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赤団子を求めて 番外篇
今年の春。
名古屋市東部の某公園の赤団子病は
矢張り甘露を分泌していた。
akadango2015 (3).JPG

こちらは子実体の赤い色素が混入して
赤い甘露になっている。
akadango2015 (5).JPG
akadango2015 (6).JPG
akadango2015 (2).JPG
光が透過して綺麗♪

此処の赤団子病は矢張り
殆どまだ子実体が形成されていない状態の時に
甘露を盛んに分泌している。
あまりに分泌しているので下に垂れている所が何か所もあった。
akadango2015 (1).JPG
akadango2015 (4).JPG
この中には分生子が含まれているのだろうなぁ。
子実体が殆ど形成されていないのに分生子を放出している、
と言うのも考えれば不思議な話だ。
わざわざそんな事をするからには
何らかのメリットがあるからなのだろうけどなぁ。
赤団子菌の考える事は良く判らないや。
それはともかく、今後も赤団子病の事は
追求して行きたいな、と。



所で、以前の記事で取り上げた「竹燕窝(もしくは「竹燕窩」)」。
その後も色々調べようとしたのだが
何の手掛かりも無いままに月日が過ぎてしまった。
とにかく情報が少な過ぎて八方塞がりの状態。
ならばまず、その実物を見てみたい。
発生現場を見るのはとても難しいが
中国国内では流通・市販されているのだ。
取り寄せが出来無いか中国物産店で聞いてみようかな。
幸い当方の住んでいる地域にはそう言う店が幾つもあった。

事前に問い合わせようとしたが、メール受け付けは無い様だ。
電話で尋ねるにしても「竹燕窝」を上手く説明できる自信は無い。
そもそも「竹燕窝」をどう発音するかすら判らない。
日本語読みの「チクエンカ」で通じるとも思えない。
なのでこんなチラシを作り
直接見て貰った上で聞く事にした。



取り敢えず店舗を訪ねる事に。
と、幾つもあった中国物産店が軒並み閉店しているでは無いか。
家の近くとは言え、あまり通らない道沿いだったので
閉店して居た事に気付かなかった。
いやぁ、参ったなぁ・・・・・・

仕方無いので繁華街の中国物産店をwebで検索。
割と大きな規模の店があったのでバイクで出向く。
するとそこも閉店したのか、何の痕跡も無かった。
店のサイトも作ってあって、今でも稼働しているのに店舗自体が無い。
閉店したのにサイトの契約はそのままだったのだ。
良く見ると更新は4年前で止まっていた。
4年前の9月の「上海蟹入荷!」の更新が最後で
丁度時期的に合致していた為に気付かなかったよ・・・・・・

2013年にOPENして大々的に情報発信して居た店も
今年の7月には閉店してしまったらしい。
その大々的な発信はそのままで
閉店した情報が一切無かったので判らなかった。
その場所に行ったら建物はがらんとしていて
その場所に何かの店を開こうと下見に来たと思しき若い男性と
不動産屋の担当者が中で何か話をしていた。

この数年で中国物産事情に何か大きな変化があったのだろうか。
そう言えば某ビル内の中国雑貨チェーンの「大中」も
いつの間にか無くなっていたしなぁ。
とにかくバイクで簡単に行ける範囲の中国物産店は
悉く無くなってしまった様だ。

仕方無いので再びwebで「竹燕窝」を色々と検索。
すると日本国内で中国物産の通販をしているサイトで
「竹燕窝」を扱っている所が一件だけhitした!
しかも「四川蜀南竹海特産」の
「特級14年純野生新鮮竹燕窝」との事。
これは買わねばっっ!!

早速注文。
一袋792円との事。
思ったより安い。
でも送料が幾ら掛かるのだろうか。
そこがちょっと怖いなぁ。
でも折角だから思い切って買おう。

翌日サイトから返信が。
恐る恐る請求金額を見ると「0円」となっている。
???と思って本文を良く見ると
「水が付いてるので 通関ができません どうぞご了承ください」
との事。
何じゃそりゃ。
なら何故そんなのをサイトに載せた!?
訳判らん。

恐らくこのサイトが取り扱おうとしていたのは
袋詰めの物だったのだろう。
ナマ物は通関手続きがややこしいからなぁ。
瓶詰缶詰なら通関可能だろうけど
それは守備範囲外の様子。

もう一度書く。
何故そんなのをサイトに載せた!?
期待が大きかっただけにがっかりだ。
結局、入手不可能と言う事か。
「竹燕窝」の正体も不明のままだなぁ・・・・・・



