒイロタケとシュタケは混同されている様で
シュタケとされていてもヒイロタケに見える個体の画像もある。
もう一つの肉眼的判別法としてヒイロタケに比べて
シュタケの方が子実体の厚みがある、と言うのだが
当方が揚げた画像を見ても厚みの個体差もかなり大きい様だ。
それが環境による変化なのか、系統差による物なのか、
またはDNA的には別種になるべき物なのかは判らない。
因みに、ヒイロタケは南方系、シュタケは北方系との事。
残念ながら当方はまだシュタケに遭遇した事は無い。
ヒイロタケは子実体だけでなく菌糸も赤い様子。
こちらはヒイロタケの生えていた枯れ枝の断面。
材がヒイロタケの菌糸で赤くなっている。
取り残された部分をよく見ると
黒い線で囲まれている様になっている。
これは恐らく、この部分は別の菌が入っていて
ヒイロタケとの境界線争いが
この黒い線となって見えているのだと思う。
さてこのヒイロタケ。
古くなると色は褪せてしまう。
こちらはやや褪せ始めた状態。
更に褪せた状態。
白く色が抜けた部分が環状になっている。
色の白い部分が増えて来た。
更に白くなり、赤い部分が環状に残っている。
殆ど全体が白くなってしまった。
赤い痕跡があるのでヒイロタケの老生体だと判るが
それが無かったら別種のキノコとして
判断してしまっていたかも知れない。
こちらは褪色の3段階が並んでいる。
ヒイロタケの枯死後の経過を一望出来るなぁ。
標本として持ち帰りたかったけど
丸太が重くて断念・・・・・・
因みに、ヒイロタケを煎じて飲むとガンに効く、と
何処かで見た記憶があるのだが真偽の程は不明。
また、出汁取りに使える!?ともあったが、それも不明。
所で、オオクワガタマニアの間で言われている秘伝に
「オレンジ色のカワラタケを探せ」と言うのがある、との事だが
此処で言われている「オレンジ色のカワラタケ」とは
ヒイロタケの事では無くニクウスバタケの事。
ニクウスバタケを上から見るとヒイロタケとよく似ているが
裏側を見ると全然違う。
この状態から「肉色の薄歯茸→ニクウスバタケ」と
命名されたのだろう。
ニクウスバタケについては以前に
簡単な記事を書いた事がある(→こちら)。
さて、これでヒイロタケを調べようとして
このblogに来られた方にはご満足ご納得頂けたでしょうか。
もしよろしければまた覗きにいらして下さいませ。
(^−^)