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薄葉

ある日のこと。
近所の住宅街の中の小さな神社を散策。
何かキノコが生えてないかなぁ。
だが土壌が整備されすぎていてキノコ的には今一つ。
住宅街だし場所的にはまぁ、こんなもんか。

帰ろうとふと脇に目をやると
丸太を積み上げた物が。
年始の篝火やお焚き上げ用の薪なのだろうなぁ。
と、それに何かキノコが生えているのが見える。
kgnusbtak (1).JPG
カワラタケかな?
いや、ちょっと違う感じだ。
でも、それ系の硬質菌だなぁ。


この手の物は種類が多いのだが外見の似た物、

同じ種類でも個体差が大きく外見だけでは判別の難しい物が多い。
これも種不明として処理せざるを得ないかなぁ。
でも一応撮影しておこうかな。

 


まずは上から撮影。

kgnusbtak (2).JPG

やっぱりカワラタケぽいけどちょっと違うなぁ。
念のために裏側も撮影しておこう。
裏側の様子が種の決め手になる事もあるしね。

で、裏側を見る。

kgnusbtak (3).JPG

kgnusbtak (10).JPG

kgnusbtak (4).JPG

と、これは!!!?

硬質菌にありがちな管孔状ではない。

板状の鍾乳石の様な物がびっしりと並んでいる。
こういう形状の物を「薄葉状」(または「ヘラ歯状」)と言う。
しかも鮮やかな黄金色。
これは恐らく「コガネウスバタケ」だろう。

コガネウスバタケは発生が多くないからなのか
発生していても目立たないからなのか
掲載されている図鑑もwebでの情報も少ない。
掲載されている図鑑でも、
あまり目立たない様な扱いをされている。
こんな綺麗な黄金色なのになぁ。

その薄葉。
本当に綺麗だよなぁ。
視点を変えると次々に違う同心円が見えてくる。

kgnusbtak (5).JPG

kgnusbtak (6).JPG

kgnusbtak (7).JPG

kgnusbtak (8).JPG

kgnusbtak (9).JPG

kgnusbtak (12).JPG

kgnusbtak (13).JPG

まるで指紋みたいだw

 

ん?同心円???

図鑑を見てもwebを見ても
コガネウスバタケの薄葉は同心円状とはなっていない。

掲載されている数少ないキノコ図鑑でも

 

 『日本のきのこ』

   ── 放射状に並ぶ薄葉状の突起

 『続原色日本新菌類図鑑』

   ── ほぼ放射状に並ぶ薄葉状の突起をそなえ、

      しばしば長い溝状〜迷路状の網目を作る

 『YAMA-KEI Field Books きのこ』

   ── 不規則でひだに近い迷路状〜網目状

 

となっている。  

 

念の為に画像検索をしてみると、

薄葉が同心円状になっている画像は無い様だ。(→こちら

となると、このキノコはコガネウスバタケとは違うのか?

薄葉が同心円状に並ぶ近縁種があるのだろうか。

それとも、個体差の範疇でたまたまこうなっしまったのだろうか。

顕微鏡を持たない当方にはこれ以上探りようが無い。

うーむ・・・・・・

 


考えたら大概のキノコは
同心円状に組織が広がって大きくなって行くのだから
ヒダに当たる薄葉の部分が
同心円状に分布・整列している方が自然な気がする。

逆に言えば多くのキノコのヒダが
放射状に並んでいることの方が不思議だ。
当方が追い続けているウズタケ等、同心円状のヒダのキノコが
発生の少ない珍菌である事が逆に不思議だ(ウズタケまとめ→こちら)。


キノコにとってヒダを同心円状で無く
放射状に配置させることの方が得な理由が何かあるのだろうなぁ。

それは恐らく、その方が省エネなのだろう。

何故そうなのかは良く判らないのだが。

 


先に書いたがこの丸太。
篝火やお焚き上げ用の薪なので

恐らく今度の正月には燃やされてしまうだろう。
この謎のコガネウスバタケ?も
恐らく燃やされてしまうのだろう。

今後、またこのキノコに遭遇出来たら

薄葉がどう並んでいるのかを確認したい。

また、これはコガネウスバタケだ!と確信出来るキノコにも遭遇したい。
更に、他の薄葉状の傘裏を持つキノコが
どの様な配列になっているのかを、ちゃんと確認したいと思う。

 

 


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