CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
<< ウラスジ | main | 2018名古屋ヤマドリタケモドキ事情 >>
ヒポミケス菌あれこれ

当blogで何度も取り上げているのだが

当方が惹かれている物にHypomyces(ヒポミケス)菌がある。
キノコに寄生する菌で寄主となるキノコによってその種類も違っている。

 

※今回取り上げた菌種には殆ど和名が無い為、全て学名で表記しています。

 読み難い点はご容赦下さい。


フィールドでは Hypomyces chrysospermus

(ヒポミケス クリソスペルムス)、

別名 Sepedonium chrysospermum

(セペドニウム クリソスペルムス)、和名アワタケヤドリが
各種のイグチ類に寄生しているのに良く遭遇する。

 

こちらはクリイロイグチ?に寄生した物。

最初はこの様に白い菌糸で覆われる。

Sepe-180630 (1).JPG

段々に黄色味を帯びる様になり

Sepe-180630 (2).JPG

成熟すると黄橙色になるので良く目立つ様になる。

Sepe-180630 (3).jpg

Sepe-180630 (4).jpg

名古屋東部はこの菌に取って余程棲みやすい環境なのか遭遇しない年は無い。

そこら中がこの菌だらけで寄主のイグチ類が枯渇してしまうのではないか、と

心配になってしまうぐらいの年もある程だ。

 

 

こちらはカワラタケに寄生した物。

何故かこの部分だけが地面に転がっていた。

hyp-kwr180630 (4).JPG

hyp-kwr180630 (5).JPG

 

こちらは別の場所で古くなったカワラタケに寄生していた物。

hyp-kwr180630 (1).JPG

hyp-kwr180630 (2).JPG

hyp-kwr180630 (3).JPG

カワラタケに寄生する橙色系のHypomyces菌としては

Hypomyces aurantius(ヒポミケス アウランティウス)と

Hypomyces subiculosus(ヒポミケス スビクロサス)等がある。

どちらも肉眼での判別はまず不可能。

顕微鏡を持たない当方には判別が出来無い。

 

 

そしてこちら。
クラガタノボリリュウタケに寄生している物。

hyp-krgtnbrrtk180630 (1).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (2).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (3).JPG

恐らくHypomyces cervinigenus(ヒポミケス ケルビニゲヌス)だろう。

 

こちらは成熟しつつある物か。

hyp-krgtnbrrtk180630 (4).JPG

 

黄褐色となって寄主はモロモロの塊になってしまっていた為、

手にしただけで崩れてしまった。

hyp-krgtnbrrtk180630 (5).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (6).JPG

矢張り橙色系になるのだなぁ。

勿論Hypomyces菌全てがそうだ、と言う訳では無いのだけど。

 

こちらでは罹患した個体と、今の所健常な個体が隣り合って生えていた。

hyp-krgtnbrrtk180630 (7).JPG

色の違いが顕著なので判りやすい。

 

こちらも手前の個体は一部が白くなって来ている。

hyp-krgtnbrrtk180630 (8).JPG

これも遠からず全体が真っ白になるのだろうなぁ。

 

健常の個体と罹患した個体を並べてみる。

hyp-krgtnbrrtk180630 (9).JPG

hyp-krgtnbrrtk180630 (10).JPG

違いが歴然としているなぁ。

 


実はこの仲間には今までに何回か遭遇していた。

最初はこちら、京都の某所にて。

寄主は恐らくナガエノチャワンタケ。

hyp-fumei090702.JPG

ざっと周囲を見渡したが、この一個体しか確認出来なかった。

暗く不安定な場所だったので撮影が上手く出来ず

綺麗に撮れたのはこの一枚だけだったのは残念だった。

 

続いて、長野県某所にて。

こちらも寄主はナガエノチャワンタケかと。

hyp-ngencwntk090922 (1).JPG

hyp-ngencwntk090922 (2).JPG

hyp-ngencwntk090922 (3).JPG

hyp-ngencwntk090922 (4).JPG

周囲を見渡したが2本のみだった。

 

こちらは各務原市内にて。

小型のクロノボリリュウタケに寄生した物。

hyp-krnbrrtk160614 (1).JPG

hyp-krnbrrtk160614 (2).JPG

hyp-krnbrrtk160614 (3).JPG

hyp-krnbrrtk160614 (4).JPG

この時は1m四方程の大きさの範囲に

小型のクロノボリリュウタケが幾つも発生しており

その多くの個体が Hypomyces菌に寄生されていた。

 

