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ハナビラ色々

こちらはハナビラタケ。

hnbrtk2019 (3).JPG

hnbrtk2019 (2).JPG

 

岐阜県旧荘川村の某所、モミの木の根元に
大きな塊がまるで其処に置かれた様に生えていた。

hnbrtk2019 (4).JPG
ハナビラタケは食キノコ。
近年では栽培品も売られている。
 
ハナビラタケの名はその見た目から。
この個体は淡褐色だが、もっと色の薄いタイプだと
白い花びらが一塊になった様だ。

hnbrtk2019 (8).JPG

hnbrtk2019 (5).JPG

 

因みに栽培品はかなり白いので

「ハナビラタケ」の商品名により似合う様に

色の白い系統を選抜しているのだと思われる。

                   Mマートさんのサイトより引用

 

真っ二つに切るとこんな感じ。

hnbrtk2019 (7).JPG

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幹状の部分を中心にハナビラが広がっているのが判る。

断面に年輪の様な縞模様が見えているが、これが本当に年輪の様に

成長速度の違いを表しているのかどうかは不明。

 

因みにこの時はホイル焼きで食べた。

hnbrtk2019 (6).JPG

(゚д゚)ウマー

 

こちらは老菌。

hnbrtk2019 (11).JPG

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採り頃を過ぎるとこんな感じなのだなぁ。

また来年、遭遇出来たら良いなぁ。

  
 
こちらはハナビラニカワタケ。

hnbrnkwtk2019 (4).JPG

hnbrnkwtk2019 (1).JPG

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色の個体差はかなりあるが、赤みがかった淡い色が多い。

 

こちらはやや古い個体。

hnbrnkwtk2019 (2).JPG

若干萎れかけている。

 

こちらは更に古い個体。

hnbrnkwtk2019 (5).JPG

一部、溶け始めている。

 

こちらは更に古い個体。

hnbrnkwtk2019 (8).JPG

hnbrnkwtk2019 (9).JPG

殆ど溶けている。

 

その10日後。

hnbrnkwtk2019 (12).JPG

どんどん溶けている。

 

更に17日後。

hnbrnkwtk2019 (11).JPG

最末期。

経過観察していたからこれがハナビラニカワタケな事は判るが

これだけにいきなり遭遇したら何が何だか判らないよなぁ。

 

こちらは古くなった上に

乾燥して萎びている状態だと思われる。

hnbrnkwtk2019 (6).JPG

hnbrnkwtk2019 (7).JPG

 

こちらは古くなって萎びかけなのか、

生え始めだけど乾燥してしまったのかは不明。

hnbrnkwtk2019 (10).JPG

 

こちらは発生初期。

hnbrnkwtk2019 (13).JPG

別の種類のキノコ(例えばモモイロダクリオキン→こちらにも見えてしまうが

近くに別のハナビラニカワタケがあったので

これが発生初期の状態と考えて良いだろう。


ハナビラタケと名前もパッと見も似ているが、実は全く別の種類。

ハナビラタケは分類学的に言うと

 菌界
  └担子菌門
    └ハラタケ鋼(真正担子菌鋼)
      └タマチョレイタケ目
        └ハナビラタケ科
          └ハナビラタケ属
            └ハナビラタケ

 

ハナビラニカワタケは
 菌界
  └担子菌門
    └シロキクラゲ鋼(異型担子菌綱)
      └シロキクラゲ目
        └シロキクラゲ科
          └シロキクラゲ属
            └ハナビラニカワタケ

 

と、「鋼」から違っている。
「鋼」が違うと言う事は「ヒト」を基準に考えた場合、
脊椎がある事が共通しているだけで
「ヒト」と「魚」「カエル」「キリン」位の遠さと言える。

他人の空似、と言った所だろう。

 

因みに、「鋼」の名前にもなっているシロキクラゲはこちら。

hnbrtk2019 (1).JPG

ぱっと見はハナビラニカワタケに確かに似ている。

白いハナビラタケの方が似ているとも言えるが

実物で比較するとシロキクラゲの方は透明感がある点が違う。

 

ハナビラタケに比べるとハナビラ部分に厚みがあるのが

外見的な大きな違いだ。

ただ、ハナビラタケは淡褐色〜灰白色だが
ハナビラニカワタケは赤みがかった色合いで、

個体によってはそれこそ花の様に綺麗なので
どちらかと言えばハナビラニカワタケの方が

花びらぽいと言えてしまいかねないのがややこしい所だが。

 

因みにハナビラニカワタケは食べられる。
一度だけ食べた事があるが、柔らかいキクラゲの様だった記憶がある。
図鑑には「良い出汁が出る」とあったが
当方はその時は特にそう感じなかった。
ひょっとしたら雨に当たって

風味が抜けてしまっていた個体だったのかもなぁ。

 


こちらはクロハナビラニカワタケ。

krhnbrnkwtk2019 (3).JPG

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krhnbrnkwtk2019 (5).JPG

分類学的に言うと

 菌界

  └担子菌門
    └シロキクラゲ鋼
      └シロキクラゲ目
        └シロキクラゲ科
          └シロキクラゲ属
            └クロハナビラニカワタケ

 

ハナビラニカワタケと「属」まで一緒なので
「ヒト」を基準に考えた場合、
ネアンデルタール人や北京原人くらいの違い、
獣で言えばライオンとジャガー、虎ぐらいの違いだ。
かなり近いと言える。