所で当方はキノコマニアであるが
同時に「キノコの書籍コレクター」でもある。
新刊は元より、古書でもキノコ関係の文献を見付けると
買わずに居れない。
勿論、ウン万ウン十万もする様な高額な物は無理だが
ついつい買ってしまうのだ。

その日もamazonでキノコの新刊書のチェックをしていた。
いや、便利な時代だ。
すると新たなキノコ図鑑の発刊情報がhit。
それがこちら。
miyazaki.jpg
地方のキノコ図鑑は特に当方の好物だ。
しかも宮崎の図鑑とは珍しい。
宮崎県には世界的な珍菌「キリノミタケ」がある。
表紙の左上の画像がそれだ。
どうやら「キリノミタケ」に関する
詳しい情報が載っているらしい。
なので当然購入する事に。
いや、本当に便利な時代だ。

数日後届けられたので早速拝見。
本の間に出版社のパンフレットが挟まれていて
手にした瞬間そのページが開かれた。
と、目に飛び込んで来た画像に息を飲んだ。



こ、これはどう見ても「竹燕窝」では無いかっっ!!!
何故こんな所に「竹燕窝」がっっっ!!??

半ば震えながら解説を読んだ所
「南九州では、方言で「キンチク」と呼ばれるホウライチクが
 各地に見られる。(中略)南アジアから中国南部にかけての
 熱帯地域が原産の竹である。」
「ホウライチクは夏に筍が出る。(中略)この筍の根元に
 かき氷のようなものが落ちていることがよくある。(中略)
 初めは白色だが黄色に変色し、最後は墨をこぼしたような
 ドロドロの真っ黒な物質になるのである。」
「筑波大学の出川洋介博士によると、この正体は
 子のう菌であるすす病の一種とのことである。
 (中略)ホウライチクの根元のすす病は、
 珊瑚のようにこんもりと大きくなる特徴から
 「サンゴすす病」と仮称で呼んでいる。
 サンゴすす病の発生の原因は、
 ホウライチクの筍に集まるタケノツノアブラムシの
 排泄する糖分である。」

との事。
外見的形態だけで無く、発生環境、発生要因からしても
「竹燕窝」と合致している。
「竹燕窝」は「サンゴすす病」、
もしくはその近縁種と考えて良いだろう。
因みに宮崎県ではこれを食べる文化は無いらしい。

取り敢えず、「竹燕窝」の正体はほぼ判った。
詳細は引き続き不明ではあるが
全くの正体不明!では無くなったのだ。
それだけでも当方に取っては大きな前進だ。
発生現場を探訪する事も
中国の四川省貴州省よりは宮崎県の方が可能性が高いしね。
いやぁ、宮崎県に「竹燕窝」があったなんてなぁ。
まぁ、それはそれとして
今後も「竹燕窝」の事は色々探って行きたい物だ。

それにしても求めている情報と言うのは
どんな所に転がっているか判らないもんだなぁ。
しかも、誰よりもその情報を欲していた当方の元に
送られて来たその本の、正にそのページが開かれる様に
パンフが挟まれていたなんてなぁ。
偶然なのだろうが、運命としか思えない。
世の中面白いなぁ。
だからこそ怖いなぁ・・・・・・


因みにこの『宮崎のきのこ』。
新聞の連載コラムを元した、というだけあって
キリノミタケや、この「サンゴすす病」以外の項も
ただの生態解説だけでなく
人間社会との関わり、宮崎県のきのこ文化などにも触れていて
「菌類民俗学」に傾倒している当方には
とても興味深い、実に有難い内容の「きのこ図鑑」。
他書には無いキノコも幾つも載っており
読み物としても楽しめるので
キノコ好きの皆様には是非お勧めの一冊です。
(amazonの当該ページ→こちら


※過去記事も併せてお読み頂けましたら幸いです
 アーカイブス→こちら



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| 植物寄生菌 | 02:10 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
興味深い菌がたくさんアップされるので、いつも楽しませてもらっています。
菌糸が「サンゴすす病」のようにスポンジ状の塊を呈する種として、北米のScorias spongiosaも知られています(googleで画像検索すると沢山ヒットします)。「サンゴすす病」が所属すると考えられているScorias属の基準種です。こちらは北米のブナ属に寄生するアブラムシに由来する糖質を利用しているようですね。
| K.Y | 2016/03/16 6:34 PM |

>>K.Yさん
貴重な情報、有難う御座居ます!
「ブナ属に寄生するアブラムシ」と関係がある「サンゴすす病」もあるのですね。
それが食用になるのかどうかも気に掛かる所です。

名古屋近辺で発生する種類が無いのが実に残念です・・・・・・
| まねき屋 | 2016/03/17 9:55 PM |
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