※先の長野のナガエノチャワンタケ寄生の個体にしても

 こちらのクロノボリリュウタケ寄生の個体にしても

 成熟した物は灰褐色になっています。

 画像検索で見ると Hypomyces cervinigenus の成熟体は

 灰褐色になっている物が多い様です。

 でも、最初のクラガタノボリリュウタケ寄生の物は橙褐色になっています。

 Hypomyces cervinigenus を記載している様々なサイトを見ると、

 サイトによって胞子の色は「薄茶色」「ピンクがかった淡褐色」

 「肌色」「淡褐色」等と様々です。

 という事は系統差や個体差で色合いは変化が大きい、と考えて良い様です。

 なので、どれも Hypomyces cervinigenus として扱う事にします。

 

Hypomyces cervinigenus はご覧の様に

ノボリリュウタケ属のキノコに寄生する菌だ。

当方の行動範囲でノボリリュウタケ属のキノコの

発生自体があまり多くないのだが
体験的に言えばノボリリュウタケ属のキノコに遭遇すると

高い確率で Hypomyces cervinigenus に遭遇している。

と言う事は Hypomyces cervinigenus の感染力は強く

多くのノボリリュウタケ属のキノコが罹患してしまっている、

と言う事なのだろうかなぁ。

あくまでも当方の行動範囲での話だけども。

 

 

多くのイグチ類に寄生する Hypomyces chrysospermus だが

イグチ科の中でも種類によって抵抗性の高低がある様で

罹患しているのを見た事のないイグチの種類もある。

だが、イグチの種類その物がとても多いので

寄主の獲得には苦労しない、と考えられる。

 

それに対し、ノボリリュウタケ属のキノコその物が

「イグチ科」と言う大集団に比べると絶対数でかなり少ない。

となると Hypomyces cervinigenus はその点では不利だと思われる。

どうしてそんな寄主を選んでしまったのだろうかなぁ。

 

 

以下、想像と言うか、妄想を書いてみる。

Hypomyces chrysospermus がイグチ科を寄主として選んだ時には

イグチ科はこんな大集団になっていなかったのかも知れない。

ひょっとしたら当時はノボリリュウタケ属の方が個体数が多く

Hypomyces cervinigenus の方が栄華を誇っていたのかも知れない。

Hypomyces chrysospermus は隅に追いやられていたイグチ科を

仕方なく寄主にした所、その後地球環境の変化で

イグチ科はキノコ全体の中でも大所帯に進化・分化した為に

Hypomyces菌の中でも Hypomyces chrysospermus が

一番目に付くようになったのかも知れない。

そして、イグチ科は様々な種類に進化・分化した為に

種によって Hypomyces chrysospermus に対する耐性の差異が

大きいのでは無いだろうか。

 

しかし、そうなるとカワラタケ寄生のHypomyces aurantius と

Hypomyces subiculosus はどうなんだろうかなぁ。

カワラタケは発生数、個体数で言うとかなり多いはずだ。

フィールドではあまりにもしょっちゅう遭遇するので

余程何かのインパクトのある状態でないとスルーしてしまい

逆に撮影する機会が少ないキノコ、と言える程だ。

だが、Hypomyces菌に罹患したカワラタケを見る機会は

カワラタケの絶対数に比べて圧倒的に少ない。

Hypomyces aurantius 及び Hypomyces subiculosus は感染力が低い、

逆に言えばカワラタケはHypomyces菌に対する耐性が高い、

と言う事なのだろうかなぁ。

 

そもそもHypomyces菌のそれぞれが、

どの時期・何時頃に寄主はこれだ!と定めたのだろうか。

そして寄主にされた各々のキノコは

それによってその後の進化の方向や速度に

何か影響を受けたりしたのだろうかなぁ。

当方にはさっぱり判らない。

そう言う研究をしている人がいるのかどうかすら知らないし。

 

進化の系統樹の中でそれぞれがどう位置付けされているのか判らないが

それを見れば何か見えて来る物があるのかも知れないよなぁ。

逆に、それを見れば当方がダラダラと書いた上記の内容が

全くの妄想でしかない事が歴然とするのかも知れないけれど・・・・・・

 

 

所で先に書いた様に Hypomyces cervinigenus は

ノボリリュウタケ属のキノコに寄生する。

実は前回の記事で取り上げたウラスジチャワンタケ

ノボリリュウタケ属のキノコの一種なのだ。

と言う事は Hypomyces cervinigenus に罹患した

ウラスジチャワンタケに遭遇する機会もあるかも知れない。

それは是非見てみたい物だなぁ。

 

フィールドを探索する楽しみがまた一つ増えた(^-^)

 

 

※Hypomyces菌関連の記事のアーカイブ→こちら

 

 


にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へにほんブログ村 花ブログ きのこへ人気blogランキングへ

| その他 | 00:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kinoko-nikki.hariko-manekiya.com/trackback/994040
トラックバック