 

だが、実際に見てみると
クロハナビラニカワタケはハナビラニカワタケに比べると
シロキクラゲの仲間と言う程には厚みを感じない。
薄さの点ではハナビラタケに近いと言える。
だが、分類学で言うと「ヒト」と「魚」くらいに遠いのだ。
ホント、キノコは難しいなぁ。

 

尚、ハナビラニカワタケとクロハナビラニカワタケは

実は同一の種類なのだと主張する研究もある、との事。

ますますもって、良く判らないw

 

クロハナビラニカワタケの裏側はこんな感じ。

krhnbrnkwtk2019 (6).JPG

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断面は撮っていないので厳密には比べられないのだが
ハナビラタケの様に「幹」に当たる部分は無く
一点の根元からワサワサ分岐している様だ。
その点では確かにシロキクラゲと共通している。

 

こちらはやや古いクロハナビラニカワタケ。

krhnbrnkwtk2019 (1).JPG

全体に萎び始めている。

 

こちらはかなり古い個体。

krhnbrnkwtk2019 (2).JPG

殆ど溶けてしまっている。

近くに別のクロハナビラニカワタケがあったので

それの末期的な個体だと判断したのだが

勿論そうだと断言出来る訳では無い。

 

因みにクロハナビラニカワタケは食毒不明との事。
近縁には食べられる種類が多いので
クロハナビラニカワタケも可食の可能性が高い。
実際、クロハナビラニカワタケの可食と書いているサイトもあったが
少なくともweb上では試食例を見付けられなかった。

 


こちらはクロハナビラタケ。

krhnbrtk2019.JPG
名前は上記の種類と似ているが外見はかなり違っている。
上記の3種はカリフラワー状にワサワサしているのだが
こちらは皿状の物が群生している、と言った感じ。
暗い場所に発生していて、黒い小さなキノコだった為に
当方の技術では上手く撮影出来無かったのが残念だった。

 

因みに分類学的には

 菌界

  └子嚢菌門
    └ズキンタケ鋼
      └ビョウタケ目
        └ビョウタケ科
          └クロムラサキハナビラタケ属

           (クロハナビラタケ属)

            └クロハナビラタケ

 

何と「門」から違っている。

「門」が違うと言えば「動物(生物)」と言う点で共通しているだけの
「ヒト」と「ウニ」「ミミズ」「カブトムシ」くらい程遠い。
それなのに、こんな似た名前と言うのもどうなのかなぁ。


因みに、クロハナビラタケの上位の括りはビョウタケ目。

その名の基準となっているビョウタケはこちら。

bytk2019.JPG

正に、画鋲を刺したような外見だ。

 

大枠の形で言えば確かにクロハナビラタケは

ハナビラタケやクロハナビラニカワタケに比べると

ビョウタケの仲間の方だ、と言うのはお判り頂けるだろうか。


さて、このクロハナビラタケは毒キノコとの事。
中国名では「毒木耳」、つまり「ドクキクラゲ」と言う由。
その名の通り、キクラゲと間違えて食べてしまった為に

中毒してしまった人が居たのだろう。

因みにキクラゲはこちら。

kkrg2019.JPG
だがクロハナビラタケはキクラゲと比べると一つ一つはとても小さい為
採取も調理する手間も結構な物だと思うのだがなぁ。
その点で違和感を感じなかったのだろうかなぁ。

 

因みにキクラゲは分類学的に言うと

 菌界
  └担子菌門
   └シロキクラゲ綱
     └キクラゲ目
       └キクラゲ科
         └キクラゲ属
           └キクラゲ

 

と、「門」から違うので全く遠い関係と言える。

他人の空似どころでは無いし、そもそもそんなに似ているとも思えない。

 

でもまぁ、クロハナビラタケの事を予め知らなかったら
「これは小さなキクラゲだ!」と思い込んでしまうかもなぁ。
そう思い込まないとこれを食べようとは中々思わないよなぁ。
と言うのは当方の想像でしか無いのだけれど。

 

それはともかく、そうやって食べた人が居たからこそ
クロハナビラタケが毒キノコである事が判った訳で。
だから当方はクロハナビラタケを

うっかり食べずに済んでいる訳で(かな?)。


クロハナビラタケが毒キノコだと言う事を
身をもって証明してくれた人、どうも有難う!

 

 

 

所で「毒キノコ」と言えば
この度菌友・畏友で日本唯一のキノコライター・堀博美氏が
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タイトルの通り、全編が毒キノコについての本。

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ヒグチユウコ氏のカバーがまた素晴らしい。
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とにかく全編毒キノコの事が詳細に、
そしてとても読みやすく纏められているので
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また、発売記念イベントも開催される由。

そちらも是非(・∀・)つドゾー(Loft PlusOne Westのサイト→こちら

 

 

※本文中の分類学的位置付け部分は2019年10月現在の物です。

 今後、表記や内容が変わる可能性もあります。

 


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コメント
いつから家系図屋になったんっすか?w
| きのこ堂  ちば! | 2019/11/03 7:17 AM |

>>きのこ堂さん
やんごと無き家の出なのでつい・・・・・・( ̄∀ ̄)
| まねき屋 | 2019/11/03 4:12 PM |
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